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穗積委員 今の御説明でまだ私
どもは納得する何といいますか、三十五年度までの予算をきめておきながらそれを急転換する一することも私は必ずしも悪いとは言いませんけれ
ども、今の御説明では、そこへ飛躍する理由が、あなたの方で腹の中では思っておるかもしれないけれ
ども、私が伺った範囲ではまだ十分だとは言えない、すなわち納得できないということであります。
それから過去のことなんでございますが、この
工場が
電車の単
能工場として初めから発足したのは、東海道を中心にして
電車の工事量というものがふえるという予測の上であり、しかもあの地区は、従来は関東地区に比べましたり、関西地区に比べますと、
電気の供給量が非常に少ないということであったわけですが、これは佐久間ダムによって、この中部地区の
電気の供給力というものは十分補強して、あり余って関東地区にも送っておるわけです。そういうようなことは一年や二年で出てきたことではない。佐久間ダムの
計画というものはもう長い前から出ておったことであり、しかもそれは数年前に完了して発動しておるわけです。そういう点から見まして、この一、二年で急速に情勢の変化があるということは私は言えないと思うのです。関さん自身がその当時の
計画の責任者であったとは私は言いませんから、あなた自身を責めるわけではありませんけれ
ども、どこに一体見通しの誤りがあったか、その反省をして、理由はかくかくだ、そこで新たなる事情はこういうデータがあるのだから、こういう点でやることが合理的だ、政策の転換をやるのだということが、私はまだこれでは十分説明を伺うわけにはいかない。しかしきょうこの
委員会でそういう問題について一々私とあなたの間で質疑応答を重ねますことは、
委員長初め他の
委員の方にも御迷惑であろうし、またここですべてをやる必要はないと私は思うのです。まだあと質問者もおありのようですから、私は一括して
工場の点から見て、今度の
整理案の中の人員
整理の
構想を伺いたいと思うのです。
今あなたのお言葉の中に、
労働者のベースアップが今度の
合理化の目的の中に入っておるのだ、それが理由になって
工場を
廃止または
整理するのだ、こういうことでございますから、今度の
合理化案の中で、
工場を
整理統合するだけではなくて、
従業員の人員の
整理そのものについてもまたあとで伺いたいと思っておるのですが、最初にまず話のついでですから、
工場の
整理統合案が、名前は
合理化でありますが、実際は非現実的な不
合理化案ではないかという疑点がまだ残る、その理由をあとの検討のためにここで申し上げておきたい。あと具体的にお尋ねしたり、御
意見を伺ったり、われわれの
意見を言ったりすることは、必ずしもきょうの、しかも一回の
委員会でやる必要のないことですから、次々の
委員会でお尋ねさせていただいたり、あるいはまた直接組合との交渉の中でお尋ねして
意見を伺ってもできることですから、御参考のためにちょっと申し上げて、私の質問をスピードアップしたいと思っておりますから、その点ちょっと取り上げて検討していただきたいと思うのです。
今おっしゃいましたことで、今まで見通しが誤っておりたということに対しての御説明は、十年前のことでございますならばなんでありますが、今申しましたようにごく一、二年のことなんです。そのときに具体的な電力量なり工事量の需要がふえるということは、この地区においては買収
計画を予算化したときからすでにあった具体的事実なんですね。それを見落としておられた。見通しの誤りではなくて、あるものを見落としておられたのです。そういうことでありますならば、今度の五カ年
計画そのものも、また何かの見落としによってその政策を転換せしめなければならないというあやまちをもう一っぺん繰り返される危険がなしとしない。ないということを証明するためには、過去の見通しの誤った理由、政策を転換する具体的なデータというものが、もっとわれわれにも納得できるような御説明を必要とするわけであります。そこでそのことを
一つ御注意申し上げて、今の
お話でありますが、東京または関西に
電車の配車または需要が
集中するとおっしゃいますけれ
ども、東海地区だけをとってみましても、御
承知の
通りこの地区は豊橋、
豊川、蒲郡、新城、四つの市を中心にして、建設省あるいは自治省、通産省でここは臨海百万都市にするという
計画で、重化学工業進出の候補地になっているわけです。従って
通勤電車その他の増設は当然
考えられなければならないし、そこに増設するならば、
赤字線ではなくて黒字線になる
可能性が十分あるのです。そういう経済的バック・グランドというものは、既成の事実として出てきておるわけです。のみならず今やっておるものを見ましても、飯田線、それから身延線の修理を今やっておるわけです。それ、だけではなくて、飯田線の一部が複線化することも、もうすでに
地元の交通需要から見て当然の
結論になりつつある。それから岡崎から多治見に至りますものも着工が決定されているわけです。それから今のあなたの
お話でも明瞭でありますが、中央本線の電化
計画というものは、もうすでに明瞭になってきておるわけです。こうなりますと、東海道新幹線の広軌の
電車は別といたしまして、このローカル線を中心とし、また旧東海道を中心とした狭軌の
電車需要というものは、この地区で相当ふえる見込みです。もう将来のイメージではなくて、現実化しているわけですよ。あなたのおっしゃるように、関東または関西に需要量または配車の必要が
集中するという今の抽象的な御説明では、われわれは納得するわけにはいかない。
それから次に問題になりますのは浜松との問題でありますけれ
ども、浜松は従来
蒸気機関車を中心にした
工場であったわけですね。この
蒸気機関車は今おっしゃるようにゼロになるわけですね。従ってこの
設備をどう転換するかということは、
国鉄当局として当然お
考えになるべきでしょう。その場合に二つありますが、
一つは
整理して民間に払い下げるか、あるいはそうではなくて、単に
国鉄内部でより合理的に転用するかということ、その場合に、今度の御
方針によりますと、浜松
工場は新幹線の
工場としてこれを活用するという
方針がきまっているわけです。そうなりますと、これは広軌です。しかも、従来は
蒸気機関車でありましたが、
電気あるいは
ディーゼル動車ということになりますれば、浜松は基礎ができ上がっているわけですから、当然単
能工場として存置をし拡張する、一方
豊川工場のごときは、今申しましたような狭軌の
電車を中心といたしました単
能工場としてやれば、浜松
工場も
豊川工場も二重
投資にはならぬと思うのです。しかも先ほど私が申しましたように、総裁通達で御
発表になり、
工場調査委員会の
結論も同様でございますように、
豊川地区は地価の点から見ても、敷地の余裕の点から見ても、また交通の点から見ても、それから
労働者の住宅、その他厚生施設の建設の点から見ても、あるいは
生活そのものの実情から見ても、密集した東京または関西に新しく
工場施設を拡張したり、あるいは新しい
投資をするよりは
投資額そのものが少なくて済む。われわれの入手いたしております
調査資料によりますと、買収
計画が
発表になりまして、予算化して三十五年までに買収するときの
計画は、千三百両の
電車を修理をする。それが
適正規模である。そのためには
工場を拡張しなければならない。
工場拡張は易々としてできるわけです。これはこの
委員会の方も一ぺん見ていただけば一目瞭然で、市街地の
工場拡張
計画よりは実に安易にできるわけです。国有地であり、その他の民有地についてもまだ非常な余裕があるわけであります。気候はいいし、それから
立地条件、地盤の点もいいし、水利もよろしゅうございますし、
生活物資も安いということで、これは十分
可能性があるわけです。それで見ますと、浜松の今まで
投資いたしました既設の
設備を活用する、それに新たにこれを吸収いたしますと新しい
設備投資をしなければならない。その
設備投資をする場合と、
豊川工場で千三百両なり千五百両なりを目標とした、まあいずれにしても千両前後の、黒字の
経営の十分できる
適正規模にするための
投資額というものと比較いたしてみますと、比較にならぬという計算はわれわれには出ておるわけです。はるかに
豊川で拡張
計画をやった方が安くいく、少額の
設備投資でいくという計算が出ておる。それについての説明もまたやがて伺いたいと思っております。これは私の方の計算が一方的に正しいといって
当局の計算をなじるわけではありません。しかしながらわれわれはそういうふうに
考えるが、どういうものでございましょうかということですから、これも取り上げて検討をしていただきたいと思うのです。そのほか、
労働者の
生活状況あるいは
地元経済との
関連等は申せばきりがありませんから、先ほど申しました
通りにこれ以上のことは他の機会に留保して譲っておきたいと思っております。いずれにしても
工場の今度の
合理化案の
車輌の配置と、それから
経済的規模という二点から見て、しかも単
能工場が合理的であるという
当局の
結論から見るならば、その
当局の基本
方針から見て
豊川工場を
廃止する客観的理由というものは非常に非合理的な、非現実的なものではないかという疑いがいまだに私は残っておるわけですから、その点は十分検討していただきたいというふうに思います。
それから第二の問題で私は一点だけ伺っておきたいと思いますが、今度の
合理化案でわれわれが特に関心を示しますものは、これに伴って十五カ年間の長期を
考えたときに、
国鉄の
従業員がただいまどれだけおりますか、四十五万見当でございましょう、それを一体どの程度に人員
整理をなさるつもりであるのか。この点も
工場の
整理案とともに伺いたい。これはこの
工場だけでなく、運輸の部分もこの
合理化に伴う人員
整理を
考えておられると思うのですが、もしありとするならば、一体それはどういうことを
基準にしてどういうふうにお
考えになっておられるのか。これは直接
労働者の
生活問題ですから、この際基本的な
方針だけ伺っておきたいと思うのです。