○中島(巖)
委員 だいぶ時間もおそくなりましたので、ごく簡単に希望や要望を申し上げたいと思うわけであります。ただいま
木村、
石川両
委員からお話があったことに尽きておるのでありますけれども、実はわずか十日ばかり前でありますが、山梨県で、村の名前をちょっと忘れましたけれども、山林の入札をしまして、大体五千万円
程度なればいい、こういうような考えをしておりましたところが、中央道の
予算が四百億に
決定したというような風評が流れまして、そして七千八百万で落札した。こういうように、中央道の話でもって、すでに山梨県の富士五湖周辺の土地は値上がりのきざしが出ておる、こういう
実情なんです。それから、名神高速
道路について見ても、先ほど大臣からお話のありましたように、山から畑から田から合わせて千二百幾らというような
予算を最初
建設省は立てたのでありますけれども、実際は三千九百幾らというような三倍の値段になっておる。こういうような
状態なんです。従いまして、先ほど
木村守江委員からその点を詳しく御
説明になりましたけれども、現在の中央道周辺は、山梨県はもう県有地、村有地は全部無償で提供する、それから私有地に対しましても、
建設省をあまりわずらわさなくて、県でもって積極的に支援して達成する。こういうような空気が醸成しており、また、この間中央道視察に八王子に行ったときも、八王子の市長からそういう意味のことが言われたわけであります。それから、第二の問題といたしまして、
建設省は十九億とか二十億とかいう
予算要求をされたそうでありますけれども、あのときの時点と今日の時点とは全く時点が変わっておりまして、中央道に四百億、五カ年
計画の
予算を認めて、きょう
閣議決定をされたわけであります。そして
富士吉田までは着工するということがきまって、
政治の局面がもう大きく回転いたしたわけでありますから、ただいま申しました名神
国道の轍を踏まぬように、一挙に、少なくともこの前の五カ年
計画に示された百二億を上回る
予算でもって土地買収だけはやっていただきたい、こういうように考えるわけであります。
それから、大臣は、名神高速
道路がおくれて、三十七年度
供用開始の予定が三十九年に延びた、そういうようないろいろな事情から、こちらもおくれるのはやむを得ないという御
趣旨のことを言われましたけれども、名神高速
道路は確かにおくれておるし、
予算も非常に増額になっておるわけであります。しかし、この
責任はどこにあるかといえば、
道路公団だ何だと言いましても、結局帰するところは監督者である
建設大臣の
責任にあるわけでありまして、従いまして、あちらがおくれたからこれへしわ寄せするというようなことは、理屈にならないと思うのです。ことに本年度五カ年
計画を改定して倍額の二兆一千億としてスタートした以上は、それでもって向こうのしわを改めて、少なくとも
昭和三十三年度に策定したこの
予算を削るということは、どうしても理屈が成り立たぬことである、こういうように私は考えるわけであります。非常に
建設当局を追及するような言葉になりましたけれども、われわれ社会党だけでなしに、与党の諸君も、ここ数代の
建設大臣のうちでとにかく
責任を持ってたよりになるのはあなた一人だけだ、今までの大臣はおざなりのロボット大臣でだめだった、こういう
意見がもう
全会一致であるわけでありますから、どうか大臣は大きな見通しのもとに立って、この用地買収費だけは来年度全額見積もっていただきたい。沿道民はもう一致協力して今のような態勢でありますから、必らず先ほど
道路局長の言われた百三十億の線で押えられると私は思うのです。
昭和三十四年度の
建設省の発表したのは、
東京から
富士吉田まで八十億
程度のものでありましたけれども、その後二カ年の
歳月がたっておりますので、そういうようなことが実態でなかろうかと思います。もしそうでないとすると、また名神
国道り轍を踏みまして、三倍もの用地費を食って、そのあげくに工事が非常に遅延して、国の
産業に及ぼす影響が大きくなる、こういうように考えるわけでありますので、ぜひともこの用地買収費だけは来年度は完全に
予算に盛っていただきたい、かように考えるわけであります。それを消化する、せぬというようなことを
道路局長もずいぶん言われますけれども、名神
国道なんかは、
昭和三十二年度は三十四億何千万かを計上して、わずか二億七千万しか使っておらないが、
昭和三十三年度におきましては、
前期の三十二億の繰り越しと、その年の八十億、百十何億の
予算を二十億しか使っておらぬ。こういう点から考えましても、
建設省がその意思になって強く当たればこの
予算は獲得できるし、そしてただいま申しましたような
富士吉田までの用地買収は必ず来年一年で解決できる、こういうように考えますので、そのように御努力をお願いいたしたいと思うわけであります。答弁は要りません。