○
国務大臣(
荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。御指摘の
通り、私立大学が教育の面において、非常な役割を果たしておる。
国民の教育の機会均等の場において、公共的な働きをしておることは御指摘の
通りであると思います。
そこで今、
予算面からする私学と国公立との
関係において、非常に差別しておると申しますか、金額が一方は膨大であり、一方は僅少だという
意味の御比較のもとに御批判がございましたが、これは国立と私学との本来の性格ないしは特色からして、もうずっと以前から当然のことと理解されて今日に至っておろうかと思います。新しい教育の実施されました戦後におきましても、その
考え方をずっと踏襲して参っておるように
承知いたしております。言いかえますれば私学はあくまでも国の権力によって支配するという
考え方でなしに、あくまでも自主的に私学のそれぞれの特色を生かして、教育の面で協力してもらう。まあ、そういう建前であろうかと思います。従いまして国立は読んで字のごとく、国で財政的にあらゆるめんどうを見る。私学はその沿革から申しましても自己
資金ないしはまあ民間
資金によって、みずからの責任において経営
管理していくことを建前とする。ただし、やはり御指摘の
通り、青少年の教育に携わる
意味においての、公共性のきわめて高い施設でございますから、その
意味において、国はできるだけの
援助をするという建前で、その
援助の
方法も、一般的に申し上げれば、学校の施設ないしは設備等について、金が要る、それに対して、民間
資金、銀行預金なんかならむろん大へんな金利がかさみましょうが、寄付金なり、あるいは一般の
資金であるのに、十分でない、もしくは金利の問題がある、そこで、その
資金を潤沢に協力していこうという
意味から、なるべく長期の低利の
資金を供給しようということで、私学振興会を通じまして、その私学振興会に
政府か出資をいたしまして、それを
資金として回転しながら、なるべく長期低利の
資金を提供するということを一般的な国の私学に対する
援助のまあ限界として参っておると
承知いたします。ただ、特に、たとえば科学
技術教育の振興というがごとき、特に金がよけいに要る、また、国としましても、私学に依存して人材の養成をしてもらわなければならないという必要性からいたしまして、適当なこれには補助金を支給する。まあ、そういう
考え方で私学の振興に国が協力することが、私学の特質あるいは自主性ということを念頭に置きました場合の限界線ではなかろうか。こういう
考え方で一貫してきておりますことが、
予算面から申せば、御指摘の
通り、一は五百億円以上、一は、三十六年度
予算におきましては前年度より十億円ばかりふえまして、私学振興会の出資を含めますれば、今
大竹さん御指摘の金額にもうちょっとふえまして、二十三億円余りかと思いますが、むろんそれで十分とは言えませんけれども、
原則的に申し上げれば、国立、公立と私学のそれぞれの特性から、あるいは沿革からいたしまして、余儀ないことであろうかと思っております。さらに前向きに、もっと私学振興上必要な
援助をなすべきことはこれは当然なことであろうとは思いますが、それは今後に待ちたいと存じております。