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清澤俊英君 ここで同じことを言うようですから、この問題はとりやめますが、大体、信濃川が切れたとします。被災地域は長岡地区だけじゃないんです。少なくとも三条ぐらいの地区までは被災地区となって及ぼしていきます。それから他町村に及ぶ、こういうことなんですが、それを防ぐんですから、
一つの町村だけが、その当面したる町村だけが三分の一というものを残されることは、これ
一つで私は不合理だと思うんだ。今度の中小河川ですね。見附市です。見附市の六本木という所が切れました。これはとうとう破堤しちまった。破堤したものはどこへ行ったかというと、三条市のそばの坂井村という所へ行って湛水して、一番の被害は坂井村があっている。約七日から十日間ぐらいの湛水です。切れた所よりは、かえって別な所がひどい目にあう、こういうような非常な大きな関係を持つと思うのです。それが幸いにして防備することができたとしたならば、見附は三分の一の町村負担をしなけりゃならぬ。県もいろいろありましょうが、そういうこまかいことは私は言いません。現在の水防の資材に対する補助の仕方から見れば、表からいえばそういう形で残る。助かるものは坂井村だ、こういうことになる。そこに非常な不合理もありますから、従いまして、関係するものはもうこまかく言いましたら非常な大きな関係を持ってくると思います。そういう点から
考えたならば、水防資材等の使ったものはわからぬことじゃないんだから、そこにちやんと積んであるんだから、だからごまかされることのない品物でありますので、全部をこれを国なり県なりが補助するというような形をとってもらいたいと、これは私の意見ですが、ということをお願いして、この
質問は打ち切ります。
次に、幸い、河川の水防に対する基本法というのですか、そういうものをお
考えになっておられるというので、それで私は先般も、梅雨前線の際に、山内局長にちょっと
質問かたがた、自分の意見を吐いておったんでありますが、それは、最近、上流にダムができる。ダムができまして、年のうち約三分の二くらいが渇水している。たまたまの降雨期等に土砂が流れてくるとすぐ
——これはまあ夕立ぐらいの雨で流れてくる。それが付近にたまるんですね。たまって、そして長い間の天候に続かれるので、固定してしまう。そこへ州がいろいろな形ででき上がる。そういう州ができることによって水勢が変わって、そして、次から次と破堤の
原因を作っている。土地の者は、ああいうところに州ができたから今度はあぶないとちゃんと知っている。これはしばしば問題になって、建設省に県会議員等が県の土木部を通して意見を言うている。常にそういうものを排除してはどうか、こういう意見を言うておりますが、いまだかつて常時流水を整理するという問題は一ぺんも片づけておられない。これは
一つの災害があって何千万円の損害が生てくる、何億という損害が出てくる。その百分の一、千分の一のわずかの金を出しまして、常時、町村単位でよろしいが、ある地域を定めて、県が統括したる流水整理、河状整理、そういう名前はどうでもいいのですが、そういうものを作って、たまった土砂等を常に流して整理をする。こういうものを行ないますならば、非常に私は不時の破堤等を防止することができるのではないかと、こう思います。それについてただ単に自分の思いつきでなく、われわれが記憶しますところでは、この鉄道のまだ架設されない信濃川を利用しまして、長岡から約十六里、南魚沼郡の六日町、中魚沼郡の十日町、こういう所に米を約二百五十くらい積める船を数十人の人間が引っ張って来る。だれからも金はもらわない。どこからも補助金をもらわないで、自分で営業を助けるために常に川を船頭さんは掘って、そして船を通えるようにして置く。常時そうしますと、そこにたまりました小砂利等がしょっちゅう下流に流れてくる。さらさらと流れてくる。従いまして水の
通りは非常によろしい。だからそういう時代の方がかえって中魚沼あるいは南魚沼の人たちの話しを聞きますと、その当時の方がかえって破堤等がなかった、こういうことを言っております。こういうことを
考えますと、常に河川内にでき上がります自然的な障害物、これは多くの場合、今申し上げました
通り最近のダム等によって、ある場合によっては人造的といわれるかもしれません。そういうものができ上がって、そして非常に国も損をすると同時に沿岸住民も
一つの恐怖にさらされる。だからこれくらいの、私は河状整理が常に行なわれる組織をお
考えになることができないだろうか、こう思う。先般来山内さんはこの際
予算がないからと言われた。私は山内さんがそう言いましたので、
予算なんというのはおかしいじゃないか、天から降るものでもなく、地からわくものでもない。こうことがいいとなれば、
予算はいつからでもつけられるだろう、そういう
一つの組織も持ち得るだろうと思う。災害の何千分の一、何万分の一、これを出したならば、これはしょっちゅうできる。こういうことを
考えなければならぬということを申し上げておきましたが、これは
一つ十分
考えて、基本法を作られるならば、その際に十分
考えていただきたいし、われわれとしましても、もっと今あなたがおっしゃった気象の問題とかあるいは堤塘等の老朽化等によって常に危険性を
感じているような問題、いろいろそういうものを総合した
一つの河状整理というようなものの単独立法等を
考えなければならぬ時期と、こうわれわれは
考えているわけでありますが、次長さんとしてそれがどうというようなことはちょっと言いかねるかもしれませんが、できますならばそういうことも
考えていただきたい、こう思いますが、御意見どうですか。