○米田勲君
大西教育長、浜見
教育委員にもお聞きいただきたいのですが、私は北海道の出身ですが、北海道ではこうした種類の問題は起こりっこがないと私は思っております。ただ、あなた方に理解をしてもらわなければならぬのは、やはり
教育行政力の権力
——この権力の大小は別ですよ。
行政権力を持っている立場の人に任命されて
仕事をしている側の
教職員は、普通の場合であれば、これはやはり対等になかなかものを言い得ない、民主化が徹底していないから。本来ならば、真実を述べて何のはばかるところがないはずなんです。また、その真実を述べたことによってその者が不当に処遇されるということはあり得ないことです。そんなことがもし起こるなら断固として戦わなければならぬ。ただ、私は一番最後にあなた方にお願いしようと思うことがあったのですが、今のに関連して私はこの際に申し上げますが、実はきょうのこの
参考人の四人の方がこられて、本
委員会で審査をする予定ができてから、しばらくしてある
先生方、二、三人です。
愛媛県の
先生でありますが、私の方に手紙をよこされました。その内容は、ここで皆さん方にるる申し上げる必要はないが、要点はこうなんです。それは
先生方が集まって、やはりこういうことが行なわれるということを聞いて、
心配をしていろいろ論議をされたそうであります。その際に何が一番
心配だったかというと、四人の
参考人から、
国会の
文教委員会で、ああ言った、こう言ったという自分の
名前が出た場合に、これは大へんなことが起こるぞというのが、その会合の大きな問題だった。もしもこの
文教委員会の
参考人の
発言の中から自分の
名前が出たら、ひょっとすると、今までの全体的な傾向から見ると、非常に
不利益な処遇を受けるおそれがある。だから極端な
考えに立った人は、絶対私の
名前はいかなる場合があっても、
国会の中で、どこそこのだれそれがこういうことを言ったということは、私は真実そう思っているけれども、
名前は出してもらいたくない、私がそういうことをおそれるのは単なる危惧ではない、今までの傾向から見ると、多分にそのおそれがあるのです。こういうのが代表的な中に書かれてある
意見なんです。どうもこの会合の内容を書かれた雰囲気を感ずると、私は
愛媛県の
教育界、宇和郡ですか、この付近の
教育界の
先生方の上には、あなた方がどう
考えられておるかはわからぬが、私の想像するのに、非常に困った空気が流れておるということは事実であります。これは、そういう事実があっていいとか、悪いとかいうことは論外にして、そういう事実が流れておる。真実を語った、だれそれが語ったということが公になっただけで、自分があぶないということを直ちに
考えて、会合の席上でそのことが論ぜられるということ自体が、日本の国のうちの中に国民がそういうことを感ずるとすれば、これは重大であります。しかもそれは人の子を預かって
教育をする重大な責務をになった人が、なおかつそういうことを話し合うということは、私はその教師があまりにも自信がない、あまりにも確信がない、そういう人間といって一がいにきめつけられない面があるのじゃないか。私はこの点を
心配するわけです。今、浜見
教育委員がるる述べられましたが、私はずっと、失礼ですが、
いなかの方の、いわば日本全体にまだ
相当ありますが、封建的な、事大主義的な思想のびまんしているまだこの日本の状態の中では、市町村の
教育委員という
行政権力を持っている人は多分に、やはり普通の場合であると、
教員に大なり小なり、形は別にしても
圧迫を与える場合があり得るのですよ、言動で。だから、今かりに
本田参考人なら
本田参考人が、酒の席上でしたがそういうことがありましたということを言った。それを浜見
教育委員がそこの
学校に行って、おれは記憶がないのになぜそういうことを言うか。校下にそういうわだかまりが起こるのはうまくないじゃないかと言ってるる話し合いをすればどうなるか。僕はその経験からいって、その行く先はわかる。
教育委員の方に妥協しますよ、
教員は。それだけ弱いのです。だから浜見さんは、このことは記憶がないと言っておりますから、記憶のない人に記憶を呼び戻せと言うても無理ですから、それはどういうことであろうと記憶がないということを信じます。しかし、浜見さんが記憶がないということを申し立てても、一人ならず、二人ならず、そこの
校長さんまでが、そういうことがあった。これは冗談に言うこともあります、人間は。僕だってあります。言ってはならないことを冗談に言うことがあります。ましてや酒の席上だから、自分の
ほんとうに
考えておらないことを言ったかもしらない。しかし、事が
教育行政の立場にある重要なポストにある人ですから、言ったことが冗談であり、酒の席のことであろうとも、その影響するところは大きいということは何人も
考えなければならぬ。記憶がないと言ったって、浜見さん
自身も、これは記憶がないのですから、ちょっと責任は持てないとしても、何人かの人がそういうことを言っているのだとすれば、これは
相当慎重に自分の
発言や行動はしなければならぬと
考えるべきじゃないか。それをいろいろ
学校に行って懇談をされたのはいいですが、その結論が、何か
参考人が明確に先ほどから再度にわたって述べられておるのに、なおかつ日教組からの何らかの圧力があったために、事実がないのに、そういうことを申し立てたのだというふうに聞こえるような表現の仕方で、この問題をこの場所で終わらせようとしておるのは、あまり納得ができないわけです。で、私は再度、浜見
教育委員に聞こうとはしません。ただ、県の最高の責任者である
大西参考人にお願いしたいことは、あなたの県内には、先ほど私が言ったように、このことをめぐってさえも
心配した会合ができるのですから、少なくもこの
国会の審査の際に出てきたいろいろな人物をめぐって、今後いろいろな、われわれから感ずると、妙な、納得のできない
人事異動が行なわれるということはないように、御答弁は要りませんが、再度私はお願いしておきます。私はそれらの
先生方が見ず知らずの私にそのことを
心配してよこされたその
気持からいっても、間違ってもそういうことのないようにしていただきたいわけです。
それから先ほど、夫婦の方がILOの証言問題で転任になっておるようですが、それは夫婦ともに暮らすのには、毎日往復十二、三キロ通わなければならない個所に転任させられているわけです。夫婦は別なところに。北海道であれば、
夫婦共かせぎしている場合でそのようなことをされることはまずありません。しかも、私はこの
人事異動で純然たる
教育上の見解に立って行なわれるということはもちろでありますが、その際に、あなたの県ではどうか知りませんが、北海道のような場合であれば、
本人の生活環境の事情、
本人の
意思、そういうものを
相当尊重をしながら、
教育上の見地に立って、あわせ
考えて
人事異動というものは行なわれているわけです。どうも先ほどから
矢嶋委員が御質問いたして、あなた方の答弁を聞いていると、そういう
人事異動の面にも、私は再検討をする必要がある面が幾つかあるように思います。これは単なる、全然
関係のない立場の私が言うのですから、単なる参考
意見でありますけれども、ぜひ
愛媛県の
教職員が、県教組に加盟しておろうが加盟しておるまいが、研究協議会に入ろうが入るまいが、純然たるあなたの言葉
通りの見地に立って
人事異動が行なわれるべきである。また、地教委をそういうふうに指導すべきだ、
先生方に多くの不満を抱かせ、不安、動揺した中で
人事異動をいかになさっても、あなたの立場からいえば、純然たる
教育を振興するという立場に立ってやりましたと言われても、
教育活動の結果はそうにはならぬ。やはり
先生方が信頼をし、安心をし、自由に、濶達に研究心を燃やしてやっていけるような、そういう雰囲気に
教育界をおかない限り、あなたの意図する
愛媛県の
教育界の興隆というものは、前進というものは期しがたい。私はあの何人かの
先生が手紙をくれたその
気持をあなたに率直に訴えて、ぜひ、質問ではなく、最後に関連質問で恐縮でしたが要望しておきます。