○岩間正男君 大切なところなんですな。内藤さんはうまいところでILOを引っぱり出したものですが、残念ながらILO条約というのは自由主義国家群の中の、いわば資本主義体制の中での大体共通線です、国際的に高いものじゃない。最低線で、守らなければならないということは明白です。それさえも守らないで何だかんだと言っているのですから、ここでの論議じゃありません。ILO何だかんだと……。しかし、都合のいいときにはかつぎ出すのにあなた方はやぶさかでない。その点なんです、
基準法、決して高いものではないということでありますから、私はこの法案は非常にわれわれの
考えからいくと、もっと前進してもいいと思う。しかし、社会党さんは、提案者はいろいろな
現実の配慮の上にこういう法案を出された。自民党さんというのもいらっしゃるし、これは賛成してもらわなければ困るでしょうし、背後には何せ悪名高い
文部省がいるわけだし、それからその背後にはさらにもっと握り屋の大蔵省がいるわけですから、ここの時点で通すにはということで、私はおそらく社会党としては最低案だと思うのです。共産党としてはもっとやはり高度なものを用意して、力関係でこの辺をバック・アップできるかと思いますが、もう少し社会主義国を研究して下さいよ。決してこういう線じゃありませんよ。だから、そういう点でもう少し努力すること、世界を見ること、目を開くこと、そういう点でなければ……私はここで数字を出しませんけれ
ども、少なくとも努力だけはして下さい、そうして社会主義の各国の情勢を集めていただきたいと思います。それが非常に今後この法案がどの位置にあるかというこの法案の位置をはっきりさせる。このくらいの
法律は少なくともとれはまかり通らなければ、
日本の恥辱になるのじゃないかという、はっきりした見解を立てなければしようがないですよ。こんな法案さえも二回も流れて、三回目もなかなか十分に
審議されないというような格好では私は望ましくないと思います。
そこで、その次に進みたいと思うのでありますが、とにかく痛切な職場の声を聞いてほしいということですね、実際。私のところにいろいろきているのですね。請願がきているのです。こういうのがあります。「五年担任の女
教師は、六年生を
卒業させるまでは子供を生まないようにする
現実を御存じでしょうか。」これは内藤さんにむしろお聞きしたいのでございます。「産休補助
教員が配置されないために、不幸を知りつつ抱きしめて生きなければならないのです。どうかあなたの御理解ある御努力によって、今国会で産休法を有利に改正していただきますようお願いいたします。」どうも切実ですね、こういうものをもらいますと。そのほかたくさんありますけれ
ども、こういうような職場の声を私は聞いているのです。内藤さんの先ほどの御答弁では、
教員だけ特に他の労働者と区別して、これを産休を保障する、母性保護の特にそういうなにを立法する必要があるのかどうかというお話がありましたが、これは私は
教育を担当される局長さんの言葉としてはちょっといただきかねる。ほかの職場では休めばいいのですよ。
休暇を与えればいいのです。たとえば十二週間なら十二週間の
休暇を与えればいい。それでその人のからだは休まるわけです。ところが、
教育の場合にはそういかんのですからね。
教育の場合は絶えずこれはつきまとうのだ。五十人、六十人の子供がつきまとう。悪い言葉で言えば、悪夢のようにつきまとう。寝てもさめても子供のことが——休んでいるとき、子供のことがその先生の頭に描かれないような先生というものは、私たちは
考えることができない。実際そうです。従って、その心配をなくするための
措置というものは、これは
教育体制の中で特に要求されている。この点をあなたは
考えておられるのかどうか。
一般の労働者と
教育労働者の場合の、これは職業による特殊性から当然私はここは区別しなければならない。従って、
教育労働者の特別産休の場合には、これを守るための具体的な
措置をするということは絶対必要だと思うけれ
ども、先ほどのお話では私どうもおかしいと思うのですが、この点いかがですか。