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高田なほ子君 まあ言うべきであるとかないとかという問題でなくて、これは感覚の問題ですから、ここでこれを議論しても果てしないことでしょう。
そこで、先ほどの不用額の問題について、具体的に例をあげて見解をただしておきます。
先ほどの見解では、不用額についても、
会計検査院は不用の部分が妥当な
予算の行使によって不用になったのか、あるいは
予算の行使について手続上等の問題があって不用になったのか、あるいはまた地方財政のいわゆる地方交付税率等の問題に関連しながらこれが心ならずも不用という額になって残ったのか、こういうふうに不用の額の
内容等については、さまざまな複雑な
内容を持つものだと思うのであります。ただ、特にこの児童保護対策、社会福祉対策、これらの問題は、あげて国民の政府に対して強くその強化を要望している点でございます。ところが、三十四年度の
決算の
説明、大蔵主計局からこれは出されたものでございますが、遺憾なことには、児童保護その他の社会福祉費は、民間では旱天に慈雨を求めるような
気持でこの
予算の
増額を待ち望んでいるわけです。これは私も本
会議や
委員会でしばしば問題にしてきて、
予算が足りない、政府はもっと
予算を組んで、子供やそれから恵まれない人のために全力をあげるべきであるということを実は主張してきたわけであります。しかし、三十四年の収支の状態を見ますと、この面における不用額というものは、
相当の項目と額にわたっておるわけであります。国民は旱天に慈雨を望むような
気持でこの
予算が均霑されることをひたすらに願い、私どももまたかくなければならないといっているが、実際の財政の運営の面においては不用額が出てきております。具体的にいうと、児童保護その他社会福祉費、この
経費は児童福祉法に基づいている児童保護費、それから身体障害者の福祉法に基づく身体障害者の更生、医療費等の
経費に関する
補助であります。それから母子福祉貸付金、それから婦人保護費、それから低額所得層の世帯に対する更生資金の貸付、それから医療費貸付の
補助であるとか、それから原爆障害対策費、それから社会福祉
事業振興会に対する出費、並びにその他社会福祉諸費に要した
経費、これを含めて児童保護その他社会福祉費と、こういうふうにまとめてあるわけであります。これを見ますというと、児童保護費の
予算、それから使用額、これらを見ますと、こういうことになっているわけです。
歳出予算額は百二億七千二百八万六千円、これは
歳出予算額であります。これが支出になりますと、百一億千九百三十六万四千円、こういう支出になって、翌年度の繰り越し額が一億六千四十五万六千円、不用額が一億五千百万七千円というふうになって、不用額が一億五下万円から出ておるわけであります。実にもったいない不用額である。こういう不用額が最も必要なところに残ったというこの
予算の運営の仕方、これは妥当を欠く問題だろうと私は思う。でこの妥当を欠く問題について、
会計検査院は先ほどお尋ねしたところが、こういうような
内容についても、
会計検査院はその
予算の運営の適正を期さなければならないのだ、こういうような
お話をされておるわけです。おそらくこの不用額は地方財政の貧困による受け入れ態勢ができなかったという理由もあるでしょう、国の
補助が消化されない幾多の原因はその他にもございましょう、だがしかし、最低必要であると、こういう考えのもとに出した国の
予算が、かくのごとき形で不用額ということになっていくということはまことに残念にたえない。これを適正な運用にするために国はどういう注意をしなければならないのかというような点も、これも単に行政監察の部面にまかせておくだけではなくて、
会計検査院の
機能の中に、先ほど御答弁になったように、不用額についての検討等も含まれているとするならば、これは当然国に対する
会計検査院の態度というものは、
決算報告に加えて付加されるべきものではないか、こういう
考え方を実は持つのであります。この点について
会計検査院のお考え、並びに今日までのいわゆる不用額の運営等についてどのような態度をとり、どのような施策を、あなたの権能内において
執行されてこられたのか、こういう点についてお尋ねをしたい。