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説明員(高尾
文知君) 私から簡単にお答えいたします。御
承知の
通り、三陸のフェーン現象によりまする災害の中で、林野
関係としては
相当大きな被害があったことはすでに御
承知の
通りでございますが、大体
林野庁当局といたしまして、考えて、すでに一部
実施に入っておりますものも含めまして、大体七件ばかりに相なるわけでございます。順次項目に従いましてお答え申し上げたいと思います。
第一は、被災林木等の処理の問題でございます。これは被害の面積が約二万五千五百町歩でございまして、そのうち
国有林野が二千五百町歩、それから
民有林関係が二万三千町歩ということになっておりまして、
民有林の被害というものはすでにお手元に資料が参っているかと思いますが、約三十億円の見込みでございます。これに対しまして
措置といたしましていわゆる焼失をいたしました林木、これは早急に伐採をいたしまして搬出する必要があるというわけで、緊急に搬出林道の開設、これを
計画いたしますとともに、伐採のための施設、たとえばチェインソーだとかあるいは索道というものの購入資金につきまして天災融資法によりまする経営資金の活用をはかり得るように、
関係方面と目下折衝中でございます。
第二点といたしまして、町村木を緊急に運び出すための緊急搬出路の開設でございます。また、これは単に町村木を搬出するというだけの
効果ではなくて、被災を受けられた方々に対しましていわゆる雇用の機会をもお与えするという
意味におきまして、早急に被災地域に林道を開設する必要があるわけでございます。ところが、林道事業の
実施にあたりまして、いわゆる地元市町村の財政負担能力というものを考えまして、国庫補助の割合を
増加する必要があるという考えに立ちまして、現在大蔵省、県等と具体的に折衝を進めているわけでございます。
第三番目といたしまして、被災
あと地の造林の問題でございます。被災跡地の造林につきましては、そのほとんどが来春以降に
実施されるというふうに思われるわけでございますが、事業の進捗
状況によりまして、被災県に対する造林の補助ワクの増大を考慮する必要があるわけでございます。なお、その補助金額の決定にあたりましては、いわゆる査定の標準経費というものがございますが、これを適正に
算定いたすようにいたしたい、こういうふうに考えるわけでございます。なお、いわゆる補助残、その他の自己負担分につきましては、
農林漁業金融公庫の資金を活用いたしたい、こういうふうに考えております。御参考までに申し上げますると、県から本
年度造林の希望の量といたしましては、約三百町歩の希望が出ているわけでございます。
次は第四点といたしまして、森林保険
関係でございます。災害を受けました民有の人工林、これが約二千町歩でございますが、森林保険の対象地はそのうちの九百十二町歩ということに相なっておりまして、件数にいたしまして百八十件、こういうことに相なっております。
措置といたしましては、保険契約地の被害調査につきましては、現在ほかの県から緊急に応援の人員を出してもらいまして目下
実施中でございますが、ただいまのめどといたしましては、七月の二十日ごろまでには完了する見込みでございます。なお、保険金の支払いについては、調査の完了いたしたものから逐次支払うわけでございますが、七月中にはぜひ支払いを終えたい、こういう考え方で進んでおります。大体被害保険金額の支払い見込み額は、ただいまのところ、約三千万円という
程度でございます。
それから第五点といたしまして、災害を受けました製炭施設の問題でございます。これの復旧につきまして、資料にもございますが、約六百基あるわけでございます。金額にいたしまして約九百五十万円でございます。これにいわゆる付属の施設であります作業場とかあるいは寝起きいたしております小屋等の、いわゆる付属施設の損害を入れますと千五百万円に上るわけでございます。
措置といたしましては、天災融資法の発動によりまして経営資金を活用いたしたいということでございます。
それから第六番目といたしまして、官行造林地があるわけでございますが、これが約四百八十町歩ございまして、そのうち五十二町歩はいわゆる三年半以下の林部でございまして、
あとの四百三十町歩が二十四年生ないし三十一年生の林部でございます。現在この四百三十町歩の利用の可能の林部につきましては、現在伐採に必要な調査を行なっておるわけでございますが、被害木を緊急に処分の上、これは規定によりまして分収をいたす予定でございます。なお、五十二町歩の幼齢林地につきましては三十七
年度において改植をいたしたい、こういう考えでおります。
それから最後に第七といたしまして、これは被害が発生いたしました直後の五月三十日でございます。さしあたり青森営林局に対しまして復旧用材の売り払いにつきまして必要な指示を行なったわけでございますが、すでに青森営林局におきましては、いわゆる
一般の購買等を停止いたしまして、貯材その他売り払いのための準備をすでに行なっておったのでございます。現在までに岩手県知事に応急仮設住宅用として素材約千立方メートル、
価格にいたしまして約四百万円、これをすでに
供給いたしております。さらに応急仮設住宅用並びに
一般住宅用材といたしまして素材約五千三百立方メートル、立木約五百六十立方メートルを
供給する予定で目下準備を取り進めておるのでございます。
価格の点でございますが、これはすでに御案内の
通りに、都道府県が災害救助法に基づきまして行なうところのいわゆるこの種のもの、並びに公共施設の応急復旧というものにつきましては五割以内の減額というような
措置もございまするし、公共団体に直接売り払いますときは担保を免除するということもとっておるわけでございます。また、直接個人に売り払うときには担保は取りますが、延納の
措置をとっているわけでございます。いずれも随意契約によって応急間に合うように取り進めたい、こういうことでございます。
以上はなはだ雑駁でございますが、とりあえずそういう
措置をとっております。