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田畑金光君 この間の
委員会でもちょっと質問が出たわけですが、今の
大臣の
お話で、
考え方の基本は理解できましたが、やはり
生産性の向上に伴うて、その利益の成果の配分を妥当に規定していくということは、これは
政府ではなくして、むしろ
一般民間の
企業、あるいは経営者、あるいは資本家、こういう人方の正しい理解なしにはこれはできないと、こう思うわけです。私は、先ほど申し上げた終身
雇用制とか、あるいは
年功序列賃金をだんだん改めていくという問題これも一挙にできることではなくして、やはり経営者や
企業家の理解と協力なしに、摩擦なくしてだんだんこれを改善することはできないと、こう考えておるわけです。ところが、今日の
一般の民間経営者、
企業家というものはどういう
考え方に立っておるか、この点についてわれわれとしてはいささか疑問を持っておるわけです。
そこで、端的に伺いますが、四月二十日でございますか、日経連の総会において、前田専務理事がこれを演説しておるわけです。この中で、この春闘における大幅な
賃金値上げというものは、明らかにこれは経営者が
労働組合にねじ伏せられた屈服
賃金である、こういうような不満を堂々と述べておるわけです。これも「池田
内閣の倍増ブームとか物価値上がりブームとか次々と連鎖反応的に起きる賃上げのブーム、こういう中でなんとはなしに理屈抜きでできあがっている
一つのムードというものの中で獲ち取られたところの経営者の屈服
賃金といえるであろう。このような屈服
賃金を余儀なくせられた事情はどこにあるのか。これはさかのぼれば、昨年十月の公務員の
給与にたいする一二・四%というとてつもない人事院の勧告に端を発しているのである。この一二・四%という
数字は民間
賃金との振り合い上、これだけを上げるべし、という
数字である。」一体民間の何に比較してこういう
数字がはじき出されたのか、こういうわけで、大いに池田低姿勢や
石田労政に対して不満と批判を向けておるわけでございますが、これに対して
石田労働大臣は、またそれを反駁するようなあいさつをなされておるわけです。このやりとりを見まして、
石田労働大臣のこのあいさつの内容というものは、われわれは、なかなか権威ある内容であいさつをされておるのだという感じを受けるわけですが、日経連と
政府が大事なこういう
賃金問題について衝突し、ぶつかったというととは近来見ないことで、珍しいことです。そこで、
労働大臣にお尋ねしたいことは、この前田さんの見解というものに対して、
大臣は、あなたのごあいさつの中にある
通りの基本的なかまえをもって今後とも対処されようとする決意であるのかどうか、これを
一つ承りたいと思うわけです。