○森八三一君 時間がありませんので、端的に二、三お尋ねをいたしたいと思います。
この
法律で
関係の
農業従事者が一番関心を寄せている問題は、何と申しましても
価格政策、
価格安定の問題だろうと思うのです。この
委員会で
審議を始めましてから、この問題は毎日のように
質疑が繰り返されておるということから見ましても、この問題が一番重要であるということがうかがえると思うわけであります。きょう午前中
亀田委員の
質問に対しまして、他の
産業者と
農業従事者の所得を
均衡せしめるというような
表現をいたしておりますることは
同一の
水準にまで持ってゆくということと
考えてよろしいという
総理の御答弁、それから
長期見通しに立ちまして選択的な拡大の
方向を取り進めてゆくが、その場合に動いておる
経済のことでありまするから、その
見通しは蹉秩を生ずるような場合がないとは保障し得ない、そういうような場合に
関係農民の諸君に不測の損害を与えることがあってはならぬので、そういうような場合には善処をするということは、
法律の明文がなくても
政府としては当然なことであるというような相当明確な
お答えがありました。私も具体的な取り運びの対策といたしましては、そういう趣旨をひっくるめますれば、重要農産物に対する
価格の安定についての具体的な対策としては、いわゆる
生産費・所得補償方式をとるべきである、こう思いますが、このことはまた議論になりますので、並行線になりますのできょうは申し上げません。そこで具体的にお伺いしたいことは、そういうように非常に明確に
お答えは願っておりまするが、現に
政府のおやりになっておる具体的な農政の動きを見ておりますると、
農民諸君が非常に心配をしておると思うのです。そういう心配がこの
価格政策についていろいろと疑惑を生んだり、心配をもたらしておると思う。その一例は大麦の対策の問題です。これは現在は食糧管理法によって律せられておるわけでありますが、そういう
法律の明文がございますので、
農民諸君といたしましては、昨年の十月なり十一月にまきつけをしたというのが事実であります。ところが、そういうまきつけをして、当然現在生きておる
法律によって
措置されるであろうと思っておりましたところへ、その後別の対策が講ぜられる、そのことが
農民所得については非常な影響を持ってくる、こういうことが現実の問題として起きておる。それからこれは
農業には面接
関係ございませんけれども、最近韓国のノリを一億枚輸入を決定されたということであります。現に今年の国内における
生産事情は約四十億枚の
生産ができるという
見通しである。国内の消費を
考えましても五億枚
程度は現に過剰のストックがある、そのために
生産者
価格は昨年の同期に比べまして三割五分から四〇%近く下がっておる。ただ流通機構が非常に不完全でありますために、消費者
価格は下がっておらぬ、これが現実であります。そういうように
生産が非常にふえて過剰滞貨があるというときに、なおかつ不必要なものを輸入をするということが具体的に
措置されておる。こういう現実を見ますると、いろいろ御答弁をちょうだいいたしましても、
農民としては非常に心配だ、こういう感じを持つと思うんです。これらの一連のものを
考えまして、この
価格安定対策の具体的な取り運びについては、どうおやりになるのか、どうされるのか。ほんとうにこれは真剣な問題だと思いますので、具体的に
お答えをいただきたい、こう思うのであります。