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大和与一君 私はただいまの
決議案に対しまして、若干の質問をいたさんとするものであります。
ただいまの
議長さんの
亀田議員の答弁に対する取り扱いは、「何ぞそのもとを正さざる」、こういう言葉がありますように、今のこの瞬間のこういう内容について、
議長がまるで本気になって青筋を立てて怒るということは、全く私は笑止千万であると思うのであります。従って、私はこの質問を通じて、国会全体の正常化、このために、そういうことを私は前提として質問をいたさんとするのであります。
実は二、三日前の日本経済新聞を見ますと、もとの鹿児島の気象台長がこういう文章を出している。それは、「鹿児島の市民の目の前に桜島という島が噴火をしている。その降灰のために農民がいつも困っている。それに対する救済策というか、なかなか十分に手が打てない。だから、もしもこの桜島が東京にあるとすれば、ちょうどこの国会から荻窪か阿佐ケ谷くらいのところにあるのである。そうなれば、おそらく国
会議員も
政府も黙って見ておれないであろう。」こういう痛烈な諷刺といいますか、こういう一文がありました。これは私は、何も鹿児島のことだけを言うのではないのです。そうでなくて、日本の民主主義がだんだんと知らぬ間にこわれてきて、そうして、そのために日本の政治が間違った方向に多数の暴力によってこわされていくのは大へんではないか。それが遠くにあると、思い及ばない、考えつかない、考えついても、これに対する適切な措置がうまくできない。これを私はおそれるのであります。ですから、単なる鹿児島の問題を言っているのじゃない。それと同じように、今回の、このただいま進行中の本
会議も、お互いにこれが最も最善最高の形であるとは思っていない。それをしかし直すにはどうしたらいいか。直せないか。私は直せると思う。ここにおいて
議長が、明断、決断をされて、そして十分に話し合いをして、この参議院においては
衆議院と同じような間違いをしでかさない。あくまでも参議院の独立自主の建前に立って、十分に与野党が協力をして正常運営をしようではないか。この決断が
議長にできれば、私はできると思う。(
拍手)そういう大前提に立って質問をするのですが、
亀田議員は、この前提に対してどのようにお考えになるか、第一に御質問いたします。
第二には、
藤野委員長に対しては、先ほどもお話がありましたが、私も実は宿舎が同じで、一つ隣りの部屋であります。大へんりっぱな方で、奥さんもりっぱな、夫唱婦随であります。宿舎のみんなが敬愛おくあたわざるものがあります。でありますから、私は
藤野委員長個人に対しては、何ともとやかく言いたくないのであります。しかし、先ほどもお話がありましたように、
委員長個人の御所見ではなくて、やはり自由民主党なりあるいは
政府なりの圧力が加わっている。もっともっと
委員長としては審議を十二分にしたいと思っておられたのにできなかった。この点、私は、まことに衷情掬すべきものがあろうと拝察するわけであります。しかし、これから修正案が三つも出るようでありますが、そうなると、私はやはり
委員長の運営についても、そんなに出るんだったら、まだまだ農林水産委員会で審議をもっともっとしなくちゃならぬ、まだまだ検討すべき内容を十二分に盛り込んでいるのではないか、この点が私は、不手ぎわとまではっきり言っていいかどうかわかりませんけれども、その点に対する
亀田議員の、
委員長の運営上のやり方について御所見を承りたいと思うのであります。また私は、むしろ
亀田議員がこういう提案をされたのでありますから、それはやはり大前提を
亀田議員もおそらく御理解をいただけるものと思うのであります。そうすると、
亀田議員はここで国会正常化の全体的な大乗的な立場に立って、
議長に対して積極的に、私はこの審議のこの提案の中身を通じて、
議長に要請というか主張というか、具体的に、ぜひとも
議長がりっぱな運営をしてくれるように、建言と申しますか、そういうことをされなければならないと思うのであります。そうなると、私は
議長に対して一体何を言うかというと、第一には、やはり
議長さんが、たびたびわが党からも申し上げておりますように、まず一つ党籍を離脱したらいいじゃないか、それをしないから、今までごたごたもたもたしているのだ。こんなりっぱな
議長さんに対して、あるいは、ずる平であるとか、あるいは権謀術数がたくましいとか、まことに私としても不可解な言葉を吐く人がそこら辺にいるのじゃないか。これは私はまことに同情に値すると思うのであります。第二には、私は
議長さんは、常任
委員長を、これはやはり話し合いによってちゃんと公平に分ける。そういうことをしていなかったかというと、かつてそういう時代があったのだから、それがあたりまえの姿なんだから、私はそのようにやってちっとも自由民主党の
諸君も、多数を持っているのだから、大きな襟度を持って、そうして大いに正々堂々とやろうじゃないか。これは私はやはり正常化のための一つの大きな姿でなければならないと思うのであります。
第三に、
議長、副
議長をこれまた与党が独占いたしておりますが、私は変則であると思うのであります。私は、副
議長には野党から出すのが当然である、そして国会の参議院の運営が円満にいく。これまた私はたびたび
議長に御注意申し上げ、要望申し上げておったところでありますが、これがされていない。こういう三つの大原則に対して、私は
亀田議員がいかに
議長に対してお取り次ぎをされるか、これがすなわち今回の、きょうの単なる
藤野委員長の運営に対する解任の
動議の内容ではなくて、むしろ院のこれからあと三日間を余すこの正常な姿、その中に正々堂々とやるならば、政防法なんかはやはり十分に審議しなければならぬから、そうめちゃはできない、こういう結論がおのずから物理的に生まれてこなければなりません。そういうことを考えるならば、私は
亀田議員が……。