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木村(公)
委員 三十六億余と申せば、今日、おそらく二百倍とすると七千億、三百倍とするならば、大へんなことなんです。国の一カ年の
予算にも該当するほどの
財産であったと私は思うのでありますが、この
財産がなぜできたということに対しましては、またいろんな議論があるところでありますが、われわれは所有権を認めるものであります。さらにまた私有
財産を是認するものでございますが、そういう
考え方から申しますれば、
憲法の改正によって、現在の貨幣価値にいたしますれば一兆円にもなんなんとするほどの
皇室財産が、無償で、一片の
法律でもって
国家がこれを所有するに至った。しかも、それに対してはその後何ら捨てて顧みない。そのようなことに対して、
国家が感謝の決議をしたこともない、あるいは
国民にそれを十分伝達をして、皇祖のおかげで国の富がふえて、それがために、たとえば農林
関係においては今このような収益を得ておる、あるいは通産
関係においては現在このような果実を得ておる、あるいは厚生省の
関係においてはこのようなおかげをこうむっておるといったような、いろいろの
国家としての受けたる恩恵があるはずでございますが、そのようなことも、
終戦後すでに十六年になるのでありますが、ただの一度もわれわれにわからない。ただやみからやみへ、
憲法改正に便乗して
——一つの革命とおっしゃればそれきりでございますが、一兆になんなんとするような
財産が
没収された、
国有に移行された、そうして現在それは、
国有としておるがために、いろいろ果実を生んでいきまして、非常な利益を
国家は得ておる、国富も非常にふえておる、それに対してはいささかも感謝の決議もない、
陛下に対して、
皇室に対して、まことに相済まぬというようなことも、いささかも
国民も知らない、
政府も知らないということは、私はまことに残念でたまらない。せめてはあなた方のお口から、そういうことは下情で申せばさもしいことでございますれば、われわれがこういう場を通じて全
国民にそのようなことを明らかにして、もって
皇室に対していや増すところの感謝の念を持つとか、あるいは尊敬の念を持たしめるということも、私
どもとしては、これは大事なことだと存ずるのでございますので、特にこういう場を利用して
——この場は
全国津々浦々に通じておる場所でございます。この場所において、
宮内庁の、ことに
小畑さんは
皇室経済の主管でございますから、
小畑さんの口から堂々とこの席においてもしもこれを語っていただくことができるならば、おそらくそれはラジオ、テレビ、新聞によって
全国津々浦々に報道されて、一そう
国民は、
皇室はお気の毒だった、しかしながら、今
皇室のおかげでわれわれはあらゆる面において非常な恩恵を受けている、ありがたいんだということがわかるかと思いますので、まことに私は当を得た場所だと存じますので、この場所柄、もう少し詳しく、当時の貨幣価値にして三十六億の
財産の詳細も、承れれば承りたい。そうしてこれが
憲法の改正によって
国家に移管された。今は、それが、おそらく貨幣価値が変わりまして一兆となって、厚生省はどの
程度、農林省
関係にはどの
程度、あるいは建設省
関係はどの
程度のものが大蔵貧を通じて移管されて、そうして今これくらいの果実を生んでおるというようなアウトラインだけでもおわかりにならないかどうか、ちょっとお伺いをいたします。