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清澤俊英君 次長、今のそれを逆用しているんだと思う。だから、羽吉浜、内浦、いま
一つ羽吉第一の三つの浜に
漁業組合があるんです。それがおのおの任意組合を作って加入しておる。加入しておりますが、その加入は、その過半数の条項をちゃんと心得ておりまして、漁協が五一%、任意組合が四九%、こういう投資額を持っておる、持ち株を持ったことになっておる。この三つの
協同組合と三つの任意組合の上に加茂水産というものがあって、これが
調整しておる。
調整して、これを分けるときになると四九%分を任意組合に渡す。これは全部二重加入ですよ。
協同組合の中の一部分の人が入っておらぬだけで大部分の人が二重加入だから、そうやって五一%のものは
協同組合の行き方を、五分の配当をしておるけれ
ども、
あとの大部分は任意組合に参りますと、任意組合内の配分は制約がありません、持ち株数によって配当をやるから、約八〇%はわずかの人が持っておる、こういう便法を講じておるのです。私が申し上げる
通りです。今年が不漁だといっても二億円もとれておる。今年でももうけがある。一年で大体
定置網が経費はどのくらいかかるのですか、二千五百万か三千万円です、全部で。保管から運用までかけて三千万円くらいあったらできるんじゃないですか。そうしてみますならば、膨大なもうけがあるでしょう。こんな二重、三重の組織をさせないでも、これを積み立てさえしてやりまするならば、もう数年前に完全な漁協の経営ができるわけなんです。それでも膨大にもうけがある、分け切れないものがある。不漁に対する防備的なものを積んでみても、毎年
定置網の分を積んでみても、十年かかれば、もう十年いきませんけれ
ども、何年分かの
定置網分は損失補償するだけのものも積まれるんだ、こういうことを考えますと、もっとあなた方の方で積極的に行ってこれを克明にお調べになれば必ず脱法的なものが見つかると思うのです。われわれも近いものを押えておるけれ
ども、帳面まで引きずり出して見るわけにいかぬからだめなんです。こういうものに対して、あなたが言ったようなことでおん投げておかないで、そうして正当なものに立ち返るような
方法を講じでもらうことがいいんじゃないかということと、それから
漁業経営はまた特別な私は組織体系があるんじゃないかと思いますので、従いまして、こういう
漁場もあることですから、従って、もうけがあった場合には、五分などといわないで、そうしてもっと積立金をどうしろとか、利益があった場合には、積立金をどうするとかいろいろな制約を加えることはよろしいが、もっと利益配分ができるような
方法を講じた漁協のあり方が私は正当なものになるのではないかと思う。非常に荒い利益のある性格の生産体ですから、ただ
農業協同組合のような
考え方だけでやっていたら、なかなかうまくいかないと思う。森林組合のようななかなかきまりきったもうけであったらうまくいかないと思う。それが始終なんですから、一ぺん当たれば大したものだ。それが五分だということになりましたら、何か別の
方法を講じるほかない。その弱点につけ込んで今のような問題ができ上がる。これは人情のしからしむるところだと思う。だからこれから
あとの
漁業協同組合の何かお作りになるときは、十分こういう点を御考慮願いたいことと、私はやはりこの問題は
一つ早急に調べてもらいたいと思う。徹底的に調べて、必ずあると思う。これほどわがままなことをやっておるんです。和木の
漁場なんてものを問いますときにもうはっきりわかっているのだ、第一優先はこの三つの浜が持っている。
漁業協同組合が優先を持っている。寝返りをしているやつをもうあすいよいよ決定になるというその前の日にかけるんですから、損害だけをやられて……、そうでしょう、これだけのもうけがあれば何でもしますよ。金の力で何でもします。県道を自費でかけてやるなんて言うているのですから、こういうふうにばかなものをほおっておいたら、漁協など幾ら中心にして
沿岸漁業達成とか、
漁業の民主化なんといったって問題にならないと思うのです。あんた一方的の理屈ばかり言っている、けれ
ども、
現実にこういうものは方々にあるんですよ。どこの浜でもみんな損しているものじゃない。損しているものは、別にある程度投資してみましても、損はどこまでいっても損です。そんなものは一ぺんにつぶれていると思うのです。そんな妙ちくりんなものばかりじゃないと思う。そういうあんたがさっきからおっしゃる理屈は理屈であってもなかなか理屈
通りになっていないと思う。大部分が損しているのだ。危険だからこういう組織を残すのだという、こういうばかな話はないと思う。そんなことは長く続くものじゃありません。資本をほかの方から持ってくれば、漁獲はふえるが、漁協が自己資本で、
一つ借りてきてやれば、これは損するのだ、漁獲は減るのだと、そんなばかな話はないでしょう。