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政府委員(堀秀夫君) 三池の解雇者につきましては、先生御承知のようないろいろ総合態勢を作りまして、各省及び現地の総合協力のもとに配置転換援助をはかっておるわけでございます。ただいま最近までの概況を申し上げますると、大体千百名
程度がいわゆる九月九日の
離職者でございますが、これにつきまして、現地においてこの一月以来、毎月先ほど申し上げましたような方法によりまして、現地相談を行なっております。その結果、具体的な
求人と求職との結びつきが相当促進されまして、それと、
離職者の方々におかれまして、この職安の紹介のほかに、縁故等によりまして県外に移動されたという方も百人近くおるわけでございます。それから
職業訓練所にすでに入所して近く卒業される方もおります。こういうような方々を入れますと、大体四百人ぐらいは
対策が済んでおるわけであります。残りの七百人ぐらいの方々のうち、最近実は荒尾の総合訓練所等での訓練の
状況、あるいは就職の
状況等が現地でも見られまして、これは
職業訓練所にぜひ入った方がいいのではないかという気運が非常に高まっております。現在第一組合等でまとめられました
調査によりましても、
職業訓練所に入りたいという希望の方が四百数十名に及んでおるような
状況であります。これは私ども非常によい
傾向であると考えておりますので、これは現地の荒尾の訓練折、それから小金、八幡の訓練所、小野田、大阪の訓練所、その他
一般訓練所がございまするが、これも収容人員の
増加をする等の措置を講じまして、大体失業保険が切れますまでの間に、この希望者については全員を収容させていく、こういう態勢を大体とることができておりますので、今後は御希望によりまして、ただいま申し上げましたような各地の
職業訓練所に入っていただくということを考えたいと思っております。訓練所に入りますれば、その期間はさらに失業保険が、先般の
改正によりまして延長されまするので、
生活のある
程度の保障を得つつ訓練を受け、そうして卒業いたしました場合に就職する、こういうことになると思いますので、これを第一番目に
推進したい。
それから、それと並びまして、やはり訓練所に入らないで、すぐ就職したいというような方につきましては、この四月、五月、六月、同じような形で各受け入れ地の
求人を開拓いたしまして、これは特に中年層以上の方々が多いわけでございまするから、各受け入れ地におきましては、中年層以上を対象とする
求人を開拓するようにということで、目下指示しております。
求人も最近はそういうものにまとまりつつありまするので、これによりましてお世話をして参りたい。それからさらに就職をするよりは、やはりいろいろな
関係もあって、自営業を行ないたい、こういう希望者もあるわけでございます。こういうような方々につきましてはいろいろございまして、私の方としてはできるだけの援助をいたすようにしております。
一つの例を申し上げますと、たとえば福岡、大牟田等におきまして、タクシーの自営業を行ないたいという希望がございまするので、これは現地の
労働局にも話し、都会地におきましては運輸省、現地におきましても陸運局等にも積極的に働きかけまして、その免許が円滑にいきまするように、目下依頼をしておるわけでございます。それから自営業の際の資金が必要でありますのでこれにつきましては、中央の
関係各省を集めまして、
推進本部におきまして、あるいは
中小企業金融公庫、あるいは国民金融公庫等からの融資を好意的に行なうように、各省も了解済みでございますので、これにつきまして現地の県当局、もしくは
援護会の支部等におきまして、推薦状をつけまして、好意的な融資をしてもらえるようにしております。また、金利の面もございまするので、これについては県とも話し合いまして、融資を受ける場合の利子の補給というようなことにつきましても、最近福岡等におきましては
予算措置も講ぜられておるわけでございます。
以上のようなことをからみ合わせまして、自営業、それから就職のお世話、さらに
職業訓練所への収容、そういうようないろいろの手段を併用して、三池の
離職者の方々の配置転換に遺憾なきを期したいと思っております。