○森八三一君 私も長い目で見まして、旅行も愉快にできまするように、
日本の経済成長の妨げにもなりませぬように、国鉄の輸送力というものを増強していただきたいということについては、全く
賛成でありまして、ちっともそれを、どうしろこうしろというようなことを申し上げているのではございませんが、今、いろいろな物価の値上げということから、国民大衆は非常におののいているという状況下に公共料金を引き上げますることは、非常に感じも悪うございますし、あるいはそれが
一つの契機となって、便乗値上げというようなことに発展をしていく危険は多分に私はあると思います。
政府が管掌する物価でございますれば、ある程度押えることもできましょうけれ
ども、そうでないものは、これはもう自然に上がっていく。今月からも、すでに牛乳が一円値上がりになっております。そういうことなんかも、ずんずん進んでくるのでございますから、ここでやはり、
政府が範を示すという態度を
一つとっていただきたい。
それには、今申し上げまするように、もし、私がここで
質疑いたしましたように、三十四年度の収支の内容には改善すべきもの、不合理なもの、いろいろあるにいたしましても、とにかくそう帳面じりで収支二十八億円の黒字であるということでございますれば、三十五年度に、どう推移いたしますか、私わかりません。わかりませんが、おおむねの勘として、職員の皆様に対する正常な待遇にする
ための人件費の増というものと、経済の成長に伴う自然の運賃収入の増というものを、あっちこっちやりますれば、大体、差引そんなに大きな狂いはないんじゃないか。そうすると、三十六年度の新五カ年計画によって、投資をいたします部分がどうなるかということだけを検討すればよろしいんじゃないか。その場合に、東海道新線あるいは電化等、黒字計画になるので、投資というものは一千億円くらいはある、残りの一千億円くらいのもののうち、自己資金で六百億はまかなえるということでございますれば、その残りの四百億円だけを始末すればよろしいんじゃないか。その四百億始末するときに、建設的なものでございますれば、一カ年の運賃収入という損益計算で始末いたしませんでも、年賦償還式に長い目で
考えていくと、こういうようにいたしますれば、年度の運賃値上げというものは五%なり三%なりという低率でよろしいんじゃないか。その間、資金の手当をどうするかという問題はもちろん起きて参ります。財政投融資の方から回す余裕がないということになりますれば、一般市場から三百億や四百億円程度のものでございますれば求めましても、それが金融市場に、どういうような悪影響を与えるとか、経済全体に、どういうような麻痺
状態を出現するというほどのものではないんじゃないかという感じを持つのであります。
そういうふうに
考えていただきますると、
政府が率先をして物価の値上げというものについて、これを抑制する態度をとっているんだということになりますので、ひいて他の物価値上げということについても、非常なこれは好影響を来たすと思うわけでありますので、これは
総理と、今ここで押し問答いたしましても、大体腹がきまっちまったようなことでございまして、いかがかと思いますが、
最初に申し上げましたように、あくまでも
話し合いで納得のできることは、
予算の修正すらやぶさかでない、こういうような態度を私非常に
気持よく受け取っているのでございます。もう一ぺん
一つ御再考を願いまして、もし私の申し上げまするようなことになるといたしますれば、その内容において一二%実質引き上げるかと、引き上げないかと、そうして、ほんとうに民生の安定に役立つようなことを
一つ考えていただきたい。平均値といたしましては、相当私は引き下げても大丈夫だ、こういう感じが出て参りましたので、もう一ぺん、御再考願うことを希望いたします。
時間が迫って参りましたので、その次の問題に移らせていただきますが、その次にお尋ねいたしたいことは、税の問題に関連してでございますが、今回、多年要望いたしておりました農業者等に対する専従者の控除を認めていただくということになりました点につきましては感謝も申し上げ、敬意も表するのであります。これはもともと、
昭和二十五年の税制
改正のときに、シャウプ勧告の中にもあったことなんでありまして、まあ当然と言えば当然のことだと思うのであります。
ところが、そのことが地方税の方には影響をさせない、こういうことにきまったやに聞くのであります。こうなりますると、
昭和三十四年度の大蔵統計によりますると、農民で、国に直接所得税を納めておりますのは、四十一万七千戸ということでございますから、農家戸数は農林統計から六百万戸といたしますると、専従者控除専従者控除といって、多年要望して参り、昨年の選挙の前にも、相当
考えて上げようというような、それとなしに御了解を願ったことが、形の上では実現をいたしまするけれ
ども、結局多数の農民諸君には、何らの影響がない。端的に評しますれば、絵にかいたもちに終わってしまう、こうなると思うのであります。
なぜ一体、地方税にこれを反映なさらないのかす従来の課税方式でやりますれば、当然国税の方で減税が行なわれますれば、そのはね返りというものは住民税の方の基礎になって参りまして及ぶわけなんです。それをなぜここで断ち切られるのか。私思いまするのに、これは地方の財政が非常に苦しい、苦しいからやることであろうと思うのであります。そこで、地方の財政計画の問題につきましてもお伺いをいたしたいことがございますが、まず第一に、なぜ一体地方税に反映させないのか、それを
一つ大蔵
大臣にお伺いしたいと思います。