○西村(力)
委員 そういう
考え方では、いつまでもきまらない。これでは、日本
国民がああいう危険にさらされるという現実は、ぬぐい去ることはできないと思うのです。
最後に官房長官に聞きたいのですが、アメリカの方の
考え方は、日本人の人権を軽んじておるのではないか、こういう気持が私は非常に強いのです。今までの具体例を見ても、ジラード
事件御承知の
通り。ママさん大丈夫と呼び寄せておいて一発で殺した。それからジョンソン基地で、ロングプリーという三等兵が歩哨に立っておって、退屈まぎれで一発ぶっぱなして、宮村という音楽大学の学生を殺した。同じように那珂湊でゴードンという中尉が、退屈まぎれにひやかし半分急降下して、母親とむすこをひっかけて殺した。こういうような事例をずっと見ますと、どうもアメリカの諸君は、日本人の人権を軽んじておるというように私
たちは思わざるを得ない。今度の
事件は偶発的な事故だといいますけれども、そういう一連のことからいいますと、あながち偶発とだけで片づけることができないような気持もする。近ごろの新聞を見ますと、綿製品の賦課金の問題にしましても、金を借りて苦心惨たんしてアメリカから綿を買って綿から作った品物を売ろうとすると、今度はそういう工合に不当なる処置を受けるということになる。そういうような
状況下においては、日本
政府はもう少しきぜんとした態度をとってもうわなければならない。スマート中将の今の書簡にしても、善意だとあなた方は解釈する。そういうような基本的なあり方が、問題を
根本的に解決するために非常に障害になっておると思う。
根本的にいうと、やはり日本人の人権というものを非常に蔑視しておるということ、そういうところから問題がこういう工合に発生してきた。私は、少し思い過ごしかもしれませんが、そういう気持を持っておるわけです。そこまでいかないにしても、大事な日本人の人権を守られるための
政府の責任ある処置というものは、きぜんとしてやってもらわなければならぬと思う。私が那珂湊のエバンスとかなんとかいう人に会ったときに、アメリカでこういう問題が起きたときにどうするか、市民は黙っているかと言ったら、市民がやめさせるように大蜂起するということを彼自身が言っておりましたが、その現実が那珂湊に現われておる。
久保君が言うように、演習再開をしようとしたら、すわり込みでも何でもやるところにきておる。四年ばかり前のゴードン
事件のときにも、あそこの農民が襲撃をかけようという計画があった。あそこは五・一五の発生地のようなところで、水戸魂がすばらしく入っているところなんですから、これはやりかねないですよ。四年前でさえ襲撃をかけようとした。私
たちは、そういうことをやっては困るから、まあま
あということで収拾いたしましたが、今度はそうは参りませんよ。はっきり具体的な実力行動に出るだろうと思うのです。これを押えることはできない現状にあるわけです。ですから、今のような一連の
質疑応答をずっと聞いておりますると、何としても問題の前進が見られない。また、
政府のほんとうのがっちりとした決意というものを少しも承ることができない。そこのところを
政府側において思い改めて、そしてしっかりとこの問題の解決のために、全
国民の憤激を背にしょった形ではっきりその処置を進めてもうわなければならぬ、こう思うわけです。この
考え方につきましては、十分聞いておいて、そのように
一つお願いしたいと思います。