○森八三一君 他に問題がたくさんありますので、これで最後の質問にいたしますが、今までの
お話を聞いておるというと、
水質が汚濁をしないようにどういう施設をさせておるとか、こういう指導をしておるとおっしゃる、おっしゃるけれ
ども、そういうことはただ気体めにおっしゃっておるだけで、現実にその
被害というものは刻々増大しておるのですね。伊勢湾だけじゃないのです。全国至るところの
水域にそういう問題は続出しておるのですよ。そういうことが完全に行なわれているならば、そういう問題は起きないはずです。にもかかわらず、漸次ふえておるということは、気休めなことをやっておる、あるいはそういう施設が行なわれていても、被梓
関係からそういう施設をただ形式的に施しただけであって、実際には活用しておらぬという事実と認定せざるを得ないと思うのです。
被害が増大しておるという現実ですね、この現実に目をおおうわけにいかぬですよ。だから何をやったとおっしゃいましても、
被害が非常にふえておるという事実は、いいかげんに処理されておるということに判定せざるを得ないのです。それでだんだん進めていくと、だれがやったかわからぬということで、いたずらに時間がかかる。
調査調査でこれは何年も何年も暮れちまうのです。これが資力の大きい連中であれば、そういうようなことにたえていくある程度の力もあろうと思うのですけれ
ども、御案内のようにきわめて零細な
漁民でありますると、もうそれですぐだめになってしまうのです。
お話をすると、今
調査中、そのうちにももう生命は断たれてしまう。これじゃ問題の
解決にならぬので、
被害が発生したといたしますれば、その
被害に対して、どこの
工場であるとかということの
調査は
調査でおやりになっていいのです。いいが、
関係の
水域内における
工場が何か連帯をして、一応の
対策は
解決する。他日それがはっきりした場合に、その分担を修正すればいいのですよ。それくらいの親切を
考えてもらわないと、今後、
経済高度成長といいますか、それに従って
政府としても、
工場を地方へ分散させるというのでしょう。これをやらなければならぬと思うのです。その場合に、
工場がどこへいくかというと、山の中へいくわけじゃない。おおむね交通の至便な、特に海運の都合のよろしいところ、
港湾の地帯を求めていくと思う、海岸の地帯にそういうものは造成されると思うのです。その場合に、追われていく連中の
立場を
考えると、これはほんとうに真剣な問題なんです。いいかげんな問題じゃないのです。といって、今、その新しい
工場にそういうものを
負担をさせるというと、生産コストの上に
関係していく、そういうものが貿易の面にも
関係してくるということで非常にむずかしい、むずかしいからといって、倒れていく連中を見殺しにするというようなことでは政活にならぬと思うのです。ですから
調査をするのはけっこうですが、
調査で日が暮れてしまったのでは何にもならぬということを至急に
一つ考えてもらいたい。今まで何べん聞きましても、だれであるかわかりません、
調査をしております、そういうことが起きないように、こういう施設をやっていきますとおっしゃいますけれ
ども、
一つもなっておらぬのです。これじゃ
零細漁民は行くところがないですよ。これは真剣に
一つ考えて、今ここに具体的に登場しております伊勢湾水城につきましても、今後の問題につきましては、今、
漁政部長の言われたような点について、徹底的な施策を
一つ考えていただき、費用の点については
調査の段階だと思うのですが、
調査の結果に待つまでもなく、
関係工場で一応の手当てはしておく、
あとで
調査の結果、それぞれの分担区分がついたときに、その修正をやればいいのです。それくらいのことは、資本家の諸君はそれを
考える力があるのですから、これはぜひ
一つ至急に
解決の具体案を立てて、いずれまた機会を得て私はその結論の御
報告を願うときを持ちたいと思います。すみやかに
一つその結論を出されるように希望いたしまして、一応この問題は他日に譲っておきます。