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1961-03-23 第38回国会 参議院 農林水産委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年三月二十三日(木曜日)    午前十時四十分開会   ―――――――――――――   委員の異動 本日委員久保等君辞任につき、その補 欠として阿部竹松君を議長において指 名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     藤野 繁雄君    理事            秋山俊一郎君            櫻井 志郎君            亀田 得治君            東   隆君            森 八三一君    委員            石谷 憲男君            植垣弥一郎君            岡村文四郎君            河野 謙三君            重政 庸徳君            田中 啓一君            仲原 善一君            阿部 竹松君            大河原一次君            北村  暢君            小林 孝平君            戸叶  武君            安田 敏雄君            棚橋 小虎君            千田  正君   政府委員    農林政務次官  井原 岸高君    農林省農地局長 伊東 正義君    農林省畜産局長 安田善一郎君    食糧庁長官   須賀 賢二君    水産庁次長   高橋 泰彦君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   説明員    農林省畜産局参    事官      花園 一郎君    食糧庁業務第一    部長      諫山 忠幸君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○連合審査会開会に関する件 ○農林水産政策に関する調査  (飼料に関する件)   ―――――――――――――
  2. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会開会いたします。  この際、お諮りいたします。雪害対策について他の委員会との連合審査会に関しては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ござい玄ぜんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。   ―――――――――――――
  4. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) 飼料に関する件を議題といたします。本件について質疑要求がありますので、発言を許します。
  5. 亀田得治

    亀田得治君 飼料需給状況が非常に逼迫いたしておりますので、特にそういう点にしぼって御質問を申し上げたいと思うのですが、その前に、農林省の方でせっかく資料を準備されて配付いただきましたので、要点だけ一つ、ちょっと資料についての御説明を先にいただいて、それから質疑に入りたいと思います。
  6. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 亀田先生の御質問と御要求によりまして、まず、配付いたしました資料について簡単に説明を申し上げます。  配付いたしました資料は、昭和三十六年度の飼料需給計画に関しまするものでございますが、目次がつけてありますように、第一は、飼料審議会を先般十八日に開催をいたしましたときの配付資料を配付したわけでございますが、昭和三十六年度の飼料需給計画で、例年審議していただいておりまする諮問、さらにその参考資料といたして、三十五年と三十六年の政府取り扱いまする飼料需給計画対照表、三十六年度の飼料需給計画産出基礎ともいうべき参考資料、以上が三十六年度一年間の飼料需給計画諮問案としての関係資料でございます。次ぎまして、当面の飼料価格の騰貴及び需給の逼迫に対しまする対策としまして、同審議会協議事項といたしまして、政府案の当面の飼料緊急対策を御審議願いましたその案、これに参考になるかと思いました主要飼料価格関係資料、さらに同審議会におきまする同日審議し決定をされました附帯決議、それだけをお配り申し上げております。  飼料需給審議会は、まず第一に、三十六年度の飼料需給計画という謄写版の横刷りの紙でございますが、政府取り扱いまするふすま、コウリャンまたはトウモロコシ小麦大豆または大豆かす脱脂粉乳魚かすまたは魚粉、それにつきましての三十五年度末の持ち越しと申しますか、保管数量、それから年度内の買い入れ数量売り渡し数最、次年度への持ち越し保管数量につきまして、掲示品目の三十五年度からの持ち越しは二十三万三千余トン、買い入れは百七万六千余トン、売り渡しは百十万五千余トン、次年度への持ち越しは二十万四千余トンという表で御審議をいただきまして、まあ、一応適切と認めるが、附帯決議に留意をしてやれということになりました。それに関しまする御説明を要約して申し上げますと同時に、その御説明のために飼料需給計画参考資料という少し分厚い冊子になったものがございます。昭和三十六年度、飼料需給計画参考資料、三十六年三月十日とありますが、それから縦の紙で横書きのタイプの謄写でございますが、当面の飼料緊急対策(案)、三十六年三月十三日、畜産局というのがあります。それから飼料価格でございますが、価格関係資料という横刷りの三十六年三月二十日とございます。これは二枚ございます。その次は半ページの印刷でありますが、今申し上げました附帯決議、それだけでございます。  この第一の諮問事項飼料需給計画は、食糧管理特別会計におきまする農産物等勘定のうち、飼料勘定とも言うべき政府飼料需給安定法に基づきまして買い入れ売り渡し、また保管しました輸入飼料をもちまして政府操作をいたしまして、そしてこれを売り渡すときには、原則は一般競争入札によりまするが、特別の場合には指名競争入札または随想契約によって売り渡してもよろしいということを方法といたしまして、畜産経営の安定を目途として飼料需給安定、またそれを通じまして価格の安定をはかる内容的計画でございます。これに関しまする予算食管会計の一部になっておりまして、飼料需給計画参考資料という冊子の二十六、二十七ページに十一という番号によりまして、昭和三十六年度輸入飼料売買に関する食糧管理特別会計予算算出基礎、これに表わしておりますものと数量においては同じでございまして、数量に単価をかけまして、売買差益を考えましたもの、この予算案と内容は同じであるわけであります。これについて簡単に御説明申し上げます一と、食糧管理特別会計予算のほかに、これは輸入飼料でございますので、外貨予算が要るわけでございますが、これに要しまする外貨予算といたしましては、近く閣僚審議会が持たれる予定でございまして、総額は一億七千七百六十七万五千ドル、飼料輸入量といたしましては予定をいたしておりますが、需給計画に立てておりますものは政府扱いでございまして、その政府扱いのものを外貨予算といたしましては八千五百八十九万二千ドル、輸入飼料全体の四八%を要求いたしまして、大体これが認められる見込みでございます。  今回の計画の立案に際しまして、特に考慮を払いましたことは、畜産日本農業成長部門として今後の農業の転換発展の基幹であるという農政方針にのっとりますとともに、また一方貿易の自由化の傾向を考慮いたしまして、第一が自給飼料濃厚飼料関係、また特に家畜の飼養頭羽数の推定、それから家畜の用途別飼養形態の推定、と申しますのは、家畜がだんだんと飼養規模を大きくいたしまして、飼養規模を大きくすること、自身は、たとえば飼料の需要にかなりな変化を与える場合がありますので、それらを考えまして、また飼料関係難業の動向をも考慮いたしまして、これは大企業が飼料工場を持つ計画もだんだん出ておりますし、飼料工場自身が大規模化されてくるという関係、また配合飼料の割合が割合ふえて参るという関係などの状況からいたしまして、飼料需要量を勘案いたしますと同時に、これに対応する飼料輸入量を増加いたしまして、特に需給の安定及び畜産経営の安定、その前におきまする飼料価格の安定というのを目途といたしまする点について、政府需給操作力を全体として考慮するようにいたしたのであります。そのうち特徴的なことを申し上げますと、大豆につきましては、七月に貿易自由化が行なわれる、AA制に移行することが行なわれるという前提に立ちまして、政府飼料勘定によりまする売買も、六月までは大豆で買う。従来通りやる。七月以降は大豆かす政府が必要に応じて買いまして、操作して参るという建前をとりました。昨年と変わりました点が以上の点でございます。  また魚かす、魚粉につきまして、植物蛋白大豆かすが非常に重要な代表的なものであるのに対しまして、動物質蛋白飼料の給源としては大宗をなしておりますものでございますので、最近の魚かす類生産原料であるサンマ、イワシの漁獲が沿岸を中心にいたしまして減少傾向を示すしておりまするに反しまして、養鶏その他の飼養が逐日増しておる現状にかんがみまして、新たに飼料需給安定法取り扱い対象品目とすることにいたしまして、この計画に入れたことであります。前年度までは政府飼料需給計画の外の部門の需給予定と申しますか、需給計画になっておったわけでございます。総体といたしまして三十六年度の飼料需給計画は、政府買い入れが百七万六千三百トン、前年比で一三%増になっております。諮問案の第一ページの荒っぽく横に書いてある表でございますが、三十六年度飼料需給計画単位トン、品目はふすま、コウリャンまたはトウモロコシ小麦大豆、大豆油かす脱脂粉乳魚かすまたは魚粉というものでございますが、買い入れが百七万六千二百トンというのは対前年比は一三%でございますが、売り渡しは、百十万五千九百十五トンというのは、前年度の三〇%増でございます。在庫は若干の減少を見ましたが、昨年度は大体において品目別に三カ月の政府の保管を見込んでおりましたのが、三十六年度におきましては二カ月半でよさそうだという体験にかんがみまして、二カ月半と見込んでおるので、若干数字が変わっておるのであります。特に重要視いたしておりますのは、ふすまでございますが、ふすまは海外のふすまを輸入をいたして売り渡して参るということも、操作及びその数量につきましては、ここ三年ばかりでございますが前年度及びその前年度ともに数量は大約十七万トンでございまして、三十六年度は買い入れ十六万トン、売り渡し十七万トンでございますが、これは動いておりません。動いておりますせん理由は、ふすまは従来、非常に重要な麦ぬか、米ぬかをも代替する合理的な飼料でございますが、国際貿易量が少ないのと、これをあまり買い付けますと、日本の買い付けだけでも海外の値段が上がりまして、小麦より割高になる、そういうような点がございます。また輸入しまして政府が握っておりさえすれば買い入れ価格売り渡し価格価格差の問題を別途経理処理いたしますれば操作力は強い、こういう長所と両方ございますので、あまり国際貿易量は多くなかったものでございますること等ともかんがみまして、十七万トンと同様にいたしました。しかし、畜産の振興に伴いましてふすまそのものの需要の増加は非常なものでございますので、これがためにこれに対する対策といたしましては、低質な小麦をカナダ、豪州あるいはアメリカ等から輸入をいたしまして、小麦そのものをえさとして販売していく。一部の粒用の小麦を除きましては、専管ふすま工場というのと一般製粉工場に特別のふすま増産をやらせる。この両者はともに工場の差でございますが、と申しますのは、全部特別のふすまを作る工場である、工場全体がふすまだけ作っている工場である。他は一般製粉の合い間に監督を受けてふすまを増産している工場である。こういう差でございますが、そのふすまは麦の六割がふすまになり、四割が粉になる、そういう特別なもので、価格政府の指示を受けて販売することにしております。この原料小麦相当増量をいたしましたことが特徴的でございます。買い入れ七十五万六千トン、売り渡し七十三万七千トンになっておるのがこの点でございまして、これは前年度の売り渡しの四十一万九千トンに対しましては、七十三万トンのうち粒用を除きますと六十四万六千トンになりますが、別途こまかい表に出ておりますが、小麦は前年比五六%増、特にふすま増産の分が増でございます。そういう著しい増強になっております。これは前年糟糠類につきまして政府操作力は総販売量のうちの政府取り扱い量でありますが、三九%でありましたのが、四二%まで操作力が拡大されるということになるわけであります。以上が主要な点でございまするが、これを全額の方から見ますると、先ほど申し述べましたように、三十六年度の食糧管理特別会計農産物等安定勘定の中に入るわけでございまして、飼料買い入れ費としましては二百七十七億円、売り渡しで二百九十八億円。そういう経費を計上しておりまして、結局その売買差益は赤字が八億一千五百万円出るわけでございます。この八億一千五百万円は一般会計から食管特別会計農産物等勘定に繰り入れの予算要求がしてございまして国会の御審議をわずらわしておるのでございます。大きい概要は以上のようでございますが、この対象になりました家畜の頭羽数を念のために申し上げますと、乳牛、肉牛、馬、豚、綿羊、山羊、鶏にわたるわけでございますが、対前年比の比率だけ簡単に申し上げます。乳牛が一一一%、肉牛が一%増、馬が三%減でございまして、豚が二四%増でございます。綿羊が三%増、山羊が前年通り、鶏が一四%増であります。  次に、印刷物の縦の方にありまする当面の飼料需給対策案についてやはり当審議会で協議、決定を願いましたので御説明を申し上げたいと思います。  これの対策の根拠といたしましたのは、最近の価格の高騰及びそれから想像される需給関係でございまするので、まことに恐縮でございますが、こういう横にしましたもので、数字はこまかいのでございますが、見出しは「価格関係資料」というのがございますが、このような状況に対しまする対策というつもりで考えましたので、これをちょっとごらんをお願いを申し上げたいと思います。これに書いてありますものは主要な飼料価格動向が書いてあります。そうしまして品目としましては、先ほど申し上げましたようにふすま、麦ぬか、米ぬか。麦ぬか、米ぬか政府統制飼料ではございませんが、重要な農家の需要があることと価格の動きが最近ひどい。また問題になっておる大裸麦との関係が深いという意味で掲げました。それから大豆かす、また政府統制飼料ではございませんが、雑油かすと言っております代表品としましてあまに油かすを掲げまして、さらに魚かす、またトウモロコシトウモロコシ配合飼料、特に養鶏飼料の四割以上をも占める割合を持っておりますので、A物資でありますトウモロコシを掲げました。それから「配合肥料」というのは「配合飼料」ということでございますが、成鶏用乳牛用、さらに飼料価格の従来とっておりまする価格指数及び畜産物、乳、肉、卵でございますが、畜産物価格指数、それを簡単に書いたものでございます。書いてありますものは三十二年以降の足取りが書いてある。これは最近五カ年を取って書いただけのことでございます。それから横の方には政府取り扱いますものは政府売り渡し、あるいは政府の指示した価格、それがないものはそれがございません。それから卸売、小売というものを現わしておるわけでございます。例を一つふすまにとりますと、三十キロにおきまして海外のふすまを輸入いたしまして政府が売って参るという場合の輸入ふすま倉庫渡し価格価格で出ておるわけでございます。三十二年度は七百一円、三十五年の九月で見ていただきますと、六百三円でございます。これを前年と比較したらどうかということになりますが、三十二年度は一割高になっておりましたし、三十五年の九月では一〇七%、十月では九二%となっておるわけでございます。三十二年を、過去の方を基準にしまして比較いたしますと、三十五年の九月を見れば八六%、それが三十六年一、二月にだんだん上がって参りまして、二月では前年の一一六%、三十二年度基準の九五・九%、三月はもう少し上がりぎみでございます。専管と増産ふすまはちょっと御説明がおわかりにくいと思いますが、先ほど申しましたような輸入小麦政府が買いまして専管ふすま工場、並びに一般工場に増産ふすまをするように製粉工場に渡しまして、そうして製粉しました六割歩どまりのふすまを政府が、マル公と言ってもいいのですが、原価計算をして指示をして売り渡しておる価格を言っておるのであります。三十二年度は七百十円でございましたが、三十三年半ばからはずっと下げまして六百六十四円、六百十二円、三十五年の九月を例に見ますと六百十七旧、これは据え置きということでございます。指数の対前年比は従って大体一〇〇になるわけでございますが、三十二年度を基準といたしますと、八六・九%で据え置きということでございます。  以下の重要品目について価格の騰落、特に騰貴状況で差がございますがふすまでも現われておりますように、次の欄の卸売価格が高く出て卸売価格が特に値が上がっておりますに比しては小売価格は値が上がっておりまするがその割合が少ないというのが最近の飼料価格事情でございます。ふすまの卸売価格で見ますると、そこにありますように、価格は三十二年七百七十二円、それが六百五十円台にきまして、三十五年の九月で例を取りますと六百六十一円、それが三十六年の二月に至りますと七百五十四円と対前年比の比率は一側二分増、一・二五%高になっております。それを次の麦の欄の小売で前年比、三十二年度基準で見ますと、前年比では七・四%増、三十二年度基準では九二・五%ということであります。特徴的に申し上げますと、麦ぬかにつきましては、大裸麦、従ってその食用の精麦の生産及び販売、消費の状況がよろしくございませんで、先生方が非常におくわしいと思いますが、勢いぬかの生産も減ってくるというわけでございまして、最近ではぬかかすの類、糟糠類というものは飼料のうちで非常に重要なウエートを占めております。量も多いのでございまするが、その需給関係を大きく撹乱して供給不足を来たして、従ってまた値上がりをしておる。その中心になっておるものが麦ぬかであります。これは政府が取り扱っておりませんので、国内産飼料というわけで飼料需給安定法では扱っておりませんので政府価格はないわけでございますから、卸売価格小売価格を以上ここに掲記したようなものでございます。米ぬかは米のぬかで、精米するときのぬかでございますが、これは拙作状況を反映して必ずしも少なくないのです。食糧庁に依頼をしまして産地精麦を年々ふやしておりまして、産地精麦に応じてのぬかの農村還元というのをはかっておりますが、それは供給量としてはだんだんふえております。値上がりのひどいものは油かす類にありまして、政府売り渡し価格卸小売、ふすまのように掲げましたが、政府価格と申しますのは、飼料の外貨をもちまして私どもが輸入しまして、これを実需者八団体に渡しまして、全購連その他でございますが、八団体が製油業者に委託製油しまして、かすを自分が引き取って、自分の系統下の団体に流す方法をとっておりますが、その場合の八団体の入手するかす価格でございまして、単位は書いてありますように三七・五キログラムであります。飼料特例勘定飼料需給安定法、この二つにのっとっておる大豆かすであります。これは据え置きをとっておりまして、三七・五キロで千二百七十円、前年比も大体一〇〇でございまして、三十二年比は八〇で値下げをはかっております。大量に外割制度のもとでございますが、輸入せられまして一般食用油を主催する場合に生じまする大豆かす、これは野放しになっておるわけでございます。これが次の右の欄の卸売につきまして、前年比では三十六年二月では四割三分九厘増、小売でも一割七分、三十二年基準では九七%となっておるわけです。この需給関係は国産の北海道大豆売り渡しの問題でありまするとか、大豆支持価格の問題でありますとか、いろいろな問題もございまして、特に国産大豆のみそ、しょうゆなどに対します売り渡し等関係から申しまして、農林省といいますか、食糧庁輸入大豆を、一般製油輸入大豆輸入発券停止をいたしたことがあるのであります。その後発券をいたしましたが、時期がずれまして供給不足が非常にひどくなった影響が非常に大きいのであります。余りかすもかなり高くはなっておるものでございますし、魚かすサンマかす百キロを例にとりましたが、ごく最近では前年比一九%、入手難も相当のものでございます。  以上を通じまして、卸売価格値上がりが目立っておるのであります。政府統制価格で支持いたしておるものは据え置きを続けておるわけであります。  第二枚目は、トウモロコシAA物資の代表でありまして、飼料の総需要量中の非常に大きな部分を占めておる。配合飼料の七割近くが養鷄飼料でございますと、養鷄飼料の四割三分ばかりがトウモロコシであると、こういう関係にございますが、AA物資関係からきまして、国際価格がそのまま反映をして参ってきますし、政府需給調整をする要があるとは思われない状況であります。これも前年比価格は三十二年度を基準として卸、小売をごらん願いたいと思います。さらに配合飼料のことでございますが、これは最近配合飼料が非常に流行するといいますか、需要者も好み、製造販売もふえておるという状況でございますが、代表的な成鷄飼料乳牛飼料についてメーカー工場渡し、小売について掲げてみましたが、現状の単品よりは配合いたしました飼料値上がりはそれほど大きいものではございません。その下の欄の飼料価格と申しますのは個々の飼料のことでございますが、ふすまとか大豆かすとか魚かす畜産物価格指数と申しますのは、生産者のもとに置きます乳牛、鶏卵、肉牛、肉豚をその生産量のウェートで総合指数化しまして、農業パリティのような、逆でございますが、販売品におきます畜産パリティと申しますか、飼料価格の方は小売でございますから、農家の購入する値段と一応見ていいわけで、これこそ農家パリティ的な簡単なものでございますが、飼料価格の指数、この両指数をなるべく合うように操作したらどうかというような方針でおるわけでございます。おのずからに二重価格を発生するわけであります。本年度、三十六年度につきましては、いろいろ外貨問題もむずかしいものでございますので、審議会においての御意見もありまして輸入飼料を中心にいたしておりまするし、畜産振興のうち飼料需給及び価格取り扱いは重要な段階にきておりますので、飼料価格は原則として一つ海外国際競争価格というふうなものをベースにしたらどうだろうと考えておるのであります。しかし、そうばかりいえないものもあるかと思います。  以上がこの価格の見方でございまするが、これに応じまして、やはりふすま、あるいは麦ぬか、さらには大豆かす雑油かす油かす魚かす等につきまして供給増加対策をいたしまして価格安定をはかる必要があるのではなかろうか、また最近の卸売価格値上がりが異常と認められますので、これに関係しても講ずべき措置があるのではなかろうかという分を考えて加えまして、緊急対策を一応立てておるのであります。まず第一に、縦に長い、横に印刷してある紙でありますが、この緊急対策は三月分、及び四月分につきまして、この対策を講じまして、その対策を引き続いてやる必要があるし、また効果を期待いたしておりますが、ない場合には一そうこれを続けてやる必要があるであろう。従いまして七月まではこの態勢を維持していく要があるだろうと思っておる緊急対策でございます。ここの中に何月とありますのは、三月、四月と書いてありますが、三月分四月分という意味で、若干字句が適当でないものがありまして御了承願います。  まず、ふすまの供給対策でございますが、これは製粉工場で専管のふすまだけを作るものと、一般製粉工場で増産ふすまをいたしますものとを通じまして、その原料は政府飼料として輸入をいたしまして、製粉業者に渡すものでございますが、先ほど申し上げましたように、従来麦から六〇%のふすまをとっておりましたものを八〇%、きちんと八〇%にはならないようでございますが、約八〇%のふすま増産をいたしまして、第一に書いてありますように、供給増加を行ないたい。それから第二にもありますように同様供給増加を来たしたい。この二種類の工場をもちまして、特に第二の工場は数を増さなくてはなりませんので、今手続中でございますが、両者を合わせまして三月は二万一千トン、四月は二万一千トン、計四万二千トンの供給増加をはかり得る見込みであります。すでに措置中であります。玄麦の払い下げ及び製品間、ふすまと小麦の間の価格調整を若干いたさなければなりませんが、これは従来通りのふすまの値段と小麦の値段との割合を、歩どまりを変えるだけ考えるというふうに考えております。  次に、ふすまの価格抑制自身をする要があると認められますので、この三、四月の売却予定の海外ふすまの、輸入ふすまの売却のことでございますが、これは従来飼料需給安定法によりまして一般競争入札で売っておるのであります。その価格が相当異常に高く入札される現状にもございますので、こういう非常事態には、緊急事態には、増産ふすまや大豆かすでやっておりますような、八つの需要者団体に限って特別売り渡しをしていく、これに応じまして価格もおのずから支持される。その価格は、さっき表で申しましたように、従来据え置きを続けておる価格である。これによって赤字は年間約十億、このまま続けば出ますけれども、一般競争入札をやめて需要者団体に売り渡していこう、支持価格でいこう、こういうつもりでございます。さらに小麦粉をむしとる意味で食糧庁一般製粉に玄麦を売り渡して参っておりますが、これにつきましても、一般ふすまとかりにその生産ふすまを申しますと、飼料用に適当な値段で売り渡していくように要請をしたい、またすべきであると考えておりまして、数量につきましても、特に三月五千トン、四月一万トン、計一万五千トン程度を八団体に対して、一般に売るという意味じゃなしに、八団体に対して系統的に売って参る、そういう協力要請をすることにいたしました。おそらくこの数量に関しては、成功すると信じているのであります。  以上の措置を三、四月分について行ないまして、その四月末ちょっと前に検討する要があると思いますが、なお引き続いてこれを行なった方がいいという場合は、五月以降においてもこれを行なうつもりであるのであります。  これと飼料需給計画との関係でございますが、三十六年度の計画を一部繰り上げ実施するということで可能の見込みでございます。  第二といたしましては、大裸麦の飼料化促進でございますが、特にこれは周東農林大臣の御配慮及び指示もあるわけでございまして、食糧庁においてとくと、ここに井きましたことについて、協力的に実施するように研究中でございますが、中にきまりましたものもあります。引き続いて早急研究して、四月早々から実現をするようになっているものもあります。それを御説明申し上げますと、まず第一は、政府保有の過剰大裸麦、約六十万トンもございますので、麦ぬかの歩どまりと申しますか、生産を多くするようなふうに工夫をいたしまして、そうして精麦をして参る。そうしてぬかを飼料に放出して参る。その価格も、安定的な価格で考えるということでありまして、これはすぐ実施に移す。さらにこの数量は目標を立てる要があるので、四月以降毎月四万トン、減っても三万トンを目標といたしたい。また、政府の保管いたしております麦、昨年度及びそれ以前の麦については、くず麦、事故麦として取り扱いまして、低廉な価格飼料用に確保をはかることが効果があると思いますが、このことと次年度に引き続きます過剰大裸麦そのもの飼料化については、過般の麦類対策協議会において十分な結論が飼料化については出ておりませんけれども、早急に検討をするということでございます。三月分は事故麦扱いをして低廉な価格で売り渡すものは、ちょっと特別会計その他のことでむずかしいようでございますので、四月早々に措置をするはずでございます。  次に大豆かすでございますが、これは目下輸入中の手当中であるものが到着いたしますれば、引き続いて必要な売り出しをいたしますと同時に、あとの在庫の手配もするように輸入をいたします。六月までは大豆、七月以降は大豆かすを予定いたしている、こういうことでございます。  2は飛ばしまして、3は植物油かすでございますが、業者団体の意向では、七月くらいまでに五千トンくらいの油かすが必要だというのが、今の予定では七千トン民貿による買い付けをいたしておりますから、これは順調にいくと思うのであります。しかし、それについてよく供給確保について監督してもらうということでございます。一番下の「その品目については、」というのは、その他の品目についてはという、その他と、逆になっておりますが、印刷間違いのようでございます。  魚かす、魚粉は、当委員会におきましても前に御審議をお願いしたことがございますが、依然として日本の沿岸漁業といたしましては地産が好調ではございません。年度間の需給といたしましては、供給を三十六年度は二十一万トン、国産を十八万トン、輸入を三万二千トン、それを考えているのでございますが、この三、四月及びそれに引き続いた時期の問題といたしましては、価格も相当高騰をいたしておる現状でございますが、すでに輸入割当公表を二万トンいたしまして、目下さらに一万トン輸入を検討いたしておりますので、需給計画上立てておりまする三万二千トンを約半分ばかり計画輸入すれば、当面の需給は安定するであろうと思われるのであります。  脱脂粉乳は、これは牛乳生産のために、子供の牛が親牛の牛乳を飲むことを節約させるためとか、養豚その他の、ひなとか子供のときの母乳的な飼料になるわけでございますが、これはここに書いてありますような供給確保もできまするし、適期放出もできるつもりでございます。さらに措置でございますが、最近配給飼料工場の新設あるいは増設等が、総合貿易商社とか、水産会社か、あるいは製粉会社とかというもので、どしどし行なわれる気配でございますが、これは飼料の品質改善に関しまする法律で、建設着手二週間前に届け出を要する制度になっておりますので、とかく励行が十分でありませんでした従来のと変えまして、事前協議を励行せしめることによりまして、あまりひどい統制――工場の新設、増設の許可制というようなものにはなかなかいきませんけれども、納得づくのもとにおきまして、配合飼料工場の調整を行ないまして、特に政府取り扱いまする原料は、これに対して売り渡されていくわけでございますので、同じ家畜、衣食がおりましても、中間の販売業者、特にこれらの関係配合飼料工場の需要が重複して出て参るとか、仮需要があるとか、こういう場合において、無用の資料需給の混乱を生ずる場合がある。それに対しては、輸入飼料は特に外貨を要することでもあり、国内の飼料価格は安定をはかるべきでございますので、その関係で、よく協議をしたい、新規工場はそうたくさん飼料原料をとってしまっては困るという意味でございます。また、中には水産物の関係飼料原料を持っておるものがございまして、自分の工場で全部使ってしまって、従来他の飼料工場あるいは飼料販売業者に売ることにしておりましたものが、一応供給から当面除かれておるというようなこともあり得るかと思いまして、これとはまた話し合いまして、自分で消費するもののほか、他の工場にも、販売業者にも振り出すということについて調整をしたいと、こう思っておるわけでございます。目下その手続中でございます。  最後の公定規格の改訂または新設は、目下私どもが、どんな飼料をどの家畜、家禽にどういう数量とか、どの割でやるとよいかということは、畜産試験場で研究いたしまして、国立牧場で飼養管理上の実験をいたしまして、そうして、飼料の品質改善法におきまして、公定規格が最低に必要な規格としてきめてありますが、そのもとは、外国の研究、経験になるものも相当多いのであります。まだきわめて日本的な  公定規格とかあるいは地域的な飼養割合というようなものの研究が完成をいたしておりませんけれども、最近の状況を研究いたしますると、この公定規格は、蛋白が少し高過ぎる感じがあるのであります。蛋白が多過ぎる場合には、乳肉類を生産する家畜を飼育するというような場合にどれだけ有効であるか疑問があります反面、飼料価格としては蛋白飼料は非常に高いものでございまするから、飼料価格がより高くなる傾向がありますので、研究の過程でございますが、成案を得ますれば、もう少し低蛋白の高カロリーの規格を作るのがよろしいのではないか、そうすると飼料需給価格の安定にも進むのではないかと思うので、検討するようにいたそうと、こういうことでございます。  私どもの御説明としては以上でございます。   ―――――――――――――
  7. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) 委員の変更について御報告いたします。  本日、久保等君が辞任、その補欠として阿部竹松君が選任せられました。   ―――――――――――――
  8. 亀田得治

    亀田得治君 相当詳しい資料についての説明があったのですが、二、三重要な点をお聞きしたいわけですが、まず、本論に入る前に、ただいま配付された飼料価格関係資料というのがありますね。これが、三十二年度基準にして、パーセンテージが書かれております。もちろん、前年比も書いてありますが、特に三十二年度というものをここへ引っぱってきて、三十二年度は特に価格が高かったから、それに比較したらそんなに心配は要らないのだといったような何か印象を与えるような統計になっておりますが、二十九年、三十年、三十一年と、ここら辺の数字というものは、一体三十二年度と比較してどうなんですか。
  9. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 三十二年を基準にとったわけでは必ずしもありませんので、最近五年をとったのであります。三十三年の状況を申し上げますれば、それ以前は三十二年より高いときの方が多かったという状況でございます。
  10. 亀田得治

    亀田得治君 高いときの方が多かったといっても、はっきりしないわけですが……。
  11. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 別に年次を先へさかのぼりまして資料を整えましてお届けいたしましてもけっこうでございます。
  12. 亀田得治

    亀田得治君 そういうふうにして下さい。ここに三十二年度基準という書き方をしてあるのですから、何かこれを基準にして現在問題になっていることをすべて考えられる、こういうことでは、実情にちょっと合わないのですね。統計数字はどうありましょうとも、実際に合わなければ、統計数字がどっかで間違っているわけなんでし  て、そういうことは間々あるわけなんで、だから、ここで三十二年度に比較すればこうなるという軽い意味なら、それも一つ参考として見ておくという程度でいいわけですが……。
  13. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 御要求資料は出しますが、きょう配付した資料の二枚目に、二十六年から二十八年を基準にして、えさと畜産物価格がどんなふうになっているかを実は出してあるわけです。それから、三十二年を基準にして、えさと畜産物価格がどんなふうになっているかを実は出してあるわけです。それから、三十二年を従来扱っておりましたから、これでごらん下さるとありがたいと思います。また三十三年には実はふすま、大豆かすその他行政措置をもちまして値下げをはかりました。配合飼料においても値下げをはかりました。ふすまの例で申し上げますと約一割四、五分だったと思いますが、大豆かすでありますと千二百七十円ずっとそれに据え置くといって、政府支持価格は据え置くといって、申し上げましたことは三十三年の半ばから行ないましたので、その前年との比較を便宜取り扱っている意味でございます。
  14. 亀田得治

    亀田得治君 多少意見にわたるわけですが、ともかく果樹と並んで畜産を大いに振興しようという建前をとる以上は、やはりえさの力を下げていく。そうして価格はやはり有利になるようにちゃんとめんどうを見ていく。その間の差益というものがやはりよくなるようにならなければ、とてもそんな振興なんかできないわけなんでしょうね。過去のどの数字をとるのが適正かということは、なかなかこれは問題点があろうと思うのです。だからそういう意味でこれは軽く一つ参考にさしていただきます。  で、第一にお尋ねしたいことは、やはり現在のような状態が現出した最も大きな理、由ですね。私の感じでは、やはり政府昭和三十五年度需給計画というものが間違っていたんじゃないかというふうに思うのです。その間違いを起こす原因はいろいろあるでしょうが、やっぱり最大の理由は、家畜が一体どれくらいおるのかという点についての把握ですね。先ほど三十五年度に比較して、三十六年度はこの程度になるというパーセンテージの御説明がありましたが、これは前年比ですけれども、その前年比が第一不確かな感じがするわけなんですがね。ここら辺の把握の仕方は実際上どうなっているのか。これが不正確だと結局それは、不足状態というものが出てくるわけですが、その辺を少し。
  15. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 先ほど前年比で申しましたが、三十五年度の方の御指摘でございますから五年度を申し上げますと、乳牛が八十五万五千頭、役肉用牛が二百四十三万二千頭、馬が六十六万頭、豚が二百十七万四千頭、綿羊が八十万一千頭、山羊が五十六万一千頭、鶏が六千九百九十四万、九千羽を予定しました三十六年度比率を申し上げたのでありますが、これは飼料需給安定法ができまして以来、ずっととっておりますけれども、統計調査部の畜産のセンサス二月一日現在の飼養頭羽数をまず抑えまして、次の年の二月一日に同様のものが推定をされまするので、大家畜につきましては増減の傾向が続いていくものとしまして、そのまん中を、年央の数字ともいうべきものをとっているのであります。ただ豚と鶏につきましては、その  一年間に更新がございまして、二月一日という時期が時期的にずれている場合もある。また一年間、二月一日以後生まれて次の年の二月一日前に屠殺――食用に供される場合もございますが、最近では統計調査部は発生予察と申しますか、生産の増減趨勢の子察を、種付とか、あるいは親とかその種付とか、鶏でいいますとひなの発生度合いにつきましては、春びなが七割前後、秋びなが三割前後と、こう常識的にもございますが、先へ先へ予察をする統計といいますか、統計のデータから出る予想というものを、将来観測と言っておりますが、それをとっておりますので、それを参考にいたしますると同時に、回転率と申しますか、一羽  が一年問いないわけですから、回転が二五だとすると、二五羽としなければいけませんので、そういうのをとって参ったのでございます。ただ畜産物価格状況でございますけれども、農業事情でございますとか、その他の事情をもちまして、大家畜外のところにおいて特にそうでございますが、大家畜でも屠殺される状況とか、屠殺は延ばして、延期して、生産の用に供するという事情もございまして、むずかしい点が多々あります。時としてえさの需要量が、家畜飼養頭羽数との関係で適当でないという事態もあるやの不安を若干持っているのでございますが、三十四年度までについては、その経験をあまり持ちませんでした。また政府取り扱い飼料割合が少なかった点もあるかと思うのであります。三十五年度に至りましては、若干少な目かとも思われる点がありまして、十月の半ばでございましたか、計画を改訂いたしまして、供給増をはかったことがございます。三十六年度についても、一そう統計調査を充実いたしますと同時に、行政上の資料農業団体飼料会社等の資料、そういうものも参考にいたしまして、必要に応じまして改訂が要るかと思いますが、目下のところではそう考えておらない次第であります。
  16. 亀田得治

    亀田得治君 いろいろの回転率なり、ひなの発生の度合いからの予察なり、いろいろ方法がかみ合わされてくると思いますが、たとえばひなの発生状況にしても、実数そのものに当たるというふうなことは、これはできないのですか、そういうことはやっていないのですか、実際に飼っている人の報告を求めるとか。
  17. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) それは統計調査部のセンサスではございませんが、養鶏調査というので、適当なサンプリングをとりまして、それから過去にあるセンサスを使いまして全体を推定する、そういう方法をとっているようでございます。それを採用しているわけでございます。たとえて申しますと、鶏の見方でございます、私どもで三十五年は六千九百万羽以上でございますから、七千万羽、三十六年度では七千九百四十五万羽約八千万羽、こう踏んでおりますが、これが一年間成鶏として回転してきますのには、ひなはその倍出るわけです。一億六千万羽ぐらい出ませんと、大きくするのは大体雌でございます。数千万羽約三千万羽ぐらいブロイラーとして見ておりますが、その初生びなの統計は統計調査部と合わせておるわけであります。
  18. 亀田得治

    亀田得治君 ひながその倍くらい出るというのは、そのひな、それはもう親とひなとの比率はそれで大体経験的に間違いないのかもしれぬが、親の方の数の抑え方ですね、これがもし一割間違っておれば、ひなで今度は倍違ってくるわけですからね、そのもとの押え方というものを知りたいわけですよ。
  19. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) それは先ほど申し上げました養鶏と鶏卵調査を一緒にやっておるわけでございますが、統計調査部で養鶏家の養鶏飼料は全農家を毎年調べるのは大へんなことでございますから、全農家を推して知れるようなサンプル調査をしておるわけでございます。そうして五年ごとにたしかセンサスを行ないます。それで修正しておるわけでございます。
  20. 亀田得治

    亀田得治君 こういうのは、こう世論調査なんかと違うので、サンプル調査のような格好で正確なものが出ますかね。
  21. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) そういう御意見も出るかと思いますが、四百万農家が十三羽平均飼っておるようなのを、ちょっと毎年はセンサスはできないかと思います。ただサンプル調査というのは、今だいぶん進んでおりまして、世論調査のような方法でございますが、何年かごとに悉皆調査――全部の調査をするものをもとにいたしまして、これを無作為に、ランダムに抽出いたしまして、それをそこにおける実測調査を過去と最近との増減を比較して全体を推計しておると思います。
  22. 亀田得治

    亀田得治君 そういう調査をされる場合に、個々の農家が税金やいろいろなことを考えて一側ずつでも内輪目に言ったりすれば、大きなもう数になりますね、戸数が多いだけに。だから何かもう少しやり方なり考え方があるのじゃないですかね。養鶏組合自体にもう少し責任を持たすとか。
  23. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 亀田委員のおっしゃられますほどそれ自身が私もどうかと思われる気分がありますけれども、おっしゃいますお気持と申しますか、養鶏や養豚のようなものは調べが落ちるものがあるじゃないか、経済上とかその他税金上とかで落ちるものがある、この調整を考えて飼料需給計画を立てなくちゃならぬじゃないか、こういうことだと思いますが、飼料需給安定審部会におきましても附帯決議といたしまして、1でございますか、1のために「とくに、必要な基礎的統計資料については、すみやかに整備充実すること。」、この意味を合わせまして統計調査部の調査を拡充するばかりでなしに、種鶏関係の統計とか、農業協同組合の調査とか、そういう経験的なもの、あるいは営業上のもの、さらに需給以外の価格状況需給を考えて含みを持たしたらどうかということ等をも含むというのが議長の御意見でございますが、それらを基礎の家畜飼養頭羽数の面で一つと、飼料需給計画を立てる際に保管なり月減りなりスリッページなりそういうものを余裕を持つことで考えたいと思っております。あわせまして、それらも入れまして、この七月には緊急対策を講ずるならば、もう一ぺん審議会を懇談会形式でもいいから開いてみたらどうだと、こういう附帯決議をいただきましたので、その間に行政をやりながら資料を集めまして、ちょうど亀田委員の御意見と同じようなことの検討をして、必要あらば調節をとりたいと、こういうふうに思っております。
  24. 亀田得治

    亀田得治君 それはよく研究してもらいましょう。これからどんどん畜産をふやそうと言っているときですから、そこの統計の基礎が間違っているといろんなところに生産上のそごがやっぱりできてくると思います。  そこで三十五年度ですが、一部途中で需給計画について修正されたようですが、その点もうちょっと詳しく御説明願いたいと思います。どういう事情でどういうふうに修正されたか。
  25. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) まことに恐縮ですが、そのときは私外遊中でありまして、今はそしゃくをいたしておりますが、私どもの立案責任者でありました参事官にかわって説明させます。
  26. 亀田得治

    亀田得治君 その点だけをちょっと。
  27. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 便宜私から御説明いたします。  三十五年度当初計画におきましては、ふすまにつきましては、十七万三千トンを買い入れまして十七万二千トンを売るという計画でございましたが、改訂計画によりまして売り渡しを四千トンふやしたのでございます。それから小麦につきましては、当初買い入れ三十九万八千トン、売り渡し四十万七千トンでございましたが、大幅にふやしまして売り渡しを四十九万六千トン、八万九千トンの売り渡し増にいたしたわけであります。それから大豆または大豆かすにつきましては、当初二十万トンの売り渡しをする計画でございましたのを三十一万八千トンの売り渡しを一いたしたわけでございます。  この基礎につきましては、まず小麦が非常に大幅にふえておりますが、これは当時食糧庁年度当初に予定しておりました精麦の売却量、消費量が比較的精麦が減りましたので、従いまして精麦めときに出て参ります麦ぬかの国内供給量が減ったわけであります。従いまして、その分を小麦からできますふすまで補いをつけるという意味におきまして九万トンの増加、と申しますことは、ふすま換算で五万四千トンのふすまの増でございますが、それをつけ加えることで当初予定されておりました麦ぬかの不足を補うことにしたわけであります。それから大豆かすにつきましては、これは麦ぬかをふすまにかえました場合に、その場合に総合飼料価値の栄養価の面から蛋白の補いが必要になりますので、その分を大豆かす供給量をふやすことでまかなう、つまり麦ぬかの減を小麦大豆かすということの栄養総合比価で補うという考え方で改訂いたしたわけであります。
  28. 亀田得治

    亀田得治君 それから先ほど緊急対策として御説明があった点ですね、これはやはり三十五年度需給計画の改訂にもなるわけでしょう、一部は。これはどういう解釈なんですか。
  29. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 解釈及び需給計画としては多少趣きが違いますが、会計と申しますか予算は変更なし、需給計画としましては例年、年度がわりのときに、四月と五月の初めは実は輸入等やっておりませんでしたがそれを繰り上げ輸入する、慣例からは繰り上げ輸入をやって差しつかえない、こういうことに考えております。
  30. 亀田得治

    亀田得治君 しかし、まあ事実上現在使うわけですから、そして三十五年度中にこの需要者の買い込んだものはやはり三十六年度の初めに実際上は使うわけですから、だからこの緊急対策というもので考えられておる数量というものは、実質上はやはり三十五年度計画変更なんだ、こういうふうにやはり解釈すべきだと私は思うのです。そうしますと、先ほど御説明のあった分と合計いたしますと、三十五年度計画というものは相当こう変わってくるわけです。だからこういう点はやはり相当政府として責任を感じなぎやならぬ私は問題だと思うのですね。そこら辺のところをまあ農林大臣はおられませんが、担当の畜産局長などはどういうふうにお考えになっておるか。
  31. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 需給計画上の責任といえば責任及びこれを計画を実施して、または変更しまして、需給価格の両面に対処するという責任を感ずるのでございますが、需給計画として御審議いただいておるのは基本計画でございまして、月別計画は時として輸入飼料、ほとんど全部輸入飼料を使っておりますが、輸入手続に遺憾なきを期すると同時に、また輸入品の到着というようなことにつきましては、まあある範囲に御了承願えるものじゃないかと思うのであります。例を大豆かすにとりますと、国産天草の処理とかその他の問題から飼料用の大豆かすを作る、大豆輸入計画通り時期としては入れなかった時期もありまして、それを三月までの方へ繰り下げる場合、その時期としてはまあ集中的に早く手を打つと、こういうような点をすればやむを得ない、まことに遺憾でございますがそう思っておるわけです。いろいろの政策の結論が飼料需給価格にしわ寄せされます。輸入とか、かす類であるとか、副産物であるとか、他の政策からくるのだ、そういう点を御了承願いたいと思うのであります。計画自身としては予算変更も生じない計画であるので、実施問題と考えたい。ただ緊急対策につきましては何分にもいろいろの理由が想像されますが、価格騰貴相当ひどいものがありまして、所得の問題もありましょうし、一般物価の値上がりムードとかいうのもありましょうし、畜産物価格値上がりしてきた、値上げが相当可能になったという点もありましょうし、先ほど先生御指摘の需給計画の点もございましょうし、副産物あるいは大豆小麦等の措置からくるしわ寄せもありましたし、新工場増設に伴う仮需要が出ているような点もありましょうし、まあいろいろございますので、価格対策として新年度対策を早急に、新年度と申しましても三月を入れた方がいいと思いましたからそうしたのでございますが、価格対策を講じて、しかる後に需給計画はまず動かさずに考えてもいいのじゃないかという見地に立っておるのでございます。
  32. 亀田得治

    亀田得治君 先ほど御説明のあった小麦なんかについての非常な増量、これはまあ麦ぬかの関係だといったような御説明、これはまあわかります。しかし、この年度末にきて、そうしてともかく緊急対策というようなものが出ておるわけでしょう。で、この分は、これだけ当初計画よりもよけいここへ出すわけですから、それはもう明らかに当初の見込み違いであるわけなんです、これは。これはさっきの説明では、何か三十六年度分を繰り上げてやるのだというふうなお話もあったんですが、そうなりますと、また一つ疑問が出ますのは、繰り上げてやるという趣旨になると、三十五年度と三十六年度と通算すれば、少なくとも需給計画はきまっていないのだと、こういう工合にもなるわけですがね。そういうようなことをおっしゃると、私は三十六年度の末へいくと、もう一つ需給が逼迫するような状態が出てくるのじゃないか、それから事実上三十五年度はともかく修正されてきているわけですから、三十六年度計画自体も、私は当然今のうちに修正しておかなければ非常な矛盾が出てくると思います。
  33. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 私の御説明が足りませんでしたが、ひたすら恐縮を申し上げたので落としたように思います。この三月分で考えることも三月の対策ですから、緊急対策は四月から講ずるようになると、こういうのはちょっとむしろおかしいので、そう扱わないということが一つと、輸入品をもって操作をする今方法でございますので、三月から手配をするものは従来新年度に入って四月、五月は輸入手続もとらなかったような状況でございまするけれども、債務負担行為が予算で御承認をお願いしておりますので、三十六年度の会計の中へ入るものとして三月から手配したらいいのじゃないかという気持であるわけです。それが年間需給計画をそれだけ狂わしておるかどうかはまだそう思っておらないわけであります。もう少し様子を見る要があるのじゃなかろうか、こういうふうに思っております。
  34. 亀田得治

    亀田得治君 それは畜産局長の見方が非常に甘いじゃないですかね。そういう考え方ですと、実際はそんなに飼料関係需給は逼迫していないのだ、逼迫していないのだが、ただ特殊な現象が現われておるから、それでこういう措置をとるのだと、こういうふうにも聞こえるわけですね。
  35. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) そういう意味に聞こえましたら、また十分意を尽くしておりませんが、精麦関係が非常に減るというようなことは、全体の飼料に使われるものの需給は著しく供給を少なくいたしておりますけれども、そこの見込み違いとか、売れ行き違いがありますが、ここは自由経済でもあるわけでございます。政府が扱う場合は、輸入飼料を扱いまして、品目も特契いたしまして、大臣告示をもちましてきめまして、その分についての食管会計予算を計上をして御審議をいただいておるわけでございますので、広い意味需給では狂いますけれども、そのかなり大きな部分は結果に対してはその原因に対して対策を講ずる、たとえば大裸麦飼料化をはかるとか、精麦による麦ぬかを処置してもらうとか、あるいは一般食用油大豆かす需給調整をしてもらうのがほんとうだ、一時非常に枯渇をした観を呈しました場合でも、飼料ワクの場合だけが増加々々であるという、こういうような対策を講じないで、先に飼料ワクというものを持っていく。自由であるけれども、外貨割当制その他の措置、食管制度等の措置で供給を増加して、あとでお返しを願う、こういう措置も見てみる要がある。その上に立ちましては、まだ需給計画が著しく違ったんだというのを政府の取り扱う輸入飼料の、飼料関係法の、食管関係の農産物安定勘定の飼料部分、この部分についてはまだきわめがたいと、こういうことでございます。
  36. 亀田得治

    亀田得治君 どうも意味がはっきりせぬ点もあるんですが、私の考えでは、政府の責任というものはやはり安定法の範囲内にとどまるものじゃないと思うのです。やはり、広く言えば草地の関係から全部をひっくるめて、全家畜についてやはり見通しと計画と、これが基礎なんでして、それは一部政府が直接関係ない部分はたくさんありましても、しかし、実際上全体の計画が狂ってくれば政府が安定法で直接扱っておる部分にも食い込んでくるわけですから、みんな関係があるんですよ。どうもその辺のところの考え方が畜産局長、少し違うようですがね。おれは安定法の関係だけなんで、ほかの方はどうもそれほどさまでの責任は感じなくてもいいようなつもりでおられるようですがね。
  37. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 私及び農林大臣は、飼料に関しましても、飼料需給全体に適切な責任を持っておりますし、感ずべきでありますし、感じております。ただ、年度を区切った飼料需給計画と、飼料需給計画内容としておる予算というものについては、それぞれの原因に応じまして、われわれの方も飼料ワクというものを先に使って、供給を不足を多くした方にもっと回す点もあるかもしれない。私どもの方からはやってもらいたい。たとえば大麦を四十万トン放出してもらいますと、それも価格問題がございますから、一俵約千五百円で買って千二百円で売っていますが、私どもは千円未満、約千円というふうに思いますが、その次にはそれが不可能な場合には麦ぬかをたくさん出してもらう、こういうふうにやりますと、年度を区切った需給計画予算とは、飼料部分について変えなくてもいいんじゃないかという部分が相当出てくるわけです。全く出てくるかもしれません。そういうふうに、当面の需給計画としてそう思っておるということでございます。緊急対策としてそう思っておるという、その限りについて申し上げたわけであります、御了承願います。
  38. 亀田得治

    亀田得治君 当面のことについてでも、それは全体との関係がどうしてもあるのでして、しかし、そこら辺の議論をしていてもちょっと本日の目的と多少遠ざかりますので、その点は後日に譲りますが、そこで緊急対策につきまして問題のあるところを若干お聞きしたいのです。  それは緊急対策の第二の、大裸麦飼料化促進という項目ですね。これは二つ項目が分けて書いてありますが、そこの麦ぬかを計画的に生産して飼料用に出す。これは具体的にどういうふうに処理されるつもりなんですか、もう少し。
  39. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) この細目は食糧庁所管でございますので、なお詳しくは食糧庁からお答え申し上げたいと思いますが、問題が、麦ぬかの大減少が、糟糠類中心にいたしましてまた大豆かす等を関係せしめました需給の非常な変化の原因であるということでございますので、やはり大裸麦そのもの飼料化するということを、あるいは食管会計あるいはその関係の法律あるいは食用精麦の見通しということで、飼料化の方を断行する。そういうことがないならばやはり麦ぬかを出していただかなくちゃいかん。そういうことを需要面の官庁と申しますか、当局者として私どもは要望を強くいたしているわけでございます。これについての案は、数日を出でずして食糧庁決定してもらわないと、第一タイムが合わない。まあしかし、飼料審議会に出したときは、このような文章にしてくれということで出したわけでございます。  不日きめる予定であります骨子は、精麦工場精麦をするということにあるわけですが、当面すぐ着手いたしまして、年間四十万トンの麦ぬか飼料を供給する目的として、相当考慮をしながらやるということであります。売却工場は、現在の政府売却対象工場でございます。玄麦を政府が売っているものでございます。これは一般精麦と麦ぬか増雇用となるわけでございますが、一般精麦の場合は、目下のところ年間六十万トンを予定しまして、毎月各工場ごとに割り当てる。ただし、工場間の割当量の移転についてはこれを認めるのが適当な調整ではないか。次の麦ぬか増雇用が今回の緊急対策のおもなことでございますが、対象工場といたしましては、普通麦の割当量全量を買い受けた工場でありまして、麦ぬか増産用の麦の買い受けをしてやってみようという工場でございますが、その工場の買い受け条件として付した  いと思っておりますのは、追って歩どまりを、ぬかを出す量を考えるということで、今至急検討中でございます。もし時期がおくれるなら、従来の歩どまりでまず始めて、それからあと変えてくれ、こういうふうに言おうと思って言ってあるわけであります。これは麦ぬか増産用の精麦と考えるのでございますので、その麦ぬかは飼料に確実に回る方法で売ってもらわなくちゃならん。まあ私の意見として申し上げますれば、専管増産のふすまを八需要者団体に渡すように売ってもらったらどうだ、こういうふうに、買い占めとかその他の措置が起こらないようにという意味でございますが、そういう条件もつけてもらいたいと思っているわけでございます。その他、期間はこれは食糧庁のいろいろな都合もありまして、法令その他の都合もありまして四月以降、四月早々から始める。価格は普通麦の方は現行通り、麦ぬか増産用の方は大麦一俵千二百円くらいでできるのではなかろうか。そうすれば麦ぬかの価格の上進を抑え、ふすまの需給を緩和して、ふすまの価格の上進を抑えることができるのじゃなかろうかというところを目安にいたしまして、特に麦ぬか増産用の精麦をする場合に、諸条件に違反した者は、その工場政府が玄麦の売却停止というそういう経済的制裁を付するようにして参りたい、こういうような概要を持っておるわけであります。
  40. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、専管工場並びに増産工場に渡すということのようですね、八団体を通じてやるわけですか。
  41. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 専管工場増産工場と申し上げましたのは、原料小麦を製粉いたしまして、ふすまを出す場合に使っておる慣用語でございますが、こっちの方は原料麦を渡しまして、製麦工場に渡します場合、その製粉、精麦をしました場合は需要団体に渡す点が合っており、需要団体と製粉、精麦工場とは違うわけでございます。
  42. 亀田得治

    亀田得治君 わかりました。それでその歩どまりはどの程度を一要求するのですか。さっきの緊急対策の場合には、今までは六〇%であったのを八〇%くらいにしたい、こう言っておりますが、やはりそういうふうなことになるのですか。
  43. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) 今私どもの考えておる点を申し上げますが、三十六会計年度におきましては、今の状況で申しますというと、今大麦は千五百六十五円で売っております。農家からの政府買い上げ価格は千七百八十四円で買い上げまして、政府からの売り払い価格は千五百六十五円でございます。その前提で精麦用に売っておりますのは約六十万トンくらいであろう、こういう需給推算を練っておるわけでありますけれども、そういたしますと、大体これは大裸両方でございますけれども、平均いたしまして六割くらいの実をとっております。現在は精麦に約六割、四割というのが麦ぬかになっておる、こういう大ざっぱな見当でございますので、二十四万トンの麦ぬかが三十六会計年度に出てくる、こういう計算になるわけでございますけれども、三年前を見ますというと、この精麦量は外麦を入れまして大体百四十万トンくらい精麦川に玄麦をこなしております。その時分はその四割でございますので六十四万トンの麦ぬかが出たわけでございます。先ほどお話がございました精麦事情と価格問題と関連をいたしますけれども、非常に急減をいたしましたので、六十四万トンも供給しておったところの麦ぬかというものが今は二十数万トンになったという状況でございますので、相当過剰麦が出て参りましたので、その時代の麦ぬかを供給したあたりまでさしあたりふやして参りたい、そういう意味で四十万トンを、三十六会計年度でございますけれども、二十四万トンの精麦用にプラスいたしまして、四十万トンと合わせまして合計六十四万トン程度の麦ぬかを供給して参りたい、こういう考え方でございます。そういう意味で大裸で多少違って参りますけれども、ほぼ逆転をいたしまして四割くらいが精麦になりまして六割が麦ぬかになる、百万トン全体を通じて、六十万トンプラス四十万トンに対しまして六〇%が麦ぬかになる、こういうような考え方でございます。
  44. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、麦ぬかになる率というものは、今回のものは非常に少ないことになるわけですね、この払い下げでは。これだけをとって考えると……。
  45. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) 麦ぬかの払い下げ分は、それに相当する分量が麦ぬかになるわけでございます。安くいく分の全部を麦ぬかにするわけです。
  46. 亀田得治

    亀田得治君 粉は全然作らないのですか。
  47. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) 精麦でございますから、それは六割しか使わないで、今までは逆に四割を麦ぬかをとっておったのでございますけれども、今度は六割の方を麦ぬかにいたすというのでございます。
  48. 亀田得治

    亀田得治君 多くなるということですね。そこで、このそこら辺のややこしいことは私はよく存じないのですが、ともかく政府がそういうふうに小麦飼料として放出するという考え方をとるのであれば、実際にそれを使う農家団体、農協なりそういうものに直接原粒のまま出してくれ、こういう要求政府も受け取るはずだし、われわれも聞いておるわけなんです。その方がそんな回りくどいことをしなくても手っとり早くていいのではないか。全部がそれこそ飼料化されていくわけだから、その辺の考え方はどういうふうになっておるのか。相当強い要求を皆さん自体が受けている。われわれもこういう緊急措置としておやりになるなら、ともかく早く直接お使いになる方に渡る、こういうことの方がいいと思うのですが、どうでしょう。
  49. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 ちょっと関連して。今の諫山部長の説明を聞いておると、私の聞き方が間違っていたら訂正して下さい。六十万トンに対しては四〇%の麦ぬかを作るのだ、従来通り。それで二十四万トン麦ぬかができる。つまり精麦として六十万トンの六割、三十六万トン残ります。これはこれでいい。ところが片一方の安売りをする四十万トンは麦ぬかを作るという言葉ですが、一〇〇%麦ぬかにしてしまうのだ、こういうことなんですね。それに間違いありませんね。
  50. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) さようでございます。
  51. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 どうもその考え方は私は全然わからないのだが、飼料にするのだ、えさにするのだ、えさにする小麦を、麦ぬかを作るという名によってなぜその精麦業者を通してやるのか。そういう不必要な加工段階を通してえさにしなければならないのか。四十万トンそのままえさにしてしまった方がはるかに畜産の立場から見ていいのではないか。こういうふうに思うのですが、あわせて一つお答え願いたい。
  52. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) 私の申し上げ方が多少足らない点もございましたが、精麦業者にやらせます第一の有利な点と申しますのは、精麦にはとにかく千五百六十五円という高い価格で売っております。そういうものを安い価格でもう一本流すという点におきまして一物二価というものが飼料制度において非常に困難性があるという問題がございますが、今度の場合は四十万トン相当量の麦ぬかを増産しなければならない、こういうことをうたうわけでございますので、全体の百万トン売りますものの中で、精麦用になるものは一番いいところを全部の中から精麦用に持っていく。ですから、数量的には今の四十万トン売ったものを全部麦ぬかに増産するということになりますけれども、実際この工程におきましては、百万トンの中から三十六万トンになりますが、三十六万トンの精麦用には、それぞれの中から一番いいものを精麦に持っていく。全部のものから。これは砕麦は三等麦におきましても、二・二ミリを落ちた砕麦について、えさになりますのは、各等級違いますけれども、三等におきましても、三〇%が規格の限度になっておりますけれども、そういうように、個々の俵を全部そのままえさにせよということでございますならば、これは精麦屋を通すこともないわけでございますけれども、全体の中から、食用は、高くいい部分を食用に持っていくというやり方をやらせまして、そういうふうに、初めから全部のものを振り分けて、落ち麦といい麦と分けて、いい麦から精麦を作るというのが、実際上はそういうやり方になると思いますけれども、そういうやり方によりまして、四十万トン相当量というものを増産していく、精麦のできまする量というのは、ここではっきり抑えて参りたいというふうに考えておるわけでございますが、先ほど亀田委員からもお話がございましたように、農家にいきなり売るならば、農家が扱っておるのだから一番便利じゃないかという、櫻井委員のお話もその点になると思いますけれども、ごもっともな点だと思います。これは、御承知のように、価格問題が、どうしましても大きなガンになって参るのじゃないか。現在も、農家からは千七百八十四円で私どもは一俵買い上げる義務を持っておりますので、これは買い上げておるわけでございますが、その場合に、私どもが千二百円で売るというような実態になりますというと、これは相当十分な監督をしましても、全国農民の方々にいったものをどういうふうに扱うかという問題は、非常に問題があることは、もう非常に明らかでございますので、従来とも私どもは、それだけ価格差が自然に挑まれる場合に、それが的確に飼料になるかどうかという監督を全部の農民の方に使っていただく場合にやることは、とうてい不可能じゃないか、そういう意味では、従来形を変えまして、食糧にならぬような形にしておいて、これをえさに売ることはある程度できるだろう、こういうふうな考え方を持っておるわけでございます。そういう意味で、農民の方に、いきなり片一方で買っていると同じような時点におきまして、同じ形でそれを流していく。一俵について五百円からの価格差がありますものを流すということは、これは実際上不可能である、こういうふうに考える点が非常に大きな点でございます。ただ、今後、今御審議を願っておりますような麦の買い上げ制限その他のことも出て参りまして、無制限買い上げという前提というものがある程度変わるような前提になりますれば、今後、大いにその研究をいたしまして、かようなこともできる可能性があるのじゃないかと考えますけれども、現状におきましては、そういうものが還流してくることをとうてい防ぐことができないと考えておりますので、むずかしいのじゃないかと、こういうふうに考えております。
  53. 田中啓一

    ○田中啓一君 関連して、いろいろな説明をなさるのですが、要はこういうことじゃないのですか。六十万トン、普通の精麦の、食用麦の需給推算から玄麦を大裸六十万トン売る計画であった。それに今度四十万トンをつけ加えた。その四十万トンつけ加える分の中身、一体それはもう実はとれないような、細いものが四十万トンあるのか、とれるものがあるのか、そこがもう問題の境目で、取り締まりがどうのこうのと言われることは妙なことを言っておられると私は思うのだ。そうじゃないんでしょう。四十万トンの分には、それは一俵々々見ればほとんどみな実がとれるのだ、歩どまりは下げる、こういう趣旨じゃないですか。
  54. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) おっしゃる通りでございます。精麦業は、今のどの麦でも精麦業は喜んで買っておりますので、今ございますところの、政府は過剰麦とか何とかいろいろ分けているわけではございませんので、全部から精麦がとれる、こういう前提でございます。
  55. 田中啓一

    ○田中啓一君 そういうことであるならば、やはりできるだけ実をとって、そうしてその実の方の精麦というものはえさよりは高く売れるわけですから、高く売りたい。しかし、えさを大いにとろうという目的が半面あるのだから、四十万トンの分は値を下げて売る、こういうことを考えているのじゃないですか、幾らに下げられるのでしたか。
  56. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) 千二百円でございます。
  57. 河野謙三

    ○河野謙三君 関連、この問題を進める上においてまず伺っておきたいのは、現在政府が大麦、裸麦が幾ら手持ちしているか、そのうち三十四年度産麦が幾ら、三十五年度産麦が幾ら、これを一つ伺いたいことと、それから今諫山部長のおっしゃることは、農家に直接払い下げをした場合に、還流のおそれがある、還流という言葉は使われませんでしたけれども、それが必ずしもえさに全部いくかどうか監督ができないとおっしゃる。これは還流すると思いますが、その点につきましては、過去におきまして輸入麦に鯨油をかけて還流の危険防止をやった実例があると思うのですが、これを一つ、その当時のいきさつを説明していただきたいことと、それから内地麦におきましても、過去において一、二回えさ用に払い下げた実例が私はあると思います。私の記憶が違うといけませんから、この点も一つ説明いただきたい。これをまず私は伺っておきたいと思います。
  58. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) 第一点の、現在の在庫数量を申し上げます。三月一日現在でございますが、両方、三十四年と五年と合わしまして約八十万トン現在手持ちをいたしております。その中で、三十四年産麦は約十二万九千トン、三十五年が約六十七万トン、こういう内訳になっております。  それから河野先先がおっしゃいました飼料用に油を添加して売ったことは、イランの麦なんかがきたときにやったことがございます。それから現在、先ほど畜産局長が言われましたように、小麦でも飼料用の小麦を単体のまま売ります場合は、油加工をいたしまして売っております。それから飼料用として内地麦を売ったことがあるのじゃないか、これは最近も三月に入りまして精麦に売る価格と同じ価格で一部これは売っております。これは、要するに精麦屋に横の還流がないというような一つの段階でございますので、特別な地帯でそういう高いものでも飼料になるというところがございますので約八百トンほどのものをそういう特殊な地帯におきましては先ほど申し上げた千五百六十五円の価格で売却いたしております。
  59. 河野謙三

    ○河野謙三君 農家に直接売る場合は、ほかの事情もあるでしょうけれども、一番大きな原因は、還流のおそれがあるということだと思いますが、還流の防止ということは当然できますね。できると思います。これが不可能な点があれば別ですけれども、還流のおそれにつきましては、十分防止対策ができるということであれば、農家に直接売っていけないという一番大きな原因はそこで除去されていると思いますが、それ以外に何か農家に直接売っていけない、原因は、精麦業者の利害とか政府の会計とかいう問題だと思いますが、政府の会計につきましては、今お聞きするところによると、食用としては六十万トンである。しかも、もうすぐに、あと一、二カ月たちますと新麦が出てくる、こういう状況で何を考えてこの八十万トンの手持ちしておって、目先の勘定をやっている。目先の勘定のためにもつと大きな食糧庁にこの八十万トンの上について穴があく事態がくると思います。この際もう少し見通しを立ててやるべきだと思いますが、関連質問でございますからあまりこれ以上突っ込んでも申しませんけれども、少しお考えが私は違うのじゃないかと、こう思うのです。
  60. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) おっしゃる通りだと思います。還流ということが絶対に防げるというのならば、一定の価格というもので売って悪いということはない。そういう問題は今後の非常に研究の問題になるということは先ほどから申し上げた通りであります。だからそういう意味では今後私ども、書いてございますように非常なあれでござ  いますので、研究はいたしたいと考えておりますけれども、今のような価格でどれだけ行なわれるかどうか、そういう見通しなんかも十分にまだ立っておりませんので、還流の的確なる方法がなかなか見つかりにくいというふうに現在考えておるわけでございます。
  61. 河野謙三

    ○河野謙三君 もう一言。私はもう一つ農家に直接売るべきだと思うこと、先ほど畜産局長もえさの価格の問題でタイミングの問題と言われましたが、私はタイミングだと思うのですよ。精麦工場に回してそれからえさ化して農家へ行くのと、農家へ直接売ってそれが農家の手元ですぐ飼料化できるのと、特にご存じのように単協は大体簡単でありますけれども、各単協ほとんど全部が麦の加工処理場は持っていますよ。でありますからその間、精麦業者に回わすのと単協に直接出すのと時間的には私は二十日ないし一月の違いが出てくると思う。その点を、この一カ月なり二十日というのは非常に大事なときであって、そういう面からいたしましても私はもう少し御考慮を願いたい。何か先ほど畜産局長に伺いますと、もう農林省の内部で作業の大体が終わって、すぐにも精麦業者に払い下げる措置が発表できるかのように聞いておりますが、そういうような農林省が今持っているような案で払い下げすることは非常に私は遺憾であります。  それからもう一つ、一体この八十万トンの生麦をかかえておって、そうして来年度需給計画は一体どんなふうにお考えになっておるか。これは必ずしも今すぐに御答弁いただかなくてもいいけれども、この点も私はあわせて一つ伺いたいと思うのです。
  62. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) 需給問題でございますが、御意見の点につきましては十分私どもも今後検討を加えて参りたいと思います。需給の面におきましては今年まあ八十万トンございますけれども、大体七月の末あたりになりますと、いわゆる新麦が出て参る時期には約六十万トンほど持っているのではないか、普通の生麦だけ売って参りました場合におきましては。それで今年の買い入れは約八十万トン近いものがある。こういうふうに考えておりますので、そこで合計いたしますと百六十万トンの供給に対しまして百万トンを飼料化と一緒に売って参る。あとはやはり六十万トンというものが残るんじゃないか。それでこれはまた来年もそういう飼料化の問題を積み重ねていく必要が現在においてはあるのではないか、こういうふうに考えております。
  63. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  64. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) 速記を始めて。  ここでしばらく休んで、午後は二時から再開いたします。    午後零時四十五分休憩    ――――・――――    午後二時十八分開会
  65. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) 委員会を再開いたします。  飼料に関する件を議題といたします。午前に引き続き、本件についてその質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いします。
  66. 亀田得治

    亀田得治君 食糧庁長官にお伺いしますが、午前中当面のえさの需給問題で相当長時間の質疑をしたのですが、問題点として今出てきているのは、緊急急対策の中の一項目である大、裸麦の処理の問題ですね。これについて農林当局の方は、まずこれを精麦工場に渡していく、こういう方式を考えておられるようだが、このような緊急対策のために出すものだから、直接農民なり、あるいは農民個々ではめんどうくさいから、農協等に出していけば簡単でいいじゃないか、これが一つの問題点になっているわけです。何かそういうやり方では還流のおそれがあるといったようなこともあるようですが、しかしそういうおそれのないようにしてやる方法も、過去においてもあったし、また今度でもできるじゃないか。だから、そういう意味で、払い下げる対象を、最短距離で確実に農協なりに渡していく、こういうこと。それからもう一点は、値段ですね、値段は、結局飼料需給状況の逼迫、こういうところから起きてきておる問題に対する対策ですから、私は、この値段に対する考え方というものは、この安定法の考え方でいくべきだと思う。形式はなるほど食管の中に含まっているわけですから、売り渡すということになっても、食管による売り渡しと、形式はそうであっても、実質は安定法の精神に基づく措置なんですから、そういう面からいって、この安定法の第五条の三項で、飼料の掘り渡しについて書いておる。そういう考え方で、畜産家の立場というものに立っての値段を私は考えるのが当然だと思う、飼料として踏み切っているんだから。で、まずその立場を明確にしてほしい。その立場が明確になった上で、値段についてのさらに意見等もわれわれあるわけですが、考え方をどこに置くかということですね。対象と、その値段に対する考え方、これを一つ、これは本来ならば大臣によく聞きたいところですが、しかしあなたがそっちの責任者ですから、まずお聞きしたいと思う。
  67. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) 政府で手持ちをいたしておりまする、まあ私ども俗に余剰麦と称しておりますが、余剰麦の売却につきましては、けさほど第一部長から、現在私どもが考えておりまする考え方の概略をお話し申し上げたと思うわけでございますが、その際もお答えを申し上げましたように、ここ数年の間に相当麦がたまって参ったわけであります。この端境期の見通しとしては、私どもの方で大体これはまあ六十万トンぐらいの数量になるというふうに考えております。これを食糧用に消費をいたしまする見通しが、新麦出回り以後におきましてはございませんので、その他の用途に転用するという考え方でやっておるわけであります。その他の用途と申し上げますと、具体的にはこれは家畜飼料ということになるわけでございます。飼料用に転用をして売却するという考え方をとっておるわけでございます。  この売却の方法につきましては、われわれもいろいろな角度からこまかく検討いたしたのでございますが、食糧庁としていろいろな点を配慮して参らなければならぬわけでございまして、まあ私どもこの問題は八方にらみの格好で、いろいろな方面に対する影響をいろいろ考えながら具体案を検討して参ったわけでございます。食糧庁として一番考えなければなりませんのは、やはり麦を本来の用途でありまする食糧用にできるだけ多く滑空する。食、管会計として食糧向けに充てる、建前で買い上げをいたしたものでございまして、これを極力食糧用に充当するような前提で考えて参らなければならぬわけであります。それで今回の考え方も、精麦業者に渡しまして、その手を通して飼料用に回るという考え方を基本的にとっておりますのは、今申しましたような前提で、やはり食糧用に消費されるものは優先的に一つその量を確保しなければならない。その用途向けに極力売るという建前をまずとっているわけでございます。同時に、その飼料用として転用をいたします場合、どういう形態でこれを家畜に与えるのが最も合理的であるかという点につきましては、昨年八月から私どもの方で麦対策協議会を作りまして、ここでその大、裸の飼料用消費の問題につきましてもいろいろ検討いたしたわけであります。専門家に御参加を願いまして、大、裸麦というものは将来飼料用に考える場合に、その経済的な効用等につきまして専門的に検討いたした。その際の意見としましても、大、裸麦というものは、経済的に見ると、飼料用としての適性は相当問題がある。それでこれを全粒のままで飼料に向けるということは、経済問題としては相当問題であるという意見が強かったわけであります。それで、私どもは、そういう今問題ありますけれども、現実に六十万トンからのものを持っているわけでありますから、これを処分しなければならない。従ってそういう飼料問題等の専門家の意見を聞きながら、現実に処理する方法としましては、やはりこれは従来の使用慣行、使いなれている状態から考えまして、麦ぬかにして家畜に供与するのが、最も適当な方法であろうという考え方をとっているわけであります。それで麦ぬかにするということになりますと、これは精麦屋さんを通して、精麦屋さんの手で麦ぬかにするというのが、最も通常の方法でございますから、私どもこれを麦ぬかにいたしますのは、精麦屋さんの手を通してやるという考えでございます。さきに申し上げましたように、食糧用としての需要をまず優先的に確保するということ、家畜に与える形は麦ぬかにして与えるというその両方の再度から、精麦屋さんの手を通すという考え方をとっているわけでございます。しかし、これは先ほど申し上げましたように、六十万トンからのものを持っておりまして、六十万トンの大、裸を飼料に供するということになりますと、これは飼料がいろいろ足りないというふうに言われておりますが、実際の大、裸が飼料に使われる実勢というものを考えますれば、そういう六十万トンのものが二カ月や三カ月で消化をされるということは考えられない。私どもも一応予算上の建前としては、これは二年間にまたがって消化をするというような考え方をとっているわけでございます。従って、これは相当期間がかかる、期間をかけてやらざるを得ない。その場合に精麦屋さんを通してやるというのが一番いろんな事情から考えて適当ではなかろうかということでやっておるわけです。今出ております問題は、この数カ月前から非常に飼料が不足をしておる。飼料全体を通じまして非常に価格が高くなっておるというようなことで、緊急事態としてとるべき措置の問題と関連して今麦の問題が出ておる。従いまして、私どもその六十万トンの処理の方法は、本来的な形としては、今申し上げましたような方法でやって参りたいと思っておるのでありますが、当面しておりまする緊急の事態に対して政府がそれだけのものを持っておるのであるから、至急にそれを出したらどうであるかという問題が別にまああるというふうに私どもは理解しておるわけであります。それでこの問題につきましては、われわれも二、三月の間にでも何か応急的な処置がとれないかということでいろいろ検討したのでございますが、食管会計の建前というものが非常に、これはまあ財政技術士の問題でありますけれども、窮屈にできておりまして、いろいろ、財政当局等とも相談をいたしましたが、現実に安い価格で三月中に売るということが、どうしてもその三十五年度食管会計の編成の内容からいたしましてできないということでございまするので、私どももやむを得ず四月に入って、四月早々から売却するという形をとらざるを得ないわけでございます。それで、これはもう関係団体農業団体等の意見を聞いてみましても、現実に政府の手を離れるのは四月になることもまあやむを得ないだろう。しかしその四月以降、裸がどのくらいの数量飼料用に何されるかという方針がはっきりすれば、それでその飼料価格に対しても何がしかの影響があるはずである。その方針一つ早く明らかにしてもらいたいというふうな希望もありまして、先般来申し上げておりますような方法で処理をする方針を、まあかためておるわけでございます。  それと関連をいたしまして農業団体の方から直接農業団体政府手持ちの裸麦売り渡してもらいたいという希望がございました。これにつきましては先般これはまあわずかでございますが、各地の農協から希望がありましたものをまとめまして、これはわずか八百トンぐらいでありますけれども、先般これは売却をいたしたわけでございます。これは現在政府で売ります値段は、精麦業に売る値段、これは具体的に一俵千五百六十五円ぐらいになっておるのでございますが、一俵千五百六十五円という現実に精麦業に売っております。値段以外にございません。それで先般農協から申請のありましたものは千五百六十五円でこれは売却いたした。その後引き続き、農協側から売却をいたしてもらいたいという要請があるわけなんです。これは先ほどから申しましたように六十万トンをどういうふうに処理をするかという問題は目下進行しております。それとのかね合いで考えなければならぬわけでございますが、問題はその新麦出回りまでの間の問題であると私ども考えておりますので、新麦出回りまでの間、なおまた農業団体からそういうような要望もありますから、何か適当な方法で引き続き農業団体へ払い下げるような方法を至急検討をしたい。ただこの場合価格水準の問題がございます。これはいろいろ私どもの方も考えなければならぬ点がございまして、まあ端的に申し上げますと、その農業団体に払い下げをいたしましたものも、現実にはいろんな地区からこまかい要求があるわけでございます。こういうものに対して払い下げをするわけでございますから、やはり価格の建て方としても、それがまあほかの精麦業者でありますとかほかのところほ事実上流れませんような価格の建て方になっておるということが、まあ一番合理的ではないかというふうに考えておるわけでございます。この点はまだ財政当局とも十分話がまだついてないのでございますが、実質的に精麦業者に売る値段と実質的に同じようになりますような価格で、農業団体からの要望のありますものは売却をするというような方法を至急関係当局との間でも相談をしてみたい、さように考えております。
  68. 亀田得治

    亀田得治君 農業団体への直接の売り渡しについては、まあ、午前中の答弁よりも多少ゆとりのある考え方を持っておられるように今お聞きしたわけですが、それはぜひ一つもっと積極的にこういう緊急対策ですから、考えてもらいたい。その値段の点ですが、精麦業者と同じ値段に結局なるだろうというふうなことでありますが、その理由としては、何か農民の方へ安く出せばそれが精麦業者の方へ横流れするといったような意味のことをちょっとおっしゃったように思うのですが、そこまで疑い出しますと、これはもう何といいますか何もできませんよ。私はやはりただいま長官のお話を聞いていても、何か第一次的には食糧として一応扱うのだというふうな建前をやはりとっておられるような感じをするのです。しかし、それは食糧庁長官としては食糧以外のものを持っているわけないのだから、だから食糧という格好になるのでしょうが、問題の起こりはそうじゃないのでして、なにも今食糧緊急対策要求しているわけでも何でもない。粉が足らぬから粉をふやしてくれというような要求もどこからも出ているわけじゃないのですよ。ですから、そこら辺のところを、実質を突込んでざっくばらんに考えるのが私は正しいこういう問題の処理だと思うのですね。八方にらみというようなことをあなたはおっしゃったけれども、そんなに八方をにらまなくても、ともかく起きた問題にすなおに取っ組んでもらったらいい。飼料なんですから。だから理屈はつけようと思えばいろいろとつくでしょうが、とにかく直接これを使うのに最短距離で渡す。これは時間的にも量的にも飼料の不足に対する、やはり一番効果としては上がるわけなんです。これは食管法とのそういうからみ合いを考えるからそうなんです。これは目的変更されているわけなんですよ。あなたの保管されているものは、そういう意味では。だから、そうならば、やはり値段だって飼料としての適当な値段でなければならぬ。あまり商いものを渡せば、それは普通の飼料までそれにつれてまた引き上げられるかもしれぬでしょう。政府のちょうど飼料の公定値段のような格好に、受け取る方は飼料として受け取るのですから、だから飼料値段が新しくこうなったのだと、逆にこの低く安定させようというのが高く生むような現象も部分的には起こらぬとも限らぬ、そんなことを政府が考えておられるわけはないのですから、だからこれはぜひいろいろまあ工夫をこらせば、私やり方はあると思うのでして、ぜひその考え方で一つやってほしい。幸い、この緊急対策の中に、なお、くず麦または事故麦については、これは低廉な価格飼料用に確保をはかること云々、こういう点を引き続き研究する、こういうことが書いてある。で、こういうところなんかまでちゃんと目をつけているのであれば、そんな価格の問題なんかいつでも処理できると思うのですね。やっていいわけでしょう。くずならくずとか、そういう事故麦は安くして食管法上ちっとも差しつかえないわけでしょう。食糧という建前を、まああなたの立場だと全然はずせないとしても、くずと事故があるのですから差しつかえないわけでしょう。その点どうですか。
  69. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) そこにくず麦、事故麦と書いてありますのは、これは現実にくず麦、事故麦ということでございまして、そういうものがある場合に、それを、これはまあ従来災害等で事故麦ができましたような場合、これは競争入札で売っているわけでございまして、今回の場合は、その飼料対策として、もしそういうものがあれば、飼料麦に適当な価格で売るという考え方である。ただ現実には、くず麦、事故麦というものは、特にここで特記するほどの量のものはございませんので、現実にそういうものができた場合に、飼料麦に使用するという考え方でございます。  それから前段のお話しにありまする点は、私ども食管会計で持っております物の売り方としては、やはり基本的には、先ほど私が申し上げましたような筋で処理をして参らなければならぬ。ただ、その現実に、こういう大量のものは、食糧用以外に転用をするという事態になっているわけでございますから、それを処理をする実際の方法として、先ほど申し上げておりますような筋で目下進めている次第でございます。
  70. 亀田得治

    亀田得治君 くず麦、事故麦というのがそんなにないというようなことをおっしゃいますけれども、いろいろその筋の人に聞きますと、くず麦、事故麦とみなしてもいいようなものは相当あるらしいですね。それはどのくらいの見当のものをお考えになっていますか。
  71. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) それはちょっと問題がこんがらがっているのではないかと私は思うのでありまして、実はここでくず麦といっておる意味は、例の毎年等外の麦を買うわけです。特に九州地方なんかは、ここ数年裸麦の等外品が相当大量に出る。これは出来秋の気象の関係なんですが、これを等外として私どもは毎年買っているわけです。これは相当、量的には多いものでございます。しかし、これは等外という格づけになっておりますが、実際にその裸麦精麦に使います場合には、これは十分使えるわけでございまして、値段が総体的に精麦業者等から見ますと有利であるというような関係もありまして、むしろ等外の麦を上等の麦よりも優先的に払い下げをしてもらいたい、売ってもらいたいというような希望があるくらいのものでございます。それで、等外麦は、これはもう三十五年産のものにつきましても、現在まででほとんどこれは売ってしまっているわけでございまして、現在下級品としては四等の麦が三万トンくらい残っているということで、現在、私の手元にはいわゆるくず麦と称する性質のものはないわけであります。まあ、その話が出ましたときに、関係者の意見としては、農業倉庫に積んである台付きのものでそういうものがありはしないか、そういうものが出てきたら、そういうような用途に回したらどうかという御意見があって、そういうものが入ったわけであります。しかし、これも最近は保管の面で台付きを出すようなことをいたしますと、私どもの方としては非常にこれは困るわけでありまして、現在、現実に保管の面からいたしまして、台付きのようなものを出すというようなことは一般的に考えられないわけであります。倉庫の状況等から、特にそういうものが現実にありましたような場合には、これは飼料用に優先的に払い下げをするという考え方で処理するという考えでございます。
  72. 亀田得治

    亀田得治君 この緊急対策の中にも書いてあるのですが、第五ですが、脱脂粉乳の場合は、学校給食用の不適格品というようになった場合、これも特別価格飼料用に出す、こうなっておるわけですが、これなんかも法規上はどういうふうになるのか知りませんが、特別な法規上の根拠なしに安く一応売る、こういうことになるでしょうな。そういう点はあなたわかっておりましたら。
  73. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 便宜、私から説明さしていただきます。脱脂粉乳は現在、飼料需給安定法品目として告示で指定されております。従いまして、現在、在庫が千三百トンございますが、こういうものにつきましては、当然、飼料需給安定法による払い下げをいたすわけでございます。ここに書いてありますものは、学校給食用の不適格品でございますが、これは学校給食会を通じまして、こちらの指定先へ売却させるようにすることになっております。
  74. 亀田得治

    亀田得治君 その払いげの値段の問題なんですが、私がお聞したのは、これは特別なそういう法規上の根拠なしに適当に安くして売る、そういうようなことでしょう。
  75. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 現在は、相手方を特に農協その他の団体に限りまして、その間に指名競争入札というような格好で払い下げております。
  76. 亀田得治

    亀田得治君 いや、この緊急対策の第五の場合には、これからの問題ですわね、これは特別価格で緊急放出をする、こう書いてあるわけですが、そういう普通の売却の仕方だと、安くならぬでしょう。
  77. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) これは学校給食会の所有のものにかかっておりますので、これは学校給食会にこちらから要請いたしまして、こちらの指定価格農業団体に引き渡すようにこれはいたす考えでございます。
  78. 河野謙三

    ○河野謙三君 前の麦の問題で関連ですが、午前中伺いますと、来年度の麦の需要量は六十万トンと押えておる。ところが、ここで、えさの緊急対策で、四十万トンさらに麦をえさの方に払い下げる。そのえさの方の場合には、麦ぬかの歩どまりは六〇%と言っておりましたが、それに間違いないとすると、六十万トンは、従来通り麦の方の歩どまりが六〇%、今度、えさの方の四十万トンは、これは麦が四〇%になる。そうすると、四十万トンから出てくる食糧用の麦というものは、十六万トン出て参りますね、そういう計算になるのですが、それは私の聞き違いでしょうか。
  79. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) あるいは、そこの説明が十分尽くしていないのじゃないかと思いますが、六十万トン精麦用として払い下げる、それから別に四十万トンを麦ぬか増産用として払い下げる、そうすると、両方合わせまして百万トンその百万トンから、精麦としてはそれの大体三五%くらいの歩どまりになるわけでございます。三十五万トン程度の精麦を出す。だから、言葉をかえて申し上げますと、今回の場合は、六十万トンを精麦川として払い下げます大、裸麦から従来の歩どまり精麦を取りまして、それで、従来の歩どまり大体五八%、その五八%で精麦を取りまして、そこに麦ぬかができます。それから四十万トンの方は、大体全粒粉全部四十万トン。そうしてその麦ぬかと全粒粉をまぜた、いわゆる麦ぬかに相当実が粉にしてもまじりますから、そういう麦ぬかを作って、これを飼料にする。そういう考え方をとるわけです。従って、増産用として払い下げする四十万トンの方からは精麦は出ない、そういうふうにお考えいただくか、あるいは両方合わせました百万トンから大体三五%、三十五万トン程度の精麦が出るというふうにお考えいただくか、どっちでもけっこうでございます。
  80. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうしますと、先ほど、農家に直接やった場合は、麦そのものを全量えさにするということについては、技術的に今までいろいろ問題があった、こういうことをおっしゃいました。そうすると、今度四十万トンえさ用に払い下げる分は全量えさ川にすってしまうのだから、そうすると、今御指摘になった全量えさにすることについては問題があるということと矛盾があるように思いますが、どうなんでしょよか。
  81. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) これはむしろ経済性の問題でございまして、大、裸をえさにしていかぬということは、これはもちろんないわけであります。ただ、去年研究しました際も、大、裸を、実を取りまして、それをえさに供するということは、経済性の問題からして非常に問題だ。むしろ、今後やるやり方としては、現在われわれが食糧に使っている大、裸麦をそのままえさにするという方向で考えることは考えない方がむしろいいという議論が非常に強かったわけでございます。  それで、私どもも、なるべく皮を取って、皮をえさに供するという考え方でやりたいと思ったわけなんですけれども、現実に、それだけではなかなか今持っているものは消化し切れない。それで、今私の申しました趣旨は、四十万トンは、これは実際には粉にするわけですけれども、それで六十万トンからきた裸、いわゆる麦ぬかをそれにまぜるわけです。ですから、その四十万トンを全粒粉にして、それで六十万トン分の麦ぬかをまぜる、いわゆる本来の麦ぬかと四十万トンの麦とがまじった形において家畜に供するということが現段階においては一瀞いいんじゃないか、全粒粉だけでなくて、これは全部麦をそのままひき割りにして家畜に供するという形でございますから、それよりも、もう少し本来の麦ぬか分の多いものにして、そういう形において供する。それがこの段階の処理の仕方としては一番いいんじゃないかということで考えておるわけでございます。
  82. 河野謙三

    ○河野謙三君 亀田さん、関連質問が長くなって済みません。
  83. 亀田得治

    亀田得治君 どうぞ。
  84. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうすると、私の聞き違いであって、全粒のままこれをえさにすることについて、家畜の衛生上の問題じゃなく、経済的の問題だ、その経済的の問題なら、今指摘されました経済的の問題点をあげていただきたいと思う。私は、午前中も申しましたが、四十万トンのものは、これはえさに払い下げてもらいたいという農民の希望というよりは、むしろ食糧庁が現在六十万トンも大麦、裸をかかえてしまって、そうして近い六月か七月にはまた八十万トンも買わなければならぬ。来年の需要見込みについては、六十万トンと私は一応見ておるけれども、これも私は少し多過ぎやしないかと思う。これは見込みの問題ですから。しかし、いずれにしても、捨てるか、えさにするか、どっちかにしなければならぬので、農民の方から見れば、逆にえさにでも安く売ってくれるならば買ってやろうという議論も私は成り立つと思うのですよ。そういう際に、実畜の衛生上は全粒のままで差しつかえないというなら、経済上の問題点というのは、食糧庁の会計からいきましたって、その他一般の経済問題としても、どうも私には経済的な問題点があるように思えないのですが、しかしまあその道の権威者が経済的な問題点を指摘されたのなら、経済的な問題点を教えていただきたい、こう思うのですがね。
  85. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) これは、簡単に申し上げますと、今大麦にしますと、一俵五十二・五キロで約千八百円が価格になっておるわけです。政府が買う値段は千七百八十一円、その五十二、五キロ千八百円というものは、現実にえさとして実際に市場に流れておるわけではないわけですね。それでまあそういうことと、それから現実に大、裸を、畜産関係の専門家が飼料価値の分析等をいろいろな方法でやるわけですが、そういうものから割り出して参りました大、裸の飼料的価値から判断した価格から考えますと、千八百円というものは、これは相当割り高になるわけです。従って、大、裸を作って、農家の立場から見れば、千八百円程度に一応評価をされておりますものを、そのまま家畜に供するということでは、経済的に非常に歩が悪い。同じ畑ないしたんぼから飼料作物を作るのであれば、同じ麦でも、むしろまだ青刈りで家畜にやった力が経済的である、あるいはほかの飼料作物を作った方がずっと経済性が問い、というような、これは今手元に持っておりませんけれども、資料がずっと検討の結果でき上がっておるわけでございます。そういうことからいたしまして、大、裸麦飼料にそのまま供する、実取りのままで供するということは、経済的に非常に問題であるという趣旨で、そういう検討が行なわれたということを申し上げたわけでございます。
  86. 河野謙三

    ○河野謙三君 どうも私の疑問は解けませんけれども、まだ亀田さんの質問が残っておるようでありますから……。どうも私今伺ったところでは、食糧庁の特別会計の立場から見た経済的価値、農家から幾ら買おうが、それとは別に、やはり現状の食生活の事情から照らして千八百円で買おうが千九百円で買おうが、それとは別に、一般の経済の中で大麦、裸というものは経済的価値幾らというものは私は別にあると思うのですよ。そうでなくて、千八百円幾らで買ったから、それで割り出して、経済的に引き合う、引き合わないということは、私の聞き違いかもわからぬけれども、どうもそこに経済価値というのは、食糧庁の特別会計を中心にした経済的価値と、こういうふうに聞き取れたのですが、いろいろ申し上げていると、関連質問が長くなりますから、あとでお伺いすることにいたしまして、質問を打ち切ります。
  87. 亀田得治

    亀田得治君 その点ちょっと私も意見を申し上げておきますが、千八百円なんかで農民は売ってくれなんということを言っているのではない。また、そんなことをされたんじゃ、それは全く経済的に成り立たない。食糧庁として考えてくれ。まさかそれはそんな高い値段で売るつもりはないでしょうが、これはあまり食管法とか、いろいろなことにこだわり過ぎますと、何のためにこんな運動なり要求農林省にしたのか、わけがわからぬようになってしまう。せっかく農民が要求しておいて、そして今度は精麦業者の方が、農民の方がそういう運動をやってくれたために、よけいに材料がもらえてもうかったというような、まるでトンビに油あげをさらわれたというのはこのことで、だからそこの趣旨が間違わぬようにやはりやってほしいと思うのです。一部にいろいろそういうものの傑作の仕方について、食管制度の根本に触れるおそれがあるとかないとかいろいろ議論もあるようですけれども、私はそんなことはないと思うのです。食管制度の問題とこれは全然別個の問題です。現実に政府飼料需給見通しが誤ったために、その工合の悪い状態が生じておる。それに対して政府が措置をする、それだけの問題だ。ほかの問題についてあまり関連させると、すっきりしたことができませんから、そこら辺を一つまだ多少検討の余地があるのだと思いますから、強く要求しておきたいと思います。  大体これくらいでほかの方もおありのようですから、私は終わりたい思いますが、ちょっと午前中畜産局長から受けた説明の中で、多少納得のいかない問題が資料の中で少しありますので、これを局長はおりませんが、一つ事官の方の考え方を聞かせてほしいと思う。その一つは、価格関係資料というものでありますが、前年に比較してみますと、ふすまにいたしましても、ぬかにいたしましても相当上がっておるわけです。大きいものは二〇%も上がっておることがこの資料に出ておる。ところがトウモロコシ、これはむしろ逆に下がっておる。つまり政府の手を離れておるものは下がっておる。政府の手の中にあるものは実は上がっておる、この数字だけでいうと。私はこの統計表だけから見ても、今日のような事態というものは、政府に大きな責任があると思う。ここいらの点をどういうふうに考えておられるのか、一つ聞いておきたい。
  88. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) ただいま御指摘の点でございますが、トウモロコシは現在自動承認制の輸入手続をとっておりまして、要するに国際価格に完全にマッチした格好で価格が形成されておるわけです。従いまして必要に応じましてそれだけの量が国際価格で入手できますために、これはこの意味におきまして安定を見ておるわけであります。  なお同じ自動承認制でございまするが、ふすまにつきましては、実はその意味では国際価格よりむしろ割安に政府価格がついておるといっていいわけで、と申しますのは、ふすまもやはり自動承認制で必要なだけ民間でも国禁価格で買い得るわけでございますが、現在は国際的な品がすれのために入手困難であります。従ってふすまにつきましては、むしろ別に需給面、価格面の操作の赤字の数字をごらんいただけばわかると思いますが、非常な赤字を出しましてふすまの価格を抑えておるというのが政府売り渡したついての実態でございます。  それから、糟糠類の中では、米ぬか、麦ぬかはふすまに次ぎましてその量といいましても大きいものでございますが、これは先ほど申し上げましたように、精麦の消費が減りましたための絶対的な供給量減少のために相対的に価上がりを見せたこういうわけでございます。麦ぬかは現在は飼料需給安定法で取り扱っている物資ではざごいませんが、一応食糧庁が麦を漸増的に売却いたしました関係におきまして、また精麦との関係において供給量の不足のための値上がりということが言えると考えるわけでございます。
  89. 亀田得治

    亀田得治君 もう一点、三十六年度需給計画対照表、この中で大豆が三十六年度の期初めの繰り越し荷五万四千トン、こういうふうにここに書かれておりますが、もうすでに年度末に来ているわけですが、これは実際にこれだけのものはあるのですか。
  90. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 大豆につきましては三月中に売却いたしました数量は三万二千トンでございまして、これは実需者団体要求に応じて所要量を売り渡しておりますが、それだけ売り渡しまして、なお五万四千トンの手持ちを三月末現在において持つという買い入れ計画でございまして、事実買付もいたしております。この中には多少、船の延着の関係で四月に入ってこれはスッリプと申しますか、到着するものもございますが、これが三十五年の会計年度におきまして購入いたしました数量といたしまして次年度持ち越しとなる数量でございます。
  91. 亀田得治

    亀田得治君 それはどこから買い付けているのですか。
  92. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 現在大豆につきましてはアメリカでございまして、それから油かすにつきましては全世界からでございます。
  93. 亀田得治

    亀田得治君 全世界といったって……。
  94. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 実は、申しわけございません。グローバルといいまして、貿易上の用語がございまして、グローバルと申しますと、地球上ということになっておりますので……。
  95. 亀田得治

    亀田得治君 どこの国とどこの国のものだというように……。
  96. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 現在買いましたものはアメリカのものでございます。
  97. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 亀田委員の御質問で私が疑問に思っておったことは、ある程度氷解したのですが、午前中の第一部長と長官の説明は少し食い違うようにも考えますので、その点はもう少し伺いたいと思う。私の聞き間違いがあったらこれは諫山部長から訂正してもらってよろしいのですが、午前中の話だと一般精麦として六十万トンそれの麦ぬかですか、大体四〇%、つまり精麦歩どまりが六〇%、こういうことで四六-二十四万トンの麦ぬかを作るのだ。それからもう一つ四十万トンこれは全量製粉ということで四十万トンの麦から四十万トンのぬかでもない、何というかとにかく麦の粉を作るのだ、合計して六十四万トンの麦ぬかを供給、こういう案です。ところが一方、田中委員の御質問でしたかにも答えられて、一応の計画としてはそうなんだけれども、四十万トンの安売り分については全量製粉しなくても六十万トンの一般製粉と四十万トンの全量製粉とをブールして考えてよろしい、こういう部長のお話、ところが今、長官はまたそうではないのだと、四十万トンは全量製粉だ、どうも長官と部長のお話が違うのですが、私はここでこの六十万トンと四十万トンの政府の払い下げ価格が同じであるのなら、それはどっちでもいいじゃないかという気もする。しかし一方は食糧としての対象のものであり、片方は飼料としての対象のものであって、たしか四十万トン分は千二百円で売るのだ、こういうお話だったように思うのです。で、私の聞き取りに間違いないとすれば、このできた全粉もそれから四〇%のぬかの価格というものも、一体価格体系はどういうふうになっていると考えられるか、それを先に伺いたい。
  98. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) 六十万トンの分は、これは従来の精麦業に売っております価格水準、具体的には一俵千五百六十五円で六十万トンは売るわけです。それから四十万トンの方は、これは麦ぬか増産用という趣旨でございまして、これは飼料価格その他から考えまして一俵千二百円で売るというそういう立て方をしておるわけです。それでただいまお尋ねの点は、これは御了解いただきます筋としましは、六十万トンから、つまり六割の歩どまり精麦をとりまして、そのぬかと、それから四十万トンを全粒粉にしまして、その全粒粉と六十万トンの方から出てきた麦ぬかとをまぜた製品を麦ぬかとして飼料に供するというふうに御了解いただくのが、一番手っ取り早い御理解いただく方法じゃないかと思うのですが、ただ先ほどお話しの点は、実際に精麦屋が作業をいたしますときは、その両方を合わせました、いわゆる年間にいたしますと百万トンでございますが、その百万トンの麦をふるいにかけまして、大きい粒のものと小さい粒のものにより分けるわけです。そしてその大きい粒のものを精麦しまして、小さい粒のものを全粒粉にするという作業を現実は精麦屋はやるわけです。従って作業工程の中では両方一緒にするわけです。六十万トンの分と四十万トンの分が作業工程の中では一緒になってしまう。しかしその考え方は、今申し上げましたように、六十万トンから五八%の割合精麦を取りまして、それからあとの四十万トンは全粒粉にして、これを六十万トンの方から出てきた麦ぬかと一緒にして、そういう実のまじった、いわゆる今まで人間が食っておりました部分がまざりました麦ぬかというものを、今度新しく作るというふうな形に実際なっておる。従って実際に使われた場合は両方がまじりますから、ただ作業工程のことを申し上げた。考え方は四十万トンの分は全粒粉として飼料に供すると御理解いただいたらいいんじゃないかと思います。
  99. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 その考え方については、一応わかりましたが、今度はえさの立場からいって、安売りの分の四十万トンを精麦業者に渡して全量製粉という体系をとる、千二百円で売ったものが製粉という加工工程を通って幾らになるのですか。
  100. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) 大体今回千二百円で四十万トン売りました場合、それを全粉にいたしましたものと、それから従来の麦ぬか、いわゆる六十万トンの力から出て参りました麦ぬかとが一緒になって製品になるわけであります。まあ、私どもの方で今千二石円で建値を立てておりますのは、最近の麦ぬかの市価を大体織り込んでおるわけでございまして、大体千二百円で売りますと原価は三十キロ、一袋で六百八十円くらいでしたかにつくわけでございます。従ってこれ自体からはあまり価格としてはうま味がないといいますか、あまり私の方はこれ自体でそう市場全般の水準を引さ下げるところまでには、現実にはなかなか参りにくい。ただむしろ私の方としては、量的に今麦ぬかというのは御承知のように大体三万トンくらいしか出回ってないわけですから、今大麦の払い下げは大体力に六万トンか七万トンでございます。その半分がぬかになるとしましても、大体三万トンくらいしか出回ってない、これを倍以上の出回りにするわけですから、量の所から飼料全体の価格には影響を及ぼしていくということで、これ自体としては安いものではないわけでございます。
  101. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 どうも私はしろうとで私だけがよくわからぬのかとも思いますが、その四十万トンを製粉という加工過程を通さなければならぬという理由ですね、一応計画としては全量製粉にして、やはり全量飼料によるのだということであるならば、それを製粉という過程を通さないで、そのまま玄麦で飼料に払い下げちゃうということの方がかえって安い飼料になるのじゃないか、そうして飼料が不足している、値上がりしているという現実に合った非常にタイミングのいいやり力じゃないかという感じがいたしますが、それはどうですか。
  102. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) その点は御指摘のような御批判があると思いますが、私どもはこのを案考えます場合の一番の検討の要点といたしまして、大、裸というのは日本飼料の従来の需給関係からいたしまして、いわゆる流通飼料として大、裸というものが流通をしておったということは最近までないわけでございます。これは御承知のように二、三年前まではまだ外麦を百万トン以上も入れておった状態でありますから、国内で作りますに、裸というのが、これが実際の商品として出回りますものはこれは全部食料になっておったということでありまして、その大、裸を粒で流通飼料として使ったということは、これは日本の農村にはないわけでございます。そういう使用慣行がございません。実際に農家経済調査なんかで大、裸を使っていたというのは、これは自給飼料として使っておったというようなことでありまして、いわゆる流通飼料としては麦ぬか以外に今まで使っておらないわけでございます。それでここで新たに粒を飼料に出すということをいたしましても、従来使用慣行がないものですから、粒で一体どのくらい使われるかというような見通しも現実にはなかなか立てにくい、それで最も従来使用慣行のありました麦ぬかという形においてやるというふうに考えたわけでございます。直接粒のままで使った方がより直接的ではないか、この問題は先ほど申し上げました農協方面等の払い下げ要望とも関連している問題であり、私どもも先般来農協方面の払い下げの要望が非常に強くなってきておりますので、それに対する対策は先ほど申し上げましたような線で目下検討しているわけでございます。農家が農協の共同利用施設を使ってひき割りにして使うというようなことは現実に考えられるわけです。そういう場合は、そういう需要に応ずるものとして農協機構等を通して払い下げの道は別に一つ考えたらどうかということで、先ほど申し上げたように目下検討しているところであります。一般の商品としての飼料として流通いたしますのは、やはり私どもの考え方は、麦ぬかという形をとるのが一番適当な方法じゃないかというふうに考えております。
  103. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 流通飼料としての慣行がないということは、それは私もその通りであると思います。その通りであるが、一方において、それじゃ食管の方であまり食糧として需要のない大、裸が、八十万トンも現に倉庫に眠っておるということも過去になかった、どちらもなかった。そういう現実に対してどうしていくかということであり、一方においては飼料がどんどん上がってきておる。そうして逆に鶏肉、鶏卵等も下がっておるというような傾向が出、農業基本法案を出して、釈迦に説法を申し上げて恐縮ですが、畜産と果樹農業というものが二大成長部門だとこういわれておる。その足元でもう飼料が上がってきておる。飼料不安が起こっておる。こういうことは、私は慣行があったとかなかったとかそういう小さい問題ではなしに、やはり飼料は何としても安定させるということが行政として一番大事なことじゃないか、ただ私は全くしろうとで何もわかりません。わからぬけれども、流通飼料としてはなかった。だけれども、先ほど長官がお話しになったように、先般農業団体の要請によって、八百トン払い下げたという事実もある。こういうような事実からしても、それから畜産というものをほんとうに農民が成長産業だというふうに信じ得る客観的な場を作り出すという点からいっても、飼料価格を安定する方図を、ある程度勇猛果敢にとってもらうということが、私は農林省として当然のことじゃないかという気がするのですが、いかがですか。
  104. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) 私どもも食管で持っておりますものの売り方というものは、今はこういう事態でございますから、いろいろ売り方に対する御要求もあるわけでございますけれども、やはり基本的には、最も適当な方法で売ったという結果にならなければならぬわけでございます。そういう角度からいろいろ検討しておるわけでございますが、今お話もございました通り、絶対に粒えでは食わさないといいますか、粒えとして大、裸を使う道を封ずるということも、これは御指摘のようにあまり窮屈な考え方であります。実際にその使い方として、私どもは流通飼料としては麦ぬかによる方式が一番この際の措置としてはいいと思っておりますけれども、粒えで使う、これはその使われ方は、農協等の手を通しての払い下げという形に現実になるわけでございます。そっちの方の要請が現実にあるわけであります。それはそれに対応する方法を別に考えるということで処理をして参りたい。当面の事態から考えますと、政府が持っておるものでありますから、まあできるだけ安く払い下げるということが一番望ましいわけでありますけれども、先ほど非常に失礼な申し上げ方をしましたが、食管の立場から考えますと、いろいろなことも考えてやらなければなりませんので、その辺は一つ御了承をいただきたいと思います。
  105. 森八三一

    ○森八三一君 亀田さんも、櫻井先生も、非常に何か遠慮して質問していらっしゃるような気がするのですが、もう少し端的にはっきり聞きたいと思うのです。今度の四十万トンの措置は、長官もお認めになっておるように、食糧としての措置ではなくて、えさの緊急対策の措置である。そこでそのえさを使うのは精麦屋さんではなくて、畜産農家が使うのですから、畜産農家がこういう方法で払い下げていただくのが一番よろしいというように希望する線にお沿いになることが、目的に一番沿うと思うのですね。そこで、従来粒えとして使った慣行のない裸麦をそのままやったのではどうかという非常に御親切な心配をなすっていらっしゃるのですけれども、そんな心配をなさる必要はないのです。畜産をやっておる連中が間に合わぬものをちょうだいいたしたいという希望を申し出るはずがないのです。間に合うから、また処理することを持っておるから要求してくるのであって、そんなことまで心配なさらぬでも、問題の解決はできると思うのですね。ですから、端的に、畜産農家がそれぞれの組織を通して要求してくるものに対しては、そのルートでやる、そういう道も開くということをおっしゃれば、これでもう質問は終わると思うのですがね。どうですか、そ点は。
  106. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) そういう趣旨でお答えをしておるつもりでございまして、ただ具体的に払い下げます価格等が、まだ政府部内でも、そういう粒えに払い下げます場合の価格等は決定しておりませんから、具体的に幾ら幾らでどういう払い下げの仕方をしますというところまで申し上げる段階になっていないと思います。そこで、多少私の方で遠慮をしてお答えをしておりますので、ちょっと私の申し上げる趣旨が徹底をいたさないかと思いますが、大体ただいま森先生のお尋ねになりましたような趣旨で、現実に農協方面から粒えとして使うような需要がありますれば、それに対応して売るという方法も併用をしていくという考え方で、今検討しておるわけであります。
  107. 森八三一

    ○森八三一君 その粒えということに制限なさらぬでも、生産者の組織するそれぞれの機構において全粉にする場合もあるですわね。そう窮屈に粒えにするものはこうだ、全粉にするものはこうだという区別をする必要はないので、今のえさ不足に対応する措置としてですから、四十万トンを特別措置で払い下げるというなら、その払い下げる一番端的なルートは、生産者にまっすぐにやる。畜産生産者ですね、まっすぐにやる、これが簡明なんです。その道をわざわざよけて通っていらっしゃるようなところに問題がある。そういうことも考えるということであるとすれば、四十万トンの、千二百円のものを、そういうふうに考えるという要求がなければ、それは精麦者の手を通してやる場合もあり得る。そうはっきり区別せぬでも一番最短ルートのものを優先させる、これでいいんじゃないか。別に千二百円をもっと負けろというのじゃないので、千二百円で、食管会計なんかとはちっとも関係ない。そんなことくそみたいな話なんで、さわめて簡単じゃないか。千二百円をさらにどうせいというのじゃない、千二百円は千二百円、食管会計は同じなんです。そうしてえさ対策なんですから、その使用する畜産農家が要望する線に沿って措置をしてやる、そういう道を開くとおっしゃれば、それでもう問題は解決するんですがね、そういうことじゃないですか。
  108. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) 農協に払い下げましたものは粒えにしなければならぬ、そういうことはもちろんございません。これは農協側がお賢いになればお買いになったあとどういうふうにお使いになるか、これは農協の実際に使用される姿でお使いになればいいわけです。それから四十万トンを農協に千二百円で払い下げてしまえば、それで問題は一番簡単じゃないかということでございますが、お話のように、非常にそれはそれですっきりするわけでございますけれども、なかなか私の方の手元では、それではちょっとすっきりし過ぎる。といいますのは、やはり冒頭に申し上げましたように、六十万トン程度はやはり精麦業に使うという努力をやはり食糧庁としては農大限度にしなければいけないわけです。すべて食糧用も飼料用も全部千二百円で売るのでありますれば、これは問題ないのでありますけれども、やはり食糧庁といたしましては、現在持っているもので現実に精麦用の需要に見合いますものは、これは極力精麦用に消化をするということで、最大限度のやはり努力をしなければいかぬわけでございまして、そういうことも私どもとしては十分考えながら売却の方法を考えて参らなければならないわけであります。それでどうもいろいろなことを考えますので、ただいまお話のように完全に割り切ったような姿にならないわけでありまして、その点はやはりこういう大、裸が非常にひずんだ需給事情にある段階でございますから、そういう、私どもが今考えておりますような、少し複雑な方法をとります点は、御了承をいただかなければならないと考えております。
  109. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 これは私は今、森委員が私が言おうとしておったことも言われたので、またほかの力からも御質問があるかと思いますが、あまり私、時間を占有してはいけませんので、畜産局に若干お尋ねいたしますが、この価格関係資料等を見ますと、三十二年度基準にしておったり、あるいは二十六年度から二十八年度基準にして、そうして飼料価格がどうなっていると、こういう表現をとっておられる。これは午前中亀田委員から御質問があって、各年を出そうという畜産局長の回答もありましたが、所得倍増計画では三十一年度から三十三年までの三カ年平均を基準にしているはずなので、おそらく三十二年というものをとられたのは、その三カ年平均をとることがあるいは何かの理由で、もしくは繁雑であって、そのまん中の三十二年をとっちゃえという程度で、あるいはおとりになったのではなかろうかという疑いも持っている。でなければ基準という言葉は使うはずがない。私はそういう気持がする。そこで所得倍増計画等とも合わせるために、むしろ三十一年から三十三年までの平均をおとりになったらいかがであろうか。といいますのは、ここで見ても三十二年というのは非常に飼料価格の高い年、前年に比べて、物によってはいろいろ違いますけれども、たった一年の違いで一〇%-七、八%も飼料がむしろ暴騰している年、そういうものを基準にとって、そうして三十五年なり三十六年は上がっていないのだ、こういうような何か言いわけをおとりになっているやに疑える。むしろ率直にそうした基準年次をとって、飼料価格というものをはっきり見きわめて、そうして今後の畜産を育成していくということの方が、私は畜産行政としては忠実なやり方ではないかと思うのです。まずその基準のとり方等について伺います。
  110. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) ただいま大へん御親切な御指導を賜りまして、ありがたいと思っております二十六-二十八年と申しますのは、二十七年十二月の年末に飼料需給安定法が公布になりました。そのときにおきましてその前後の年次を採用したのが二十六-八年という基準でございます。それから三十二年につきましては、ただいまもお話ございましたが、この三十一-三年という年次につきまして、一群こちらとしては資料その他においても確定しているものをとったわけでございまして、ただいまのお言葉の通り、もうこれは三十一年-三十三年という基本法の基準年次のとり方に再整理いたしまして、指数を作り上げるということにいたしたいと思います。
  111. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 それからもう一点、これも亀田委員から御指摘もあったのですが、その中で、つまり畜産頭羽数の推移で、その見方について甘過ぎるのではないかという見方、私もそういう感じがするのです。しかし、これは感じを申し上げてはなはだ恐縮ですが、感じがするということと、それからもう一つは、今までの畜産というものは、少数の頭羽飼育がむしろ中心になっておる。そういうのが今度多頭羽飼育に最近ずいぶん伸びておると思う。同じ鶏なら鶏、豚なら豚が同じえさの食い方をしておっても、ごく副業的に飼っておる場合は、残滓なり何なり、計算の上に出てこない飼料というものは、鶏にしても十数羽種皮なら、農家が放し飼いをしておる。あえて特別の飼料というものは出てこないか、もしくは出てきても全量ではない、そういう場合と、多頭羽飼育をやった場であっても、大へん飼料計算というものは違ってくるのじゃないか、そういう見方についてはどういうふうに推計しておられますか。
  112. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) ただいまの頭羽数につきましては、本年度は途中の改訂計画におきましても、年初の頭羽数を変えずに計算をいたしたわけでございますが、これにつきましては、基本法の今後十カ年の家畜の伸びその他各種の関係におきまして、すべて統計調査部の現在資料中心に作っておりますため、その間にそごのないように作りますと、今の数字が三十五年度につきましては、一応現実を把握しておるという意味で、現実に最も接近しておる数字と、これはなかなか現実とどこがどう違うかはつかみにくい問題でございますが、そういうふうに考えざるを得ないのでございます。  それでこれに対します飼料の供給面につきましては、ただいま御案内の通りに、当局といたしましては、あらかすのような悪いえさ、または残滓類というものは、家畜飼養形態の進歩に伴いまして、逐次これを需給数字から抹殺いたしております。逐次ほんとうにいわゆる購入飼料として経済的流通のありますものに集中いたしまして、内容を整備して参っておるわけでございまして、三十六年度につきましても、豚等につきましては、従来残滓等を相当、当てにした養豚があったわけでございますが、これは逆にむしろこちらは抹殺してしまうというやり力で数字を作っております。
  113. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 観念としては、そういうふうにおやりになっておるということで、私はけっこうだと思いますが、なかなか計算はむずかしいと思うのですよ。少ない頭羽数の飼育から多頭羽飼育になった場合に、特に濃厚飼料の一頭羽当たり供給というものを、どういうふうに組みかえていくかということは、なかなか妥当な単位数字を出すということは、むずかしいのじゃないかと思いますけれども、そういうようなところに飼料需給についての、失礼な言い方だけれども、あるいは誤算が起こる可能性があるのじゃなかろうかという気持がいたします。その点については、今参事官は、せいぜい考慮しておるのだということでありますから、一応信頼はいたしますけれども、何にしても豚の暴騰で消費者を驚かし、一年もたたぬうちに、今度飼料値上がりし、そうして畜産物が値下がりするということによって農民を驚かすということでは、今後の政治の面からいっても、大へん私は心配でならぬのです。いろいろ事由をあげて弁解説明は通ったにしても、現実の姿というものが正当化されていないと、それはまだ答弁のための答弁ということになります。過去の責任どうこうということを私は申し上げているのではなしに、現実を正確に把握して、妥当な政策というものを、一日も早くとっていく。そうして農民が安心して信頼して、畜産経営というものを拡大していける場を作り出して参る、こういうことを食糧庁畜産局にお願いして私の質問は一応やめます。
  114. 河野謙三

    ○河野謙三君 この機会に食糧庁の力から、精麦工場の企業整備ですね、これはどういうふうにして進行しておるか、これをまず第一に伺いたいと思います。簡単でけっこうです。
  115. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) 去年、おととしでございますか、十五万馬力ほどございましたのを六万五千馬力整理いたしまして、九万馬力というものに制限をいたしまして、その積立を二カ年間やっておるわけでございますが、大体この六月くらいで積立の金を全部終わりまして完結をするのじゃないか。工場は、それでそのときに、おととしの七月から十月までの間に全部一応やめるものについてはやめておる、こういうことであります。
  116. 河野謙三

    ○河野謙三君 この五月ですか六月に最終目標に達する、最終目標に達した場合の精麦能力というものはどれくらいですか。
  117. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) 約九万馬力です。
  118. 河野謙三

    ○河野謙三君 馬力でなくて精麦の処理能力は何万トンになるか、麦にして何万トンくらいの処理ができるか。ラウンドの数字でいいですよ。
  119. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) 大体能力にいたしまして三百五十万トンくらいなものです。
  120. 河野謙三

    ○河野謙三君 麦の処理能力が、フル操業の場合三百六十万トン、ところが来年度の麦の需要量を一応六十万トンに押えておるというと、稼動率は幾らになりますか。五〇%にもいかないわけですな。それが、私の言う五〇%以下ということが実情ですか。
  121. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) これは三十四年度の終わりでございますので、最近のやつは今ここにございませんが、それは、その能力が百四十万トン前提のときに五割近く持っていこうという関係でやっておりましたが、それが需要がまたがたっと落ちましたので、整理をいたしましても、やはり五〇%以下の稼動になっておるということは事実であろうと考えております。
  122. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうしますと、一応第一次の企業整備計画は順調に進んだとして、今のこの精麦の事情からいって、続いて第二次の企業整備というものを当然やらなければならぬ。いかなる企業でも、五〇%以下の操業では企業が成り立つわけはない、第二次をお考えになっておるのですか。
  123. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) 今のところ私どもといたしましては、もう第二次の企業整備は、精麦の業者の方々にもそのときこれは最後のものになるというふうに申し上げてございますので、今直ちにこの企業整備をやろうという考えはございません。
  124. 河野謙三

    ○河野謙三君 私がこれを伺いましたのは、精麦工場の設備能力が非常に過剰である。であるからこの際はせめて精麦業者に、時たまたまえさが非常な不足を来たして四十万トンもの大、麦裸を払い下げるのだから、精麦業者に少し情けをかけて、そちらの力の工場を通してやればいいのではないか、こういうようなことも八方にらみの一つに私は入っているのじゃないかと、こういうふうに憶測するのですかね。それはそれでよくわかりますけれども、しかし一方きょう畜産局からいただいた資料によりますと、麦ぬかのごときは、こういうことはいまだかつてありませんよ、卸売価格よりも小売価格が安いなんということは。いただいた資料によりますと、麦ぬかの場合は卸売が七百七十五円で、小売が七百二十五円、これはまあ食糧庁も御存じだと思う。これが順調に需給関係が見合っておるときならば、精麦業者に多少の情けをかけるということもあり得るかもしれませんけれども、一般畜産農民から見て卸売価格よりも小売価格の方が安いのだと、しかも安いといっても七百二十五円もしているのだ、こういう異常な状態にあるときにそういうものに情けをかける余地は私はないと思うのですよ。その点については私の思い過ごしでしょうか。もし精麦業者にそういうような点で、企業の整備が終わってもなおかつ五〇%くらいの操業力がないというなら、別にその精麦業者に対する行政はお考えになったらいいのであって、それとえさの問題、畜産農家との問題を混同されることは、私は非常に困ると思うのですが、その点私の誤解でしょうか。
  125. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) 別に精麦業者に対する企業対策という考え方は、今回の払い下げ方、式の場合には、そう私どもは強く頭には置いておりません。先ほど来繰り返し申し上げておりますように、その問題の処理の方法としては、麦ぬかで処理をするのが一番適当な方法である。麦ぬかにして使うということにいたしますと、その粘着業者を使って出すということになる、そういう考え方の筋でございまして、あまり企業対策という考え方は強くは持っておらないのでございます。まあ大、裸を相当量、これはまあ将来の問題としても、えさに使うというような事態も実際の動きとして考えなければならぬということもあるわけでございましょうから、今後どういう形でやるのが一番合理的であるかということが、実際の実施の過程を通じまして、順次固まって参りますればその方式をとるということ、今後の推移によって十分実際一番合理的なやり方を考えていくという程度の幅で、私どもは考えているのであります。この際の措置としては、麦ぬかでやるという考え方から精麦業者を使うと、こういうことでございます。
  126. 河野謙三

    ○河野謙三君 麦ぬかでおやりになることに私は賛成しないのですが、それじゃ一つ、かりにそういう政府の手持ちの四十万トンという大量の麦を払い下げてえさに回すということであれば、もう少し政府自体が積極的にこの対策に乗り出さなければいかぬと思う。それについては今の飼料需給安定法に基づいて、これは対象品目になっておりませんね。これを畜産局の方では対象品目に麦ぬかなり、その他必要なものを追加するというような腹づもりは現在ございませんか。
  127. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 今回食糧庁がとろうとする措置が的確に行なわれれば、すぐは必要ないと思います。そういう措置すらとられない場合は、法律改正をしまして、もっと飼料需給調節及び価格安定の体制を強化しなければならぬと思っております。
  128. 河野謙三

    ○河野謙三君 これはもう少しいろいろ意見を伺いたいんですが、後日に譲りまして、十分一つ、この際飼料需給安定法の精神を生かすように、もう少し幅を広く積極的に私はお考え願いたいと、こう思うんです。  次に食糧庁に伺いますが、ふすまの問題ですが、私は前から、現長官にも私の意見を申し上げたこともありますが、これはさかのぼって、昭和二十六年か七年に飼料需給安定法が制定されるときに私は申し上げたんですが、食糧庁が製粉業者に政府手持ちの麦を払い下げる場合に、私の理想としては、加工を委託して、でき上がった粉は製粉業者をして売らしめる、でき上がったふすまは叫び政府が全量製粉会社から買い上げて、政府の手によって、政府のルートによって実需団体に払い下げる、そういうことが一番いいじゃないかということを私は申しております。いまだにそれでなきゃならぬと私は思っておりますが、まあしかし、多数の人の意見で現在の需給安定法ができたんですが、しかし現在の需給安定法によりましても、政府小麦を製粉業者に払い下げる場合には、政府の払い下げの麦の価格から出発して、加工料その他を計算して、粉は幾らであるべきだ、ふすまは幾らであるべきだという一つの理想価格というものはあるはずであります。その理想価格と、現実にふすまの現状価格が非常に私は大きく離れておると思う。こういう場合に、もとは政府の手持ちの麦を払い下げたのであるから、粉にしてもふすまにしても、あまり大きく理想価格と隔りができた場合には、政府は当然適当な措置をとるべきだと思うんですが、一体その理想価格というものは、粉なりふすまというものは、現在の払い下げの麦の価格から算出して幾らになっておりますか。
  129. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) 私どもの方で小麦を払い下げます場合に、加工賃の計算をいたします際に、ふすまは副産物収入として見るわけでございますが、これは実際には市価の上がり下がりがあるわけでございますけれども、毎年六月にきめます際に、その当時とり得る資料から判断いたしまして、そのときに織り込んだものを大体一年間は動かさないでやっております。今織り込んでおりますのは五百八十円、それから粉の方は、製粉価格がたしか一袋九百七十円ぐらいになると思っております。
  130. 河野謙三

    ○河野謙三君 ふすまは五百八十円を  一つの計算の基礎にしておるとおっしゃいましたけれども、今手元にもらいました畜産局資料によりますと、三十六年の二月ですか、これは輸入ふすまの場合ですが、六百七十二円になっていますが、内地の製粉会社が全購連等に売っているのは、まあいろいろありますけれども、八百円以上になっているのがあります。そうすると、その問の開きが一割とか一割五分とかいう程度のものじゃないんですが、こういう場合に、まあいろいろの措置を考えておられますか。何かもう少し、私は、徹底した措置をとられるべきであると思いますが、同時に、今、粉が九百七十円とおっしゃいましたが、現状の粉の価格というものはあまり政府の計算されておる九百七十円と変わっていないと思う。ただ、ふすまだげが非常に高騰しておるというと、世間で言うように、製粉業者でなくて製ふすま業者だと。ふすまは副産物でなくて、ふすまでもうけて粉の方は一つぱい  一ぱいで売っている、こういうのが製粉業者の現状だと附いておりますが、これは少し農家にしてみれば迷惑千万だと思いますが、何かこれについてお考えを伺いたいと思います。
  131. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) 御指摘のように、最近はふすまが非常に荷いわけでございまして、政府織り込み価格とかなり離れておる、まあ私どもの方にしましては、玄麦を売却しまして、現在の体制では、製品及び副産物の価格そのものに直接介入をすることは避けております。そのかわり下がったときでも下がっためんどうは見ないということで、実際やっているわけでございます。まあ非常にむずかしい問題でございまして、あまり高いときに行政的な介入をしますと、下がった場合のめんどうも見なければいけないということになりますので、まあ私どもとしては、できれば直接価格に介入したくないという考え方を従来とっておりますから、まああまり極端な取引が行なわれるようでありますれば、これは現実に私の方で売却をいたしているものでございますから、可能な範囲内においての行政指導はやらなければならぬと思っております。
  132. 河野謙三

    ○河野謙三君 くどいようですがね。政府指示価格という言葉は当たらないかもわかりませんけれども、政府の考えている価格よりも下がったことありますか。私の記憤じゃないのです、そんなことは。常に政府の考えている価格よりも一割、二割、三割高いところにふすまの価格というのは安定しているし私自身政府自体がこういうことに直接介入することについては疑問を持ちますけれども、今日のような異常な事態におきましては、何らか考えなければいかぬと思うんです。輸入ふすまを入れたらいいじゃないか。輸入ふすまは外国で高くていけない。品不足でしょうがない。こういう場合に、それはやはり食糧庁の長官の手元において製粉業者との間に何らかの取りきめを私はしておかなければいけないと思う。そうして常時発動しないまでも、緊急の場合には発動するというようなことをやらなければ、私はふすまの対策というものは今後片づく時期はないと私は思うのですが、きょう緊急対策というものをいただきましたが、私はこの程度でも片づかぬと思います。御承知のように、畜産局長言われましたけれども、えさと申しましても、ふすまは大体えさの価格を常にリードしていっているのであって、ふすまの価格というものを第一に安定させることが、えさの私は根本対策だと思うんです。しかもそのふすまに対しては、政府は打つべき手がない。現実においては打つべき手がないということでは、ここで幾ら議論したところで、私は解決しないと思うんですが、何か特別、もしこれがこのままで推移して少しも下がらないという場合には、さらにどういう手を打つということを、畜産局長、食糧庁長官からお伺いしたい。
  133. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) よく畜産局の方とも相談をしてみたいと思っておりますが、なお引き続き非常に高い水準で推移するような状態が続きますれば、これは私の方としても何か適当な対策をとらなければならぬと思っております。
  134. 河野謙三

    ○河野謙三君 この機会に念のために伺っておきますが、高いとか安いとかいうのは、どこに大体線を引いておられますか。五百七十円のものが七百円になったら高いとか、八百円になったら高いとか、もちろん今の八百二十円とか三十円というものはこれはべらぼうに高いと思うんですが、しからばこれは七百五十円に下がったならば妥当な価格とお考えになるのですか。六百五十円になったら妥当とお考えになるのか。そこらのところは、食糧庁なり、畜産局で一応妥当な価格というのはどの辺に抑えておられますか。
  135. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 河野先生の先ほどの御質問に対するお答えも一部合わせまして申し上げます。あとで食糧庁から申し上げます。飼料需給安定法食管特別会計飼料の勘定をいたしますもので扱いまする輸入ふすま及び玄麦を輸入して専管工場及び増産ふすま工場で六割の、ふすまを引くものに関しましては、午前中に申し述べましたように、三十キロ裸で五百八十円、包装込みで工場渡しにしますと六百十七円、これをずっと据え置きにいたしているのであります。それから輸入ふすまも政府の払い下げの基準価格として同一に見ております。そしてそれは実行されておりますが、輸入ふすまを払い下げる場合には、申し上げましたように一般競争入札で売りますので、そこでこの、ある場合は安いときもありますし、最近は非常に高くなっている。これは一般製粉から出るふすまの市価から出ていると申し上げざるを得ないのであります。従って専管増産ふすまは指定をしました工場農林省畜産局長指示価格と普通言っておりますが、一貫した価格指示販売をさしておりますから、それはずっと励行されておるとこう考えておるのでありますが、   〔委員長退席、理事櫻井志郎君着席〕 その売り渡し対象を広く一般市場に、放出しますと、規格も違う値段も違うものでございますから、八十地方団体売り渡しておるわけでございます。価格は一般的に異常な場合も政府の指導あるいは法律に基づく措置としまして、需給安定法には政府所有の麦から出るものについては条件を付することができる規定もございますので、そのような措置をとるのがいい、緊急対策ではまず業界に要望したい、そういうことを考えておるわけであります。  次に、価格でございますが、この価格は目下のところは昭和二十六年、二十八年の畜産物価格パリティに照応するがごとき基準年次でこの価格の権衡を保っておりますので、その価格が裸で五百八十円、包装込みで六百十五円、そういう基準が適当であると思って堅持しておるのであります。
  136. 河野謙三

    ○河野謙三君 食糧庁、幾らのふすまが適当であるか。
  137. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) これは今までの畜産局飼料行政全体の立場から御判断をいただいて、それを基準にして私ども考えればいいと考えております。
  138. 河野謙三

    ○河野謙三君 とにかく政府関係で五百八十円というものを包装込みで六百十何円ですかというもの、その中には製粉工場相当利潤も見てある価格ですね。それを百円も二百円も上回った場合、これは全く不当な価格だと思うのですよ。また製粉業者は不当な利得だと思うのですよ。これに対して政府の力で、六十何円ときちっとしたものでなくてもいいですが、七百円以下でなければならぬとか六百五十円前後であるとかいうような基準があるべさだとこう思うのですがね。私の考え方は少し窮屈過ぎますか、間違っておりますか。
  139. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) ただいま私のお答えが足りませんでしたが、ただいま申し上げましたのは政府売り渡し価格または専管増産ふすま工場売り渡し価格でございまして、これに適当な卸し及び小売のマージンが加わったもの農家の入手価格の適当な価格ということでございます。
  140. 河野謙三

    ○河野謙三君 私の伺っているのは、内地の製粉工場から発生するふすまの価格、これが食糧庁の計算によると五百八十円だとおっしゃる。それに運賃その他を加えましても現状において全購連あたりで八百二十円というようなことを私聞いておりますが、これは市価としては不当じゃないかと思うのですが、妥当な市価というのは一体内地のふすまの場合どのくらいと考えるか。食糧庁の方。   〔理事櫻井志郎君退席、委員長着席〕
  141. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) これは私の方で五百八十円で織り込んでおるわけでございます。現実にはそれと、その価格とは別の価格で動いておるわけでございます。これはどの辺が妥当であるかということは、これはまあ先ほども申されましたように、飼料行政全般の立場から畜産局の方で判断をする。それによって私の方も判断をしたい。
  142. 河野謙三

    ○河野謙三君 それなら逆に五百八十円であるべきものが八百円にしておるというなら、政府は食管で赤字を出しているものですから、製粉業者に不当利得を得さしておく必要がないわけだから、製粉業者に追徴を私は取ることもできると思うのですよ。年間のこの販売実績等によってそういうこともやらないと、完全に製粉業者の不当利得ですよ。そういうふうになると私は思うのですが、その点くどいようですけれども、どうです。不当利得じゃございませんか。
  143. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) これは私から申し上げるまでもなく、粉とふすまと両方の価格関係から製粉業者の利潤というものが出て参るわけでございますから、その両方を見て判断をしなければならないのでございます。まあ、現実には粉の問題、粉の方の価格の問題につきましても、昨年の秋以来いろいろ問題はございますが、政府のいろいろな消費者物価対策の見地から、粉の値上がりは極力これは押えているような実情でございまして、両方からにらんで見なければならないわけでございます。お話しのように、ふすまの価格は時勢によって毎年六月に小麦の払い下げ価格をきめますときに改訂したらどうかというような意見もあるわけでございます。しかし、これはふすまの価格水準に対して一番影響がありますので、従来そういう方法は一切やっておりません。
  144. 河野謙三

    ○河野謙三君 食糧庁長官もお認めになっているように、現状におきまして製粉工場は粉の方は比較的安く売って、その分今度はふすまの方を高く売って、そうしてそろばんを合わしている。食糧庁の方はふすまと粉との全体をにらみ合わして一つ指導している、こういうふうに私は受け取れたのですが、それは非常に私は農民の方から見れば迷惑千万だと思うのです。一方は都会でおしゃもじをかついで歩くから、粉はうるさいから上げないでおいて、農村はおしゃもじかつがないから放っておく、これはやはりふすまの原価計算、粉の原価計算、別々にお建てになっているのであるから、それとこれとはやはり一つにしないで両建てで一つ私は指導していただきたい、こう思うのですが、これはやはり今後とも従来通り製粉業者の指導監督に当たっている食糧庁としては、そのときの粉の値段とそのとぎのふすまの値段、これをプールしたもので製粉業者の経営をにらんでいる、こういうことに今後も変わりございませんか。私はそれは非常に矛盾があると思うのですが。
  145. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) これはふすまの価格につきまして、どの程度まで実際に行政的な指導ができるかという問題とからむわけでございます。目下のところ、私どもの方では従来やっておりまするようなやり方を続けていく以外に適当な方法はないのじゃなかろうか、まあ、よく検討いたしまして、いい方法があればもちろんそれを取り入れていくことはもちろんでございます。
  146. 河野謙三

    ○河野謙三君 どうも質問が、もういいかげんに打ち切ろうと思うのですが、いい方法があればというような、人様のふところのようなことをおっしゃらないで、現実に利害関係ははっきりと粉の方の消費者には非常に都合がよくできておって、ふすまの方の消費者たる農民には非常に不都合であるという実情にあるわけですね。これはなかなか方法論としてはむずかしいでしょう。むずかしいでしょうけれども、これは食糧庁一つ何とかお考え願わなければいかぬと思う。私にうまい解決策といえば、私は前段から申し上げているように、政府が麦を払い下げるときに条件として発生したふすまは、全部政府が買い戻すということをやれば簡単だと思いますが、それもなかなかできないということであれば、何か別の方法をお考えにならなければ私は無理じゃないか、こう思うのです。  次に、私は畜産局長に伺いたいのですが、輸入ふすまの指示価格ですか、指示価格というのは卸の段階を指示しておられますのですか、それとも小売の段階を指示しておられるのですか、私はこういうふうな非常に品物が不足しているときに、末端の農家の庭先までの指示価格というものは実行上困難だと思います。思いますけれども、卸の段階までで、あとは野放しだということでは、これは単に卸屋をもうけさせるだけだ、こういうことになると思うので、何かこういうふうな場合には緊急な措置が必要だろうと思います。それから学校給食の麦の割当から発生するふすま、これに対しては何か指示価格がございますか。
  147. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 輸入ふすまは従来申し上げましたように一般競争入札で売っております。これは飼料需給安定法原則的な売り渡しによっておりましたのですが、従いましてこれは政府一般競争入札をします場合の基準価格専管ふすま及び増産ふすまの価格と一致させるようにしている、こういうことでございます。専管ふすま、増産ふすまと違いまして、輸入ふすまは一般競争入札で売りますから、卸が小売に売る場合、小売農家に売る場合については条件を付しておりません。需給操作をすることを通じてふすまの市価を安定させるという趣旨を強く持っておったのです。現状はそれでいいとは思っておりません。専管ふすまと増産ふすまは規格も違いまして、小麦粉のような内容相当入っているわけでございます。横流れを防止する意味において、これは政府が売り渡す価格政府がきめると同時に、専管ふすま、増産ふすまを卸、小売に売ります場合、飼料工場に売ります場合もありますが、その価格指示しておりまして、そうしてそれが袋入りで末端までいく場合は小売価格も卸、小売と想定いたしまして、袋に記入させて、奨励的に励行をさせるようにいたしておる。今後緊急事態についてこのやり方をどうかとすれば、専管増産ふすまのやり方を拡大していき・たい、こういうふうに思っております。
  148. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) 学校給食用の粉から発生しますふすまにつきましては、別に私どもの方で実際の取引価格というものの指示はいたしておりません。
  149. 河野謙三

    ○河野謙三君 私は希望ですが、政府が特別措置によって学校給食の玄麦を割当している以上は、こういうえさの不足時代でありますから、当然政府において学校給食の麦を扱っている工場に対して、発生するふすまについては、少なくとも払い下げ団体とか、またそれに扱うところの価格であるとかいうものは、もっと積極的に指示価格等を採用されることがいいのではないか、こう思います。  時間が長くなりましたから最後に伺いますが、かように各種飼料が非常に不足して異常な価格が出て参りますと、品質の保全につきまして、名地方に非常に問題が多うございます。麦ぬかの場合にいたしましても、ふすまの場合にいたしましても、特に配合飼料については非常にいろいろ問題が多いのですが、現行の飼料取締規則の程度では、完全な飼料の取り締まりが行なわれない、かように思いますが、何かこの際今後に備えて飼料取り締まりにつきましてのお考えがございましたら、一つお示しいただきたいと思います。
  150. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 河野先生御指摘の通り状況でありまして、農民側の要望もございますから、飼料の品質改良については、なお強化をいたす方向で検討いたしております。三十六年度といたしましては、東京にありまする飼料検査所を従来より若干増加をいたしますほか、地方飼料といたしましては、県庁で検査をいたしますように予算措置を講じております。まあ十分とは思っておりません。
  151. 河野謙三

    ○河野謙三君 現状、取り締まり関係の職員というものは何人ぐらいおりますか。
  152. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 本省の飼料検在所は二十一であります。府県庁は大体県が二名ぐらいで当たっておるようであります。
  153. 北村暢

    ○北村暢君 先ほど四十万トンの農協団体、農民の直接に希望のあるものにもものをやりたい、こういうことだったようですがね。そこで精麦業者の方を通すものと農協を通じて直接利用したいものとの比率はどのように考えておられるか、これはまた年間を通じてでしょうから、毎月の需給計画というものですか、そういうものも考えておられるのだろうと思うのですが、そういうものと関連してどのように配分を考えておられるか。
  154. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) 精麦業者に売りますものは、目下は総ワク四十万トンと考えておりますが、その四十万トンのほかになお二十万トン程度あるわけであります。農業団体向けのものは実際にどの程度需要がありますか、その実際の需要を積み上げてみまして、その二十万トンの分から農業団体の方に売るようにしております。
  155. 北村暢

    ○北村暢君 それから畜産局長にお伺いしますが、きょう資料をいろいろもらいましたが、こまかい資料で私はまたこまかく検討させていただきたいと思いますが、需給安定法によります関係資料が非常に多いわけです。私はこれは予算委員会でもお尋ねしたいと思ったのですが、できなかったのですが、国内の濃厚飼料の自給度、これを今後どういうふうに高めていくかということと、それから輸入飼料関係なんですが、率直にいって企画庁でもこのえさの問題については、所得倍増計画の中で一応裏のものはあるけれども表に出したものはないと、こう言っておるわけです。従って、この飼料の問題は非常にむずかしいので、先ほど櫻井委員も言われておったが、現在まででこれだけの膨大な飼料が要る。このほかにこの統計に出てこない飼料というものがあるわけです。都市周辺の残飯でやっておる相当大きな養豚業者もおる。そういうものはこういうものに出てこないわけです。今後ふえるものについては、もう限界に来ておるのですから。そういう飼料というものは、ほとんどが多頭飼育というような主産地経営ということになれば、これは購入飼料に依存せざるを得なくなってくる。そういうふうに思うのです。従ってこれについてはやはり相当計画性というものを示さたないと、農民はえさが高くなって採算がとれないということが出てくるわけです。従ってこれについて私は畜産局は一体どのような考え方を持っておるのか。計画があれば今でなくていいのですが、資料にして一つ出していただきたい。このことを要求しておきたいと思うのですが、それからもう一つ濃厚飼料だけがきょうは中心に問題になっておりますけれども、やはり今後の畜産というもの、特に私は農民的な畜産、豚とか鶏というのは、どうしても今大資本と商事会社が進出してきているのですから、この問題で相当な圧迫を加えられて、豚小作、鶏小作というような形が出てきておる。従って、この面でも、鶏は特に水産会社のフィッシュ・ミールとの関係で、鶏小作のような形が出てきている。こういうことで、この問題も非常に重要ですが、農民にとって最もやはり重要になってくるのは、草資源に基づく粗飼料、これが対策として私はやはり非常に重要だと思うのです。現状は一体、飼育の状況、形態からいっても、ほとんどは五頭下の飼育状態になっている。しかし、まあ、これは多頭飼育ということになっていけば、どうしても草資源という問題が問題になってくるわけです。でありますから、そういう点については、予算委員会の農林大臣の答弁では、今後草地造成ということについては三十万町歩か四十万町歩しか考えておらない。こういうことだと、所得倍増計画による乳牛並びに役肉用の牛、これの増加計画、拡大の計画というものと、粗飼料計画はバランスがとれないと思うのです。従って、現状を改善をする。現状においては、おそらく草の足りない分を濃厚飼料で補っている。しかも、都市周辺の濃厚飼料だけにたよる業者はいいですけれども、今度はやはり多頭飼育ということになれば、平場よりも、どちらかといえば、傾斜地帯に牛というものは移行する可能性を持っている。そういう点から考えれば、どうしてもこの草資源というものが問題になってくる。従って、そういう点からいって、その現状なり、今後の見通しというものについて一つお伺いしておきたいと思うのです。
  156. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 北村委員の御質問と御要求よくわかりましたが、自給飼料濃厚飼料を通じ、どういうふうにかみ合わして計画を立てるかということと、その表現を、養分であるか、蛋白であるか、澱粉価であるかなど、非常に形式が複雑なこともやっておりまして、御趣旨に沿いますように文書で提出いたします。いたしますが、全部にお答えするのは従って省略されるかもしれませんが、要点だけを簡単に申し上げますと、所得倍増計画を立てようという政府方針でございますから、農業の今後の基本対策中の重要部門といたしまして、家畜の改良増殖計画を立てておるわけであります。その家畜について見ますれば、おのずから飼料需要が出てくるわけです。しかし、乳牛、養豚、鶏のような濃厚飼料をたくさん食うものと、その他の草食動物のようなものとを、どれをどう伸ばすかということによりまして、飼料需要がまた変わるわけであります。そういうような事情がございますが、先般予算委員会におきまして、農林大臣も、十分にしっかり立っておらぬ、こういうお答えをなさいましたが、そう言えばその通りでございますが、そのときどきには、この計画でいこう、直すべき分が発見できた場合には直すことでいこう、として幾つかの案を持っておるわけです。最近時の、比較的これでよろしかろうというのをお出しすることになろうかと思います。また御指導をお願いします。  その飼料需給計画について見ますると、十年間を見まして、三十五年と四十五年、御指摘の収草面積は、今五万六千ヘクタールでございますが、これを五十万町歩と御指摘になった計画でございます。野草改良は、野草地は現在三百十九万ヘクタールぐらいあるという想定をいたしておるのでありますが、これを牧草地に変えるとか、面積は減らすが、野草を改良するという対象としまして、四十五年には二百五十七万町歩にしたいと思っておるのであります。これに伴いまして、また、ヘクタール当たり、面積当たりの優良自給飼料、特に牧草、青刈飼料の反当収最の増加も見込むことといたしまして、そのおのおのは大体四割ぐらい十年間でふえていくだろう、詳細はまた別紙で御送付いたしますが、その結果、生産量といたしましては、三十五年度が一千万トン草地で飼料を供給するに対して、四十五年は二千七百五十万トンばかり、ラウンドでございますが、そのような目標を立てておるのであります。その蛋白はどう、養分はどうということは別紙でお願いしたいと思うのでございますが、また既耕地でございましても、飼料作物と緑肥作物と農場副産物と御承知の通りございますが、飼料作物について例を申し上げますれば、三十五年度は三十九万二千町歩あるという農林統計でございますが、これも八十六万町歩くらいまで持っていきたい。反当収量は倍くらいには持っていきたい、こういうことにしまして、粗飼料現状と四十五年の、むずかしい計画ですけれども、現在を一〇〇といたしますれば、二〇六くらいまで持っていったらどうだろうというのを、家畜、家禽の改良増殖計画と見合わせておるわけでございます。従いますると、残りは、国産濃厚飼料をいかに考えるか、及び輸入濃厚飼料をいかに考えるかということと、これは兼ね合わせまして、自給率がどんなふうであろうか、輸入依存度がどういうふうであろうかということになるわけでございますが、現状飼料自給率を、総飼料、すなわち粗飼料濃厚飼料についていろいろそろばんをはじいてみますると、三八%ばかりが自給率でございまして、四十五年にはこれを四五%の方へ持っていきたい、輸入依存度は、これは穀物が主になりますが、三十五年度が一六・七%でございましたが、やはり家畜改良増殖計画畜産物生産と四十五年の畜産物需要とを見合わせるような考えで持ちますと、濃厚飼料輸入は増さざるを得ない。そういうので、目下のところの案では、濃厚飼料輸入依存度は二三・四%となるであろうと思っておる次第であります。その量がどんなものであるかということでございますが、御承知の通り、ふすま以下いろいろの養分を持ちました飼料穀物あるいは副産物等が当然入ってくることになりますが、蛋白、澱粉価、総養分等を、価格関係を、現状あるいは過去等を参考にいたしまして、家畜の種類によってどの飼料におもに使われるのが高率かを考え合わせながら考えますと、三十五年度は延べのトン数でございますが、飼料輸入は百八十九万トンでありましたものが、四十五年度は五百五十五万トンでございます。前に試算をしましたときには、ある場合は八百三十万トン、ある場合には七百七十万トン、こういう案も研究いたしまして、これは鶏や豚に重点を置いて園や卵の消費量を高くするというようなことを入れますと、この濃厚飼料輸入が八百二十万トン、七百七十万トンになる、そういうような関係を持ちましての計画でございます。
  157. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 今お話を承わりまして、大体いいと思いまするが、どうもはっきりしない節があって残念でございます。そこで飼料が特に不足いたして、大へん食糧庁としましてはうれしい悲鳴で、大麦、裸麦が余って困っておったということでございますから、大へんしあわせでございますが、ところが聞いておりますと、何だか飼料業者にやられるのがほんとうだというような腹でお話をなさるものだから、私の聞きようが下手なのかもしれませんが、協同組合が要求したものは、それでさっそくよかろう、あるいはいかぬとも聞えます。それで一つ百姓が作ったものは、少し困ったと言えば、それをおいそれとあっさり払い下げるようにしなければならぬと思うのですが、そうでもないのですか、どうですか。じわじわと必要に応じてやられるような感じもし、やられないような感じもするのですが、どうですか。
  158. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) 先ほど来お答えを申し上げておる通りでございまして、農業団体から払い下げの要望がありますれば、これに対しても払い下げる方針で考えております。
  159. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 何かつけ言葉のようなことで、ほかのことを聞いておるのじゃないのですから、農業団体がほしいというものだから、それを聞いておるのです。その言い方が非常に何といいますか、ふてくされた、なかなかしぶとい食糧庁長官の話だものだから、どうもいけない。業者のことは聞いておりません。協同組合の方でほしいというのだから、差し上げますと、それでオーライということをはっきり言って下さい。
  160. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) 先ほど来お答え申し上げている通りでございます。
  161. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 畜産局長にお聞きしたいと思うのですが、私は飼料が余っているとは思いませんが、しかしまたそんなににわかに大不足ということになるとは思っていない。食糧庁の方で大麦、裸麦が余って困るということを聞きましてから、やがてはえさの問題が出てくるのではないかと思っていましたが、はたしてえらい勢いで足らないようになった、どうも近ごろこういうことがはやって困る。たとえて申し上げますと、大豆がそうではなかったか、三十四年産から五年産になると日本大豆は使えないと言うと、そうかなと言ってまたいろいろな方面からわかっておらなければならないのにわからなかったものと見えて発表しないでおいて、ぽつんと出してきて、えさが足らないと、畜産局の方でも今までえさが足らないということは知っておったと思うのですが、その点どうも原料は食糧庁が持っておって、政策は畜産局が立てる、こういうわけですから、思うようにならないと思うが、もう少し早くから手を打ってこういう相談をしなければならないと思うが、今までしなかったのか、自然にそうなったのか聞きたい。
  162. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) ふすま、麦ぬか、大、裸麦大豆大豆かす魚かすを通じまして、食糧関係の方からする精麦とか、大豆油とか、小麦粉の状況、それから魚粉とかというような情勢からは、えさが不足するから食糧庁、水産庁に早く協力をお願いしまして輸入するものなら早く輸入する、大豆かす魚かす等は、畜産局需給の見通しから必要な場合は過去にそう実績がなくても輸入する、国内価格輸入価格が非常に差があっても輸入する、そういうことを実は昨年秋から再三やって参りました。関係庁も団体も、意見があるところは反対もされるところもありますし、御協力の努力もされてきましたのですが、なかなか意にまかせないことが供給者側の食糧庁その他にあるようでございまして、それが日が重なりまして、どうしても足りない場合は、たとえば輸入畜産局で断行するといっても、その場合待ってくれというのが長くなった点は事実あると思います。以後率直に私の方も必要な手は打つ。外の、外といっても農林省の中ですから、食糧庁、水産庁なりに御協力を特段にお願いいたしますように、タイムを逸しないようにやるつもりであります。
  163. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  164. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) 速記を始めて。  他に御質疑もなければ、本件についてはこの程度にいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後四時三十九分散会