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豊瀬禎一君 関連。大体
大臣の記者会見のいきさつなり気持については、説明についてわかりましたが、どうも私、米田委員の質問を聞いておって
了解に苦しむのは、本
会議における
大臣の
答弁を読んでみますと、先ほどから基本的な
考え方は変わってないとおっしゃる。その基本的な
考え方というのは、単に先ほど
大臣が
答弁なさった、ILOが間違った勧告をしてくる場合には、これを拒否することもある、こういうことだけではなくして、何度も
答弁なさったように、少なくとも一月二十日現在においては、あなたの
認識は
矢嶋委員の質問によると、本
会議答弁通りILOを
認識しておったと、こうおっしゃるのですね。ところが、この本
会議の
答弁を見てみますと、「私の発言の中で、話がはずみ過ぎたとは申しながら、その用語において穏当を欠いた個所がありました。」いみじくも
大臣はILOに対する基本的な
考え方をここで率直に述べられた。私のILOに対する基本的な
考え方は、ソ連陣営がひっかき回しておる運営が行なわれておるということ、それからILO勧告そのものは神様でないとか、いろいろな言葉は使われましたけれ
ども、やはりひっかき回された勧告の結論が出てくるという
前提に立っておられる。ほかの言葉で言いますと、ILOの勧告は、御
承知のように、その国の国内法が国際労働慣行に合わない場合には、国内法の改正を勧告することもあり得ます。従って、その国のすべての法律、規則、慣行を
前提、尊重してのみ勧告がなされない場合もあり得ると思うのです。それはたとえ
日本の法律がすでに定められておっても、国際労働慣行に基づいて四十カ国、四十人の理事の結論として尊重しますというのが、米田委員がたびたびやったところですね。ところが、
大臣の基本的観念、
認識は、一月二十日現在においてILOに対する
認識は、本
会議答弁そのままを読んでみましても、用語は不適切であるけれ
ども、ILOは共産陣営にひっかき回されておるということ、それから先ほどあなたがいみじくもおっしゃったあれを発表される時代には当初の気分とは幾らか変わってきておるので、自由主義陣営だけでILOを作ろうとする動きもあるというこの
認識、
大臣のILOに対する
認識は、共産主義
国家陣営の撹乱するところであるし、その勧告の結論は、従って一方に偏したものであるという基本的観念を、あなたの
答弁を一貫して聞いておると、いろいろあなたの真意なり、気持はあったにしても、ここに固定しておるということを私は端的に
大臣の
答弁から認めざるを得ないのです。すなわち、ひっかき回しておるという
認識と、勧告を拒否する、脱退するというあなたの観念とは直接精神分裂でなくして、結びついて、その言葉が基本的態度になっておるということ、この点を
大臣はここではっきり先ほどの
答弁のように、私の基本的観念はごうも当初より変わっていないということ、ただ
大臣が本
会議その他で表明されたのは、用語の不適切である。本
会議議事録に明らかに用語の不適切と。あなたの基本的観念は変わっていない。そうして、
大臣、そのことについて答えていただきたい。
もう
一つ大臣にお尋ねしたいのは、これは
矢嶋さんも
指摘しましたが、「恒久平和を確保するため必要な労働条件の改善を目的とする公正な国際機関であると
承知いたしております。」と、本
会議で。ところが、先ほどの
矢嶋委員の質問に対しましては、一月二十日以前からそう
認識しておったけれ
ども、自分の判断、思量はヤジも飛んだり、あるいはおもしろくない気分になっておる一、二の条項ですね。従って、本
会議のこう
認識しておるという
答弁と、
大臣が一月二十日に記者に発表された
見解とは非常に大きな食い違いがあるのですね。その矛盾をおそらくこれは
事務当局が書いたのでしょうが、論理的に明らかに矛盾をすることを本
会議でも
答弁をしておる。従って、前段に申し上げたように、
大臣は少なくともILOに対する基本的観念は、国際労働慣行に基づいて民主的に運営されておる機構と認められないで、共産陣営にひっかき回されておる。従って、自由陣営だけで別個に作ろうとしておる。
日本もその方向に指向していきたい。そうして国際法と多少矛盾する国内法の改善を要求するような勧告がなされても、これを尊重していこうという基本的観念に全く欠如しておる。このように米田君の質問から把握するのですが、間違いありませんね。