運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1961-04-14 第38回国会 参議院 農林水産委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年四月十四日(金曜日)    午後一時五十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     藤野 繁雄君    理事            秋山俊一郎君            石谷 憲男君            亀田 得治君            東   隆君            森 八三一君    委員            青田源太郎君            植垣弥一郎君            岡村文四郎君            重政 庸徳君            田中 啓一君            高橋  衛君            堀本 宜実君            阿部 竹松君            大河原一次君            北村  暢君            清澤 俊英君            小林 孝平君            安田 敏雄君            千田  正君            北條 雋八君   政府委員    農林政務次官  井原 岸高君    水産庁次長   高橋 泰彦君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   説明員    水産庁漁政部長 林田悠紀夫君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○漁業権存続期間特例法案(内閣送  付、予備審査)   —————————————
  2. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  漁業権存続期間特例法案(閣法第一五〇号)予備審査を議題といたします。  本案に対する質疑を行ないます。本案について御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いします。  まず、最初に政府から省令規定が出ておりますからこれについての説明を求めます。
  3. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 過日の本委員会提案理由補足説明並びに資料説明を終わったわけでございますが、本日はお手元までに資料として差し上げました農林省令で定めるもの等につきまして、御説明をいたしたいと思います。  これらの農林省令で定めなければならないのは、第一条の第二項第二号中、敷地所有者同意が問題になるケースが非常に多いわけでございまして、この同意の、出すべき期日その他の手続省令によって実態に合うように規定しようという趣旨でございます。
  4. 千田正

    千田正君 この漁業権存続期間特例法に対しまして、まず私はお尋ねいたしたいのは、漁業制度調査会が三十三年の六月、第二十八国会に提案された際に、私の質問に対しまして政府委員説明では、昭和三十六年の漁業権の一斉切りかえに間に合わせるため漁業制度調査会を設ける、こういうことを言明されたわけであります。にもかかわらず、今日になってさらに二年延長せざるを得ないという状況に立ち至った理由は、どういう理由ですか。
  5. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 当初漁業制度調査会の設置をいたしました予定といたしましては、ただいま千田委員の御指摘通り予定をもって発足したのでございます。しかしながら、この制度調査会で取り上げました問題は、漁業権の問題並びに漁業権協同組合との関係の問題、それから漁業調整委員会制度の問題、さらに漁業許可制度というかなり広範な本質的な問題を慎重に検討いたしたために、予定通りに進行することができませず、当時の予定といたしましては、漁業法水産業協同組合法及び水産資源保護法という三法の基本的な改正をはかる予定でございましたが、ただいま申し上げましたような基本的に検討いたしましたために時日を要しまして、そして本年に入りましてから去る三月に答申をいただいたような次第でございまして、その点前に御了解願いました期日とは、若干そごを来たしたようなわけでございます。従いまして、今回は答申いただきました答申に基づきまして、以上申し述べました漁業法水産業協同組合法及び水産資源保護法について立案をいたし、次の通常国会で御審議をいただくというような予定を立てて、目下検討を進めておるような次第でございます。
  6. 千田正

    千田正君 当時からすでに三年もかかってようやく去る望月答申があったなどということは、どうもわれわれはふに落ちない。しかもさらに三年延長しての一体この結果を見るということになると、何か特に優良な漁業権を持って、漁場を持っておる人には非常に有利に展開し、またあまりよくない漁場を持っておる者は、かえって苦しむというような結果になりそうなんですがね。それでこれは私は水産庁指導方針が非常に弱かったのじゃないか、三十三年から三年もかかって、三十六年、ことし一斉に切りかえるということになっておったのを、ことしになってから答申を得て、さらに二年延長してから切りかえをやろう、こういうことになりますというと、ずうっと漁場を借りるにしても経営するにしても、持っていて漁場の非常に豊富な利益を上げているところは、これはまことにありがたいことですね、二年も延長されたんでは。ますます漁獲が上がってほくほくなんだが、苦しい漁場を持っていて、離すに離されぬという人々にとっては非常に迷惑な話なんです。これはどういうわけであと二年延長するということにしたのですか。
  7. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 御指摘通り免許期間定置区画漁業権では五年間、共同漁業権では十年間ということが当時免許されておりましたので、本年度の八月以降の切りかえで、あるいは漁場の配分につきまして御指摘のような問題もあったかと思うわけでございますが、しかし、それだけに非常にこの点は沿岸漁業者一般に通じます基本的な改正でありまするだけに、審議が慎重にされたということは事実でございます。ただいま御指摘のように行政庁指導が少し手ぬるかったではないかという御指摘でございますが、私どもとしては、資料その他につきましては、できるだけの努力をいたしたつもりですが、やはり審議それ自体にあまり強く強制するということもできかねますし、ただいま説明しましたように、非常にむずかしい権利関係基本法でございましたので、非常に手間取ったわけでございます。従いまして、本年の八月から始まる切りかえにつきましては、現在の法律と申しますか、現行法でこれを切りかえるということよりも、まずせっかくの御答申を得ておるのでございまするから、いろいろな批判のあった問題、それから漁民から出た各種の問題について真剣に討議された結果を盛り込んだ新しい法律で切りかえるのが至当であろうというふうに考えまして、それらの準備のために二カ年間原則として期間延長すると、こういうふうに考えて参った次第でございます。
  8. 千田正

    千田正君 これによると、施行の日を五月一日として、さらに認定の期日を八月一日及び漁業権延長あるいは延長しない漁業権の指定の告示をさらにそれぞれ十月の三十日ですか、三十一日ですか、というように三段階に分けた根拠と、またこれによって利害関係は相当影響をしないで済むのですか。
  9. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 漁業権の切りかえ日を何月の何日にするかということは、御指摘通り漁業権者にとっては、はなはだ重大な利害関係があるわけでございます。考え方といたしましては、少なくとも操業期間中に途中で権利のあり方が切りかわるということは避けなければならない、こう思っております。この期日につきましては、かつて漁業制度改革をやりましたときにも、やはり八月三十一日と十二月三十一日及び三月末日と、こういうような三段階で切りかえたのでございまするが、これはかなりその途中で切りかえることを避けたという技術的な問題もございます。従いまして、定置で例を申し上げますと、冬網については、網が立ってない夏に切りかえる、夏網は網が立ってない冬に切りかえる。で、両時期にも該当しない切りの悪い漁業権につきましては三月三十一日と、それらにつきましては、知事実態に合ったように、最も漁業権者に対して、被害の少ない期日実態に即して知事が指定するというふうに、前の漁業制度改革事例に徴しましても最もいい方法だと思いましたので、そのような考え方で立案いたした次第でございます。
  10. 千田正

    千田正君 従来いろいろ漁業権をめぐって、各競合する分について、相当いろいろな紛争を起こしておるところがあるのですね。今度の新しいこの制度によって、そういう紛争は解消されるかどうかということと、現在解決しておらない紛争事件が大体どれくらいあるのですか。もうこの制度が実行されれば、そういう問題はある程度解消されるのですか。
  11. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) ただいまの御質問に対して的確なお答えになるかどうかちょっとわかりかねておるわけですが、ただいま漁業制度調査会で御審議いただきました方向で、新しく漁業法改正してやる場合と、現在の法律でやる場合と、紛争については少なくなるかどうかという御質問であったと思いますが、そういう点につきましては、もちろん私ども紛争をなるべく少なくする方向漁業法改正して参りたいと、こう思っております。ただ、紛争を少なくするという意味は、正しい漁民側の要求が正面に出さないようにという趣旨の御質問であれば、私は必ずしもそうは考えてないのでございまして、そういう意味での紛争件数が少なくなるかどうかについては、ちょっとお答えはしかねますが、そのようなもし正しい方向でありますれば、それはあるいは新しい紛争格好として正面に出るかとも思いまするけれども、しかしいずれにしても、漁民要望が正しく行政に反映され、適切に免許されていくという意図のもとに改正いたしたい所存でございます。
  12. 千田正

    千田正君 せっかくこういう特例を出すのですから、ある場合には、その紛争は起こらない、今まで紛争の起きておったようなところの重要点を摘出して、そうしてそこに改正を加えるというようなことも私は考えられるのじゃないか。  もう一つは、これで全部今度の問題で、あれですか、漁業権の問題は、期間延長は全部終わりますか。これで漏れるところはないのですか、漏れる問題は一つもありませんか。
  13. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) この漁業権存続期間特例法の第一条にございます昭和三十六年の八月一日において現存する漁業権につきましては、漏れなく昭和三十八年の八月三十一日と十二月三十一日と、三十九年の三月三十一日のどれかの期日知事が指定する期日に満了するようになるわけでございまして、ただ漏れまするのは、その第二項で例外規定がございますように、公益上の必要とか、漁業調整の必要によりまして、漁業権を取り消しまして、そのときに、あるいは新たに漁業権免許するとか、あるいはその第二号にございまするように、ことしの八月一日にその漁場敷地他人所有に属しておるとか、あるいは、その漁場水面他人占有にかかる漁業権というようなもので、同意が得られないというようなものは除きまして、そうでないものは当然延長をされるというふうに規定をしておるわけであります。
  14. 千田正

    千田正君 それでは、さっき説明され、ただいまお答えがあったような、同意が得られないような問題ですね、こういう問題は、同意を得られなかった場合は、漁業権存続というものはもう許さないのですか、どうですか。あるいは、その時期をもう一期繰り越して先に持っていって、その間において話をつけるとかなんとかいう、何か調整する手段を持っておるのですか。これは同意がなかったら、今度の場合はこれで打ち切るということなんですか。
  15. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) この問題はなかなかむずかしい問題でございますが、漁業権漁業権が設定される漁場におきまする所有権並びに漁場水面他人占有になっておるような場合の権利とこの漁業権との調整の問題でございます。この問題は、新しく免許する場合にもかなり重要な規定でございまして、いずれにしても、他の私権との調整上、たとえば、漁場敷地他人所有に属しておる場合には、原則として、敷地所有者同意がなければ、漁業権免許をしてはならないように、現在の現行法では規定をされておるわけでございます。しかしながら、それはあくまでも正当な事由がある場合でございますとか、その他、いる場所がはっきりしない等のために同意が得られない場合も事実上ございまするので、それらについて、現行法でも詳細に規定しておられるわけでございます。さて、この延長にあたって、それらの問題をどうするかということでございまするけれども、やはり他の私権等関係におきましては、同意を得るのが原則でございまして、同意が得られなかった場合、ないしは、その同意を得るための手続その他についてここで規定しておるわけでございまして、その点は現行法考え方としては変わってないやり方でございます。なお、その具体的な事例並びに手続については、一応漁政部長より御説明を聞いていただきたいと思います。
  16. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 今の先生の御質問の点でございまするが、この八月一日現在におきまして、漁場敷地他人所有に属しておりまして、それで同意が得られないというような場合は、これは免許することができないわけでございまするが、その漁業権存続期間内におきまして、それ以後において、たとえば、その漁場水面他人占有に属しておったというふうな事態が解消される、たとえば、その占有権を放棄するとか、そういうような問題も出て参りまするが、そういうふうな事態あとから起こって参るというふうな場合におきましては、この同意がなくして、従来通り漁業権免許していくというふうなことになっておりまして、その間にしばらくの期間を置いて、そういう問題も解決しながらやっていくということになるのでございます。
  17. 千田正

    千田正君 大体いろいろお伺いしましたが、この漁業権に関する問題は、私の質問は一応終わりますけれども、もう一つ聞きたいのですが、今度、政府沿岸漁業振興法を提案するやに仄聞するのですが、沿岸漁業振興法を提出する場合の考え方とこれとの関連は、どういうように考えておりますか。
  18. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) ただいま沿岸漁業振興法についてのお尋ねでございまするが、本国会に提案すべく、ただいま各方面と折衝中でございます。で、御指摘のように、沿岸漁業振興法ができまして、その規定いかんによりましては、構造改善等につきまする計画とその実行が問題になってこようかと、こう考えております。ただいまのところ、私どもといたしましては、構造改善計画実施は三十八年度ぐらいになるのではなかろうかというふうに考えております。従いまして、この本年度末の通常国会漁業法改正の御審議をお願いいたしますと、この二カ年間の延長期間が切れますと同時に漁業権の切りかえが始まるわけでございまするが、この沿岸漁業振興法に基づく構造改善計画の具体的な実施と、この二カ年間延長の結果による漁業権の切りかえとは、時間的にそうそごを来たさずに実行できるのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
  19. 千田正

    千田正君 漁業権については、一応この問題はいいです。あとの問題聞きますから……。
  20. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) どなたかありますか。
  21. 堀本宜実

    堀本宜実君 一点だけお尋ねしたいと思いますが、この漁業権というものを設定しておりますために、この所得においても、地域的に非常にいいものと悪いものと、格差が大へん開いてきておる。さりとて、これを話し合いによってといいましても、現実になかなか困難な、従来からの権利を主張し、それぞれの漁獲なり、漁業の用意をいたしておりますので、なかなか困難なのであります。そこで、政府においても、沿岸漁業振興法等について研究されているようだが、私は幾らこの振興法等をやっても、どうも、よりよくなるということは否定はしませんけれども、なかなか困難な問題がたくさんあると思うのであります。そこで最近漁業移民という問題が盛んに取り上げられておる。この問題について、農林省はどうも積極性を欠いておると私は思うのであります。どうも、府県なりあるいは地方の漁業組合というようなものが調査をしたり、あるいは資金を作ったり、あるいは直接部外の省と交渉したりしているんですが、外務省においても、どうもおれのところの仕事じゃなさそうだというような他人行儀な取り扱いをいたして、抜本的に力を入れて調査し、相手の国と交渉をしてやろうというほどの積極性がないのであります。私は移民問題等は、単に農業移民だけでなくして、まだまだ日本漁業というものは私は相当進んでやると見ておりますが、それがうまくいっておらない。日本漁業の進歩した漁法海外に活躍すべきものがたくさんあると思う。むしろ私は、村なりあるいは県なりをあげて漁業移民というようなことが考えられないものかと思うのでありますが、これについて現に私は具体的な問題を二、三承知をいたしておりますが、どういう態度でお臨みになるのか、この機会にお伺いしておきたい。
  22. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 沿岸漁業振興法を私どもでただいま検討しておるわけでございまするが、ただいま御指摘のように、なかなかそう容易ではないようにも考えておりまするが、しかし何とか、ただいま不振の沿岸漁業を打開したいという熱意をもってただいま検討中でございまして、遠からず御審議を願える段階になろうかと、こう考えておるわけでございます。その中でも、御指摘のように、漁業移民の問題が重要でございます。これは確かに、従来水産庁等があるいは積極性に欠けておったんじゃないかという御指摘を受けましたが、私どもとしては鋭意やっているつもりでございまするが、しかし不十分な点があったかというふうに私どもも考えております。ただ実際問題として、この移民の問題に取り組む場合に幾つかの問題が実は相当ございます。その点も率直に申し上げまして御批判をいただきたいと思うのであります。まず第一は、移民というふうにただいま先生から御指摘を受けたわけでございまするが、その点はどうも、移民に重点を置くか、企業が向こうに行くのかという点が、漁業の場合には必ずしも割り切れない幾つかの問題がございます。それから、東南アジア、南米その他の受け入れ側の御要望も一口に移民と申すわけでございまするが、内容としては、農業移民と全く同じような考え方の国もございますし、企業あるいは合弁会社といったような、そういう性格もありますし、場合によっては、何かプラント輸出みたいな格好の問題もございまして、これは農業の場合と違ったかなり複雑な問題を持っておるようでございます。従いまして、私どもも、人口の問題として考えていくべきか、あるいは企業の問題として考えていくべきかにつきましては、実は判じかねる場合も相当現実の問題としてはございます。しかしいずれにいたしましても、この狭い国内だけで、しかも国内の港から出発していくだけの問題としては、若干行き詰まりも考えておりますので、ただいま先生から御指摘を受けた問題を広く解釈いたしまして、移民と同時に企業の問題もあわせ考えまして、いわゆる海外漁業の発展の問題として、それぞれのこれを担当し、研究し、調査している団体もございますので、そういう団体とも連絡しながら、なお今後一そうできるだけのことをして参りたい、こんなふうにただいまのところ考えているわけでございまして、努力の足りなかった点につきましては、なお今後ともに一そう力を入れていきたいと、実は考えているような次第でございます。
  23. 堀本宜実

    堀本宜実君 ただいまお話になりましたように、いろいろのケースがあって困難なことはわかっております。ことに外国との問題ですから、国内ですら困難なのが、外国なのですから、それは非常に困難なのだが、私は人口の問題だとか、企業の問題だとか、国々によって違うということはよくわかるのです。わかるのですが、今の沿岸漁業振興法等をやってみましても、何らか抜本的な柱が立たなければ、やはりコップの中の水みたいなもので、どちらへ何を立てましてもその容積は同じだ。いろいろの変化はあるように見えても、結果は進歩がないというのとひとしいものであろうと、今から想像をいたしている。これははなはだ僭越な悲壮な観測をいたして恐縮なんですけれども、そういうふうに、もはやなかなか手段が見つかりにくいということなのであります。そこで、自然発生的に漁民の方から、今のような半農半漁でどうにもならない。ことに経営面積というものを拡大していかなければならぬ農業であっては、とてもこれは沿岸漁業でやっていけない。そこで半企業なんだが、それは移民ともいえ、一面企業ともいえるんだが、企業だけで割り切るか。あるいは移民だけの姿になるかということは、非常に問題はあるといたしましても、私はその受け入れなり、調査なりが政府に何もないとは申し上げませんが、私は非常に乏しい。どこかの団体が、今も調査する団体がある。あるいは研究している団体があるから、そっちへ行ってくれというようなことで、行ってみてもきめ手がありません。外務省が、たとえば船を持つ、あるいは漁具を持っている場合に、それを資産と見るか、あるいは輸出品と見るのか、そういうことで大へん受け入れがむずかしいとか、むずかしくないとかという論争があるのでありますが、これは少なくとも主務省である指導の立場に立つべき農林省、ことにその漁業を担任しているあなたたちが性根を入れてこうするんだという目標を持ってそうして指導に当たらなければ、私は解決はつかないと思うんです。鶏を追うように、あっちから追われ、こっちから追われして、そうしてみずから金を使って外国に見に行く。見に行って帰ってそうして両省に交渉してみてもきめ手がない、右往左往しているというのが現実であります。そうして何がしかの山や、畑や、家屋を売って、そうして公団みたいなものを作って、県に泣きついて、県からいろいろな支出を願って、そうして五千万なり、一億なりの金を、全く私は零細漁民としては大金だと思いますが、そういう金をいざ作って、行こうとしても、行けるような筋道が起こってこない。そして現に相当何といいますか、大きい資本漁業会社ではほんとうにやりもしないものも権利屋権利を取って、そして会社用のものを作って、そしてそれがやれ合弁だとか、あるいは単独進出だとかいう形においてその場所をふさいでいて、その零細漁民現実に出て行こうとする姿を阻止するという現実がある。それをすみやかに国の力において整理して、そして日本で生きることのできない人たちが、手をつないで海外に発展しようとする姿を、企業の問題であろうが、人口の問題であろうがそういう議論の問題にとらわれずに、現実日本の民族が海外に発展し、しかも行き詰まった漁村の人たちが、習い覚えた漁法というものをもって海外に飛躍しようとするものをなぜ伸ばしていこうとしないのか。そういう努力が足りないと言うと嫌な顔をされますが、ほんとうに私はきめ手がないとこういうふうに思う。外務省農林省はこの問題に早急に取り組んで、少なくとも数回会を重ねてそして目標を描いて、この国にはこういう企業方法で進出せしめる、国もこういう手当をしてやろう、あるいは大使館との交渉はどこがどういう程度によって掌に当たるのだ、あるいはすでにそういう何といいますか、非常に悪い考え方のやつがおって、行って権利は取ってはおるけれども何にも仕事はしていないというようなものを、すみやかに当事者に会うて権利の解消を求めて、現実に働こうとしている人たちを入れてやるとか何とかいう親切な愛情のこもった、私は、この不振に歎いている沿岸漁民というものを救ってやろうという努力をしてほしいものだと、私はこの以上には申し上げませんが、少なくとももっと積極的にこの問題と取り組まなければ、この不振な沿岸漁業というものを解消するわけには参らぬ、こういうふうに思いますので、これは要望いたしておきます。
  24. 東隆

    東隆君 漁業権の中の共同漁業権とそれから定置漁業権区画漁業権、その三つのうちですね、漁業協同組合が持っておる共同漁業権というのは、これは当然今度の改正その他においても漁業協同組合の方に移るということはこれは確実なんでしょうか。
  25. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 将来の改正方向として共同漁業権漁業協同組合との関係がどういうことになるだろうかという趣旨の御質問だと思いますが、ただいま漁業制度調査会からいただいておりまするこの共同漁業権についての改正意見でございまするが、本質的には共同漁業権漁業協同組合との関係については現行法と同じ大体方向でございます。これ、だいぶ議論がありまして、議論の過程では、漁業権の管理すべき漁民団体漁民の経済団体、経済行為をすべき協同組合とを分離すべきではないかという議論も相当多かったのでございまするけれども、結論といたしましては、やはり経済行為をやっている漁業協同組合漁業権を持つ方がよろしいという結論になりましたので、ただいま御指摘の点につきましては、大きな改正はなかろうというふうに考えます。ただ、その議論の過程でもおわかりのように、現行法だけではなかなか沿岸漁業の発展すべき方向から見ますと、かなり割り切れない点が幾つかございまするので、特に漁業権者たる漁業協同組合漁民との間における権利の行使関係、組合員資格、漁業権を行使すべき組合員の資格の問題その他共同漁業権の内容につきまして、一部のそういう意味での具体的なテクニカルな改正はあろうかと思いまするが、ただいま先生の御指摘の本質的な改正はない見通しでございます。
  26. 東隆

    東隆君 その次に、私は漁業協同組合が現在のままでは私は非常に小さくて力が弱いし、おそらく漁業協同組合を拡充強化する、こういう線になりますると、おそらく数組合が合併をする、こんなような事態が起きてくるのじゃないか、こういうふうに考えますが、その場合における漁業権の帰属ですね、それはどんなふうになりますか。
  27. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) この点につきましても、漁業制度調査会から答申をいただいておるわけでございますが、御指摘のように漁業協同組合の単位が非常に部落単位等によっておりますために、経済行為が今以上伸びにくいということは事実でございます。そこでこの協同組合の経済事業をいかに伸ばすかという場合には、どうしてもある程度の大きさにまで合併しなければ伸びないだろうということについては、この制度調査会の各委員の方々も全くその点については同意見でございます。じゃ、なぜ合併できないかということでございまするが、やはり最も問題になるのは、漁業権の問題でございます。これが数組合それぞれの部落民がまあ昔から入会権の一つの形として持ってきたものが合併されまして、その合併された漁業協同組合で単純な三分の二の総会でこの漁業権の行使方法がきまるという現在の法制のもとにおきましては、なかなか三分の二以下の数しか持っていない部落の漁民等が不安を、特に漁業権の行使について隣りの部落に行使権が侵されるかもわからない、こういう不安もありまして、その点につきまして合併できずにいるという状況でございます。これが今度の制度調査会としては、やはり基本的にその点にメスを入れてみよう、こういうことでございまして、結論といたしましては、そのような場合には部落ごとの決議と総会の決議との二つの決議の必要があるかどうかという問題、それから漁業権の行使に関する総会の決議を単純な三分の二だけにしていいかどうか、行政庁が何らかの意味で少数の部落民の意思を何らかの格好でこれをバックアップする必要があると思った場合には、これをバックアップする道が開けないかどうかという点について、ある程度の御答申をいただいております。従いまして、私どもとしてはかなり詳細にわたりますけれども、これはどうしてもそういう点にメスを入れた上でないと、部落単位の漁業協同組合が合併できない、こう思いますので、法律はややあるいは詳細になり過ぎるかもわかりませんけれども、何らかの特別の工夫をそこにしてみたい、こう思っておるような次第でございます。
  28. 東隆

    東隆君 今の問題ですね。私はあまりむずかしくお考えにならないで、今の部落単位の漁業協同組合農業の方における生産的協同組合、生産農業協同組合ですか、ああいうようなものにして、そうしてほんとうにその漁業協同組合が生産の方面に乗り出していけるような態勢を作り出すことが、これがほんとうの下部の漁業協同組合でないかと、こういうふうに考えるわけです。そういう意味で私は水産業協同組合法改正することによってその目的を達することができるのじゃないか、こういう考え方を持っております。そこでそういうふうに考えたときに、今の共同漁業権を持つことのできる漁業協同組合は、十分にその漁業権を活用することができるのですから、今三分の二とか、あるいは部落の総会の決議とか、そういうようなことをかれこれ言わなくても、部落的なもとの漁業協同組合権利を保有することができるのだと、こういうふうに割り切って法律改正をされたらいいのじゃないかと、そういうような気がするものですから、この点お伺いしたのですが、この点どうですか。
  29. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 大へん重要な本質的な御質問でございまして、まだ私ども成案を得ておりませんので、具体的に所見を申し述べるのはいかがかと思いまするが、ただいま先生より御指摘を受けました問題は非常に重要な問題でございまして、今度の改正を心がける場合には忘れてはならない一つの大きなポイントだと、実は私ども考えておりますので、なおこの点に触れた制度調査会の意見もいただいておりますので、その線も考えながらただいま先生指摘方向の問題も考えながら立案に準備して参りたいと、こう考えているような次第でございます。
  30. 千田正

    千田正君 関連して。今の私は入会権の問題ですね、これは相当紛争が絶えないのじゃないか。しかも現存のあれから見るというと、それを海区調整委員会にまかせて、海区調整委員会において調整する。しかしながら、海区調整委員会でもそれは解決できないと、あるいは都道府県知事あるいは最後においては農林大臣の判定を待たなければならないという、そういう錯雑した問題が起きているのですね。だからこの漁業権の、今度沿岸振興法というような基本的な法案ができると同時にそういう問題の紛争をなくす、絶滅とはいえなくとも調整する必要があるのじゃないか。改正する必要があるのじゃないかと私は思うのですがね。この延期と同時にそういうようなことに対して考える余地はないですか。あるいはその制度調査会においてそういう問題についての答申はなかったのですか。
  31. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) この共同漁業権及び区画漁業権の一部についてありまする入漁権制度の問題、それからただいま先生から御指摘を受けました漁業権以外の漁業についての広範な入会の問題、特にそれが県と県との関係におきまする沖合漁業の入会の問題、この問題をいかに解決していくかということにつきましては、御指摘通り非常に重要な問題であるというふうに私ども考えているわけでございます。なお、この点についての法改正の問題でございますが、もちろん当然重要な一つの項目としてこの問題について改正に準備いたしたいと思いまするが、本日御審議いただいておりまする存続期間特例法につきましては、全体の趣旨が現状を原則として一カ年間延長するということでございますので、このような紛争の解決についての御提案はいたさなかったわけでございまするが、ただいま先生の御指摘のようにこの問題をうまくと申しますか、解決することが非常に重要だと思っております。多少の私見をまじえて申し上げますと、これが一つの階層間の漁場争いですと、まだ私どももある立場を見ながらその間を調整することもある程度可能でございますけれども、同じ階層間の、ことに零細になればなるほど、その零細な漁民の間における深刻な漁場争いの問題はなかなか単なる漁業法だけでは根本的な解決は至難だと考えております。しかしながら、この避けられない紛争にしても、もう少し解決の仕方のルールなり、紛争が起きた場合の起こすべき土俵なり、そういったような点につきましては、数々の近代的な解決の仕方の長所も取り入れて、何とかいきなり暴力ざたになるというようなことを極力回避するような方向で考えて参りたい、このようにただいま検討中でございます。
  32. 千田正

    千田正君 私は劈頭に申し上げたのは、三十三年の第三十八国会で、漁業権制度を改革するための漁業制度調査会というものを置かれたでしょう。三十六年の本年になって三年たって、ただ二年間延期する程度のものをここへ出すということは、僕らはどうかと思うのです。三年かかって制度調査会で真剣に調査したら、法的にそういうような改正まで持っていくくらいの熱意がなかったら、何をやっていたんだと私は言いたい。そうすると、この漁業権期間延長だけした答申はないですよ。おかしいものじゃないか。三年かかって、二年間の権利期間延長、何をやっておるか。三年間何もやっておらなかったとひとしいじゃないか。私はいろいろな重なっておるところの漁業権に付随したいろいろな問題があるのだから、そういう制度を抜本的に改正するための制度調査会であって、そういう点に触れることは今あまり感心しないようなお答えなので、まことに私は遺憾だと思うのです。改正する意思がないかどうか、その点はどうですか。
  33. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 多少誤解があるようでございます。制度調査会漁業法及び水産業の協同組合法及び水産資源保護法についての改正について真剣な御討議をなすったわけでございます。これについて具体的な御答申も本年の三月得ましたので、それに基づいて改正を次の国会で御審議していただきたい。しかしそのためにできればこの切りかえを、改正されるべく漁業法でやって参りたいと思いまするので、二カ年間延長していただきたいという、これは私どものお願いでございまして、制度調査会は二カ年間延長するということをきめたわけではございませんで、相当大胆率直な改正意見を答申しておるような次第でございますので、この点はその新しい改正方向に従って私どもで立案して御審議を願おうと、こう考えておるようなわけでございます。
  34. 東隆

    東隆君 私は共同漁業権を持っておる漁業協同組合区画漁業権あるいは定置漁業権を優先的に持つのが、沿岸の漁業を振興する上に一番大切なことではないか、私はこういう考え方です。そこで、答申はどういうふうになっているかわかりませんけれども、沿岸の漁業協同組合を拡充、強化する意味においても、優先的に漁業権漁業協同組合に付与する、こういう許可をする、免許をする、そういう考え方をとるべきではないか、こういうふうに考えますが、この点はどうなんですか。
  35. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) まず、漁業権漁業協同組合の問題でございまするが、共同漁業権につきましては、漁業協同組合以外に免許はいたしません。将来の方向としても、この原則答申の範囲内におきましてもくずれていない次第でございます。なお、御指摘のように、この本質的な入会権ともいうべき共同漁業権漁業協同組合が持っているのだから、これと漁場を重複する区画漁業権及び定置についても、同様に扱うべきではないかという御意見のように承ったわけでございますが、考え方としては、制度調査会の御意見もおおむねその線に沿うているようでございます。たとえば、定置につきましては、定置漁業協同組合が経営する場合には、優先的に漁業協同組合免許するという現行法一つ考え方は、将来の改正方向としても、漁業制度調査会の御答申の中ではその原則はくずれておらない次第でございます。  なお、区画漁業権のうち、ノリとカキの養殖業につきましては、これもやはり現行法漁業協同組合を優先しておりまして、その点につきましても、制度調査会の方はその方向でよかろうということを答申なさっております。区画漁業権の中の最も問題になりましたのは、真珠の漁業権でございまするが、これを経営者原則を貫くか、漁業協同組合漁業権者となって経営者に賃貸を許すかどうかという点が相当論議になったわけでございまするが、その点につきましては、従来の経営者原則だけにとらわれないで、何か組合と真珠の漁業権との間の調整をはかるべきではないかというような方向の御答申をいただいております。その中で最も注目すべき御答申といたしましては、たとえば、定置でも真珠の区画漁業権でも同じでございまするが、漁業協同組合以外のものが地先で漁業権を持っている場合に、いわゆる共同漁業権者たる漁業協同組合が、共同漁業権と、その問題になっておりまする定置漁業権及び真珠の区画漁業権との関係を円滑にさせるために、組合と経営者との間に話し合いの場を設けるべきであろう、その話し合いを肯定すべきであろう、こういうような御趣旨の御答申をいただいておりまするので、そのような方向でただいま検討中でございます。従いまして、ただいま先生から御指摘を受けた方向にあるいは全面的におこたえできる答申方向ではないかとも思うのでございまするけれども、少なくともただいま先生指摘方向に向かった改正を私どもとしてはいたしたい、こう考えているような次第でございます。
  36. 東隆

    東隆君 私は今問題になった真珠の区画漁業権の問題なんですが、それは海域の高度の利用といいますか、そういうような関係で、区画漁業を認めたために、実のところは、下の方の共同漁業権、これがもう全然ものの役に立たなくなった、こういうような報告を受けておるわけです。そこで、漁業協同組合としては実に大きな利害得失に関係をする問題ですから、私は、この問題もやはり漁業協同組合が、真珠のような一定の気候条件、風向きだの、いろいろな条件があるのでしょうが、そういうような地域で共同漁業権の上に一つ漁業権を設定するような場合には、私は当然漁業協同組合がその権利を有すべきだ、こういう考え方を持つのです。そこで、それは漁業協同組合が持っておる共同漁業権が被害を与えられるのですから、従って、それを補償する意味においても、私は当然そういうふうに扱うべきでないか、こういうふうな考え方を持っておるのであります。それから今までの経営者に与えるその順位が、これを見ますと同一の順位というような、そんなような答申のように聞いておりますが、これは大へんむずかしい問題になってくるし、しかも、知事の裁量によって決定をするというようなことまで書いてあります。そうすると、真珠は特殊な関係でもって発達をしてきておりますから、従って、おのずからその帰趨がどうもはっきりしているように思う。この際、生産された真珠の検査方法であるとか、その他を国でやるとか、いろいろな私はやり方があるだろうと思う。ことに輸出の線に上るものでありますし、そういうようなことを考えますと、私は国が検査をやる、そして適正に検査した上で等級をちゃんと分けて、そうして売り出す、売却をする、こんなような形をとって、そうして沿岸の漁民を保護すべきじゃないか、こういうような考え方を持つのですが、これ以外に、これと同じような問題の起きるような区画漁業がほかにございますか。
  37. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 真珠の漁業権の優先順位に関して、ただいま御指摘を受けましたが、そのような意見も現に制度調査会の中であったのでございまするので、それらも勘案いたしまして立案し、御審議をいただくことになろうかと思いまするので、一つ十分御審議をいただきたい、こう考えておるような次第でございます。  なお、これと同じような問題があるかどうかという御質問でございまするが、あるいは将来の問題かもしれませんが、海の方における魚類養殖業というのがどうも発展する気配が濃厚でございまするので、沿岸振興にあたりましても、このような新しい方向も実は若干取り入れて参りたいというふうに思っておりまするので、まあただいまの点につきましては、そういう問題もあるということで御了解願いたいと思います。
  38. 東隆

    東隆君 それで私は、前の問題に返るのですが、その意味においても、今の漁業協同組合、これを一つ、小さくてもいいですから、生産的な漁業協同組合、こういうようなものにして、そしてこれを十分に力強いものにして生産をやらせる、こういうような生産の主体ですか、何といいますか、漁撈をやることができるようなそういうような主体ですね。そういうようなものにまでやっていかなければ、ただ権利を貸し付けたり何かするような。そんなような形のものでは、これは私は問題にならぬと思う。そういう意味で部落的な漁業協同組合一つ生産的な漁業協同組合のようなものにするような法律改正、そして強固な水産漁業協同組合はそういうようなものが数個奥まってそしてできる、こういうような態勢を一つ作っていただきたい、これを私は要望して終わります。
  39. 清澤俊英

    清澤俊英君 関連して。ただいま東さんからいろいろ協同組合漁業のあり方について御質問がありましたが、関連してお伺いしたいことは、このいろいろな漁業制度調査会に対し、資料は大体あなたの方でお出しになったのだろうと思うが、間違いありませんか。それが中心でこれらの答申が出た、こう思いますが……。
  40. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 資料は大体私どもの方で作って御審議の用に供したわけでございます。
  41. 清澤俊英

    清澤俊英君 そうしますと、非常に雑な見方で、まだおとといこれをもらっただけですが、ここでちょっと読んでみましても、漁業協同組合等に対しての将来の行ない方、まあ改革の要点等のものが非常に雑に出ているのですね。具体的なものは、こういうふうな欠陥があるから、こうしろというようなものは一つも出ていない。そこで、お伺いしますが、いろいろ東君が言われたように、漁業権の問題と協同組合のあり方の不合理性が、全く漁業民主化の真実の形と逆行している、昔通りの形になっている、こういう例がひどい。これは次長に私も一度質問したことがありますし、衆議院においても最近質問されている佐渡のブリ漁場の問題、それからああいうふうに漁業協同組合の利益配分が五分に抑えられておる。ところが定置等の漁業になりますと、数億円の収入があるでしょう。この地区におけるところの定置網の中には、本年は非常な不漁だといいましても二億円もあるのです。豊漁だといったら五億円もあるんです。こういう状態でありますから、従って五分の配当をしていきますれば、もう多額のものが残るのだ。そこであなた方が御承知の通り、その地区でもって任意組合を作っている、その任意組合と漁協が一緒になって加茂水産協同組合株式会社、いわゆる加水と俗に言われる一つの営利の行なわないという組織をやっておる。実費はこの加水が中心になりましてすべてのことをやっておるのだ。表面はいろいろな点でごまかしておって、まあ法的にはたぶんのがれているのだろうと思います。あなた方がかまわぬでおるところを見れば法的にはのがれておるのだろうと思う。私は法的にお調べになれば法的に欠陥があると思うがお調べにならない。新潟県でも調べていない。そしてその任意組合と協同組合関係はどうなっているかというと、とにかくこれの出資分配は、任意組合は四九%持っている。そして協同組合の方は五一%持っている。こういう形で取った漁獲高を加茂水産という会社が割当を頭から分けてくれる。ところがその半分の約四九%を持っている加茂水産が任意組合ですから、大部分株式で分けます。そうすると、大体八〇%というものは、三人か四人の旧漁業権を買っていただいた、三千万円かで買っていただいた、その投資をやっていただいた人々が大部分持っている。だから協同組合の方にはわずかのものを出して一人五分の配当であまり問題のならないようにして、ここでもって、加茂水産でもって、何かまた何か操作をして、こういう無理なことをやっている。こういうものが存続しておる限りにおいては、私は漁業民主化というものは絶対あり得ないと思う。こういうものに対して答申などには、そういう不合理に対しては将来こういう方向をとれということは書いてない。私は少なくとも漁調法を作って、漁業法改正されて民主化に乗り出す限りにおいては、こういうばかげたものはもう徹底的に調べてやめさせるべきじゃないかと思う。そうして五分の配当であるならば、五分の配当でよろしい、綱を立てるに一年に三千万か五千万あれば、定置一つ立てるに二千五百万円あればいいのですから、そんなものは幾らも立てられる、いつでも全部漁民のものになって相当のものが均分して分けてやれる。あまりそこがひどかったならば、漁区を拡大してすぐ前にも困っている漁場がたくさんあるので、漁区を拡大してわずかな者が利益をもたらすことでなく、均分に得るように考えていただくことが、私は漁業民主化に進むゆえんではないかと思う。これらに対しまして一言も中間報告はまだ見ません。私はこれらから帰って見るが、おそらく書いてないと思う、ただ方向づけだけは、何かそういったような大ざっぱの方向づけが出ているだけで、至ってそういう重点的なものがない。私は人に聞くところによりますと、新潟県の加茂だけではない、方々にそういう形が残っている、それであなた方にお伺いいたしますと、いつでも網を買うぜにがないのでと、しからば金を貸してやったらいいじゃないかと言うと、あなた方はこういうことを言う、網が流れてしまったならば取りかえもないのだから、どうしてもある人から金を出してもらわなければならない、こういう説明で濁らせておられるが、こういう形であるならば、これから漁区を合理化してやる、これから漁業権を合理化してみましょう、協同組合を何とか方向づけしてみましょうと言っても、こういう実質上の根本的な誤りを正さずして、決して漁業の民主化というものはあり得ない。貧乏人はだんだん貧乏していく。こういう点に対して、今後の漁業改正に対してはどういうお考えを持っておられるか。
  42. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) ただいまの御指摘は新潟県の佐渡におけるブリ定置漁業権の問題をめぐっての御指摘でございますが、先生指摘のような事実があるようでございます。御案内のようにただいま問題になりました定置漁業は、ここ数年来非常に豊漁に恵まれておりまして、かなりの利益を上げている模様でございます。この漁業権は、漁業協同組合漁業権者になっておるわけでございまして、漁業協同組合が完全自営という格好でやるのも一つ方法かと思いまするが、このようにたまたま漁業協同組合がいい漁場に恵まれまして、漁業権も持ち、しかもかなり莫大な利益が数年上がるといった場合に、またこれは大きな損をした場合と同様にいろいろな問題を御指摘のように起こすわけでございます。ことに配当制限の問題は、もちろん私ども検討いたさなければならないかとも思いまするが、やはり漁業協同組合がみずから漁業をして、利益を上げて、その利益が近傍の漁業協同組合のうらやむほどの利益を上げた場合のこの問題につきましては、いろいろな実は考え方があろうかと思います。御指摘のように、それをたまたま地元の一部の漁業協同組合だけでこの利益を独占するようなことを避けて、なるべくこの利益を周辺の漁業協同組合に均分するような方向で考えたらどうかという御意見ももちろんあろうかと私考えておりますが、しかし、この定置漁業権協同組合の自営の問題につきましては、実はこのような利益を上げる場合だけではなくて、大きな損失をこうむりまして、組合の経理上大きな問題になっておるような数も実は非常に多いのでございます。従いましてこのような定置漁業のように非常に資本を要する漁業であって、しかも漁獲変動が非常に激しい漁業を、漁業協同組合がそのような漁業を経営する場合に、どのような形が一番望ましいかということが、これは非常な大きな問題だろう、このように私ども考えておりますし、制度調査会でも、その点につきましては、従来のような漁業協同組合漁業自営という点だけで割り切るのも、いろいろともうかった場合とひどい損をする両面の事態もございますので、何らかその点につきましては別の組織体を考える余地があるだろうということで、かなり具体的な御答申もいただいておりますので、私どもとしては非常にむずかしい問題だとは思いまするけれども、そのような問題にも次の国会までにはぜひ取り組んで参りたい、こう思っておるような次第でございます。
  43. 清澤俊英

    清澤俊英君 どうも私は納得がいきませんね。この前も言うのですが、ここの漁区は非常に前から有利な漁区だ、定置網は。そこで個人が持っているやつは漁業法の買い入れの際には、ほんの三、四人の人に三千万円出している。漁業協同組合も、共同の施設であれ定置であれ持っていた。だが、協同組合は非常に少なかったから一千万円です。結局金がないというので、国から買ってもらったその金の半分くらいはふところへ入れて、その半分くらいを出して、そして両方で一緒になって組合を作った。非常に工合がいいからというので任意組合を作って、今言うたような配分をわずかなボスがやっておる。それをするにどうも工合が悪いというので、加茂水産というようなものをその上で作って、そしてそれが全体を操作している。その上もっとこの御指導のはなはだしいことは、すぐ隣の和木という場所があります。和木にはやはり定置網がある。これは非常に工合よく毎年いっているのです。そこで漁区の定置権の切りかえの際、何か申し込みをするのです。そこに優先順位か何かあるのですね。そうするとまず、そばにありますところの内浦とか羽吉浜とか羽吉第一とかが共同で今問題になっている定置網を持っているところで出願しているのです。これが第一優先を持つ。第二優先の内浦の人が——ボスが中心になって、個人だそうですが、定置の出願をする、いよいよ期限がくると、第一優先を持っておりますが、それを金の力でもって申請を引っ込まして、和木の定置権を自分らのものにしてしまう、こういう問題が出ている。だから何がために多額な金を出して、そういう前からのボス業者に金を出して買い上げて、これは漁民が経営しろというのだがわけがわからない。そういうようなものは悪いところもあるかもしれないけれども、こういういいところもあるのです。それが問題になっているのに、水産庁はいつまでたっても、今言われたような答弁をされて、実態調査して合理化しようとする努力をされぬのじゃないか。では一体どういうことなんでしょうか、そういう考えでこれからあといろいろな新しい漁業制度を打ち立てようとされましても、そんな頭で立てたらそれは何にもならないと思います。私はそう考える。
  44. 亀田得治

    ○亀田得治君 ちょっとそれに関連して。ただいまの漁業協同組合で、既得の個人の権利などは全部買い上げているわけですか、それ以前にやはりあったわけでしょう。漁業組合は、それは全部買い上げの形で、対価を支払って、そうしてそういうものを消滅させて、漁業協同組合に新しく漁業権を集約した、そういう経過なんでしょうか。
  45. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) まず現行法の、はなはだ失礼でございますが、組み立てを御説明いたしたいと思います。現行法におきましては、地元の協同組合定置漁業権を取得してこれをみずから経営したいという場合には最優先の取り扱いをいたしております。従いまして個人の経営者と話し合いをつけなければ漁業協同組合はみずから定置漁業を経営できないということにはなっていないのでありまして、漁業協同組合がみずからの力で漁業を経営したいということを免許官庁である県御当局にこの漁業権切りかえ時に申し出がありますれば、これは法律漁業協同組合を優先いたしておりまするので文句なしに地元の漁業協同組合権利がいく、こういう格好に相なっております。ただ問題は資金の問題でございます。この漁業権者となってみずから漁業を経営する権利がございますけれども、その経営する場合に資金の援助をほかに依存する場合がございますし、また漁業法もそれを禁止いたしておりません。従いましてそういう意味で、通例の言葉でいうと共同経営という格好漁業協同組合以外のものが経営に資本参加してくることがあり得るわけであります。この問題をめぐりまして、ただいま御指摘を受けたいろいろな問題の起こり得る素地があるわけでございまして、個人の買い上げという御指摘もあるいはそういう点を意味しての御指摘かと思いますが、法制的には以上のように相なっているわけでございます。
  46. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうすると、資本参加した人と漁業協同組合との間で何か契約があるわけでしょうね、契約書のようなものが。
  47. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 契約があるのが当然だと考えるわけでございますが、往々私ども調査によってその契約が出てこない場合もございますが、しかし、何らかの格好で契約がなされておることは当然かと思います。
  48. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうすると、やはりそういう中身の実態をまだつかんでおらぬようだが、多少これは私の権利の問題に相当入り込むような格好になりますが、しかし、そのことのために漁業協同組合という本来の立法の精神が実質上乱れてくる、曲がってくる、こういうことでもこれはいけないわけですからね。だから、もう少しそういう具体例についてはお調べ願う必要があるように思いますね。清澤さんのお話を聞いておっても、それをつかんで、法律上どれだけの強制権があるかは別として、水産庁としてはやはり漁業の発展のためにはこうあるべきじゃないかといったようなことをもう少し出していいのじゃないか、そして問題の中身によっては、やはりそういう金があれば、個人じゃなしに金庫なり、適当な資金を活用すべきだとか、幸いなかなか景気のいい漁場のようだから、返ってこぬというようなことはないような感じがさっきからいたしますので、もう少しこれはやはり研究して、それは相当多数の漁民の方が不満を持っておるようですかられ、研究して下さいよ。これは私も要求いたしますがね、研究してくれますか。
  49. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) ただいま御指摘の問題は、実は漁業法第三十八条の問題でございまして、原則として考え方としては漁業協同組合がみずからの権利を適正に行使する場合は、これは当然問題ないわけでございますが、いろいろな関係で、事実上漁業権者がみずからこれを経営しないような形になる場合には、適格性の問題として問題になり得ることでございまするので、監督上の問題として、ただいま御指摘の問題は当然これは検討してよかろうかと思いますが、ただ第三十八条によりますと、「漁業権者たる漁業協同組合が他の者の出資を受けて当該漁業権の内容たる漁業を営む場合において、当該出資額が出資総額の過半を占めていることをもってその他の者が実質上当該漁業の経営を支配していると解釈してはならない。」という解釈規定もございまして、なかなか、資本の問題だけで事実上だれが経営しているかをきめてはならない、こういう解釈規定もございまするので、この経営の内容の審査につきましては、実は行政庁としても相当苦慮しておるような問題でございます。これもしかし、一方あまり厳重にいたしますと、実態に合わない点も出て参りますので、この点につきましては、やはり何と申しましても第一線の監督官庁である県が、この問題についてさらに一そう実態的な監督指導をされることが、やはり何としても必要なんではないかということをかねがね痛感しておるような次第でございます。
  50. 清澤俊英

    清澤俊英君 次長、今のそれを逆用しているんだと思う。だから、羽吉浜、内浦、いま一つ羽吉第一の三つの浜に漁業組合があるんです。それがおのおの任意組合を作って加入しておる。加入しておりますが、その加入は、その過半数の条項をちゃんと心得ておりまして、漁協が五一%、任意組合が四九%、こういう投資額を持っておる、持ち株を持ったことになっておる。この三つの協同組合と三つの任意組合の上に加茂水産というものがあって、これが調整しておる。調整して、これを分けるときになると四九%分を任意組合に渡す。これは全部二重加入ですよ。協同組合の中の一部分の人が入っておらぬだけで大部分の人が二重加入だから、そうやって五一%のものは協同組合の行き方を、五分の配当をしておるけれどもあとの大部分は任意組合に参りますと、任意組合内の配分は制約がありません、持ち株数によって配当をやるから、約八〇%はわずかの人が持っておる、こういう便法を講じておるのです。私が申し上げる通りです。今年が不漁だといっても二億円もとれておる。今年でももうけがある。一年で大体定置網が経費はどのくらいかかるのですか、二千五百万か三千万円です、全部で。保管から運用までかけて三千万円くらいあったらできるんじゃないですか。そうしてみますならば、膨大なもうけがあるでしょう。こんな二重、三重の組織をさせないでも、これを積み立てさえしてやりまするならば、もう数年前に完全な漁協の経営ができるわけなんです。それでも膨大にもうけがある、分け切れないものがある。不漁に対する防備的なものを積んでみても、毎年定置網の分を積んでみても、十年かかれば、もう十年いきませんけれども、何年分かの定置網分は損失補償するだけのものも積まれるんだ、こういうことを考えますと、もっとあなた方の方で積極的に行ってこれを克明にお調べになれば必ず脱法的なものが見つかると思うのです。われわれも近いものを押えておるけれども、帳面まで引きずり出して見るわけにいかぬからだめなんです。こういうものに対して、あなたが言ったようなことでおん投げておかないで、そうして正当なものに立ち返るような方法を講じでもらうことがいいんじゃないかということと、それから漁業経営はまた特別な私は組織体系があるんじゃないかと思いますので、従いまして、こういう漁場もあることですから、従って、もうけがあった場合には、五分などといわないで、そうしてもっと積立金をどうしろとか、利益があった場合には、積立金をどうするとかいろいろな制約を加えることはよろしいが、もっと利益配分ができるような方法を講じた漁協のあり方が私は正当なものになるのではないかと思う。非常に荒い利益のある性格の生産体ですから、ただ農業協同組合のような考え方だけでやっていたら、なかなかうまくいかないと思う。森林組合のようななかなかきまりきったもうけであったらうまくいかないと思う。それが始終なんですから、一ぺん当たれば大したものだ。それが五分だということになりましたら、何か別の方法を講じるほかない。その弱点につけ込んで今のような問題ができ上がる。これは人情のしからしむるところだと思う。だからこれからあと漁業協同組合の何かお作りになるときは、十分こういう点を御考慮願いたいことと、私はやはりこの問題は一つ早急に調べてもらいたいと思う。徹底的に調べて、必ずあると思う。これほどわがままなことをやっておるんです。和木の漁場なんてものを問いますときにもうはっきりわかっているのだ、第一優先はこの三つの浜が持っている。漁業協同組合が優先を持っている。寝返りをしているやつをもうあすいよいよ決定になるというその前の日にかけるんですから、損害だけをやられて……、そうでしょう、これだけのもうけがあれば何でもしますよ。金の力で何でもします。県道を自費でかけてやるなんて言うているのですから、こういうふうにばかなものをほおっておいたら、漁協など幾ら中心にして沿岸漁業達成とか、漁業の民主化なんといったって問題にならないと思うのです。あんた一方的の理屈ばかり言っている、けれども現実にこういうものは方々にあるんですよ。どこの浜でもみんな損しているものじゃない。損しているものは、別にある程度投資してみましても、損はどこまでいっても損です。そんなものは一ぺんにつぶれていると思うのです。そんな妙ちくりんなものばかりじゃないと思う。そういうあんたがさっきからおっしゃる理屈は理屈であってもなかなか理屈通りになっていないと思う。大部分が損しているのだ。危険だからこういう組織を残すのだという、こういうばかな話はないと思う。そんなことは長く続くものじゃありません。資本をほかの方から持ってくれば、漁獲はふえるが、漁協が自己資本で、一つ借りてきてやれば、これは損するのだ、漁獲は減るのだと、そんなばかな話はないでしょう。
  51. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) あるいは私の説明の仕方が不十分だったと思いますが、やはり先生指摘のように、漁業協同組合がみずから漁業を経営した場合に相当の利益を上げる事例も決して少なくはございません。協同組合がやれば、必ず損をするとは私考えておりませず、御指摘事例のように、漁業協同組合がみずから漁業を経営した場合に相当の領の利益を上げるというケースはございます。そのケースを考えまして法制的に言いますと、たとえば配当の五分という制限をどうするか、こういう問題にからみまして法制上の問題があるわけでございますが、これは漁業制度調査会でも非常に御論議のあった点でございまするが、やはり協同組合の出資金に対する配当を現在の率よりも上げるかどうかにつきましては、必ずしも上げるべきであるというふうに、もちろんそういう議論はあったわけでございまするが、必ずしもそういう結論には出なかったわけでございます。そうすると、一体この協同組合が経営して利益を上げた場合の利益の配分をどうするか、こういう問題になろうかと思いますが、やはりその点は制度調査会で御指摘を受けましたように、この定置漁業の経営につきましては何か漁業協同組合という組織だけでものを考えていこうといたしますと、どうしてもこのような点で割り切れない点が出て参りまするので、その点につきましては必ずしも、ただいま先生からおしかりをこうむりましたように、かといって従来からよく村でありまするように、何かよくわけのわからない網組み制度と申しますか、申し合わせ組合というものを作ってやるケースが非常に多いわけでございまするが、これをそのままにほおっておくのも私としてはいかがかと思いますので、その点は何か従来ある漁村部落におきまするこの種の一つの対応したやり方の網組み制度という問題を、もう少しこう近代的な経済のベースに乗せていくようなことが考えられないだろうかということを検討しているわけでございまして、幸い制度調査会の方もそのような方法で具体的な案を検討せよというような御答申もありますので、割り切れないこの問題、確かにもう先生の御指摘のように、現行制度が私最善の制度だとは思っておりませんので、そういう漁村の近代化の方向に沿いまして制度化に今後もなお検討して参りたいと、こう思っている次第でございます。
  52. 清澤俊英

    清澤俊英君 私これでやめますが、ただ最後に念を押しておきたいのは、非常にいいケースだと思いますので、一つあとで、だれか派遣して、できれば私どもも亀田君ぐらいが一緒に行って調査もし、参観もさしてもらいたいと思うんです、われわれが調査しようというんじゃないんですから。この現実をしっかりと把握して次の制度改正には万全のものができる一つ資料として取り扱っていただきたいと思うのですが、その点どうですか。
  53. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) ただいま御指摘の加茂水産の問題につきましては、労働問題につきましても紛争を起こし、この経営の問題につきましてもかなり現地では紛争を起こしているようでございます。ただいま県御当局がこの収拾に当たっているように聞いておりますが、その点につきましてはなお現在私どもがその渦中に今直ちに飛び込む時期として一番いい時期かどうかについては、しばらく検討させていただきたいと思います。もちろん調査することを否定するわけではございませんが、せっかく地元の県の方で紛争の仲介に努めている最中でございますので、その模様を見た上で調査の適当な時期を選びたいと、かように考えている次第でございます。
  54. 清澤俊英

    清澤俊英君 それはもう今初めてというわけじゃないんですね。両三年前にもあなたにお伺いしているし、そのときも、調査を今県がやっている、調べておられるのだと、こう言っておられる。こんなことは簡単なことですよ。県となにの力関係ぐらいのことは十分おわかりだろうと思うのですがね。
  55. 亀田得治

    ○亀田得治君 この問題も県がおやりになっているので、多少模様を見たいというような趣旨のことですが、相当時間もかかっている問題のようですからね、やっぱり問題を促進するためには水産庁がもう少しタッチして、まあ中心になって動き回る必要はないかもしれぬけれどもね、そのくらいな指導性は発揮してもらっていいんじゃないかと思うのです。ぜひ、先ほど出資の歩合に関する規定どもお聞きしたわけですけれどもね、これは任意組合の方じゃ、そういう規定に反するようなことはやっていないと思うのですよ、表面上は。しかし、それであっても、結論としてはせっかく漁民大衆のために与えられた漁業権の実際の受益者というものが特定の人に結論としては集約されている。こういう格好が出れば、何も出資金の点が組織上違反でなくてもそれは趣旨に反するわけですからね。さっきお読みになった規定の反対解釈からいってそうです。出資金が四九%以下であればいいんだとは書いてないですからね。ただ出資金の額だけでその他のものが支配していいといったような即断はしちゃならない。そういう意味なんですからね。出資金がたとい三〇%になっておったって、実態漁業権を多数の人に与えた趣旨に反しておるようなことであれば、これは私はやっぱりいけないことだと考える。だから、そういうような点は知事がやはり知っていて相当長い間こうしてやらしているわけですからね、なかなか言いにくい点もあるんじゃないですか。だからそこら辺を水産庁がやっぱり乗り出していかなければ、水産庁のあんた出る幕がなくなりますよ、ほかの問題だって。そうしてやっぱりそういう実態をつかまえて、なるほどこういう問題が起こるのは、そういう漁業関係を近代化するためにどこにネックがあるのか、問題はやっぱり出てくると思うのですね。それは近代化のためのそういうやはり政府の資金の問題になると思うのですよ。だからそういうことのためにもいい一つのやっぱりデータを現実の問題から作ってもらわなければいかぬのですよ。近代化々々々と盛んに言うておるのですからね。だからぜひこれは、さっきはちょっとすぐにでも調査させるようなお答えでしたが、ちょっとまた清澤委員質問に対して少し後退したようなお答えでしたが、どうしてもあんたの方で調査できなければ参議院農林水産委員会一つ調査するように、これは提案をしてもいいわけですがね。それは重大な問題です。実態を聞きますと、はなはだ問題はやはりえぐることがほんとうにこの近代化の方向に、正しい意味で進む。調査はやりますか。やらなければまた委員長にわれわれの方から別の調査方法をお願いせなければならぬ。
  56. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) この加茂の定置紛争の問題でございますなら、たしか私の記憶では衆議院の——先生の名前ちょっと忘れましたが、現地にも行かれ、もちろんその場合には監督官庁、県の係官を帯同されまして、現地調査もしたように聞いております。なお、県からもこの紛争についての一部の報告は受けておるわけでございまして、その辺の事情もよく見た上できめたいと、こう思っておるようなわけでございます。なお、定置紛争につきましては、かなり全国的にもこのような経営をめぐっての紛争も間々あるわけでございまするが、私どもとしては一応なるべく現地の監督の責任者たる知事のところで現場的に解決していただきたいというふうな方針でやっておるわけでございますが、しかし、ただいま御指摘のように改正方法その他の問題もありまするので、そういう意味で関心を持つものでございますが、やはり現地における現実紛争の解決といたしましては、にわかに中央の水産庁が現場に乗り込んでいくことが解決のためになるかどうかにつきましては、いろいろなケースがございまするので、いつでもそういった場合には水産庁が必ず行くということではないというふうに考えます。しかし、大事な問題でございますので、関心を持って県からそれぞれの報告を徴しておるような段階でございます。
  57. 亀田得治

    ○亀田得治君 私が午前の李ラインの報告を聞いたときにもちょっと申し上げたのですが、どうも水産庁の皆さんには私はあまりいろいろつき合いがないのだが、少し引っ込み思案じゃないですかね。それは普通の官庁でしたら、委員会の方で実際に起きておる問題についてこういうことがあるのだと、それはよく教えてくれたと、すぐそれは連絡をとってお調べになりますよ、少なくとも。調べてちっともそんな損することはないのですからね。それは必ずお互いの参考になるわけですから、それはあなたが今具体的にそれを解決つける立場にはないでしょう。調査自体何か渋られるのはちょっとおかしいのですね。これ以上、ちょっと時間が汽車の都合でありませんから私は申し上げませんけれどもね。どうしても調査されないのであれば、これはあらためてまた一つ清澤委員もこれだけ言い出してそれではよござんすということを言うわけがないのでしてね、ちょっとおかしいですよ、普通の感じからいって。これだけ申し上げておきます。
  58. 清澤俊英

    清澤俊英君 最後に一口聞きますが、先般松井君たちと一緒に東北の調査に参りました。それで党の専門委員の手島君の報告によりますと、加茂水産がすべてをやっているのだと、それはそうだと思うのです。漁業組合でない任意組合の上の何か調整組合のようなものですね、それが全部実際に行なっている。配当の割当までやっている。漁業の操作もやっている。こういうことだけはっきりして参りました。ここまで来ているのに足踏みをしておるのはどうもおかしいと思うのです。だから私はそれを処罰してくれとか何とか言うのではないのですよ。この次のいろいろな制度改正されるときの参考に調べてもらいたいということなんです。だから誤解のないようにしていただきたい。  それからどうです委員長、ごく簡単ですが、きょうこれでやめますか、続けていいですか。
  59. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  60. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) 速記をつけて。
  61. 清澤俊英

    清澤俊英君 漁業の問題について実はちょっと一つお伺いしておきたいのは、何か第三項ですか何かにあります問題で、具体的に申し上げますと、池沼の内水面漁業の問題ですが、池沼の漁業権の問題であって、これは沼ですから準河川になっています。だからその下は大体国のものであります。ただ明確でないのが、そのうちの一部分が、私有地があるかないかということはまだ調べていない。そこでこの池沼は鳥野潟というところの漁業権を埋め立ての目的をもって漁業権を買っているのです。もし許可があったらすぐ埋めようという形をとっている。これが大体漁期がどの漁期に期限該当をするか、それもまだ明確にしていませんが、そういう事実があるのです。これは埋め立てを決行しておりません。われわれはそういう埋め立てをせられることに対してある程度反対ですけれども、ここでお伺いしたいことは、こうした漁水面だけの漁権を買った人が、この期限から見ますと所有権等のいろいろな関係でどうも除外せられる、延長が除外せられる、こういうことになるのじゃないかと思うのです。そうするとここでかりにことしならことし、来年なら来年漁業権が切れたとすれば、これは漁業権売っただけですからこの人の埋立権ももちろんなくなる、漁業権が新たにここに生じますから。これは漁業権の性質からいえば売った者が必ず次のまた漁業権がもらえるという性質のものではないと思いますので、そういう場合にこれを具体的に一つお聞かせ願いたい。私は消滅するのではないかと、こういう考え方を持っているのです。
  62. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) ただいまの御質疑漁業権を売るとか買ったとかという御指摘でございますが、これはもう御承知のように、漁業権の売買はできませんので、おそらく先生の御真意は、そうではなくして、埋立免許漁業権存続との関係の問題、ないしは池沼あたりの敷地が、これは間々私有の目的となっておる場合に、その敷地所有者同意とこの漁業権との関係、こういうふうな問題の整理になろうかと思いますが、具体的にその点につきまして、どのようにするか、具体的に漁政部長から一つお聞き取り願いたいと思います。
  63. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) ちょっと御質問よくわからなかったのでございまするが、多分今の沼は、敷地所有権があるんじゃないかと思います、だれか。どの程度の沼かちょっとわからないのですが……。
  64. 清澤俊英

    清澤俊英君 これは鳥野潟といいまして、約周囲三十里くらい。そこに前から内水面漁業協同組合があって、それが今まで漁業権を持っておった。それだけをまず買ったのです。埋め立ての目的でまず買ってしまった。今漁業はやっておりますよ。埋め立てするまではお使いなさいと言って、漁業権を買っている。だが、この地籍は中小河川に編入してあるから、これは国の地籍だろうと思う。一部分は河川敷の中にも所有権がある、河川敷がありますから。従って、そういうものがあるかないかはこれはまだ調べてないのですが、その地籍の所有権とは別に、漁業権だけは買って持っている。これがここで特例によって消える。消えるわけでありますわね、話し合いがつかなければ。消えるか、消えないか。
  65. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 多分それでは、三十里もある沼でございますと、まあ、敷地所有権他人が持っておるというものじゃないのじゃないかと思います。そうでなくて、後段の、その漁場水面の埋立免許をとっているんじゃないかと思うのですが……。
  66. 清澤俊英

    清澤俊英君 いや、埋立免許をとっていない。とるために買っているのだけれども、急にはなかなか承知しておりません。そこで消えるか、消えないか。
  67. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) ちょっと様子がわかりませんが、あとでよく取り調べましてお答えいたします。
  68. 清澤俊英

    清澤俊英君 様子じゃないですよ。これは今の法律で解釈しておったら、ここで漁業権が絶えるでしょう。話し合いがつかなければ——土地の所有権者との話し合いがつかなければ延長ができないでしょう。そうすれば絶えるわけでしょう。絶えれば、新しく漁業権者は今度また何かしてとらなければならないわけでしょう。もらっていかなければならぬ。こういうものが発生してくるのです。そこらの切りかえがどうなるのかということです。
  69. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 普通の漁業権でございましたならば、八月一日に存在しておりまするものは当然二カ年延長をいたしたい。しかし、そうでなくて、そういうふうな、他人漁場水面占有しておるというふうな場合は、その人の同意を得るということが必要でありまして、同意を得なければ当然延長されないということになるわけでございます。従って、もし引き続いて漁業権を持っておる必要がある、あるいは持たせるのが適当であるというふうな場合は、新たな認可が必要になるとか、そういうふうな場合になって参ります。
  70. 清澤俊英

    清澤俊英君 どうも僕はめんどうになると思うのですがね。めんどうになるというのは、とにかくに、この法律からいきますと、地主のですからね、土地の所有者ですから。ですから、国が持っていれば、建設省から同意を得れば延ばしてもらえるのでしょう。
  71. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) ああ、そのことは問題にしていないのです、国が所有しておりますれば。国がその敷地を持っておるという場合には、これは、これに適用はいたしていないわけであります。これは大体準用河川のようなものを言っておるわけなんです。
  72. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  73. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) 速記始めて。
  74. 清澤俊英

    清澤俊英君 特例によりまして、この第二項だかによりまして、池沼の漁業権を買った人がある。これが、この法律の適用によって、期限がきました場合、所有権が別にあるのでありますから、水面上の漁業権を持っているだけだから、その際に切れるか切れないか、こういうことなんです。
  75. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 今の漁業権を買うとおっしゃいますのが、どうしてもよくわからないのでございますが、実はそういうことはないわけなんです。漁業権はもう当該漁業権者に与えると、固有の権利みたようになっておりまして、それを賃貸したり、譲渡するということは実はできないことになっておるのであります。
  76. 清澤俊英

    清澤俊英君 次長はできると言ったじゃないか。漁業権はできると言われた。
  77. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) いえ、御質問意味が、漁業権それ自体の賃貸ないしは移転、ないしは売るとか、買うとかという形で、平たく申せばそういうことでありますが、そういうことは法律上認められておりませんので、漁業権自身が移動することはございません。  ただ、御質問趣旨が、おそらくその池の底に個人の敷地があって、同意が得られない場合に、その漁業権がどうなるかと、こういう御質問だといたしますると、これはやはり同意をとっていただくというのが、漁業権免許する場合に必要でございますので、もし同意を得られなかったといたしますると、当然にそのまま漁業権を延ばしていく——当然延びていくということにはならないわけでございまして、その現在受けておる漁業権免許期間が過ぎますと、一応消えるわけでございます。その消えたあとに、しからば新しい免許をする道がないかと申しますと、これはあるわけでございまして、一たん消えた漁業権を、さらに新しい免許として申請もし、免許もすることも、これはもちろん可能でございます。ただ、その場合であっても、依然として、現行法によりまして、敷地所有者同意がありませんと、今度は逆にその新しい免許ができませんので、従って、事実問題として、同意が得られませんと、その時点で漁業権が消滅してしまうという事態もあり得ると思います。
  78. 清澤俊英

    清澤俊英君 これはさっき千田さんがお伺いしたと思いますがね。入漁権というのですか、許可権が方々に許されているのですね。それが他県の漁区などに入っていく場合、これはやはりこの法律によってずっと権限が延びていくわけになる。許可権で、他県の漁区等に入っていく場合のものはどういうふうな形になるのですか。
  79. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 御質問はいろいろと——非常に簡単な御質問でございますが、実は内容は、かなり複雑な制度的な問題がありますので、要らないことを申し上げるようではなはだ申しわけございませんが、敷衍して、質問を区分けしながらお答えいたしますから、失礼の段お許し願いたいと思います。  まず、一般的に入会と申しましても、実は制度的にはいろいろなケースがございまして、まず入漁権の場合がございます。入漁権と申しまするのは、共同漁業権ないしはノリ、カキ等の区画漁業権に設定される入漁権という制度がございますが、これは漁業権漁場の中に入りまして、入り会って漁業することができる権利でございます。これを一般的に漁業法の上では入漁権と、こういっておるわけでございますが、この入漁権は当事者間の契約によって設定されております。従いましてこの入漁権につきましては、当然にこれがあらゆる場合つながっていくということはできませんので、その点は契約の内容いかんによって定まるということでございます。  なお、問題の第二点は、その漁業権に基づくところの入漁権以外の入会の問題、すなわち県の許可漁業ないしは自由漁業によるところの県と県との間におきまするところの漁業権以外の漁業についての入会の御指摘の問題でございますが、この問題につきましては、ただいま御審議願っておる漁業権とは関係のない問題でございまするので、ただいま御審議願っておりまする漁業権存続期間特例とは関係がない別の漁業調整の問題でございます。
  80. 千田正

    千田正君 一点だけ最後に。たとえば、土地造成あるいは港湾埋め立てその他に付属しまして領海が埋め立てられたために漁業権は喪失する。その場合に代替地として新しい漁場を市なり県なりが与えた場合に、そこに新しい漁業権が生じます。その場合には、認知を目途とした場合においては、その期間だけしか漁業権は与えないのですか。ノリ、カキなどは新規の漁業権は一年しか与えない、一年ずつ切りかえていきますか。
  81. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) この御審議願っておりまする法案の趣旨は、現に存在する漁業権を二カ年間現状のまま延長するという趣旨でございまして、この事態の中で新たに免許するケースも、ただいま御指摘のようなケースもありまして、あり得ると思いますが、それは御提案の第二条、新たに免許する漁業権存続期間特例ということを書いておりまするように、一口で申し上げますと、この昭和三十九年三月三十一日をこえない範囲内において、都道府県知事が、一口に申し上げますと短期免許をしていただこうということでございます。これはやはりこの全体の来たるべき法改正に伴う切りかえの問題もありまするので、ある特定の新たに免許する漁業権だけが存続期間がずっと延びていくということになりますと、漁業権間の調整上不都合な点もあろうかと思いまするので、あるいは漁業権者側に多少の御迷惑はあるとは思いまするが、一応第二条によって短期免許として、ほかの漁業権の切りかえ時期に合わせていただきたい、こういうのが提案の趣旨でございます。
  82. 千田正

    千田正君 私どうしてこういう質問をしたかというと、最近各県で工場誘致等が非常に盛んになってきて、そうして港湾の埋め立て、ことに浅海地区の埋め立てが盛んになってきた。それで漁業権というものを喪失する。切りかえる場合によっては賠償として金を出す場合もあるし、代替地として別個なところに漁場を与える、漁場として指定する場合もある、そういう場合のことについてお尋ねしたのですが、今のお話だというと、そういう場合においては改定の時期までの短期免許にして一応調整しよう、これは行政指導でいくのですか、それともどういうふうな方法でいくのですか。
  83. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) これは非常に大事な問題でございまするので、行政指導ということであっては相ならないと思いまするので、御提案の第二条、新たに免許する漁業権存続期間特例ということで、法律の問題として御審議を願っておる次第でございます。
  84. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  85. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) 速記をつけて。
  86. 千田正

    千田正君 魚価安定基金法案と、それからもう一つ漁業生産調整組合法案と、二つほかに出ておりますが、政府並びに与党の諸君はそのほかに沿岸漁業振興法というものを本国会中に提案したいという御趣旨のようであります。で、今の魚価安定と生産調整の法案の内容を見てみますと、まことにずさんな点があるのです。たとえば予算を組んだって一億六千万やそこらの金で無価の安定が保てるかというような問題、それはもう非常に重大な問題であって、こんなことで勉強した結果が漁民を救えるかというと、とんでもない話だと私は思うのです。それで、この問題については論議を別に時間をかけて一応質問をしたいと思っておりますから、きょうこれからまた一時間も二時間もお尋ねするということは皆さんの、かえって時間をとるのだし、ほかに社会党の皆さんとか、ほかの方々もお尋ねする点があると思うのです。それで政府の方でももちろんこれは勉強されて出されておるのだろうから、われわれの質問に対して万間違いのないような御返事をいただけるように準備をしておいていただきたいと、こう思います。私は次の機会に質問さしてもらいたい。
  87. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) 他に御発言もなければ、本案については、本日はこの程度にいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後四時十一分散会