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木村禧八郎君 これは非常に、問題はデリケートだと思うのですが、また私は、DAGの
会議だけでなく、IMFなり、それから世銀ですね、第二世銀ですか、そういうものもできてきておる。これなとは、かなりソ連、
中国――東側の援助の積極化に対する対抗策という面も、かなり強く出ていると思うのです。
それから先ほど
ケネディ政権になってから、DAGに対する
アメリカの腰の入れ方が非常に積極的になったということも、やはりそういう東西両陣営の援助競争に、西側は負けまい、こういう
考え方がDAGにも
影響してきて、いるのじゃないか、第一回からその後ずっと、変化してきておりますからね。それで今度ロンドン
会議において参加十カ国の構成国の総生産の一%の案が出てきたのも、やはりそういう線ではないかと思うのですよ。
そうしてかりに
アメリカの
立場に立ってみれば、
日本は非常にちゃっかりしている。そうしてコマーシャル・ベース、コマーシャル・ベースといって、そうして今、
アメリカがソ連、
中国との援助競争で一生懸命になっているのに、
日本だけがコマーシャル・ベースでやっているというのに対して、あまり感じはよく思っていないのじゃないか。
アメリカからすれば、そういう西側の陣営とすれば、そういう感じがあるのじゃないか。そういうことから、
日本に対して援助を、しかも今までの援助と違ったアンタイド・ローンというのを要求してくるのじゃないか。そうなると、
日本は先進国でないのに先進国の、つまり私の言うのは
経済的、商業的な借款以外に、非常に西側の東に対抗するための、かなり政治的な意味を持った、その借款に巻き込まれる、そういう可能性が出てくるのじゃないか、そういうことを私は懸念するわけなんですね。
そこでそういう意味で、DAGの成り行きを非常に重視しているわけです。そういう
立場から今
質問してきたわけですが、その点が、私は一番重要じゃないかと思うのですよ。ですから、それは後進国援助に対する
日本の
立場、
日本の占める位置、そういうものをはっきりさせるべきだ、それで、これまでは非常にちゃっかりしてきたのですから、ちゃっかりという
言葉は変ですが、あくまでも
経済ベース、コマーシャル・ベースでやってきたのですが、その点が、いたずらに先進国の政治的な援助競争に
日本が巻き込まれるということになると、
日本がまた政治的にも非常に困ることになる、そういう紛争に、
日本は中立的な
立場に立っていかなければならぬ、そういう
立場にあるのに、
経済のそういう面から、どんどん深入りしてしまって抜き差しならぬようになるということではいけないのではないかと思うので、今のような
質問をしたのです。
ですから、その点をどういうふうに
考えていくか、これは、かなりデリケートですけれども、しかしやはり、そういう点をはっきりさしておかなければ、今度の七月の
会議においても、これはまた、問題になると思いますので、
外務大臣の御意見を最後に承っておきたい。