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高田なほ子君 どういうわけで国立
国会図書館に勤めている人がそう虐待をされる。同一の身分であって、職場の動きでもって差をつけるという従来の慣行は、これはぜひ直していかなければなりません。しかし、これは、あなただけ騒ぎ回ってもしようがないことでありますから、まあ私
どもも、党の方によく相談をして、大いに応援をしたいと思います。不敏にして、私も
国会に十年おりますけれ
ども、こういうべらぼうな差がつげられておるということを実は知らなかったのです。たまたまこの
国会の
予算を
審議するということで、待遇がどうなっているかということについて調べてみましたところが、まあさようなわけで、これはまことに相すまないことであると
考えておるわけです。まああなただけ責めるわけではありませんが、これは、すべての人の認識を得なければならない問題だろうと私は思います。特に初任給の格付に伴っても、図書館の
職員は差別があるようです。大学卒で、衆議院、参議院の場合は、この初任給が、まあこれは
ベースアップ前のだと思いますが、
ベースアップ前のは、衆参両院とも二万二千円、図書館の方は、大学卒で九千三百円、これは
給与改訂前の資料きりありませんけれ
ども、かくのごとく、同じ大学卒でも相当の額の開きがある。一体大学卒業というのは、これは
一つのやはり重要なインテリなんです。このインテリ・ルンペンみたいなサラリーを
国会がつけておくということは、私
どもは恥ずかしいように思います。今ごろ大学卒のしっかりした若い人を初任給九千三百円で採る。しかも、一方は、議事堂の中にいるということだけで一万二千円である。片っ方は、
国会図書館にいるので九千三百円であるというのでは、身分はそれで同じだというのでは、これはずいぶん私は
国会としておかしいと思う。また、短大卒はどうなっているかというと、これも改訂前でありましょうが、九千三百円、九千三百円は衆参両院の短大卒の初任給です。これに対して図書館の
職員は八千六百円という、これまた大幅な開きがある。高校卒でも、やはり衆参の初任給は八千三百円、そうして図書館の方は八千円である。こういうことになっている。ですから、はっきり言うならば、図書館に勤めている大学卒業者の初任給は、こっちの衆参両院に勤めている——運よく就職された短大卒業者と全く同じです。ほとんど違わない。これは明らかに不当な
給与上の差です。それじゃ、
国会図書館の
職員はサボっていていいかというと、サボるわけにいかない。より大切な彼らは責任を持たなければいけない。そうであるとするならば、同じように大学卒業者を迎えるということなしには、決していい
職員が入ってこないと思います。私は、図書館というものは、文明諸国家では大切にする
存在である。不幸にして、わが国においては、図書館というものについてあまり大切にしようという
考え方を持たない。
民間でもそうです。しかし、
一般の今の若い人たちは、図書館というものに非常な関心を持っております。われわれ年寄りとは違った感覚を彼らは持っている。でありますから、図書館に勤められる同じような身分を持っておられる方の初任給を、このような格差をつけていくということは、はなはだ遺憾きわまりないわけであります。このことを、私、十分に今日まで知らないで、発言をする
機会も党の中でございませんでした。ここに中野先生のような議運のベテランもお見えになっていることでありますので、非常に私はいい
機会だと思います。どうか館当局も、こういったようなことから、若い人たちの士気を沮喪させたり、同じように働いているのに何だというような、そういう感じを持たせるということは、能率を低下させる一番の原因です。私は、幾らでもたくさんやれなんということは決して言いません。大学卒業者には卒業者としての雇用上の慣行もあるのですから、私は横車を押すつもりはさらさらございません。しかし、こういうめんどうを見て上げないというところに問題が起こってくることは、よくおわかりだと思います。これは、私
どもにも大きに責任のあることでございますから、私
どもも応援をしなければなりませんが、どうか
一つ、館当局はあまり遠慮なさらない方がいいと思います。先ほどから、だいぶあなたは遠慮されて、勤務の
内容がいささか違いますからというようなことを言いますけれ
ども、それは違いますよ。それは、消防とおまわりは勤務の
内容が違いますよ。違いますけれ
ども、身分が同じという場合には、サラリーもやはり同じでなければならぬ。われわれ議員の方でも、法務
委員会でやるものと文教
委員会でやるものは、それは
内容は違ってくるが、しかし、やはり待遇は同じというように、同一身分のものに対して、そうして勤務時間が同じというものに対して、すわっておるからとか、片っ方は動くからとかいう、そういう客観的条件から差をつけるということは、これは非近代的です。この非近代的なことをこの日本の一番最高の立法府が平気でやっているということについて、これは、私もこれを見て恥じ入ったわけです。申しわけないという気がする。長年の慣行があるかもしれませんけれ
ども、一ぺんにこれは直らないと思いますけれ
ども、
一つがんばって下さい。