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高田なほ子君 酔っぱらいの方は
あとでなにしますが、前にもどりますが、民間の警備という問題については、お話のように各署に平均四台のパトカーですか、あるいは自転車とか、そういうものが従来もあったと思います。ただ、どうも実際問題としては、機動隊に重点が置かれて、いわゆる駐在所とか、そういう所かまことに手薄な感がございます。これはこの間もちょっと申し上げた数字ですけれ
ども、いかにパトカーがふえたにしても、あるいはまた自転車がふえたにしても、どうもこの人数が十年前の人口数と比べてどうも合理性がない。警官が多くなることを私は好まない。好まないのですけれ
ども、機動隊の方にだいぶ
政府は重点を置かれているが、民間の警備というものについては、必ずしも科学的な、合理的なこういう配置がされておらないと思う。これは全国の統計をとったわけではもちろんございません。また各都道府県の
警察は、それぞれの計画を自主的におやりになっていることも私は認めます。しかし、東京を
一つのモデル・ケースとしてこの人口増に比べて全部
警察官が減っている。あまりにもこれは減り方がひど過ぎる。たとえば
一つの例をとると、杉並の場合は、人口が十年前は三十五万三千四百七十四人、これに対して
警察官は七百二十四人、十年後にはさらに杉並の場合は十二万の人口がふえているにかかわらず、おまわりさんの数は七百二十四人から比べると六百人という数の減少です。六百人きりしかおらないわけです。十何万の人口増に比べて配置警官の数が少ないということは、たとえば今回パトカー四台ふやしたにしても、必ずしもこれは合理的でないように
考えられる。私
どもの板橋区などでも、人口は十六万もふえている。それに比べて
警察官の数は減っている。十六万人も人間がふえたのに、五百二十九名、十年前に配置されたものが、今は四百二十五名というべらぼうな数の減り方、こういうわけでありますから、実際私はおまわりさんの
勤務について、実は自分の区内のおまわりさんの
勤務について詳細調べてきた。非常に手薄です。必要とされるような人が入っていない。かなりの重労働をしいられている。そのくせあき巣などは一こう減らない。お気の毒だが減らない。正直なことを言うと、おまわりさんは全力をあげてやっているんだけれ
ども、どうも手の回りょうがない。これは
警察官の悲鳴だろうと思う。この悲鳴を
警察官の責任に期すということは酷だと私は思う。
で、私の
結論は、人口増に比べて
警察官の配置というものが不合理であり、それをカバーするためのいわゆる機動力というものもまことにおざなりである、申しわけ的である。これであってはますますお花見どきにあき巣が横行するでありましょう。酔っぱらいはここを先途とわれわれ弱い者を苦しめるでしょう。どろぼうはわが者顔に横行するでしょう。これでは幾ら中央機動隊が鬼よりこわい存在であっても、必ずしも民間人というものは
警察を信頼するに足りない。それはそうでしょう、数が少ないから、おまわりさんの所へ行って言っても、おまわりさんの方はこっちの方の
事件があって飛んで行っている。こうなると、まさか交番をからっぽにするわけにいきませんから、一人しかいないときは近所へ応援を求める。応援を求めても一人しかいないから応援できない。
警察官の能力の限度もってしても防ぎ得ない現状である。このために迷惑をこうむるのは
国民なんです。私は
警察官がふえることは好まない。
警察国家になることを好まない。好まなけれ
ども、私
どもの日々の生活というものがこのような不安定にさらされていることについては、看過すべき問題ではないと思う。従って、小倉警視総監が機動力の増強を強弁せられましたけれ
ども、はたして今回の二千五百名の人員増、すなわち二千人の人員というものが科学的な根拠に立って配置される
方向に行こうとするのか。私はこういう点について、もう少し打ち割った話を聞きたいのです。そうして、どうも困るなら困るということをおっしゃってもらいたい。ただ何人配置したとか何だとかいうのでなくて、私は調べてきている。机上の空論で
質問しているんじゃないのですから、やっぱり
当局としてこういうところに欠陥がある、この欠陥を是正するためにはこうなければならないんだというような案をお示しいただくことによって、私
どもも協力のできるところはそれは協力を惜しまないつもりでおるわけです。そういう
意味で
質問をしておるので、何ともどうもこれは納得いかない。
続いて、
質問を続けていきますが、次の
質問は派出所の、駐在所の問題、この駐在所というものの
予算というのは、どこでだれがどういうふうにして組むのか。これが
一つ。
それから駐在所の配置についてもはなはだ不合理であります。たとえば、
地元に有力者がいてわんわん、わんわん騒ぐようなところは、そこへ持ってくる。弱い、
国民が不便で不便でしょうがなくても、黙っておる所はさっぱり交番がふえていない。たとえば、また私は自分の住んでいる所が一番わかりますから、板橋なんという所は縦が二里半、横が一里半、実に広範な地域です。新開地です。至る所に問題の起こりそうな暗い路地が残っております。警官は全力をあげている、私調べた限りでは。ところが駐在所というのは三十カ所きりしかない。戦前は十九カ所あった。十六万の人口がふえたのに、そのおまわりさんのいる所はたったそれより倍にもふえていない。三十カ所きりしかない。まことにこのことは住民の
不満とするところです。これは単に板橋のみでない。若干多いのが港区の五十五カ所です。続いて多いのが大田区、世田谷は特段に多くて六十二カ所という交番がある。それに比べると他の区というものはどうも人口にあるいは地域の実情に沿わない配置がなされている。これはやっぱり組みかえ等に
おいて、あるいは有力者等に
おいて相当のうるさ方といいますか、そういうような方々のお力添えももちろんあるのではないか、こう
考えますけれ
ども、どうも聞くところによると、
予算措置というものもかなり影響しているように
考えられる。そこで今申し上げたように、前段の
質問になるわけですが、交番の配置と
予算の
関係というものがどういうふうになっているのか。
それから
法務大臣は退席を急いでおられるようですから、これに引き続いて
質問をいたしますが、
政府は今度防犯灯についての
単独立法をお
考えになっている模様です。しかし、その
単独立法についての詳細は、私
内容を知りませんけれ
ども、しかしこの
考え方は、むしろ時期がおそきに失したと思うのです。たぶん古い
当局の方は御
承知かと思いますが、私はこの席でしばしば防犯灯は
政府の手によって作るべきものである、こういうことを主張してきた。歴代の
法務大臣はそのつど約束して引き下がってきたけれ
ども、一こうそれは実現されなかった。しかし、今般嶋中
事件をきっかけにしてこういう声が起こったということは、まことに善びにたえないところであります。しかも、
政府がこれの
単独立法に踏み切られるようないきさつを聞けば、私としてはなおさらにうれしい。しかし、
政府の
考えるところは、あくまでもこの防犯灯は民間の協力によるという態勢をとっているようですが、これは本来転倒ではないかと思う。一体、
国民の安寧のために防犯灯をつけるということを、
国民の負担にまかせるというようなことは、これはあまりに手ぬるすぎる。こういうものの費用というものは、そんなに一ぱい要るものじゃない、くどいようですが、自衛隊の残飯を防犯灯に充てるなら、暗がりの道なんかなくなっちまう。一方では自衛隊の残飯を年間に二億数千万円も浪費しながら、世の婦女子が望んでやまない防犯灯が、
単独立法だと喜んでいれば、それは民間の負担におっかぶせるなどということは不届きしごくの政治だと思う。従って私は
法務大臣にこの
法案の用意があるのか、そしてその
法案の実質
内容というものは、いわゆる民間負担にゆだねようとするのか、こういう点を明確にされたいのです。お急ぎでございましたら、私は
法務大臣に御
質問するのはその一点なんですから、この点
一つ先にお答えいただいて、御自由にしていただきたい。