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1961-04-26 第38回国会 参議院 農林水産委員会 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年四月二十六日(水曜日)    午後一時三十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     藤野 繁雄君    理事            秋山俊一郎君            櫻井 志郎君            亀田 得治君            森 八三一君    委員            植垣弥一郎君            河野 謙三君            谷口 慶吉君            堀本 宜実君            北村  暢君            清澤 俊英君            安田 敏雄君            棚橋 小虎君            千田  正君            北条 雋八君   国務大臣    農 林 大 臣 周東 英雄君   政府委員    農林政務次官  井原 岸高君    水産庁次長   高橋 泰彦君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   説明員    水産庁漁業調整    課長      木戸 四夫君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○漁業権存続期間特例法案(内閣送  付、予備審査)   —————————————
  2. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  漁業権存続期間特例法案(閣法第一五〇号)(予備審査)を議題といたします。  本案については、なお御質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
  3. 千田正

    千田正君 漁業権の発動の、施行期日の点でありますが、五月一日からというふうになっておりますけれども、この審議状況によりますというと、五月一日ということははなはだ確定した期日と思われなくなってきておる。こういうふうに審議が延びてきて、しかも衆議院の方において、あの通り農業基本法が出ておる最中でもありますので、この漁業権問題等は、どうもなおざりにされている感がありますので、この特例法につきましても五月一日ということを、この法案通り実行できないんじゃないか、私はそう思うのでありますが、この点政府の意向をただしたいと思います。
  4. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 本年の八月以降に始まりまする漁業権の切りかえ時期のためにも、なるべく早くこれを準備いたしたいという所存で、五月一日から施行するというふうにいたしまして御提案申し上げたわけでございますけれども審議の御都合で多少おくれることはやむを得ないと思いますが、なるべく早目に御審議いただければ、事務的には非常に幸いだというふうに、かように考えておる次第でございます。
  5. 千田正

    千田正君 今水産庁高橋次長さんからそういうお答えをいただいておるのでありますが、実際の審議の現在過程にあるとはいいながら、衆議院の方が先議でありますので、その先議である衆議院の方はちっとも進んでおらない、こういうことであるというと、やはりこれは期日という点につきましては、施行日は五月一日ということを修正しなければならないのじゃないか、あるいはこの法案公布の日からというふうに訂正しなければ、この法案の成立はむずかしいのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
  6. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 先ほどお答えいたしましたように、できれば五月一日からというふうに考えておったわけでございますが、諸般の事情でおくれる見通しがはっきりいたしますれば、衆議院の方でこれを御修正していただくようにはかりたいというふうに考えておる次第でございます。
  7. 千田正

    千田正君 それはけっこうですが、現実の問題として、きょうは二十六日、あすは二十七日、二十九日は天長節ですね、三十日は日曜日、そうすると五月一日はメーデー、現実の問題としては、五月一日にとてもこの法案通り施行もできなければ、その通過することさえもすこぶる疑問とされますので、これはやはり水産庁としては、衆議院の方にこの施行期日法案のその公布の日からとか何とかいう訂正を申し込んでおかないというといかないのじゃないかと私は思うのです。その点をはっきりして下さい。
  8. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 御指摘通りだと思いまするので、そのように取り運びをさしていただくつもりでございます。
  9. 清澤俊英

    清澤俊英君 基本の問題ですか、あれを見ますと、問題点の何をちょっと見ますと、内水面のことで入漁関係に対して漁業権を考えるとこういう問題が出ていますね。これはしばしばこういう問題を提起して、私はみんなに笑われてきたのだけれども、非常にこれは重要性のあるそういう問題も出てくる性質のものではないかと思うのです。といいますことは、山にしてみろ、川にしてみろ、もともとは、ことに川の場合ですがね、漁業権があって漁業をやっていたわけでもない。ただまあ生活営業関係上そういうものをだんだん専業化して生活のためにすなどりをやった、こういうものがだんだん権利化した。また一方その後、地帯の住民がどこの川へ行こうと、どこの池に行こうと魚を取ることについては、これが遊びであろうと、営業であろうと問題でなかった。ところが、一方の営業生活をしておる者にはこれが許されていた、こういう形が残って、古来持っておりました漁業権というのもおかしいですけれども、そういうものがいつか消滅した。ところが、最近の情勢によりますと、非常に遊びというか、運動というのですかね、で、遊漁というものが、当人から見れば遊戯ですけれども、それ自体水面利用地方的な経済には大きな影響を来たしておる。下手に魚を取って、フナやそれらのものですが、非常に下等な魚族を川から取って営業している。それを観光地帯として現に千葉茨城のような地方がこれを利用していますことは、地方から見れば非常に観光一つの奨励というような形で、大きな、経済影響がかえってその方が大きいのですよ。従って最近の傾向などは、漁業権者である人たちが養殖を遊漁団体にまかして、そしてそれからいろいろな権利金を、遊漁団体が出して、そしてそこへ釣人が乗り込んでいく。こういうようなことで、専業者というものは非常にふえている。御承知通り東京においても何万軒でしょう、さおだけを売っている者が。こういうような状況でありますので、これらに対して、来たるべき何かの時期に、おそらく漁業権の問題が考えられると思う。その際は、今までのような、ただ清澤魚釣が好きだからということで笑いとばさぬで、一つ本気で考えていただきたい、こう思うのです、その点どうですか。
  10. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 内水面漁業の問題でございますが、御指摘のように、非常に重要な問題だというふうに私どもも考えております。過日の漁業制度調査会の御答申によりますと、内水面漁業につきましては、琵琶湖、霞ケ浦といったような専業者が相当おりまして、海の方と同じような制度でやってしかるべき湖、沼等についてはぴったり海と同じような漁業権制度漁業組合制度というふうに考えてもよいけれども、そうでない、ただいま先生の御指摘のような、川ないしは沼につきましては、これは別の体系の法制を区分して作ったらどうかという御答申でございます。その御趣旨は、内水面における漁業権管理主体といたしましては、これは内水面漁業者実態に即しまして新たに内水面漁業組合制度というようなものを設けるとともに、一般遊漁者との調整を考慮すべきであるということでございます。御承知のように、ただいまの内水面漁業を見ますと、ダムその他が相当建設されておりまして、御案内のように、増殖施設をしませんと、原則として魚がいなくなるというような状況でございます。従いまして、何らかの格好で放流との他産卵の保護、その他の措置を請じて、積極的に増殖施設をしませんと、海と違いまして魚は一匹もいなくなると、こういう状況のところが大部分でございます。従いまして、この問題につきまして、私どもも積極的にそういうことが可能なような制度を立って参りたいというふうに考えるものでございます。  なお、御答申の中に、従来ですと、まあそういってはあれですが、漁業者ということでちょっとどうかと思われるところにも、漁業協同組合が設立され、それで増殖の目的を遂行するために、半ばどうかと思われるような漁業者団体漁業権を付与したというのが、現行法でございますけれども、どうもこれでは満足できないような時代でございます。特にただいま先生の御指摘のように、遊漁の問題と申しますか、これは都市一般労働者と申しますか、勤労者と申しますか、そういう者の健康なリクリエーションとして、もうちょっと私どもは重要視していい問題ではないかというふうに考えます。従いまして、このような半ば妙な格好団体が、権利だけを主張して、ろくな増殖もせず、しかも都市勤労者から、きわめて健康なリクリエーション場所代を無理な格好でかせぐというようなこと、しかもその入漁料が、必ずしも正当に増殖の費用に用いられないというような弊害もございますので、その点はむしろ積極的に、遊漁ということで低く見ないで、むしろ勤労者リクリエーション場所を確立するというような趣旨を、御答申の線に従って私どもとしては確立して参りたい、こう思うわけでございます。  なお、答申には、漁業者団体漁業権をやるというだけの制度に満足しないで、何かもし実体上無理な管理団体を作ることが不適当な場所があるならば、漁業協同組合というものを無理に作ったり、ないしは漁業権というもを無理に作ったりしないで、何か地方公共団体が、それらの漁場を管理する道と申しますか、それを法制的にバック・アップするような新しい制度を作るべきではないかという御答申もいただいております。これは法制上どういうことになりますか、かなりむずかしい問題を含んでいるとほ思いますけれども、ただいま申し上げましたような別な意味では相当重要な問題でございますので、私どもはこの線に沿うて、ぜひ立法化に努力していきたいというふうにただいま考えておるような次第でございます。
  11. 清澤俊英

    清澤俊英君 それで、その問題ではだいぶ東京千葉、神奈川的あるいはさっき言いました茨城付近では進んでいるようです。東京都のごときは、水源地帯、水道の水源地造成などいたしますと、この間も川治ダムから案内状が来るようなことで、都が養魚をやって、そうしてこれは、観光地帯のやはり勤労者リクリエーションに専門的に使う、こういうようなこともやはりやっておりますし、だんだんそういう形は、地方にも押し広げられて参りますと同時に、千葉県等における釣り会というのがあるのですね、この連合会などが、今の場合土地漁業協同組合と話し合いをつけて、そうして何がしかの入漁料を取って、それに有志が幾らかずつ出して、養魚をやって、取る魚も非常に制限している、こういうような形が出ているのです。ところが地方へ参りますと、結局経済の伴わないそういうものは問題でない、こういう解釈が非常に強いのです。これは最近のようなせせこましい時代になって参りますれば、どうしてもそういう方面に自然に勤労者の足が向くことは、当然の話です。で、それらのことをいま少し、幸い勧告もあるのですから、全体の漁業権等を、立法化されるときには、だいぶ考えておられるようですが、地方にも及ぶように十分考えていただきたい。そういう適当な場所は幾つもあるのですけれども、そういう話をしてみましても、どうも経済の伴わないそんなばかな話はないとすぐこう言うてしまうのですね。これはとんでもない間違いだと思うのです。取ること自体経済に合わぬかもしらぬけれども観光事業なんという一つのりっぱな事業があって、オリンピックなんてとにかくあれだけの金を使って、そうして、そこらじゅうの人を呼んで、してまれなホテルがどんどんそう建っていく。大と小の違いはあるけれども観光という事業に二つはないと思うのです。そういう点から見れば、下手なフナやドジョウを取っているよりは、ずっと地方的な経済も潤すと思う。こういう見地から考えれば、そういうことをやらして、同時に今、金のかからぬ遊び場がない、しかも労働はだんだん緻密になってきている、こういう時代ですね。特に考えなければならぬことは、青少年の遊ぶ場所だと思うのです。どこで一体彼らが伸び伸びとして遊ぶのだ。遊び場なんていうものはないでしょう、東京あたりでは。だから私はこの前、空気銃の禁止の問題が出たとき、一体そうやって片端から青少年の行き場をとめてしまったならば、しまいに飛び出しナイフで、有益鳥は保護しているから殺さぬかもしらぬけれども人間を刺しているじゃないかと言っているのです。ああいうすさんだ考えになるだろう。今まで道路で野球もやりましたし、あるいはよそのあき地で相撲もとったのです。そういうことができなくなったら、できないようになった代償をいま少し作って与えるということは私はあたりまえだと思う。だからしまいに人間がいらいらしてきて、飛び出しナイフでもって人を刺すなんて、スズメと人命とはかえっこはできませんですよ。こういう立場からも、私は今度は、釣人団体等中心になって漁業権要求をしたときには、思い切ってそれらに対して権限が与えられていくような一つ法律をぜひ完成していただきたいということをお願いします。
  12. 亀田得治

    亀田得治君 この漁業権に関するいろんな形の紛争があるでしょうが、それはどれくらいあるのですか。つまりそれは漁業権侵害として、あるいは裁判問題になっているのもあったりするでしょうが、そういうことだけじゃなしに、たとえば現在、漁業権をおのおの与えられた者が持っていますね。これはどうもその後の情勢の変化からいっておかしい、この漁業権は公平を欠くとかそういったようなことで、その地方として政治的な問題になったりいろいろしておるものがあるのだろうと思いますがね、そこら辺の実情を少し知りたいのです。
  13. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 漁業権をめぐる数々の紛争があるわけでございまして、たとえば、漁業権と他産業との関係紛争、それから漁業権内部の問題、たとえば、定置漁業権、ある組合定置漁業権と隣の組合定置漁業権との間に、沖出し距離をめぐっての魚の取り合いについての紛争というような漁業権内部の問題、それから漁業権に属する漁業と沖合いの方の、主として知事または大臣の許可に属する遠洋漁業との間におけるやはり魚の取り合いをめぐるところの紛争というような格好の、いろいろな紛争があるわけでございまして、まあ構成の上では、主として漁業調整委員会制度の運用によって、紛争がある程度調停されておるわけでございまするが、ただいま先生の御指摘の御質問趣旨は、そのような外部との問題ではなくて、漁業権制度的な紛争ということになろうかと思いまするが、これはやはり漁業権の切りかえをめぐっての紛争、これは事の大小を問わないということになりますと、漁業権をこのたび切りかえるときには、大なり小なり何らかの格好組合間の紛争組合内部行使をめぐっての紛争、これがあるわけでございますが、一番私ども先生の御質問に対してお答えしなければならないのは、さしあたりの二カ年間の延長がこのよまではちょっとできにくい問題、これがある件数を予想しております。従いまして、法案趣旨は、当然自動的にある程度知事の告示をもって二カ年間延長する、そうして改正されるであろう漁業法をもって新しい免許に切りかえていくという趣旨でございまするが、御提案のときに御説明申し上げましたように、それができない件数が相当あろうかと思います。で、その地区ごとのある程度の予想される実態につきましては、なお調整課長からの御説明を御聴取いただきたいと思います。
  14. 亀田得治

    亀田得治君 もうちょっと具体的に……。
  15. 木戸四夫

    説明員木戸夫君) 先ほど次長からお話がありました問題につきましては、各府県から事情を聞いたわけでございますが、それに基づきまして御説明申し上げます。  県別に申し上げますと、北海道では噴火湾につきまして定置の問題があるわけでございます。現在五十トン程度の定置イワシ対象といたしまして設定されておるわけでございますが、イワシが激減いたしましたために、そのトン数ではなかなか成り立っていかないということになっておりまして、その間の漁業調整をする必要があるという問題があるわけでございます。それから岩手県につきましては、やはり定置の問題で箱崎と両石の両漁業協同組合間において争いがあるわけでございますが、これは免許の仕方が共有の輪番行使ということになっておりますので、大体片がつくのではなかろうかと考えております。それから、秋田県の八郎潟につきまして、干拓事業関連いたしまして補償の問題がごたごたしておりますので、若干延長につきましてはどうするかという問題があるように聞いております。それから、もう一つ秋田県につきましては、定置漁業権につきまして、組合側との関係でどういうことになるか、合併等関連から、定置漁業権の与え方が問題になるというような話も聞いております。  それから茨城県につきましては、やはり定置漁業権でございますが、波崎のところに、これは漁業調整ではありませんけれども、河川の治水工事との関係から、問題になるような定置漁業権があるということを聞いております。それから新潟県でございますが、この前御質問がありました加茂水産の問題があるわけでございますが、これにつきましては、一応昭和三十六年の三月三十一日に漁業権が満了しておりますので、この法律とは関係はなくなったのでございますけれども、一応問題であることを聞いております。  それから福岡県におきましては、ノリ区画漁業権につきまして、漁場の再配分を必要とするということで問題があることを聞いております。それから長崎県につきましては、定置漁業権輪番行使免許しておりますので、切れますと当然三カ年延びるということになりますと、その時点に定置漁業権を持っておるものがさらに二カ年延びる、こういうことになってはなはだ工合が悪いということを聞いております。まあ、以上の通りでございます。
  16. 亀田得治

    亀田得治君 これは漁業権内部で起きているやつですが、先ほど次長お話しになった他産業との関係、あるいは遠洋の他漁業との関係で落ちておるやつがあるのですね、それも具体的に一つ……。
  17. 千田正

    千田正君 関連して、今の御答弁の中に、琵琶湖干拓の問題と、琵琶湖における漁業権の問題が長い間紛争しておったのですが、それは解決ついておりますか、それもあわせてお答え願います。
  18. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 亀田先生お答えに対しては、漁業調整課長から御説明申し上げますが、まず琵琶湖の問題でございますが、琵琶湖につきましては、ただいま千田先生の御指摘のような問題があることを聞いております。従いまして、あそこの漁業権の価値がどうなるかということについて、漁民はもちろん心配しておるわけでございまして、それにつきまして、県当局もそれぞれ調査を進めておるように聞いております。  で、まあ一般論でございまするが、この漁業権の問題は、単に漁業内部における権利侵害等の問題だけではなくて、実は他廃業から受ける、たとえば、埋め立ての問題、それから過日来問題になっております水質汚濁の問題、それからただいまのように電源開発その他に伴いまする水の問題から出発する漁業権との関係の問題、これ等々がございます。従いましてこの問題につきましては、漁業権内部の問題ではございませんが、いずれにいたしましても、漁業権漁業法によって物権とみなし、土地に関する規定を準用されております。従いまして、それに対して被害を与える場合には、当然物権的な損害補償請求権があるわけでございまして、そういう考え方でこの補償の問題ないしは埋め立て等、同意の問題、こういう問題について私どもはできる限り注意して参っておるような次第でございまして、琵琶湖についても、おそらくそのような漁業権の性格から見ましても、また琵琶湖中心として生活をしておる漁業者一般生活の問題としても、当然ただいま漁民が心配しておるような問題に対しましては、何らかの措置が講ぜられるべきものというふうに私どもは信じておりますし、またその線に沿うて県御当局の相談に応じておるような次第でございます。  なお亀田委員の御質問に対しましては、調整課長からお答え申し上げます。
  19. 木戸四夫

    説明員木戸夫君) 公益その他他産業との関係で問題になっておる個所は、岩手県の大船渡港の港湾整備事業関連して問題になっているようでございます。それから富山県の冨山新港建設計画というのが相当具体化しておるそうでございまして、これがあるいは問題になるかもしれぬということを承っております。それから石川県におきましては、電源開発株式会社ダムを作りますので、それとの関係で、これは内水面の問題でございますが、問題になり得る可能性があるということを聞いております。  それから静岡県の清水港の整備計画があるそうでございまして、これと真珠の許可漁業権補償をめぐって問題があるというようなことを聞いております。それから愛知県の伊勢湾台風によって運輸省で防潮堤を作るということになっておるそうでございまして、それと漁業との調整の問題があることを聞いております。それから、岡山県の水島の臨海工業地帯におきまして漁業権補償問題等関連いたしましていろいろ問題がある。以上のようなことでございます。  それから許可漁業漁業権漁業の問題は内部の問題でございまして、そのつど調整をすると、こういうことになっておりまして、具体的にどこでどうという調査はしておりません。
  20. 亀田得治

    亀田得治君 この他産業との関係の問題ですが、たとえば三重県のやつですね。伊勢湾、これは愛知県の中へ含ましてお話しになったつもりじゃないのでしょうか。あれなんかは具体的に陳情などを受けているわけです。こんなものはもう小さな問題として軽く考えているのですか。
  21. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 御指摘三重県のどのようなケースでしたか。四日市の……。
  22. 亀田得治

    亀田得治君 四日市関係です。
  23. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 三重県の四日市の問題で、過日来本委員会において……。
  24. 亀田得治

    亀田得治君 いや、その中身をこまかくやってくれというのじゃなしに、三重県の問題などは、今報告がなかったものだから、重要問題と考えておらぬような感じを受けたものですから、お聞きするわけですが……。
  25. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) この三重県の問題を御説明申し上げますと、実はあすこ石油工業による悪いにおいが魚につくというのですが、これは必ずしも漁業権漁業だけではございません。あすこ地帯漁業権漁業に属しておりますのは、アサリ、ノリ等区画漁業権及び共同漁業権主体だろうと思います。過日来御指摘を受けましたように、それだけの問題ではなくて、むしろ魚に対しまして、これは現実には知事許可漁業ないしは許可を要しない漁業ということの漁業でやっておる場合が多いわけでございまするが、そのような漁業権漁業でない漁業に対する被害ケースでございましたので、ただいまの調整課長説明からは落としたわけでございまするが、しかし他産業漁業との関連の問題の場合には、単純に漁業権漁業なるがゆえに補償対象になり、知事許可漁業に属しておる漁業なるがゆえに補償対象にならないというふうに私ども割り切ることができないというふうに考えております。やはり漁業権漁業につきましては、当然物権と見なされ、土地に関する規定が準用されておりまするので、これはもう当然その面からも補償要求ができるわけでございまするが、許可漁業につきましても、とにかく長い間の慣行的な営業権その他の問題もございますので、やはり漁業権と同じようにそのような問題は解決されるべきだというふうに私どもは考えて、そのように指導しておるような次第でございます。
  26. 亀田得治

    亀田得治君 ちょっと一時中止しておきます。
  27. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) この際申し上げます。日ソ漁業交渉の様子につきましては去る四月十四日の懇談会によって、西村水産庁長官から報告をお聞き取り願ったのでありますが、ただいま農林大臣の出席を得ましたので、農林大臣から日ソ漁業交渉のその後の模様について御報告を願いたいと存じます。  ちょっと速記をとめて。    午後二時十八分速記中止    ————・————    午後三時一分速記開始
  28. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) 速記をつけて。漁業権特例法案については、本日はこの程度にいたします。  これをもって散会いたします。    午後三時二分散会