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国務大臣(
周東英雄君) まず、第一の
お尋ねに
お答えいたしますが、なるほど従来は需要という面を
考えずに
生産が進められておった面が多分にあります。私はよく言うのでありますが、蚕糸対策あたりで、どうも売れなくなった、大いに桑園を整理するというような行き方、これはやむを得ずとった処置かもしれませんが、同時にもっと蚕糸の需要増加の方面に対して手を入れる必要があろうし、またその需要増加に沿うて
生産を進めるということが
一つの行き方である。ともすると、従来は、景気がいいからふやせふやせということでふえたものが、また影響を受けております。そういう
意味からいうと、やはり今度の問題におきましては、果樹等について、輸出カン詰になって出ていくというものはどういう形で伸びるか、その方面への品質のものを増加するとか、
国内でも現実において消費が伸びるというものを
考えて、それに相応した形に
生産指導していくということが、私は根本に必要だと思うのです。その
政策をとりつつ、やはりくだものも御
承知の
通り天候等に支配される
関係上、ある程度の見込みを立ってやっても、なおよけいできる場合もあろうし、反対にできない場合もあろう。こういう場合において、
価格をどういうふうに安定させていくかということについては、十三条の
規定等によって、それぞれ必要な場合において、保護
制度を作る必要があれば作っていこうというのが今の
考え方です。私はくだものがいいからといって、何でもかんでも、どんなくだものでもというわけではなかろうと思うのでありまして、内地における需要の伸び方、
外国への輸出カン詰等における原料として
生産するもの、こういうものが地域別にどういう
指導をしていくかというところに、今度の
総合計画を立てていって、そうしてそれに相応して、そして必要があれば
価格の安定
政策を
考えるということが必要になってくるんじゃないか、たくだものの
価格は、桃は何ぼの
価格を支持する、あるいはナシはどうすると、こう言いましても、これはなかなか、何だか抽象的な言い方ですが、それはほとんど私は不可能だと思います。ことに腐敗性品である果実というものを、どういうふうに
指導していくかということは、これは非常なむずかしさがある。おそらくそういう場合においての需給調節というものが、
生産後において起こるとすれば、豚とかというものと同じように、あるいは
乳製品と同じように、カン詰を作って供給量を
調整するというようなことが必要になってくるかもしれません。しかし、これはただ今思いつきで言うてはいけないのでありまして、これは果実の
生産というものについては、従来と違って、需要というもの、それは
国内の需要と
外国の需要というようなものをかみ合わせつつ
生産を
指導していくことをまず第一として、その後における経済
事情によって、
価格をどうしたらいいかという具体的の問題が起これば、その品目別に
考えていかなければならぬじゃないか、こういうふうに思っております。
それから第二は教育の問題です。これは
お話しの
通り、ここで思いつきのことを簡単に申し上げることは避けたいと思います。しかし、たびたび問題が出ておりますように、また私
ども痛感しておりますように、今後における農村に、
農業技術なりあるいは機械の技術というようなものを習得し、あるいは
農業経営というものをいかなる形にあるべきかということ、いろいろなものを
指導するために、やはり
農業教育というものが非常に必要になってくると思うのです。で、実はあちこちから問題が出ていますように、各県の
農業高等学校は、生徒が入る人が少なくなって、先生がどうも仕方がなくなって、
地方から俸給だけ出してつなぎとめるのに一骨だということを聞いております。こういう問題を通じつつ、農村にしっかりと腰を据えて、残って、
農業を推進しようとする者に対する
農業教育をどういうふうに今後していくか、またはそれに
関連して、県内における
農業高等学校の
制度をどういうふうに持っていくかということについては、今日文部省とも寄り寄り御相談をしているようなわけでございます。何か成案ができますれば、次の
段階に御
審議願うようになるかと思います。これは予算上の
措置、法制上の
措置、いろいろ伴うわけであります。真剣に今
農業教育問題については検討をいたしておる最中であります。