運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1961-10-30 第39回国会 衆議院 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年十月三十日(月曜日)     午前十一時三十六分開議  出席委員    委員長 加藤常太郎君    理事 青木  正君 理事 高橋 英吉君    理事 竹山祐太郎君 理事 丹羽喬四郎君    理事 島上善五郎君 理事 堀  昌雄君       小笠 公韶君    仮谷 忠男君       藏内 修治君    首藤 新八君       太田 一夫君    坂本 泰良君  出席国務大臣         法 務 大 臣 植木庚子郎君  出席政府委員         警  視  監         (警察庁刑事局         長)      新井  裕君         検     事         (刑事局長)  竹内 壽平君         自治事務官         (選挙局長)  松村 清之君     ――――――――――――― 十月二十六日  連座制強化に関する請願戸叶里子紹介)(  第一八四七号)  選挙区別人口議員定数の不均衡是正に関する  請願外一件(戸叶里子紹介)(第一八四八  号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十月二十七日  選挙制改正に伴う川薩地区市町村分離反対  に関する陳情書  (第六八八号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  公職選挙法改正に関する件      ――――◇―――――
  2. 加藤常太郎

    加藤委員長 これより会議を開きます。  まず、公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がございます。これを許します。坂本泰良君。
  3. 坂本泰良

    坂本委員 現在、公職選挙法改正の問題が、前国会で決定しました特別審査会ですか、それが発足いたしまして、いろいろと評論家、学者、実務家等が集まりまして改正の問題について検討しておるようでありますが、これは、われわれ国会において実際選挙に携わる者がその衝に当たるが適当である。従って、もし会期が長ければ、その具体的問題にまでわれわれは触れなければならない。さらに次の通常国会におきましては、今、別個の民間人を含めた審査会と申しますか、これが結論を得ましたならば、やはりそれはわれわれが国会において独自の見解においてその調査を進めて、公明選挙の達成、なかんずく買収違反の撲滅をはからなければその公明選挙の目的は達せられない、こういうように考えております。本日は時間もありませんから——とかく選挙が終わりまして、そうしていろいろ法改正等の問題が起こりますると、具体的の選挙違反の問題は等閑視されてうやむやになる、こういう傾向があるのはまことに遺憾であります。従いまして、われわれはりっぱな選挙法を作ると同時に、従来におけるところの買収選挙違反、こういうのは徹底的にこれを究明いたしまして、その上に立っての改正でなければならぬ、こういうふうに考えるわけであります。このような考え方に立って二、三質問を申し上げたいと思うのであります。  本日、警察庁刑事局捜査第二課の「警察選挙取り締まり上困難を感じている事項について」というものをもらったわけですが、これを拝見いたしますと、まことに困難なようでありますけれども、ある一部の文書違反については、検察庁は、われわれ弁護人としても当然罰金と思っているようなのを禁固六カ月の求刑をする、そうしながら片一方には買収悪質違反、そういうものを等閑視しておるというふうにわれわれには見受けられるわけです。従ってこの文書を見ますと、「選挙運動の定義が法文」何ら明確に規定されていないため、慣例として判例の解釈に従っているのであるが、判例によれば「選挙運動とは一定議員選挙につき、一定議員候補者を当選せしむべく、投票を得もしくは得せしむるにつき、直接又は間接に必要かつ有利なる周旋勧誘もしくは誘導その他諸般の行為をなすことを汎称するもの」としている。」この通りです。「このように選挙運動概念はきわめて広い。しかしながら事実上世間一般選挙運動と混同している政治活動個人の意見の伝達行為政治家としての社交活動、いわゆる地盤培養行為選挙のための準備行為等は自由であり、その概念相当広く、その範囲も明確でなく、両者の関係はきわめてデリケートである。」云々とありますが、そうならば三十五年の総選挙、三十三年の総選挙においても、文書違反なんかをどんどん取り上げて、そうしてやっておる、その反面、買収違反などがうやむやになっている、そのうやむやになっているところの言いわけを、困難だ、こういうふうに言っているとも考えられる。ですから、それならば、ある一部の者に対して峻烈な、労働運動の弾圧になるようなことをしながら、片一方において、困難だからというので、今さら言いわけをするというのについては、警察捜査についても非常に不公平な点があるのじゃないか、その取り扱いについて遺憾な点があるのじゃないか、こういう点も考えるわけであります。  それで私最初にお伺いいたしたいのは、昨年の十一月の総選挙において悪質買収違反逃亡者相当ありまして、前国会における私の質問の際には、三十数名のうちに出てきた者があるから、たしか——私その点の資料の控えがありませんから、数が違っておるかもしれませんが、二十九名くらいだ、こういうふうに承ったわけであります。それは本年の三月か四月ごろかと思うのです。従って、その逃亡者についてはその後どういうふうな状態になっているか、それを承りたい。
  4. 新井裕

    新井政府委員 今二十九名と仰せられましたけれども、現在は二十三名でございます。二十三名がつかまっておりません。去年の選挙指名手配になりました者は九十一名でありますけれども、六十八名をつかまえて、二十三名残っておるということでございます。  それからまた、お尋ねはございませんでしたようですけれども、われわれの方から、取り締まりに困難を感じている事項ということで出しましたものは、舌足らずな点がございまして、やや真意を十分におくみとり願えなかったかもしれませんが、実際われわれの方で取り締まりをして検挙いたしておる大部分は買収供応という実質犯であります。しかしながら、形式犯といえども、法律にきまっておって、ワクがきちっとしております以上、これを計画的に大規模でやっておる、こういうものについては、われわれも悪質犯と目してやっているわけでございます。
  5. 坂本泰良

    坂本委員 そういたしますと、この二十三名の問題については、時効もそろそろ近まるわけなんですが、これに対してはどういうふうの取り扱いをしておられるか。これは検察庁警察と両方からお聞きしたいと思います。
  6. 新井裕

    新井政府委員 二十三名は逃亡いたしておりますので、公選法の規定によりまして、二年の時効になる。みな買収供応違反でありますから、そうなるわけでございます。今までつかまった者を見ますと、一ヵ月以内につかまった者は半分ぐらいでございまして、その後になりますと、どうしてもつかまる人数が減って参りますけれども、いまだに全国手配をいたしまして、逮捕状の更新をしつつ、そのたびごとに注意を喚起して捜査をいたしておる次第でございます。
  7. 坂本泰良

    坂本委員 そうしますと、今警察の方のあれはわかりましたが、検察庁の方ではどういうことになっておりますか。
  8. 竹内壽平

    竹内政府委員 警察に協力いたしまして、極力所在の発見に努めることを第一義といたしておりますが、もう一つの方法としまして、共犯者起訴のできますものはどしどし起訴をいたしますことによって、その間の時効は停止になりますので、逃亡者につきまして時効期間の計算をしながら、時効にかからないように考慮をしつつ捜査を進めておる状況でございます。
  9. 坂本泰良

    坂本委員 そこで、これに関連をすることでありますから、三十三年の総選挙の点について二つだけ聞きたいのです。  その一つは、先般、私がちょうど富山県の三十三年の選挙の際の文書違反弁論をする日の前日か前々日、発表になりました、十月の十七、八日ごろと思いますが、「三年五ヵ月も逃走」という大きい見出しで、椎名氏の選挙事務長であった松川——これは元代議士でもあり、一関市長でもあった、椎名悦三郎派の出納兼総括責任者松川昌蔵夫妻、この方が、——片一方の方はずいぶん審理が長くかかったといわれながら、十月の十九日には弁論をしたわけなんです。ところが、その弁論をしたころ、三年五カ月間も逃亡してわからなかったそれが、自首をしておる。その新聞を見ますと、松川昌蔵氏は高血圧病院入院している、奥さんが検察庁に行っておられる、こういう新聞でありますから、その点については検察庁でその捜査がもうすでに——十月十七日の朝の九時の自首ですから相当期間たっておるわけです。  そこで、まず第一にお伺いしたいのは、この三年五カ月の間この松川昌蔵が、どこに何日、どこに何日、どこにどうしていたか、検察庁としては当然これを捜査最初調べなければならぬ、こう思うわけです。その点について明らかにしてもらいたいと思います。
  10. 竹内壽平

    竹内政府委員 ただいまの松川昌蔵夫妻の件でございますが、松川昌蔵氏は、新聞にも出ておりましたように、高血圧及び肝臓障害のために一関所在西城病院入院中でございまして、検察庁としましては、病状に支障のない限度において臨床尋問をいたしておる様子でございます。一方妻の敏氏は一関支部検察庁に、法律上の自首ではございませんが、進んで出頭して参りまして、自来取り調べを受けておりますが、去る二十五日身柄逮捕、収容いたしております。御質問のように、この両名が昭和三十三年の六月上旬所在が不明になりまして、自来警察を主力といたしまして極力その所在捜査に当たっておったのでございます。そういう関係から、検察当局といたしましては、もちろん逃亡しておったという判断をいたしております。従いまして、その逃亡経路事情等を明らかにすることは、今後起訴いたします場合に必要な事項でございます。従って、ただいま鋭意取り調べ中でございますが、昌蔵氏に対しましては、今申したような病状でございますので、取り調べが進行しておることとは思いますけれども、なお詳細なことはまだ報告になっておりません状態でございます。
  11. 坂本泰良

    坂本委員 選挙違反内容買収違反で、その買収額が幾らでどうだというようなことは、われわれは新聞報道以外に知らない。しかしながら、もちろんその内容捜査関係もありましょうが、しかし少なくとも三年五カ月間、しかも夫婦ともわからない。しかしながら、自首して出たときはれつきとした一関病院入院をしている、地元におったわけですね。だから、これがどうして警察にわからなかったか、そうして自首して出たから、もちろん刑事訴訟法に基づいて自首取り扱いをするでしょうけれども、しかしこれは、三年五ヵ月間も逃亡していたのだから、今さら自首といっても、私は自首にならぬと思うのです。それはそれといたしまして、まず出てきたならば、国会でもあれだけ、数回問題になったものでありますから、まず三年五ヵ月間の足取り、これはもう五日間か一週間のうちにわからなければならぬはずだと思うのです。これは単に一検事の取り調べにまかせずに、検察庁が全力をあげてその足取りをはっきりしてやらぬことには、昨年の選挙で二十三名もまだ残っているというのに、逃亡したというので捜査していない、ただ全国形式上の指名手配をしただけだと言われても、やむを得ないじゃないかと思うのです。従って私は、松川氏が三年五カ月ぶりに出てきたから、六月の上旬から現在自首するまでのその足取りをここに明らかにしなければならぬ。明らかにすることによって、昨年の二十三名の逃亡者もまた早く自首するか、また、積極的に警察捜査によって逮捕することができると思うのです。だから私は、この問題については国会の係の方に、その足取りの点だけはきょうはっきりしてもらうようにという申し出をしておるようなわけなんです。そうしないと、もう国会があした終わりますと、通常国会は一月の中ごろになるわけで、それでいろいろ審議ができなくて来年になると、松川氏の問題はただ、起訴なんかしたという形式上の問題になってくる。しかしわれわれは、これはそれでは許してはおけないと思うのです。どうしてもその足取りをはっきりしなければならぬ、それをすることが、今後、選挙違反をやって、そして逃亡する者をなくするという一つの防壁にもなる、こういうふうに考えるわけです。ですから、どうですか、刑事局長、その点はまだちっともわからぬということですか。
  12. 竹内壽平

    竹内政府委員 今足取りを明らかにしますことは、今後の逃亡者に対しまして、逃亡しても意味がないということを悟らせる意味におきましても大きな意味を持っておりますが、それ以上に、足取りをはっきりさせませんと起訴ができないようなことにならぬとも限らないので、犯罪事実ははっきりしておりますけれども、その足取りをはっきりさせるということは、検察当局にとりましても裁判上もきわめて必要なことなんでありまして、ただ東京にどのくらいいた、関西にどのくらいいたというような供述では、私の方は納得しないのでございまして、東京にいたならば、東京にどういう状態でいたか、関西にいたならば、関西にどういう状態でいたのかということもつまびらかにいたしまして、この関係裁判に移したい、かように考えているのでございます。たとえば、この点につきましては、普通の犯罪捜査も同じでございまして、敏氏がこうしておりました、こうしておりましたと言いましても、それの言っていることがはたして事実に裏づけられているかどうかというところを逐一当たっておるわけでございまして、出てきたらすぐ言うであろうということは、それはいいかげんなことは即座に言うでございましょうが、検察庁として裁判資料に、こういうふうにして逃亡しておったということを明らかに立証いたしますためには、裏づけを伴う必要があるのでございます。その点を今鋭意やっているのでございまして、決して私どもそれを等閑に付しようというような考えはございません。そのために敏を身柄を拘束して調べておる状況でございます。
  13. 坂本泰良

    坂本委員 私が聞きたいのは、もう少しくらいわかっているじゃないか、こういうわけなんです。それはわれわれも専門家ですが、この新聞を見ますと、自首の当日は病院入院しておったんですね。しかも一関市の病院入院しておって、そうして自首したわけですから、まずこの病院長犯人蔵匿罪になるかならぬかの問題になる。一関市の元市長でしょう。そうして新聞にもでかでか出るくらいだから、これは明らかに選挙違反容疑者ということがわかるわけです。それは最後のところだけでも、いつから入院したかを調べて、その入院の日数によっては、この病院長犯人蔵匿罪容疑になりはせぬかと思うのです。そういう点をぴしぴしやらぬことには、今まで発見できないようなことで、何しておったんですか。私は、足取りを探ると同時に——もちろんこの松川氏の選挙違反は、その足取りその他において十分な犯罪構成要件にも入るだろうし、また情状にも影響するだろうと思うのですが、少なくとも三年五カ月間足取りがある。それをその人のいたところ、それは旅館であろうが個人の家であろうが、いろいろありますが、世上これだけ問題になった松川氏を泊めるとか、数日間かくまうとかした者は、私は刑法上の犯人蔵匿罪になると思う。検察庁労働事件などでは一日、二日隠したのでもすぐ逮捕した。そして犯人蔵匿罪として問題にしておる。例をあげろと言うならば、あげます。ですから、単に松川氏の選挙違反捜査するだけでなく——少なくとも三年五カ月間も逃げていた、それが一ノ関付近にいたということは、およそ想像できるわけです。そうであるならば、まず先にこれを洗って、そうして、洗うと同時に、これを泊めたりかくまったりした者は、刑法上の犯人蔵匿罪で厳重に処罰しなければならぬと思うのです。これをやらぬことには、この逃亡者は出てきませんよ。ちょうど、釈迦に説法かもわかりませんけれども、どろぼうをなくするためには、質屋や古物商を取り締まることによって、どろぼうが多かったり少なかったりするのと同じわけです。逃亡者がまだ昨年の選挙で二十三名もおるということは、かくまった者がそのまま放任されるからかくまうと思うのです。ですから、この際この三年五カ月間の足取りを洗って、そうして、これには相当犯人蔵匿罪関連者が出てくると思うのですが、これをまず先に、選挙違反も当然でありますけれども、犯人蔵匿容疑で、三年五カ月間の足取りで、多数の者を徹底的に糾明しなければならぬ、こういうふうに私は思いますが、大臣、御見解はどうでございますか。
  14. 植木庚子郎

    植木国務大臣 松川昌蔵及びその妻敏、この二人の長期にわたる逃亡の問題につきましては、その間の経路を極力今後調べまして、そうしてそれに対する裏づけ等も十分に調査の上で、それぞれ厳重なる処断をする必要があろうかというふうに考えます。
  15. 島上善五郎

    島上委員 関連して……。足取りのことについてはまだ取り調べ中でよくわからぬということですが、私の方から今の質問関連して、指摘してお伺いします。  指名手配が出てから、東京両国病院本名入院しております。ですから、偽名を使っていて知らなかったといえば、それは疑点があるかもしれませんけれども、指名手配が出てから本名入院しておる。しかもその病院は、今松川昌蔵入院しておる病院紹介で、その知人であるということも明らかなんです。これは当然犯人蔵匿罪に該当すると思いますが、その事実と見解を承りたい。
  16. 竹内壽平

    竹内政府委員 ただいま御指摘のような点も、もちろん捜査をいたしておると思います。そして、それが犯人蔵匿になるかどうかという点につきましては、もう少し事実を明らかにしてからでないと判断しかねるのでございます。病院でございますから、病人を受け入れた、それがすぐ犯人蔵匿だというふうに言えるかどうかは、まず前提としての事実を明らかにいたしまして、慎重に判断をいたしたいと思います。
  17. 島上善五郎

    島上委員 これは、私はこういうふうに考えるのです。もしあなたの方で、まだ事実が明らかでないとおっしゃれば、それは多少時間をかすにやぶさかでありませんが、もし私が指摘したように、現在入院しておる一関病院の院長と知り合いであって、その紹介で入れたということと、すでに指名手配されて、名前が明らかに新聞にも出ておるという事実と、それから本人が偽名でなしに本名で入っておるという事実、そういうようなものを総合して考える場合には、病院だから入れないわけにいきませんけれども、私はその病院において警察へ通報する義務があるのじゃないかと思うのです。こういう人が、指名手配されておるこういう人間が入っておるということを、警察へ知らせる義務があるのじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
  18. 新井裕

    新井政府委員 知らせる義務があるかどうかは別といたしまして、知らせなかったならば、蔵匿の意思が証明されるという一つの証拠にはなると思います。
  19. 島上善五郎

    島上委員 それから警察の方は、本名で入っておるのに、一体その当時そういうことについて捜査しなかったのですか。これは新聞記者がよく知っておることですよ。当時すでに、新聞記者が知っておったのです。一関駅前石橋ホテルに泊まって、その石橋ホテルから足取りが消えておるのですから。そういう点を警察捜査しなかったのですか。
  20. 新井裕

    新井政府委員 この両名の逃亡を追った捜査状況を見ますと、いろいろ情報が入っておりますけれども、ただいま御指摘の点が手配前であったか後であったか、私もはっきり知りませんけれども、私の方の捜査網にかからなかったことは事実なのであります。
  21. 島上善五郎

    島上委員 私はこの次には、ぜひこの捜査に当たった責任者参考人として来てもらって聞きたいと思うのですが、この前私が言ったように、これは指名手配はして一応捜査の格好だけはしたけれども、ほんとうにつかまえようという捜査ではなかったことが、あらゆる点で立証されておるのですよ。駅前石橋ホテルに泊まって、そこへ椎名悦三郎氏の選挙違反関係弁護をやっておった介護士が来て、弁護士と打ち合わせしておる。そういう事実、ちゃんとその弁護士名前もわかっております。真田康平という東京弁護士も来て打合わせしておる。そして、そのホテル警察張り込みをしておった。ところが、そこから消えてしまっておる。この張り込みは、一体何の張り込みですか。夫婦二人がホテルから消えてなくなることがわからぬような張り込みは、ほんとう張り込みではない。質問すれば、警察では張り込みをしておるという言いわけには役立つでしょうが、ほんとう張り込みではない。そこから逃げておる。すでに東京病院に来て、本名入院しておる。つかまえようと思えばすぐにでもつかまえられるものを、実際つかまえてない。その次のことも申しましょうか。世田谷の喜多見の某旧家、有楽町のフグ料理屋の「大雅」の主人である石黒鋭一郎君が世話したといわれておる。これは事実かどうかは私もまだ——多分事実だと思うけれども、そういう点なども、東京の某旧家に二ヵ月もおって、おった事実は大体探知して、しかしつかまえないで、岩手県の警察に連絡した。岩手県の警察は、二月もたってからのこのこやってきた。そのときはすでに、もういなかった。こういう事実から考えて、一体ほんとうにつかまえようという気があったかどうか。私どもも判断して、はっきりと言ってもいいくらいです。ほんとうにつかまえようという熱意があったならば、すぐにでもつかまりますよ。私は、あとでどうしても捜査担当者に来てもらって、もう少し詳しく聞かせてもらわなければ納得できない。  それからこの逃亡に際しては、三年五ヵ月ですから相当多額経費を必要とすると思う。夫人の敏という人は、五十万円で仙人のような生活をした、こう言っているそうですけれども、東京や京都で一体仙人のような生活ができますか。五十万円で三年五カ月、夫婦三人で逃亡したなんて、とうてい考えられない。私は、ある筋から相当多額経費が出ていると思いますが、そういう点ももちろんお調べになるでしょうね。お調べになって、この者に指名手配がされておる事実を知って、逃亡中の費用を提供した者がありますれば、それはどういうことになりますか。
  22. 竹内壽平

    竹内政府委員 ただいま問題とされたような事項は当然調査をいたしまして、その間に資金供与等によって犯人蔵匿したというようなことがあれば、この取り調べ、検挙もやるんだということを、すでに検察庁としてしては天下に公言をいたしておるような状況でございまして、厳正な態度で処置をいたしたいと考えております。
  23. 島上善五郎

    島上委員 これは、ある雑誌に出ておる記事ですから信憑性のほどは私もはっきり申されませんけれども、雑誌に出ておる記事として、そういう意味において私は引き合いに出しますからぜひ調べていただきたい。椎名代議士相当関係にある某が——いずれ必要があれば名前を出しますが、この逃亡については岸さんと椎名さんからの強い指示があったものと思います、こういう談話を発表したか、あるいは雑誌社の方で知ったのか、それはわかりませんが、出しておりますから、岸前総理及び椎名大臣につきましてもこれはぜひ調べていただきたい。どのような指示をしたか、あるいは、どのような便宜を与えたか、資金一を与えたかということも、これは当然のこととしてぜひ調べていただきたい。私はこの次の機会にも、その後の状況については伺わしていただきますが、ぜひ調べていただきたい。関連ですから、私はこれでやめておきます。
  24. 新井裕

    新井政府委員 今島上委員からいろいろお尋ねがございまして、張り込みをして逃げられたというので、該当——必ずしもはっきりいたしませんが、二十二日の選挙が終わりまして、関係者逮捕いたしまして、六月十日に逮捕することにいたしたその前の状況をおそらく御指摘になったものだと思いますけれども、これにつきましては十分また調べてお答え申し上げます。  それからもう一点、名前を上げてのお話でございまして、私から重ねてその名前を言うのはどうかと思いますけれども、今御指摘になりました料理屋の主人という者は、はっきり私どもの方の情報に載っておりまして、これは十分な捜査をいたしたのでございます。ところがどうしてもそういう事実がはっきりいたしませんで、結局情報の出所もいろいろ調べたのでございますけれども、全然そういう料理屋の情報提供といいますか、捜査した事実がないという御指摘でございますけれども、十分に捜査をいたしましたが、これはいろいろ関係した人がございますので、その人の名前を全部ここであげるのもどうかと思いますのでお許し願いたいと思いますけれども、この問題につきましては、捜査は十分にいたしましてはっきりしなかった問題でございますから、念のために申し上げておきます。
  25. 坂本泰良

    坂本委員 そこで私は、警察が三年五カ月間捜査された経過を、あなた、持っておられましたら、ここにそれを発表されて、この議事録にとどめておいてもらいたいと思います。警察検察庁は強権力をもって逮捕して調べることができます。われわれはそういう権力は持ちませんけれども、これだけ有名になった、しかも三年五カ月間もその足どりがわからなかったというのは、やはり捜査としてこれは重大なことですから、われわれも無関心でおるわけにはいかないと思う。ですから、捜査をされたその経過を、できたら名前まであげていいと思うのです。そうして、その名前の人が犯人蔵匿にも何にもならなければ、正々堂々たるものですからいいし、もしも犯人蔵匿になったならば、これはやはり見のがしておくことはできないと思うのです。ほかの事件で逃亡したりなんかしたような場合は、その容疑があったならば、直ちに逮捕して警察あるいは検察庁調べられておる実例があるわけなんです。ですから私は、最後の病院の院長、これは松川氏が病気でそこに入院しておられるのはあれですけれども、三年五カ月も逃げた最後の病院ですから、少なくとも院長は逮捕して、そうして犯人蔵匿を糾明するのが、私は公正な捜査のやり方じゃないか、こういうふうに考えるのですが、その問題と、それから、警察指名手配をしてから後の捜査の報告をやってもらいたいと思うのです。
  26. 新井裕

    新井政府委員 お手元に差し上げてあると思うのでありますが、「松川昌蔵夫妻に対する捜査について」ということで、捜査の経過を群いたものを差し上げてございます(堀委員「いつ配付したのですか、ないよ」と呼ぶ)ほかの委員会だそうでありますから、またあとでお配りすることにいたします。簡単に書いてございますが、ただいまの御意見もございますが、実は立ち回り先も相当ございまして、立ち回り先なるがゆえにここで名前を出して疑いをかけるということは、私どもとしてはとうていできませんので、その点はごかんべん願いたいと思うのでありますけれども、六月十日に令状を執行するためにおもむいたところが、いなかった。家人に聞いたら、六月五日に秋田県に出向いた、こういう返事でございまして、それで秋田県と東京都が、親戚その他の関係で主たる立ち回り先になりますので、直ちに県内はもちろんのこと、秋田県、東京都に重点を置いて、全国指名手配を行なったのであります。その後今日に至るまでいろいろ情報がございまして、そのたびごと捜査をいたしまして、そのものが確認できないものが大部分のまま、今日に至ったわけであります。その間、三十五年の八月に公訴を提起することになりましたので、九月一日に一たん手配を解除いたしております。ところが起訴状謄本の送達不能であるというので、十一月に公訴棄却になりましたので、あらためて盛岡地検で逮捕状を請求されまして、十二月十四日に再度手配をいたしたわけでございます。その間に約三カ月半ほど手配が解除されておりますことを一応御承知おき願いたいと思います。
  27. 坂本泰良

    坂本委員 立ち回り先も相当あり、名前をあげることはどうかと言われますが、しかしこれは、ただ検察庁だけ握っておけば、あとはパーにする、それじゃいかぬです。それは、この三年五カ月の立ち回り先の一人々々、ほんとうは全部一応逮捕くらいする、それは御迷惑だろうけれども、至急こういうのは捜査すべきが私はあたりまえだと思うのです。それですから、これは委員長にもお願いしますが、やはりその詳しい立ち回り先、その名前がわかったらその詳しいところを、委員長理事の方にだけでも、これは極秘の資料として一つ出してもらいたいと思うのです。そうでないと、通常国会の来年の二月ころになって、もう起訴はした、立ち回り先を調べたけれども、そういう事情はなかった、そういうのではほんとうに困る。これは松川氏、それからまた椎名さんには非常にお気の毒かもしれぬけれども、やはり三年五カ月も逃げていたのですから——ほかのはもう峻烈に、労働組合運動なんか、起訴していいかどうかわからぬのでも、武装して、逮捕してぶち込むでしょう。それはまあ、結局やるあれがあるからやるといえばそれまででしょうが、しかしながら、やはり大衆というものは、偉い人に関係があるから、そういうのは警察は手かげんしてやらないんだ、これでは法の威信にも関係するし、やはり日本の信頼すべき警察、検察の権威に関することだと思うのです。ですから、これをしないことには、やはり、昨年の総選挙でもまだ二十三名の逃亡者がおる、また、近く参議院選挙、それから総選挙が行なわれると、買収や何かするようなのは、最初から逃亡先もきめてそんなことをやらぬとも限らないわけです。ですから、前々回でしたかの、参議院選挙で、中小企業の鮎川さんの問題なんかは、幸いにも沖縄に逃げようとするところを取っつかまえて、そうして親子が辞退されて、そうして東京裁判所で裁判が行なわれた。しかしほんとうに、警察検察庁が、これこそ徹底的にしてもらわないと——大衆の、多少の悪いことはしたのだろうけれども、また労働運動なんか、生活と権利を守るための闘争のような場合は、武装してどんどん行って、そうして、一晩逃げていた、そうすると、お前は犯人蔵匿だといって逮捕されたような事例もあるのですよ。そういうような、労働者とか、ほんとう生活のために働く人に対しては強権力をどんどん行使して、偉い人と関係があるのは、三年五カ月も逃げていて、そうして出てきた、出てきたら病院に入っている、その病院の院長もまだ犯人蔵匿罪調べもしない、そうして三年五カ月も立ち回り先の足取りもちっともわからぬような、うやむやになるというのでは、全く国民大衆は信頼ができなくなる。われわれほんとうに、働く人々の関係弁護なんかをしておりますと、全くかわいそうな点もあるのです。家族は逮捕されるし、実際われわれ涙が流れる。というのは、そんなことをしなくても十分捜査ができるという点もある。けれども、ストライキとか労働運動なるがゆえに逮捕する。そうして裁判では懲役何カ月と求刑する。まことにみじめな多数の例をわれわれは見ておりますから、やはりこういう大きな問題で、著名な人と関係がある人が、三年五カ月も逃げて出てきた。松川さんその人自身も著名な人なんですから。それだから、これは実際明らかにすべきだと思うのです。そうすれば、今後多額買収違反をなくする一つの戒めにもなる、こういうふうにも考えますから、ぜひ一つ、われわれ普通の委員まででなくてもいいが、少なくとも委員長理事の方々にはやはりその捜査をされたそれを出しておいてもらいたい。それを見た上で——何で警察はどうしたかというくらいのことは、常識でもわかってきます。私はその点を要望したいのですけれども、いかがですか。
  28. 新井裕

    新井政府委員 今おっしゃる意味が、立ち回り先も全部出せ、調べたものも全部出せ、こういう御趣旨でございましたならば、先ほど申し上げました通り、われわれ警察庁の仕事は犯罪になるものをはっきりさせていくということでございますから、その過程において生起した事態につきましての報告は、ぜひごかんべんを願いたいと思います。ことに立ち回り先のごときは、結局親戚とか知人ということでありまして、下手をすれば、罪は九族に及ぶというような思想にも通じかねませんので、そういう意味でわれわれとしても自粛して、できるだけ秘密にいたしておるのでございます。先ほど竹内局長からもお話がございました通り、逃亡の事実を証明する必要があり、これについては警察も協力してくれということで、われわれも全面的に協力いたしまして、逃亡経路なり、それから、それが犯人蔵匿なり隠避なりに当たるものについては糾明をいたしていきたい、こう思っておりますので、その結論が出るまでぜひお待ちを願いたいと思っております。
  29. 坂本泰良

    坂本委員 それはどうもおかしなことを言われると思うのです。それは、犯罪捜査の点からだけ考えればそうでしょう。しかし、われわれはここに、公職選挙法の特別委員会委員として、国民の代表として出ておる。これは私が冒頭に申し上げましたように、今民間人も加えて、この選挙法改正の問題が起こっておる。これは何をさておいても、それはいろいろ問題はありますけれども、いわゆる悪質といえば買収が一番悪質ですが、これをなくしないことにはほんとう公明選挙ができないのだ、そういうのであらゆる努力をしておるわけなんです。三年五カ月も逃げて、そうしてあっちこち立ち回っておる。その立ち回り先を明らかにするということは、今後公明選挙を達成するわれわれの使命だと思うのです。われわれは単に、松川氏を処罰し、その関係者を、犯人蔵匿があればそれを処罰する、それだけではないのです。こういうことがないようにするために、今後未然に防いで、そうしてほんとうの国民の代表を選出すべき公明なる選挙をやるために、われわれは全努力を上げなければならぬ。ですから、それは多少犯人蔵匿の嫌疑はあっても、それは検察庁などもいりも言われるように、起訴猶予処分というものをどんどんやっておるのですから、そういうのを、著名な人の関連者でもどんどんできるわけです。それは今後の問題で、起訴猶予なんということはどんどんできるわけです。しかし、犯罪にならない点は発表できないという点は、そういう人が立ち回った先なら、幾らか関係がある、そういうことが一つ関連がありますから、こういう三年五カ月も逃げておるという、非常な捜査上悲しむべき現実が出ておるわけです。私は、そういう意味で、当委員会のわれわれ委員まで全部と言わぬまでも、少なくとも理事には、三年五カ月の、警察でそれに対して捜査されたその逐一を報告するのが、選挙違反についての捜査をやる警察の責任じゃないですか。犯罪性の点からばかり言って、そういうカットをすべき問題じゃないと思う。われわれは公明選挙をやるために、ここで論議するわけです。そういう意味で、これは一つ絶対出してもらわなければならぬと思うのですが、どうですか。
  30. 竹内壽平

    竹内政府委員 この委員会といたしましては、事情をお聞きになりたいというお気持はよくわかるわけでございますけれども、警察検察庁捜査機関でございまして、捜査機関には捜査機関の限度というものがあるわけであります。犯罪関係のない事項につきましては、捜査をいたしますことは、これはあり縛るわけでございますけれども、そういうものを逐一公表いたしますことは、捜査機関という立場からいたしますと、すこぶる困難な問題でございまして、その点は御了承を願わなければならぬ筋合いかと考えます。
  31. 坂本泰良

    坂本委員 実は、三年五カ月間そういう指名手配でやられて見つからずに、最後は地元の病院から自首したというんだから、実際は逃亡者に対してどういう捜査をしたか、それに対してわれわれは不信を持っているのです。ですから、その不信をなくするためにも出してもらいたい。そして捜査に足りない点があったら、今後十分やってもらわなければならぬ。単に犯人捜査してそれを処罰するということがこの委員会の目的じゃない。そういうものは、悪質犯は処罰をしてもらって、公明選挙の一助にしてもらいたいという一つのあれもありますけれども、もう一歩私たちは上の段があるわけです。しかも今、選挙法改正の問題が起きているわけでしょう。だから、三年五カ月も警察は何しておったか、そして、その立ち回り先もまだ発表しませんなんというんだから、ますます信用がなくなってしまうわけです。また、逃亡者に対してろくな捜査をしていないから出せない、こう言われてもやむを得ないじゃありませんか。そういう意味においても、また、われわれが今後選挙違反をなくして公明選挙を実現するという大きい立場から・われわれは今の段階において出してくれと言っている。そうでないと、あなたたちの方でまたあとで、関係ないなんていって知らぬ顔をされても困る。あなた方としては、三年五カ月間逃亡者捜査し切れなかったという重大責任をここに考えて、しかしながらこれだけのことをしたということを、委員長理事の皆さん方には私は今すぐ出すべき責務があるのじゃないかと思う。その点はいかがですか。
  32. 竹内壽平

    竹内政府委員 警察が三年六カ月にわたる涙ぐましい捜査をしておりますことは、私ども検察庁としてもよく承知いたしておる次第でございます。また、検察庁におきましても、すでに坂本委員御承知の通り、すこぶる異例な措置でございますけれども、関係者起訴によりまして時効は停止したのでございますが、さらに共犯者が判決が確定をいたしますと、また時効は進行を始めます。従いまして、その間、先ほども御説明しましたように、所在不明のまま起訴をいたしまして、あとは検察庁として、逃亡しておったということを証明しなければなりませんけれども、そのことによりまして、時効は無期停止の状態にいたしてあるわけでございます。しかし、今度出てきましたので所在が判明しましたから、それ以後はまた時効が進行いたしますけれども、今後数カ月間は時効にかからない期間でございます。従って、すでに身柄を拘束して、この間に三年半の行動につきましては詳細に検討し、逃亡しておったという事実を裁判所に立証いたしまして、処置に遺憾なきを期したい、かように考えておるのでございまして、ただいま鋭意捜査中でございますので、どうか一つ捜査機関にその点はおまかせいただきまして、発表して差しつかえない限度、あるいはそういう時期が参りましたならば、御説明するのにやぶさかではございません。
  33. 坂本泰良

    坂本委員 この点はこれ以上やっても押し問答になるでしょうから、これは留保いたしまして、次の機会にはわれわれの納得するような一つのあれをお願いしたいと思うのです。われわれは何も、犯罪人を作るのが目的じゃない。しかしながら、少なくともその立ち回り先の方々の名前ぐらいはやはり発表して、こういう経路でやったということにならぬと、国民が承知しないと思うのです。やはりこれは、警察と何か関係があるから警察は見のがしておったのだ、だからこうして三年五カ月間もわからなかったのだ、みんなそう思っておりますから、それを打ち消すだけのあれをしなければならぬ。これは、選挙法改正について民間の人でいろいろ議論もしておられますけれども、やはり一事が万事で、今までこういうことが見のがされていたから買収犯というのが跡を断たないという結果になっておるわけですから、その買収悪質犯をなくすという見地に立てば、やはりこれはそういう意味において究明しなければならぬ、どういうふうに思います。  次に、私ども非常に遺憾に考えているのは、昭和三十三年の総選挙において、富山県では、当時正力松太郎氏は国家公安委員長であり、買収は空前の大規模のものといわれている。そして、当時秘書官は逃亡中である。これは詳しいことをまだ聞いていないから、調査ができていないかとも思うのですが、もう三年半前のことですから、逃亡中だった秘書官は出てきたかどうか。そしてその容疑というのは、買収もありましたが、一つ文書違反——というのは、正力氏の経歴、政見等を載せたパンフレットを、回覧という見出しで各家庭に配付された、こういうことであります。なぜ私がこれを申しますかというと、ちょうどこのときの選挙違反で、富山県労働組合評議会の副議長であった和田氏が、傘下の組合員に配付する、「県労評」第一号、第二号とあるわけですが、それに労働組合の通達事項と、なおあわせて、この労働組合が支持決定をしております佐野、三鍋両氏の記事を載せたのが、文書違反になりました。そしてこの二人の選挙運動をしたというので逮捕状をとって、言わなければ今夜は逮捕するのだというので、労働組合の幹部数名を調べて、その結果として、富山県労評の副議長の和田松次郎氏と、全国繊維産業労働組合同盟富山県支部の書記局長である西田という二人を起訴したわけなんです。そこで、その審理にあたってわれわれは無罪を確信していると言ったのですが、三十六年十月十九日、検事が論告したわけです。買収もしたのであるけれども、文書違反はそれ以上に悪質犯だという論告をしまして、和田氏に対しては禁固六カ月、西田氏に対しては罰金三万円の求刑をしたわけです。私は犯罪事実がないという点についても弁論をいたしました。ちょうどきょう配られたが、捜査が困難だという、選挙運動政治活動を混同している、そういう点がなかなかむずかしいと言われるけれども、この事件なんかはむずかしいものじゃない。これを利用して富山県の各労働組合に全部、逮捕状をとったのもあるし、とらぬのも、お前言わなければ逮捕するぞ、何枚送ってきたか、何枚配ったか——配らずに、送ってきたそのままのところもあるのですが、大体そういうふうにして調べている。ところが、片一方の国家公安委員長の正力氏なんかは、経歴を書いて、回覧なんというので回している。それは逃亡している。それからそのほかに、これはあとで刑事局長にお願いして資料を出していただきたいと思うのですが、この場合、正力派ともう一つ保守党の人は、ずいぶん悪質な選挙違反があがったのです。不起訴もだいぶ出ているのですが、裁判結果がどうなっているかということを一つ出しておいてもらいたい。それで富山県の傘下の労働組合員に配る原稿を書いて、そして配るのは、当然ほかの者がとりにくるのもあるし、それから西田という人はバタバタに乗って五、六カ所持って、普通の労評の指令を受けて、しかも毎週二回か三回出しておるのと同じものを出して置いてきたわけですが、それで二人は起訴されて、西田氏は三万円の罰金、片一方は禁固六カ月。検事も三回かわりました。そして、この間論告は若い検事だったのですが、これはもちろん申し継ぎ事件で、若い検事が自分で求刑をきめたのじゃないと思いますが、当時労働組合弾圧の事件であるというので、社会党の本部に要請がありましたから、私が社会党本部の指名によって参りました。そして、弁護士ですから、弁護人になって公訴取り消しの申し立てをしましたが、検察官の方では取り消しもしなかった。そして三年五カ月間審理が進められて、最後の求刑が何かというと、禁固六カ月です。ただ文書の起案をして、ただ県労評の副委員長選挙対策委員長の地位にあっただけで、現実にそれを配ったわけではない。だから弁論としては、現実の頒布では違反ではないじゃないかという問題を提起して無罪の弁論をいたしましたけれども、全く政治活動選挙運動かわからない。片一方の正力派その他を検挙する以上は、労働組合からも一つあげなければというような言いわけを調べ官はして、どんどん調べて、三年五カ月もかけて、一人は禁固六カ月の求刑、こういうような過程があるわけです。ですから、こういう点を考えると、この先ほど来の問題とか、二十三名の逃亡者なんかについては、もっと熱を入れて、指名手配の効果があるように捜査をしなければならぬと思う。そこで刑事局長にお願いしたいのは、昭和三十三年の選挙違反について、富山県下の選挙違反が、だれ派にどういう捜査があって、そして起訴猶予もあっただろうと思うのですが、起訴して、起訴の結果がどうなったか。一番疑問になるのは、当時正力松太郎氏の秘書官は逃亡しておったのですが、その後出てきてどうなったか、そういう点について、今わかるなら今、わかっていなかったら次会までにお願いいたしたいと思います。
  34. 竹内壽平

    竹内政府委員 できるだけ御期待に沿いますように、資料を整えて次会までに提出いたしたいと思います。
  35. 坂本泰良

    坂本委員 この昨年の十一月の逃亡者の問題がまだ残っておるというのは、われわれは非常に残念に思うわけですが、これの強力な捜査をやられることと、松川氏の問題については、先ほど来申し上げましたような、ほんとうに国民の納得するような点を、われわれは今後公明選挙を実現するというこの国民の代表である特別委員会の任務においてやりたいと思いますから、一つもっと満足のいくような答弁ができるように用意していただくことを希望しまして、私はこの質問は留保いたします。
  36. 島上善五郎

    島上委員 私もさっき申し上げましたが、少し言い足りなかったので、これをぜひ希望しておいて、この次の機会なり、その次の機会なりに明らかにしてもらいたい。というのは、先ほども言いましたように、松川敏という婦人は、五十万円で三年五カ月雲隠れして仙人のような生活をした、こういうことを言っておるそうです。その詳しい内容はおそらくまだ調べ中だと思いますが、そういうことになりますと、これは私どもの常識からとうてい考えられないことですが、かりに五十万円で済ましたということになりますれば、そこで当然付随して考えられることは、親戚や知人あるいは知人の紹介等で滞在しておったその滞在先において、取るべき部屋代も取らないとか、あるいは食費も取らないで便宜を与えたというようなことがあり得ると思うのです。私は、もし指名手配されているということがはっきりわかっている人間に対して、そういう当然受け取るべき部屋代も受け取らない、また、食費をただで二カ月も置いたというような事実があるとすれば、これも当然問題になると思うのです。こういうようなことについてももっと十分に調べて、調べた結果、それが犯罪になるような性質のものでないということが明らかになって、起訴しないということになれば、これはわれわれも納得しますけれども、そういう点も十分調べて明らかにしていただきたいということを要望しておきます。
  37. 加藤常太郎

    加藤委員長 堀昌雄君。
  38. 堀昌雄

    ○堀委員 私この間伺ったら警察庁は御答弁できなかったので、あらためて伺っておきますが、三十五年に行なわれた総選挙逃亡者が九十名か幾らかあって、指名手配をしてあるのが六十人くらい出てきた。一体それは逮捕したのか、自首したのか、どういう内訳だったかということをちょっと伺っておきたいと思うのです。
  39. 新井裕

    新井政府委員 御承知のように、指名手配になっておりませんから、法律上の自首ではございません。ですから、そこらの点数字がはっきりしないものもありますけれども、私どもの今までの経験あるいは抜き取り調査によりますと、六十八名の逮捕者中、大体の見当で申し上げて申しわけございませんが、五割から六割が任意に出頭したものだと思っております。そのほかに、入院等で逮捕しなかった者が、六十八名のうち十七名ございます。これだけははっきりしておるのでございますが、そのほかのところは、申しわけございませんが、お許しを願います。
  40. 堀昌雄

    ○堀委員 六十八名の中で、十七名は入院ですから除くわけですね。そうすると五十名余りですね。五十名の五ないし六割なのですか、六十八名の五ないし六割なのですか。これをはっきりしておきたいと思うのです。
  41. 新井裕

    新井政府委員 見当で申し上げておるものですから、大へんあれですが、十七名の中にも任意出頭した者もございます。従いまして、大体今までの経験から申しますと、半分くらいは任意出頭してくる。というのは、やはりこっちで非常に張り込みをしたり、立ち回り先を調べたりするものですから、親戚知人に伴われて任意出頭するというのが割合多いわけであります。
  42. 堀昌雄

    ○堀委員 これは、私は今後の問題として非常に重要だと思いますので、少し詳しい格好でお調べを願いたいと思います。といいますのは、さっきから伺っていて私どうも納得のいかない点が多いのです。しろうとですから、とっぴなことを伺うかもしれませんが、犯人蔵匿とか隠避とかいうことで、これまで選挙違反について罪になった者が実際あるかどうか。お話を聞いていると、そういうことで犯罪にならないものは発表したくないとおっしゃっていますから、そうすると、犯罪になる時点というのは、裁判をやってみなければ犯罪にならない、要するに、容疑者のうちはわからないということになる。そうやって実際に何年も逃げておりますが、実際犯人蔵匿、隠避が行なわれておるから逃げられるのであって、全然山谷の宿で遊んでいたというようなものじゃないわけですから、私には、犯人が長期にわたって逃げておるときは、おおむねその情報を知り、事実を知って、やはり便宜を供与しておるというふうに考えられるのですが、そういう点で、過去にこれが犯罪になった例が相当あるのかどうか、これは刑事局長の方からちょっと伺いたいのです。
  43. 竹内壽平

    竹内政府委員 統計をとったものを持ってきておらないのでございますが、私の記憶しておりますのでは、起訴をして有罪になった例も、選挙関係だけで何件かあったように記憶いたしております。
  44. 堀昌雄

    ○堀委員 全体の中で少しお調べを願いたいと思います。どうもそういう例のとり方が統計上どうなっておるのかわかりませんが、一般犯罪指名手配か何かで逃亡しておりまして、その間にそういう蔵匿、隠避等で出されておるものがどの程度で、選挙犯罪と比較ができるかどうかわかりませんが、できるようなものがとれましたら……。どうも今のお話を聞いておりますと、選挙犯罪の方が何か少しゆるいのじゃないかという感じがいたしますので、その点を一つお願いしたいと思います。  もう一つ、さっきいろいろお話しになった事柄の中で、何かあまり引っぱり出すと、罪九族に及ぶような印象を与えるということを検察庁の方からおっしゃったのですが、そういうことは私もよくないと思いますけれども、やはり一罰百戒というか、何か象徴的になった事件については、逃亡に多少協力したような方たちは、これは非常にまずいことだ、今後こういうことをやるとどうもつまらない目にあうというような意味で、何らか多少一罰百戒的な措置をとる必要があるのではないか。実は私も、選挙の制度の中で罰則規定のところの委員として出ておりますけれども、やはり皆さん一般におっしゃることは、何か選挙犯罪というのはあまり悪い犯罪じゃないのだという意識が非常にびまんしておるように、私に限らず、皆さんの御意見がそうあるわけなんで、やはり選挙犯罪はよくないのだということをどこかで一ぺんはっきり示す。松川さんの件がいいか悪いかということは別ですけれども、実際には選挙犯罪をした者はほんとうによくないのだということを、多少−見せしめというような表現がいいかどうかわかりませんが、国民に、これは悪いことをしたのだということを示す処置をすることが必要ではないかと感じておりますが、こういうことに関しては、一体どういう考え方をしておられるのか。
  45. 竹内壽平

    竹内政府委員 私も、堀委員のおっしゃった趣旨と全く同様に考えております。選挙の公明化を期する方法として、選挙違反を厳罰にするということだけが唯一の方法だとはもちろん考えておりませんが、やはり公明化に大きな貢献をするものは、罰せられるべき者をきちっと罰していくという筋を立てた検察処理が、非常に大切であるというふうに考えているものでございます。  ただいまの逃亡者の点でございます。これは、ここ数年来の一つ選挙の傾向と申しますか、そういうふうに私は見ておりますが、以前にはこういう逃亡者はあまりなかったわけであります。特に昨年の総選挙以来大きな数字が出てきておるのでございますが、これらに対しまして、私どもの立場から考えますと、一言も弁明を聞かず裁判所に出すととは、検察としてはきわめて異例なことでございまして、調べました上で、検察官の考えをはっきりときめて裁判所に起訴する。これが私どものとって参っております大きな立場でありますが、このように逃亡者がふえて参ることによって、逃げ得というようなことになってきますならば、事選挙に関しましては、公明に貢献するどころか、かえって公明を妨げるものではないかというふうに考えまして、前の前の選挙あたりから、証拠の比較的明確なものにつきましては、あえて逃亡中といえども起訴する、そうしてこの時効を停止して、何年先であろうが出てくれば起訴するぞという態度をとって、逃亡得というようなことにならないように処置して参りたいという考えから、検察当局も大きくその点を踏み切りまして、前の選挙におきましては数件の起訴をいたしております。昨年の選挙におきましては、残念ながら、共犯者起訴する、逃亡のまま起訴し得る適切な事例に当たりませんために、今日までその処置をとっておりませんけれども、その考え方におきましては、少しも変わらない態度でやっております。しかも、逃亡した者を逃亡者としてあくまで責任を追及するだけでなく、そういう者を温存したと申しますか、蔵匿したとか、あるいはそのための隠避の行為をした者につきましても、責任を追及するという態度を検察当局としてはいろいろな機会に公表いたしまして、選挙公明化に貢献するように、われわれの分野から努力をいたしている状況でございます。
  46. 堀昌雄

    ○堀委員 ことに、警察庁刑事局捜査第二課ですか、そこから出されております資料の最後のところで、「従って悪質ないわゆる実質犯取り締まりを徹底するためには」云々、こうありますが、事実よく問題になりますのは、逃亡したということになると、選挙違反の問題ではなくて、何といいますか、同じことではないかと思うのです。刑事犯であろうと、選挙違反であろうと、犯罪をしておいて逃げ出している者をつかまえることは、取り締まりの段階ではないではないかと思うのですが、この点は、警察の方としては大体同一に考えておられるのかどうか、その点をちょっと伺っておきたいと思います。逃亡者に対して、刑事犯なり選挙違反の区別が多少あるのですか。
  47. 新井裕

    新井政府委員 今お尋ねの趣旨がはっきりのみ込めませんので、とんちんかんなお答えになりましたらまたお尋ね願いたいと思いますが、逃亡被疑者として指名手配をいたしておりますものは、買収供応という実質犯のものだけでございます。
  48. 堀昌雄

    ○堀委員 その指名手配というのは、刑事犯罪指名手配ということになるのですね。だから、選挙違反であれ、刑事犯罪というか、殺人であれ、指名手配というものの性格は同じかどうかということを伺いたい。
  49. 新井裕

    新井政府委員 同じでございます。
  50. 堀昌雄

    ○堀委員 そうしますと、今度の委員会までに一つお願いしたいのですが、どこか時限を限っていただいてけっこうですから、昭和三十四年度なら四年度、五年度なら五年度というふうに限っていただいていいのですが、一体この指名手配になった刑事犯罪選挙違反のその年度における総数、それの経過、逮捕になったのか任意出頭をしたのか、あるいは逃亡中なのか、そういう問題を含めて、資料として御提出を願いたいと思います。
  51. 新井裕

    新井政府委員 ちょっとお尋ねしておきたいのでありますが、一般の刑事犯罪手配は、常時大体一万五千くらいございます。従いまして、それを今申されたようなことで区分するというのはとてもできないのでございますが、選挙のものだけで、先ほどお答えいたしましたように任意出頭かどうかというのも、あまり自首という法律的な効果のないものでございますから。はっきりした統計も今までとっておらないのでございます。三十三年でどれだけ手配して、どれだけつかまったという程度ならばできると思いますけれども、それでよろしゅうございましょうか。
  52. 堀昌雄

    ○堀委員 私もしろうとですから、そんなにたくさんそういうものがあるとは知りませんでした。それでは無理かと思いますから、この間の事件について、さっき五割か六割というふうに、非常に抽象的なお話でさっぱりわからないものですから、この分だけ少し詳しく、最近のことでもありますので、人数も九十一名中六十八名ですか、あと二十三名逃亡中だそうですからその間の経緯だけを少し詳しくお出し願いたいと思います。  それから刑事局長の方でおっしゃったように、今坂本委員から、今度の松川さんの問題についていろいろな資料を出せとおっしゃっておって、現状では出せないということですから、それはそれなりとして私は考えますけれども、今度六十八名出てきたわけですね。この中で、現状としてそういう蔵匿、隠避等の問題になりそうな数だけでけっこうです。名称等については、皆さんの方では個別的な問題でお困りかもしれません。この中で蔵匿、隠避の罪に当たりそうだということで、皆さんの方では方針を立てて起訴なさるとかいろいろあるわけですからそういうものの数、大体この中では、このくらいの数はこういうふうにしたいのだというような点について、次会でけっこうですから、お知らせを願いたいと思います。
  53. 坂本泰良

    坂本委員 関連して。今の資料の問題ですが、三十五年だけでなくて、三十三年も資料を出してもらいたい。先ほど刑事局長も言われましたように、昨年の総選挙で非常に逃亡が多かったというのは、その前の三十三年の総選挙で、ことに松川氏などの逃亡などがあって、それが二年半もつかまらない、だから選挙違反をやって逃げてしまえというようなことで、昨年の逃亡者が非常にふえたのじゃないかと思うわけです。そういう点もありますから、私は、できたら三十三年のその前のときから——逃亡者が問題になったのは三十三年の選挙と、その前の総選挙のときも逃亡者があったのじゃないかと思うのです。そこで、三十年と三十三年と三十五年、これの逃亡者と、その逃亡者が任意に出頭したかあるいは再逮捕されたか、それから、当然逃亡しているというのには、やはり有力な犯人蔵匿関係がなければそう長く逃げておれぬわけですから、そういう点について捜査をされたか、そしてその捜査の結果、犯人蔵匿罪起訴したことがあるかどうか、あるいは大したことがないから、かくまったのは悪いけれども不起訴処分にされたか、これはおわかりになると思うのです。三十年と三十三年と三十五年ですね、これをお願いしたい。
  54. 新井裕

    新井政府委員 警察庁関係する分についてお答え申し上げますけれども、全国指名手配を行なうようになりましたのは、はっきりしたことは覚えておりませんが、最近でありまして、坂本委員のおっしゃるようなところまでさかのぼって、ありますかどうか、一ぺん調べてみます。それから、ありましても、今申しましたように、任意であるかどうかということは、実は今度のことでもよくわからないのがございますものですから、先ほどお答えいたしましたように、非常に目見当でお答え申し上げたのでありますが、できるだけ調べてやりますけれども、そういうことで、逃亡被疑者の指名手配というものが比較的新しいということ、従いまして、比較する古い資料はあまりないということ、これを一つお含み願いたい。それから、御指摘になりましたような内訳がはたしてうまくいくかどうか、その点はよく検討いたしまして、できるだけ詳細なものを出したいと思います。
  55. 坂本泰良

    坂本委員 これは検察庁の方ではわからないのですか。
  56. 竹内壽平

    竹内政府委員 ちょっとはっきりわかりかねると思いますが、今警察の方で資料をお集めいただいて、警察資料などを見せていただきましたならばそれからさらに事件ごとに当たってみまして、できるだけ御期待に沿うような資料を作りたいと思っておりますが、いつの時代にも何人かは逃亡者はあるわけなんです。しかし、これが問題になってきましたのは、前々回の選挙あたりからのように私は記憶しておるわけであります。
  57. 堀昌雄

    ○堀委員 私どもは、何もさっき坂本委員がおっしゃったように、犯人を作ればいいとは一つも思わないが、片や選挙制度でいろいろ議論をされ、ここに書いておられるように、私どもも罰則はなるべく簡単にして、こまかい文書違反だとかいろいろなものは取り除いて、自由な選挙にしてもらう、しかし、悪質なものは徹底的に取り締まってもらいたいという気持が土台にあるものですから、そこで、やはりどこかで一回けじめをつけるということが非常に重要な問題である。たまたま今の松川さんの問題は、ジャーナリズムも含めて、注視の焦点になっておりますから、との取り扱いについては、私どもは、今後一つの象徴的な問題として考えていきたいという立場で取り組んでおりますので、この点については、一つ警察庁の方も検察の方も、そういう意味を含めて、今後の選挙粛正のため、たまたま当時者になった松川さんにはお気の毒かもしれませんが、しかし、それだからといって必要以上の罰をもって臨むというのではなくて、現行法規の範囲において処理をしていただくだけで——とかく私ともの感じでは、これまで選挙違反についてはややゆるやかな処置がとられておったのではないか。それは私どもの感じで、皆さん方としては公正にやっておられることと思いますが、どうか一つ今回につきましては特にそういう面を含めて、今選挙制度の改正に差しかかっておる非常に重要な段階でもございますので、全体の面から御配慮をいただいて、あわせて資料を拝見してから、また今後引き続き検討させていただきたいというふうに考えます。  以上でございます。      ————◇—————
  58. 加藤常太郎

    加藤委員長 次に、理事の協議に基づきまして、請願日程の両請願につきましては態度を保留いたしたいと存じますので、御了承を願います。  本日はこの程度とし、委員会散会後理事会を開催いたします。  これにて散会いたします。    午後一時九分散会