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1961-04-06 第38回国会 参議院 内閣委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年四月六日(木曜日)    午前十時三十四分開会    ―――――――――――   委員異動 四月四日委員石原幹市郎君及び千葉信辞任につき、その補欠として小幡治 和君及び吉田法晴君を議長において指 名した。 四月五日委員大谷藤之助君及び木暮武 太夫辞任につき、その補欠として石 原幹市郎君及び塩見俊二君を議長にお いて指名した。 本日委員二見甚郷君辞任につき、その 補欠として米田正文君を議長において 指名した。    ―――――――――――  出席者は左の通り。    理 事            小幡 治和君            村山 道雄君            伊藤 顕道君            山本伊三郎君    委 員            大泉 寛三君            大村篤太郎君            下村  定君            中野 文門君            米田 正文君            鶴園 哲夫君            松本治一郎君            横川 正市君            吉田 法晴君            田畑 金光君   政府委員    総理府総務長官 藤枝 泉介君    総理府総務副長    官       佐藤 朝生君    宮内庁次長   瓜生 順良君    皇室経済主管  小畑  忠君    科学技術庁長官    官房長     島村 武久君    大蔵省管財局長 山下 武利君    自治省行政局長 藤井 貞夫君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    ―――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選の件 ○皇室経済法施行法の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付)    ―――――――――――
  2. 村山道雄

    理事村山道雄君) これより内閣委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。一昨日、千葉信君及び石原幹市郎君が辞任され、吉田法晴君及び小幡治和君が選任され、昨日、大谷藤之助君及び木暮武太夫君が辞任され、石原幹市郎君及び塩見俊二君が選任されました。    ―――――――――――
  3. 村山道雄

    理事村山道雄君) 次に、ただいま御報告いたしました委員異動に伴い、理事が一名欠員になっておりますので、その補欠互選を行ないます。  互選の方法は、成規の手続を省略して、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 村山道雄

    理事村山道雄君) 御異議ないと認めます。それでは私より理事小幡治和君を指名いたします。   〔理事村山道雄君退席、理事小幡治和君着席〕    ―――――――――――
  5. 小幡治和

    理事小幡治和君) それでは次に、皇室経済法施行法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  関係当局より出席の方々は、瓜生宮内庁次長小畑皇室経済主管山下大蔵省管財局長、三人出られております。  御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  6. 松本治一郎

    松本治一郎君 私は、瓜生次長質問したいのです。吹上住居といいますか、あの予算が三十六年度では六千百八十二万三千円、相違ありませんね。そしてこの十月に工事は完成する。ところが、三十五年度では一億九十四万二千円使われたということになっておりますが、そうですか。
  7. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) さようでございます。
  8. 松本治一郎

    松本治一郎君 合計いたしますと、一億六千二百七十六万五千円ですね。
  9. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) さようでございます。
  10. 松本治一郎

    松本治一郎君 先日、視察に宮城に参りましたときに、総工費は一億七千九百七十一万円の予定である、こう報告されております。間違いありませんか。
  11. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) それで間違いありませんですが、その計算の仕方がちょっと違っておったと思うのです。一億七千万円の場合には、中へ入ります机とかいすとか、そういう家具類を入れたものを申し上げたのだと思います。
  12. 松本治一郎

    松本治一郎君 完成ということは、調度品も入っておるわけじゃないですかね。
  13. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この建物自体としての完成ですから、建物ができまして、それから中のじゅうたんを敷いたり壁をきれいにしたり、内装全部できますと、それが一応建物として完成する。その中に置く家具類というものは、普通建物完成という場合には、それを入れないでいう場合と、それを入れていう場合と二通りあるものですから、そこで、普通の概念では、建物ができたという場合には、そこに入る机、いすは入らないものですから一億六千万円、家具全部を入れた方のものが一億七千万円、そういうようなふうに、そういうところに説明する人の食い違いがあったのだと思います。
  14. 松本治一郎

    松本治一郎君 その次に尋ねるのは内廷費、現在は五千万円、これを今度五千八百万円に増額してくれという要求ですね。その中にどれだけ予備費が組まれておるのですか。
  15. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 予備費は五百万円含まれております。
  16. 松本治一郎

    松本治一郎君 どういうわけですか。
  17. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この予備費をみておかなければいけませんのは、その年度中に、初めに予想しないようないろいろのことがあります。たとえて申しますと、三十五年度の場合でありますと、皇太子殿下がいろいろアメリカあるいはアジア、アフリカ地区へ御旅行になった。その場合に、あらかじめ予想されてはいないが、そういうような場合には、またそれに伴う内廷費というものが要るわけであります。毎年そういうことがございまするから、いつも予備費というものは、全体の額の一割程度を見ておるわけでございます。
  18. 松本治一郎

    松本治一郎君 二月の十六日の衆議院内閣委員会で、委員質問に対して、その余りの金を天皇蓄積しておる、貯金しておる、そういう金から二千万円皇太子結婚費に出されたということを言っておられるわけですね、あなたは。そうですか。
  19. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) さようでございます。
  20. 松本治一郎

    松本治一郎君 五千万円でも二千万円残るような予算ですね。
  21. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 五千万円の中で二千万円は残りませんけれども、われわれの経済の場合と同じように、一つ家計でございまして、で、五千万円の場合でも、できるだけ節約をされまして、将来に備えて幾らか節約された分を貯金をしていかれる、それを積んで不意の用に充てられるわけです。ですから、皇太子殿下の御結婚の際に約二千万円を出されましたのは、その年の五千万円からではなく、その中からの一部分でございます。たとえば予備費から回っている分もございましょうが、その前の年で幾らかずつ節約されて残された分を貯金された、そういうものを今度引き出してお使いになったということでございます。
  22. 松本治一郎

    松本治一郎君 今、予備費は五百万円組んでおるという話でしたが、二千万円と五百万円とはどうなりますか。
  23. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) その年の予備費としてそれくらいみてあるということでございまして、その二千万円というのは、その五千万円から出されたものではなくして、ずっと何年か前から幾らかずつ余れば積んできておる、その貯金を引き出された。なお、御質問趣旨はこういうことじゃ、ないかと思います。国の予算ですと、その年の予算を組んで、予備費が足らなくなれば、また予備費を組み直すとか何とか、特別の何をしなければいけないのじゃないか、こういう御趣旨じゃないかと思いますけれども、普通の家計なものでございますから、貯金を引き出されてお使いになる、普通のわれわれの家計と似たなされ方をなさっておられるわけでございます。
  24. 松本治一郎

    松本治一郎君 現在貯蓄されておる金はどのくらいあるか。
  25. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) これはほんとう家計のことでございまするので、これは一つ御遠慮をさしていただきたいと思いますのですが、普通私的な預金がどれくらいあるかというのも、特にこの内廷費というものは、皇室経済法にもございますように、これは天皇のお手元金として、国家機関としての宮内庁の扱う公金とはしないというようなことになっておりまするものですから、だから公式には遠慮さしていただきたいと思います。ただ、税金の方の関係のことを先日も申しましたので、それからある程度推察がつくかと思うのですが、先日も所得税としては四十一万八千円お出しになっております。というのは、いろいろな利子とか、それに対する所得税ですから、御推察はつくと思います。
  26. 吉田法晴

    吉田法晴君 関連。四十一万という税金の額は言われる。しかし、あとは御想像におまかせしますと、こういうお話ですが、それはおかしいじゃないですか。第一税金は言えるが、その元本が言えぬというのは筋が通らぬ。それから、問題は五千万円を五千八百万円に上げるのが妥当かどうか、こういう審議をしている際に、予備費もあれだが、余る。その五千万円の中から二千万円ということじゃないかもしれぬけれども、しかし、そういう内廷費の中から余裕が出てきたということは間違いない。その余裕が出てくる金額ならば、五千万円でも余裕があるじゃないか、余りがあるじゃないか、こういう疑問が出てくるのは当然であろうと思うのです。それに対して、個人的な、まああれは私の金だからどのくらい余っておるかということは説明できぬ、これじゃ説明にもなりませんし、審議の材料にもならない。どうですか。
  27. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 今までもいろいろ不意入費のある場合がございます。将来もいろいろ不意入費の要る場合が予想されます。まあ近い例ですと、あるいは義宮さんが結婚されるということも近いうちにあるかと思います。そういう場合にも不意経費が要ると思います。健全な家計を営んでいかれる関係で、ある程度貯蓄というものをなさって不意の用に充てていかれるということでございまして、たとえばその年に足らないから、また内廷費増額をお願いするというような、そういうような繁雑な手数もこれは感心いたしません。堅実に経理をされるという意味から、不意に備えて、今まである程度貯蓄をなさってきて、それを不意の用に充てておられたということであります。ですから、これは全然不要なものということじゃないので、将来に備える意味でそういうことをしてきておられる。それは健全な意味でなさっておられるということでございますから、従って、この増額関係のことも、増額理由は、またそこにも書面でもお上げいたしてありまするように、他に特別の理由がございまするから、だからまず五千万円に対する一割六分の増額で、三年前からの一般社会情勢から見ても、どちらかというと御遠慮がちな増額と私は思うのでございます。
  28. 吉田法晴

    吉田法晴君 不時に備えて貯蓄をされる云々ということですが、それじゃ皇太子結婚の場合に、皇太子結婚理由にして、別に国費から出さなかったかといえば、それは出した。義宮なら義宮結婚についても、この内廷費の中から全部出して、ほかからは増額というか、あるいは補正を要求しないというならとにかく、そのときはそのときでまた要請がある。五千万円が妥当か、あるいは五千八百万円が妥当かという審議の際に、五千万円の中から二千万円の余裕が出てきたという事実は、これは否定するわけにはいかない。そうすると、五千万円で大体どのくらい残っておったのか。そういう意味で四十一万という税金が出ておるが、四十一万という税金元本になるものは実際どのくらいか。年々の経費の中で、五千万円でどのくらい残っておったかという質問に対して答えられぬという法はない。
  29. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) たとえば皇太子殿下の御結婚の際に、宮廷費として予算をお願いいたしました。この宮廷費は、まあ公の行事として行なわれる部分経費は、これは宮廷費として増額をお願いしたのですが、その御結婚に伴う私的な方の経費、私的ないろいろな生活のための準備をされる、いろいろなものを買われたりするような経費というように、私的なものがございます。公的なものじゃなくて、ごく内輪な私的なもの、そういうものがございます。なお、いろいろ服装関係なんかあります。特にいろいろ妃殿下あたり服装、そういう中に私的なものが多いのでございます。そういうものが内廷費の方から出ておる。公私の別を明らかにしておるわけです。義宮結婚の場合、公的な分については、あるいはまた宮廷費でお願いをいたすことがあると思いますが、その場合も、私的な面の方が新しい生活準備をされる費用としてはよけいかかるだろう、こう考えられております。それから蓄積内容というような問題については、これは先ほども申しましたように、法律の建前が宮内庁の扱う公金とはしない。ここは宮内庁次長として出席している公的な会議場でございまするものですから、だからその点を申し上げるのは、あるいは私の職務としては遠慮するのがほんとうじゃないかというふうに法律的に考えておるわけです。
  30. 吉田法晴

    吉田法晴君 四十一万という税金額は言えるけれども、どの程度余裕があったかどうかということは私的な問題だから答えられぬ。ところが、五千万円なり、あるいは五千八百万円というものは、これは公的な問題である、そうでしょう。私的な問題ですか。
  31. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この五千万円をきめていただきますから、これは公的なことでございます。一たんこれがお手元金になりますと、これは「公金としない。」と皇室経済法に書いてある。ちょうどわれわれが俸給をもらう、俸給幾らというのは法律できまって公的なものですが、俸給をもらってどういうふうに使うか、これは他のいろんな公務員の場合に同じような例がございますが、その場合には、その部分は、一たん入ったあとは私的なものになるというのが、これは普通の法律解釈でございますので、その点を今申し上げたのであります。
  32. 吉田法晴

    吉田法晴君 関連ですから遠慮したいと思うんですが、あとでもやってもいいのですが、公務員給与と同じような性質だと、こう言われますが、公務員給与が従来の給与ベースで足るか足りないか、あるいは物価値上がり等生計費はどのくらい上がったか、これは従来マーケット・バスケット方式だとかいろいろありますのは、あるいは飲食物費、あるいは住居費、あるいは被服費生活にどれだけ要るのか、それが今までの給与生活をまかなえるかどうか、物価関連で検討しているのです。そうでしょう。ですから、五千万円が妥当か、あるいは五千八百万円が妥当かということは、実際に要っているのかどうかという問題と関連をしなければ審議ができないじゃないですか。そうすると、五千万円、五千八百万円というのが公的な問題であれば、それがどういう工合に使われたのか、余裕が出たのか、余裕が出たのなら、それじゃ実際に五千万円がどのくらい余裕が出たかということは公的な問題です。五千円万、五千八百万円というものが公的な問題である以上、余裕がどのくらい出ておるかということも、それに関連して公的な問題です。こまかく一々どういう工合に使うかということは、それは批判はせぬにしても、余裕があったかどうかということは公的な問題です。そうして四十一万という税金が言われて、その元本が言われぬということはないでしょう。
  33. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この五千八百万円が必要であるというその内容理由は、これは今御説明をすべきだと思います。それで議案の提案理由説明の際にも御説明し、いろいろ御質問に応じて御説明をしております。予備費というのは約一割ぐらいみておるということも申し上げたわけでございます。だから、その予備費がそう使われないで貯蓄に回る場合もあります。年によっては足らない場合もある。この場合も貯蓄の方に回していくというように、大体内容についてどういうふうになっているということは御説明したつもりでございまするけれども。
  34. 吉田法晴

    吉田法晴君 説明が足りないから――そこで、二千万円のとにかく皇太子結婚の際に金が出たのです。そこで、それではどのくらい使い残りがあったか、こういう質問をしておるわけです。
  35. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) なお、おわかりやすいために申し上げますと、ちょうど終戦の後に、いろいろ株券だとか、あるいは債券類を相当お持ちであった。その中で、ちょうどそのころは占領当時でございました。ですから、その中で千五百万円は、これはいろいろの不時の用に供するために、やはり内廷で持っておられるのがいいだろうというので、それを一応持っておられた。その分が基礎になりまして幾らかふえていくといいますか、それから、それが足らぬときはそこから出ておるのもございます。終戦のころのそういうお金でございまするから、幾らかずつふえてきておる。その中からまた出されて参る。それから予備費で使われなかった分も蓄積される分もあるというようなことになってきておりますから、ラウンド・ナンバーで申しますと数千万円は不時の用に供するためにこれはお持ちになっておるという実情でございます。
  36. 吉田法晴

    吉田法晴君 終戦時の不時の用に云々で千五百万円、それがその後の物価値上がりで何千万円になっているか知らぬけれども、数千万円相当の額になっておるだろうという今お話があった。問題は、二千万円の余裕が出たということですから、五千万円なり、従来の内廷費のうち、実際にどれくらい残っておるのか、そうしてそれが千五百万円の値上がり分と合わせてそのほかに余裕がどのくらいあるのか、こういう質問に対して答えられぬことはないではないですか。
  37. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) これは今も申し上げましたようなことで大体おわかりかと思うのでございますけれども、やはり国家公務員のいろいろな給与ベースを考える場合にも、それでは個人の経費は大体はどうこうということは調べますけれども、ずっとほんとうの私経済でどうなっておるかというこまかい点までは、ではどれだけ貯金にしてどうしてということまでは普通は調べないのが例でございまするし、そういうようなこともあります。あるいは、ある方について私財がどれだけあるかというようなことを言われたようなこともちょっと記憶にありますけれども、しかし、これは公式にはそういうふうには一々言うのは適当でないというので、それは公表を遠慮しておるというようなことも聞いておりますので、皇室事務を扱っておる宮内庁の者といたしまして、この法律宮内庁の扱う公金としないと書いてございますので、従って、やはり遠慮する方が筋だろう、こういうことで申し上げたのであります。しかし、御想像になりまするように、ある程度余る場合もある、足らない場合もある。皇太子殿下の御結婚のときなんかは五千万円で足らなかった。足らないから、そういうふうに特別の経費蓄積からお出しになった。余る年もある、足らない年もある。しかし、ならして何とかこれをやっていかれるように金額をきめる。金額も五千万円を一割六分上げられる。その理由については、その中には人件費部分がございます。五千万円のうち九百万円ばかり人件費がございます。人件費の分は、これは三年間に国家公務員ベースが二割六分五厘上がっておるので、この二割六分五厘をそれにかける。それからあと部分につきましては、四千万円ばかりについては、物価値上がりというのはこの三年間には六%余り上がっております。他の部分は一割五分上がっておる。人件費の分は二割六分五厘、他の分は一割五分、物価値上がりが六分余りなんです。九%前後が実際上の経費の増。これはいろいろ最近内外の御交際、特に外国との御交際なんかもおふえになっておりますし、それに伴う内廷費支出もふえてきておる。それから皇族さんの場合を考えても、この前に増額をお願いしたあと皇太子殿下が御結婚になっておるわけでありまして、御結婚皇太子妃殿下お迎えになった。それから、また浩宮さんもお生まれになった。一方、清宮さんが御結婚になって減られましたけれども、しかしながら、皇太子妃殿下お迎えになって、また浩宮さんがお生まれになった。そういうような関係、それから一般社会生活程度の向上ということも、これは参考に考える必要もあるかと思うのですが、一般の何か生計費指数といいますか、物価値上がり以外に、家計指数の上がりは、昨年のちょうど十一月でありますと、何か一割五分ぐらい上がっておりますが、その後さらにもう二割ぐらい上がっているように指数が出ておりまするし、だから、まあ皇室世間並みにやはりお考えしていくことがほんとうじゃないか。で、節約を旨としていかれるが、やはり世間並みのことも考えてあげなければいかない。で、まあ遠慮がちな数として、人件費以外のところは一割五分というものを一応増額という計算にして、それを合わせたものが結局八百万円の増ということで、どちらかというと、お内輪に考えられた金額だと思うのであります。
  38. 吉田法晴

    吉田法晴君 八百万円の基礎お話がございましたが、八百万円の基礎をここで尋ねているわけではないのです。五千万円ずつ年間国庫から支出をしてきて、その中から数千万円の残りがあった。その中から二千万円皇太子結婚に際して支出をされた、こういうことだから余裕があったじゃないか、残りがあったではないか、その残りが積もってどのくらいになったか、こういう御質問をしたのですが、その点については戦後の千五百万円にプラスして数千万円になる。その数千万円の中から出されたのだから云々ということは、よくその辺がはっきりわかりませんが、千五百万円の終戦後の金の中から、それが貨幣価値の変化によって何千万円かになったのだろうと思うのですが、それから出されたというようには今の答弁で私ども聞けぬわけです。二千万円は、それじゃ残り、あるいは終戦後の千五百万を除いた貯蓄の中から出されたのですか、あるいは千五百万円の中にも食い込んだのか、その辺はどうなんですか。
  39. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) これは貯蓄として一緒になっておりますから、どこからという点ははっきりわかりませんけれども、しかし、まあ千五百万円の分が幾らかふえてきておる、その中から出ておると考えてよろしいと思います。
  40. 吉田法晴

    吉田法晴君 いや、今までの内廷費の中から貯蓄をされた、その中から出されたと、こういうように衆議院内閣委員会での答弁は聞いたのですが、今は千五百万円の価値の変動の中からも出されたのかもしらぬ、これははっきりいたしませんが、その辺はどうなんですか。
  41. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) これは一本になっておりまして、どの分がどの分となっていないからそういうようなことを申し上げたので、蓄積の分というので、千五百万円の分というのじゃないのですからそう言うのですが、しかし、蓄積をなさって何年か不時に備えておられるための分は、皇太子結婚の当時ではそれが二千万円以上になっておりましたから、だからその分と考えていてもよろしいということで、まあこれはある程度こういうような御質問があったのです。その年に余ったものはどうするのだと言われまして、それは蓄積されている。それで、たとえば皇太子殿下の御結婚のような場合にも、そういうものの費用に充てられたということを申し上げたので、その御質問のなされ方によってそういうふうに申し上げたのでありますが、これは実際問題として蓄積をなさった金額で、その金額はまあふえたと思いまするけれども、あるいは訂正してもいいです。問題は、どのどのとはっきり分けていないですから、それで今言ったようなことを申し上げたわけであります。
  42. 吉田法晴

    吉田法晴君 衆議院答弁は、お話しの通り、どのくらい残るかという質問に対して、残った分は、あるいは節約された分は貯蓄にしてある、その中から二千万円支出された。ですから衆議院答弁では、従来だと五千万円、その五千万円以前のときからも、それは余ってあるいは蓄積されたのかもしらぬけれども、そういう内廷費余裕の中から積み立てて二千万円出した。こう説明された。従って、千五百万円というのは今出た話です。きょう出た話です。衆議院での答弁からいっても、内廷費余裕の中から積み立ててそれが数千万円になり、あるいはその中から二千万円出された、こう説明をされたわけですが、今お尋ねをするのは、二千万円が千五百万円にもかかっているかもしれない、一緒になっているからわからぬと、こういうお話だけれども、内廷費余裕の中から積まれたものか、その中から出された金額かどうかというのですが、その金額が、内廷費余裕なり、あるいは貯蓄の中から二千万円出せる数字ではなかったかと、こういう御質問をしているわけです。ですから、内廷費からの貯蓄が二千万円をこす、何千万円かになる、千五百万円に相当するものはそのまま残っているのじゃないか、こういうことをお尋ねしているのですから、残り蓄積と、それから、その中から二千万円は出したのじゃないかという点について、もう一ぺんはっきりお答えを願いたい。
  43. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この残りのいろいろ蓄積と、こういうものそのものも、皇太子殿下の御結婚の当時ですね、まあ二千万円をまかなわれる程度のもの、なお、基礎には終戦後から引き続いてあったものがあるということで、でございますから、終戦後の分と分けてはございませんけれども、しかしながら、毎年準備をしておられるという金がそのまま積まれているということは申し上げることができるのであります。たとえば義宮さんの御結婚のような準備の場合についても、いろいろ経理の場合に節約を旨として、まあ先に要るだろうというので、なるべく御節約をして幾らかずつ余裕を置いていかれるということでございますから、従って、その節約された分が積まれて、それで二千万円が支出されたというふうに申し上げて間違いはないと思いますが、金が分かれておりませんから先ほど申したように申し上げた次第であります。
  44. 吉田法晴

    吉田法晴君 四十一万という税金から、その数千万円というのが幾らになるという計算は、これは瓜生さんじゃなくてもできると思うのですが、この数千万円の金額が、四十一万という点は言われたのだから、逆算をして、これは私、瓜生さんのとにかく計算でもけっこうですが、事務局にやらせる手間を省いて、四十一万の基礎になったのは大体どのくらいかという点は答弁願えませんか。それも公に答弁ができぬということですか。
  45. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 私も税法の方は詳しくないので、どういうパーセントか、ちょっとわかりかねるのでございまするけれども、しかし、今申し上げたような点で大体の見当はおつきを願えたんじゃないかと思うのでございます。
  46. 吉田法晴

    吉田法晴君 まあこの点はまたあれするかもしれませんが、先ほど予算の話が松本委員からございましたが、説明によって住居その他ちょっと説明が違うのだという話ですが、予算は大体幾らぐらいですか。それは予算説明で文書に出ておる一億六千幾らですか、これが予算だと思うのですが、いわば委員会に出ている正式の数字からいえば一億六千幾らというのが正式の数字、一億七千幾らというのは、これは委員会が調査に行った際に出された資料で、いわばこれは非公式、公式、非公式という点からいえば、非公式資料でしょう。
  47. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 予算の組み方で、ここにまあちょうど皇室予算ございまするが、予算面のところに吹上お住居施設整備費六千百八十二万三千円、こうございます。これは工事費として計上されております。それから予算面の中に庁費というのがございます。庁費というのは全部で一億一千三百万円、これは宮廷のいろいろのことをなさるのを全部含んでございます。その庁費の中に宮廷用の事務費ですとか、その他ずっとこうございます。そういうものの中にその他の分が入っておる。先日御視察においでになりました際には、そうした庁費の中に含まれておる調度品経費も、実際に支出される金額を加えたものを申し上げたのでございます。
  48. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうするとあれですか、工事費の中には、あるいは建設費の中には調度は含んでないというのですか。普通考えます場合に、工事費の中には、あるいは建設費の中には、調度品を含んでものを考える。もっとも、調度にしても調度によりけりですけれども、基本的な調度は、まあ設備費なり、あるいは家にくっついているものは、どこまで付随工事を工事費の中に入れるかという点が、これはまあ常識的な問題ですが、それを含んで一億六千二百七十六万円と計上されたんだと思うのですが、それに調査に行ったときの説明は一億七千と、差額が千七百五万円、予算の問題に関連をしてお尋ねをするときに、正式に出てきた資料には一億六千万、それから調査に行ったときには一億七千万円、こう千七百万円も違うと、これは会計検査でもやかましい問題。それをとにかく皇室に関するから、その辺の予算はいいかげんにやっている、こういう印象を持つのは当然だと思うのですが、千七百万円というものが調度費で、それは工事費でなくて別に出ておったと、こういう説明で済みますか。
  49. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 設営費と皇居造営の方の工事費という場合に、新築費、それがあって、その新築の中には建設費とか機械設備の関係、電気設備、給排水の衛生の設備とか、それからこの付帯の設備として、なお電気設備とか給排水設備、土木工事というものがありまして、その総体がこの一億六千二百万円ということになります。なお、調度品関係が千四百万円ございます。調度品関係は、先ほど申したように、この庁費の方に入っておるわけでございます。これは会計検査の場合もその点ははっきり出します。その工事費と調度費を合わせたものを申し上げたのが一億七千何百万円、単なる工事費ということになると、一億六千万円ということで、これは何もそこには不当なことはないんですが、まあ説明の仕方によって、工事費だけをいった場合と、なお、その中に入る家具調度費を入れたものを説明した場合と、この二通りあったということを申し上げておるわけで、何も間違った、矛盾したことではないと存ずるのでございます。
  50. 吉田法晴

    吉田法晴君 委員会の調査の際の資料によると、工事費総工費一億七千九百七十一万円、こうなっておる、差額が千七百五万円。かりに調度費を入れるにしても、今のお話は千四百万円、そこでもなお違ってくる。これはまあ差額が三百万円ぐらいな話ですけれども、しかし、視察の際の資料には、「工事の総工費」と書いてありますよ。そうして十月完成の見込み、多少最後の金額も違っておるが、工事の総工費と書いてあるから、工事の総工費の中に調度も入っておるという説明も少し無理、それから調度費千四百万円というものを加えでもなお違う。やっぱりいいかげんじゃないですか。
  51. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 今ラフな数字で申し上げたものですからそういうふうな印象を受けられたと思うのですが、一億七千九百万円の中の調度費は千四百五十三万七千円、それから付帯の事務費というのはほかにございます。いろいろ工事のための消耗品費とか、それから調査のための出張旅費だとか、そういうものを加えてそれが……。
  52. 吉田法晴

    吉田法晴君 そんなものは工事費に入りますか。
  53. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) それが二百十七万五千円、付帯事務費は、これはやはり工事に関連した経費、工事がなければ要らないのでございますから……。というのが二百十七万五千円と、そういうのがございます。で、ずっともう、特にこの刷物がございますから、ごらんいただくと、金額は別に間違いはございません。
  54. 吉田法晴

    吉田法晴君 事務費やら、あるいは消耗品費が工事の中に入りますか。少し前の、工事あるいは総工費、十月完成、それは事務費を加えればその前もありましょう、あともありましょう。そんなものは、完成のときの、十月完成の見込みというが、その完成の前もあとにもまだありましょう、それが工事の中に入りますか、常識的にいって。
  55. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) これはまあ大蔵省でいろんな国の営造物の設備新設の経費を組みます場合には、その付帯事務費というのはいろいろ基準がございまして、これぐらいの工事ならこれぐらい、こういう場合はこれぐらいというのを一緒に見るわけです。これはこの吹上のお住居の問題だけでなくて、いろんな官庁の営造物も、学校の建築物も、あるいは道路、橋梁、その他すべてそうでございまして、それはその工事のために必要な経費として、一定の基準によって大蔵省の方で組んでくれるわけでございます。実際それだけの経費は工事のために要るわけでございますから、これはこの工事のためだけが別なのでございませんで、国の営造物の場合、全部さようになっているわけでございます。
  56. 吉田法晴

    吉田法晴君 それにしても、数字は千七百五万四千円という数字がぴっちり合うような説明はできんじゃありませんか。
  57. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) それでは申し上げますと、造営費というのは一億六千二百七十六万五千円それを一応――これは昨年の三十五年度の経費に今年度のここに、先ほど読みました吹上お住居施設整備費というのを加えた金額であります。それから調度品費、これが千四百五十三万七千円、それから付帯事務費が二百十七万五千円、それを足していただきますと一億七千九百四十七万七千円ということになると思います。
  58. 吉田法晴

    吉田法晴君 小さい数字になりますが、今のを合計しますと一億七千九百三十六万七千円ばかりになりますが、一億七千九百七十一万九千円という数字にならんじゃないですか。
  59. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 私もう一ぺん読みますけれども、何か書き違ったのじゃないかと思います。一億六千二百七十六万五千円、それが造営の経費調度品費、千四百五十三万七千円、付帯事務費二百十七万五千円、私の暗算でいきますと、七十万と五十万、十万それだけ合わせますと、百三十万ですか、十万台のところ七と三で一上がってきますから四十万になりますけれども暗算では。
  60. 吉田法晴

    吉田法晴君 少し違うようだけど、まあいいでしょう。いずれにしても、とにかく説明が不十分、あるいは少なくとも予算書と考え合わせて、ずさんな説明であったということは、これは非難は免れないと思いますが、しかも、総工費の中に事務費まで入れて計算をした云々と言っている点は、予算書で片方に出ているのですから、その説明としてはずさんであり、あるいは不十分だという非難は免れんと思うのですが、それはいいでしょう。
  61. 松本治一郎

    松本治一郎君 その次に私はお尋ねするものは、高輪南町の御用邸のことであります。これは皇室用財産であることになっているわけですね、言いかえれば国有財産である。現在東久邇がこれを使っている。どういう資格でそこに入っているか、お聞かせしていただきたい。
  62. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) ちょうど終戦の当時に東久邇さんがあそこに入っておる。で、この際、あのときちょうど戦後で、皇室用財産の使用についてのいろいろ審査もありましたですが、東久邇さんのところへは元の照宮さん、天皇陛下の御長女がお嫁に行っておられる。そういう深い関係の方だから、まあそこに引き続きおられていいだろう、実際他に行かれる所がないならばというのでそこにおられた。その後、そのお子さんの方は別に家を建てて出られました。現在は柿ノ木坂に住んでおられる。お年寄りの方の方が残っておられるということで、そういう関係がございまするが、皇族ではございませんので、他に適当な所があればお移り願えればというような問題もあるのでございますけれども、しかし、また一面、終戦後ある所に居住しておられると、居住権というものを無視することもいけないし、いろいろな東久邇さんの事情も考えていく必要もある。特に皇室とは非常に大の御親戚の方だし、いつまでもともいかないが、まあそのまましばらくいていただこうということでおられるわけでありまして、なお、あの土地については、それじゃ東久邇さんがずっとおられるように考えているかというと、そうではない。何か適当な方法はないかというようには考えておるわけでございます。
  63. 松本治一郎

    松本治一郎君 聞くところによると、東久邇は麻布に家を持っておったのですね。その麻布の家は焼けた。そのあとは売って向こうへ入ったという話ですが、そういうことがありますか。
  64. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 麻布の方の、麻布の市兵衛町に土地があった。その土地については、これは一ぺん国のものになって、それを縁故払い下げか何か受けられて、その場合に一ぺんは国のものになったのです。終戦後、おられた関係で縁故払い下げを受けられるということであった。その東久邇さんの元仕えていた職員の人々が、そこを縁故払い下げを受けられないものだろうかというようなことを大蔵省に話して、それはどうも無理だというようなことで、東久邇さんが縁故払い下げを受けられるならばというととで、東久邇さんが縁故払い下げを名義上受けられて、それを元の職員の人に分割して渡されたという事実があるのでございます。
  65. 松本治一郎

    松本治一郎君 憲法の十四条で、「華族その他の貴族の制度は、これを認めない。」となっておるのですが、だれの子であろうとも、今日では平等であるのですね。それじゃ東久邇だからそこへ入っていいという解釈ですか。
  66. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) まあ前からおられたものですから、普通よく居住権の問題というのは、まあ世間ではなかなかむずかしい問題で、一ぺんそこにおられる人になかなか出てもらうのは、そう簡単にも考えられない場合もございます。長くおられたということ、その方がまあ近い親戚の方でもあるので、引き続いておっていただきたい。しかしながら、これが正当な普通の状態とは考えておりませんですけれども、それじゃ皇室用財産を解除するかという問題、その解除をするという問題に関連して、いろいろの方がまたあそこを目をつけておられる方もございまするし、それが円滑にいくかどうか疑問の点もございます。まあそういうようなこともありまするから、現在は慎重に検討中ということで、今の状態があれでよろしいのだというように考えておるわけじゃありませんので、現在何か適当な方法はないかということを慎重に検討中ということでございます。
  67. 松本治一郎

    松本治一郎君 今のお話の中で、だれかあそこに目をつけておる者がいるというお話ですが、その内容はわからないのですか。
  68. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) これはいろいろたくさんの部分の方からちょいちょい話を聞くわけで、あるいはあそこの近くに京浜急行がございますが、京浜急行の関係の方からどうかという話もある場合もありますし、ちょうどそばにプリンス・ホテルがありますので、そういう関係の方の方のお話があったこともございますし、それから地元の関係の、何か野球場でも作ったらどうかというような、何かそういう組織を作ったらどうかというお話があったこともございますし、あるいは何か土地会社がああいう所をどうしたらどうかというようなことを言っておるということを耳にしたこともございますし、先日御視察願いまして、もうごらんになったと思うのですが、もとの北白川さんの方は、あれは皇室用財産じゃなかったのです。北白川さん私有のものでしたから、それはゴルフ場になっている。竹田さんの私有だったものはプリンス・ホテルになっておる。そのちょっと横に一応残っておるのですが、あのままにしておいていいとも思わないのですけれども、これを解除して、土地はやはりほんとうに、なるほどこれならばという形のふうになることが望ましいとも思いまするので、そういう情勢を見ながら慎重に検討中ということでございます。
  69. 松本治一郎

    松本治一郎君 そこには宮内庁の職員も入っておると聞いておるのですが、終戦まぎわのどさくさに入って、そうして居住権をたてに動かないのですか。
  70. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 宮内庁の職員が入っておりますのは、公務員宿舎として入っておるわけです。ですから、公務員宿舎料というものをやはり払っておるわけですから、ただでおるわけではございません。官舎貸与ということでおるわけでございますから、この方は事情は違います。あいている所をなるべく活用するという趣旨で、公務員宿舎の貸与に一部分なっているということです。
  71. 吉田法晴

    吉田法晴君 今の説明は、払い下げなり、あるいは別途用途を考えるについて、東久邇家が入っておられるから云々という説明でしたけれども、松本委員の最初の質問は、これは去年か二、三年前の話なんです。それが貴族だとか華族だとか、あれはなくなっている。それに、まあ説明によると、奥さんが元皇族云々ということで入れているということならば、憲法十四条の精神にも反するじゃないか、こういう質問だったのですが、その点について答弁はなかったようですが、それはどうなんですか。
  72. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 特に元皇族とか、あるいは華族とかという肩書があるからどうということで考えるというよりも、まあ陛下の御親戚の関係もあるものだから、そう冷酷にも考えられないということで、われわれといたしましては陛下に奉仕する、まああまり御心配もなるべくおかけしないように考えることも側近奉仕の一つなんですから、そういうようなことでいっているのです。その社会的な身分がどうだったからとかということを今申し上げているわけではございません。
  73. 吉田法晴

    吉田法晴君 身分がどうであった云云という点が考慮になかったら、これは国民平等に考えて、高輪の御用邸をどういう工合に使うかということは、これは国有財産ですから、ちゃんとした手続でやらなければならぬのでありまするが、そういう公の機関でそれらのことをされて――今聞くと側近にある者として陛下に心配をかけないようにということだけれども、身分という点は考慮をしなかったというけれども、親戚関係にあった、こういうことで心配をかけないようにということで、いわば私の  これはあなたの得意の私の配慮でやったと、こういうことになるのじゃないですか。公のとにかく財産をどういう工合に使うかということについての手続と配慮がなされないで、いわば私のとにかく配慮でなされたと言わざるを得ないじゃないですか。
  74. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この部分には、公の配慮の部分と、私の配慮の部分が混淆していると思いまするが、側近奉仕というようなことは公の義務ですけれども、しかし、その公務としてやる場合と、そうでなしに、いろいろ他に私的に心を配るという場合と、これが両方あるかと思いまするが、しかし、あそこの土地については、これはもうわれわれもいろいろ頭を使っているのであります。現状でよろしいというふうには考えてはいないのですが、しかし、あまり軽率にやっても、かえってあとどうかということで、慎重に考えておるということで、大蔵省の方でもいろいろ考えてもらっておりますが、しかし、まあこれは手続を申しますと、皇室用財産解除というのを宮内庁として官庁の方の仕事としてやりますと、大蔵省の方に関する国有財産で、普通財産になるわけです。そうすると大蔵省の方でこれを払い下げる。払い下げ手続は大蔵省の方でなさるというようなことで、その国有財産全般をみておられる大蔵省の方ともいろいろお話をしながら、今のところ、特にすぐにどうするというめどもつきかねるものですから、検討中ということで、その点は御了承得たいと思います。
  75. 横川正市

    ○横川正市君 ちょっと関連して。大蔵省の管財局長にちょっとお伺いいたしますが、あそこの高輪南町御用邸は、この間私ども視察をして、場所その他非常に高価な土地だというふうに見て来たわけなんでありますが、あなたの方では宮内庁に対して、あれは皇室用財産から国有地に返してもらいたいという意思表示をしたことがありますかどうか、それが一つ。それからもう一つは、先ほど次長が言われておりますように、あの土地に対していろいろなところから口がかかっているというわけでありますが、これはすべて管財を通さなければ処理のできない所なんでありまして、この点少しはっきりとこの際お知らせいただきたい。
  76. 山下武利

    政府委員山下武利君) ただいまお尋ねの場所のことでございますが、私、実はまだ具体的に存じておりません。実はお尋ねの土地は、まだ宮内庁の所管の土地でございまして、大蔵省が直接に管理している所ではございませんので、それにつきまして大蔵省として特にどうこうするという方針を立てたこともございませんし、また、宮内庁に対して、それをどうするということを申し入れたというふうなこともございません。それから・また具体的にあの財産をどうしてほしいというような申し出があるいはいろいろあるのかもしれませんが、それはまだ宮内庁の所管の段階でございまして、それは宮内庁の方にいろいろお話がいっているのだと思います。
  77. 吉田法晴

    吉田法晴君 今の答弁によると、大蔵省は何も聞いておらない、まあ宮内庁で考えていると、こういう程度であります。そこにも先ほどの次長の御答弁からすると食い違いがありますが、その前に、今の答弁は、現在の高輪のあの御用邸を今のままでもこれはいくまい、あるいは考えなければなるまい、いろいろ希望は出ている、こういうお話ですが、先ほどから尋ねておったのは、東久邇家を入れるについて、麻布の家が焼けたから、それを売ってしまってそうして入れることについては、いわば宮内庁の側近奉仕の、これは宇佐美さんか瓜生さんか知りませんけれども、それが取り計らった、こういういわば側近奉仕ということは、公的か私的か何か知りませんけれども、身分に関係なしに、天皇の親戚だから云々ということになると、これは私は、私の関係じゃないか。公用財産あるいは公用財産としての国有財産云々というならば、公のとにかく手続を経てどういう工合に利用するか、今考えられている問題が、東久瀬家を入れるときにもこれは考えられなければならなかったし、その入れるときに、どういう手続がとられたか、公の手続がとられたか、公の配慮がなされたかという点を質問をしたのですが、その点については答弁がまだありませんよ。
  78. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 終戦のときは、東久邇さんはもうそこにその前から引き続いておられたわけです。それをむずかしく言わなかったということで、特に新たにお入れしたということではないのでございます。
  79. 吉田法晴

    吉田法晴君 私は焼けてから入られたと思ったのですが、そうでないということですから、その点は事情が少し違うようですからよしますが、そうすると、皇室用財産のこの高輪について用途を考えなければならぬ、もし払い下げるとすれば、大蔵省に移管をして、普通財産とした上で払い下げるなり何なりしなければならない、こういう手続を言われたのですが、問題になっておる、あるいはどういう工合に国として全体利用すべきか、周囲いろいろありますが、東京都内の土地あるいは住居、これは都内で坪何十万円ということでしょう。こういうとにかく住宅用地の払底と、それから非常な大きな暴騰、あるいは交通の困難化、そういうものから考えなければならぬという点が、それは私の考えでなくって、公に宮内庁なり、あるいは国で問題になっているというように理解してよろしいですか。ときどき公の立場と私の立場を巧妙に使い分けて、しかも、混同されますから、交錯されますから、念のためにもう一ぺん聞きますけれども。
  80. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) あそこの財産を皇室用の財産として、公に必ず将来持っておらなければならないという点については、理由はそう強くないと思います。たとえば、どなたかの邸宅にするといっても、あの場所は普通の住居地に適する所ではございませんので、そういう点はあるのでございまして、従って、これをそれではどう考えるかという問題は、やはり公の問題として今後考うべきだと思っております。
  81. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、公の立場として、宮内庁を代表して、皇室としては持っていなければならぬという事情にはないから、今後の使用について考えておる、あるいは考えざるを得ない立場に今いる、今後考えていきたい、適当な機関で相談をしていきたい、こういうように理解してよろしいですか。
  82. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 大体の趣旨はそうでございますが、ただ、先ほど申しましたように、それに関連するいろいろの要望があったりしますので、その解決には慎重に、将来に弊害のないように、ほんとうに公のためになるように処置をするということを十分考えていきたいと考えております。
  83. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 関連の問題でありますが、今問題になっている品川の問題ですが、この前、宇佐美長官に尋ねたときも、あまりはっきりしておらない。大体ここには一万一千九百七十六坪の敷地があるという、私は一万三千坪だと聞いたのですが、正確に言うと一万一千九百七十六坪であるらしいのです。そこに東久邇氏が一部利用されておるそうでありますが、その経過、私の知るところでは、いわゆるあの附近のプリンス・ホテルを所有している堤康次郎氏が、これに対して払い下げ申請といいますか、そういう働きかけをしておった。ところが、同じ自民党の大物である大野伴睦氏がそれを反対した。こういうことから非常に問題が起こった。港区では相当これが問題になって、現在もまだくすぶっているようなんです。今、瓜生次長説明されておりますが、大蔵省の管財局長も見えているのですが、一体これが宮内庁でそういう処分権を持っているのか。今説明を聞くと、宮内庁がこれを大蔵省に移管して、大蔵省でこれを処分する、現在話を聞くと、どうも宮内庁に対して働きかけをしているようにも聞いているのですが、はたしてこれをどこに働きかけをしているのか、この点を明らかにしてもらいたいと思います。その前に、私、大蔵省の管財局長に聞いておきますが、これは一つの政治問題になっていると思う。従って、きょう局長が見えられましたが、私は、できれば大臣に来ていただきたいと思っておったのですが、従って、政府を代表した答弁として聞きたいと思いますが、この点一つ答弁願いたいと思います。
  84. 山下武利

    政府委員山下武利君) 国有財産を処分いたします場合には、行政財産のままではこれを処分することができないのでありまして、まず所管の官庁におきまして用途を廃止いたしまして、普通財産として大蔵省に引き継ぎまして、その上で大蔵省が適正な処分をする、かようなことになっているわけでございまして、その場合には、国有財産審議会という法定の機関に諮りましてこれを処分するというのが原則になっているわけでございます。今お尋ねの土地につきましては、まだ先ほど申し上げましたように、宮内庁の所管財産でございますので、大蔵省に対しまして、特にこれをどうしてほしいという申請はまだ受け付けたことはございません。
  85. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 現在いろいろの話があるのも、私だけが直接聞いたようなことではなく、うわさで聞いているのを総合して、先ほどちょっと概観を申し上げたわけであります。で、あの土地をどうするかという問題、それについては、われわれはやはり東久邇氏が終戦のときからずっとおられる、その居住権の問題も無視もできないし、そういう問題も考えながら、しかも、ほんとうにこれならばというめどがついたときに解除の問題を考えるべきではないかと、こう思っております。
  86. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 私の聞くところでは、すでにそういう払い下げの申請をしたということを聞いているのです。そういうものが大蔵省関係にもない、宮内庁関係にもないというなら、それをはっきり言っておいてもらいたい。私は、すでにそれが相当二年ほど前から、形式的にもいわゆるそういう書類を出されたと聞いているのですが、それは間違いであるならば、この問題はまた根本的に考え直さなければいかんのですが、そう聞いているのですが、政府にそういうものがなかったならなかったでいいのですが、そういうものをはっきり。そういうものが出たのを却下したとか、そういうことは別ですよ、そういうものが出されたかということを聞いている。
  87. 山下武利

    政府委員山下武利君) 今係の者が調べましたところが、東久邇さん自身から、将来あれを払い下げてほしいという陳情の申し出があったということでございます。それ以外には処分の申請について受け付けたことはございません。
  88. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 宮内庁にも、そういう書面で願い出られたというようなことはございません。
  89. 吉田法晴

    吉田法晴君 さっきプリンス・ホテルが隣にある云々ということですが、昔の皇族の土地、建物を方々で払い下げたり買ったりしてプリンス・ホテルにしている関係もありましょうが、堤康次郎氏が払い下げを運動しているという、これはうわさが相当飛んでいる。それから大野伴睦氏が払い下げを云々という今の山本氏の質問のような、大野氏はゴルフ場にするために払い下げたい、こういううわさも私どもまあ聞くわけです。今、東久邇の陳情があった云々という話でありますが、その関係あとで聞きますが、そういうこれは巷間にずいぶんうわさされている事実を、瓜生さんが、いや地元からも、いや港区からも云々という話で、これはまあ一般的にごまかされましたけれども、堤氏あるいは大野氏について、そういう運動といいますか、あるいは払い下げの意思がある云々という点について、一般的にとにかくうわさを聞いているという程度ですか、あるいは宮内庁なり、あるいはあなたの耳に入っているところはどういうところですか。もう少し正確に御答弁願いたい。
  90. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 直接私なんかが、今話題になっている方からお話を聞いたことはございませんですが、しかし、まあその系統の――系統のというと言葉は悪いですけれども、まあ幾らか縁のある方、そういうような方からそういう話を聞いたことはございます。しかしながら、これはあくまでも、ただ先ほど申しましたように、すぐに払い下げをしてもらいたいと、そういうことでなく、一体どうなっているのであろうかという事情をいろいろ尋ねに来られたというようなことでございます。
  91. 吉田法晴

    吉田法晴君 その縁のある方ということはどういうことなんですか。宮内庁ということなんですか、それとも、そうでなくて、総理とか何とか、運動をしたり、あるいは払い下げたいという人の縁のある人ですか。
  92. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) それは、まあ普通の民間の方でございます。
  93. 吉田法晴

    吉田法晴君 民間の方が縁がありますか。
  94. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) まあそういうような土地がある、それを何とかならないものだろうかというようなことを考える場合、まあ考えるには何人かの方が考えられるでしょう。その考えられた人の中の人で、この間こういう話があったけれども、あれはどうなっているのだというようにして見えたことがある。要するに、縁というのは先方の方、そういうようなことを考えておる方の側の縁のある人ということでございます。
  95. 吉田法晴

    吉田法晴君 考えておる方の縁のある人が宮内庁に聞きに来られたと、そういうことでございますか。
  96. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) さようでございます。
  97. 吉田法晴

    吉田法晴君 別に同僚委員から質問もあるようですが、どうも今までの皇室用財産あるいは旧皇族の土地の譲渡云々については、いずれにしても、いずれもとにかく変なあれがあるわけです。  さっき大蔵省は、行政財産から普通財産に移して審議会における云々という話でしたが、これは国民のものですから、これは要は皇室用に使われておりますけれども、皇室用の財産として国有財産、国民のものですから国民のために使うというように、これは御質問あとで別の委員からもあると思うのですけれども、公明に国民のために使うように考えられなければならぬと思う。あるいは随意契約だとか、あるいは縁故払い下げだとか、あるいは、しかも、それがゴルフ場だとか、国民にあまり関係のないような利用方法に供されるということは、これは私どもとして了承するわけに参らぬ。その辺については公正なあれを願いたいと思うのですが、東久邇との間には、今住んでおられるということですが、これはちゃんとした契約が入って、条件その他公式な手続はとられているのですか、あるいはその利用方法について正規の機関にかけられて、それらの点が確認されているのでしょうか、その点を付随して聞いておきたい。
  98. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 終戦のころにおられて、その事実をそのまま一時的に認めているというので、正式に借用とか云々の手続がとられておりません。これは適当なときに適当に考えるためにはその方がよろしいということでございます。
  99. 吉田法晴

    吉田法晴君 それじゃ成規な手続はない、あるいは成規の、とにかくさっき居住云々という話がありましたけれども、居住権なら居住権が、契約その他で法律上はっきり認められておる状態にはない、こういうふうに理解してよろしいですね。
  100. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) さようでございますが、居住権という場合に、普通大体その事実から来ているという場合が多いわけであります。
  101. 吉田法晴

    吉田法晴君 法的な議論をしようとは思いませんけれども、居住権という場合、居住権が法的に認められる場合には、ちゃんと契約が入って、家賃が払われている、そこで居住権が認められるのであって、いわばその契約あるいはさらに事実、それから家賃が払われている云々ということでしょうが、今のお話を聞くと、契約も何もしない、それから家賃が払われておるかどうかもはっきりせぬようですが、家賃も払われないで、それで居住権云々、事実だけでそれは居住権というわけにいきませんよ。家賃を払わないで争う場合には、これは法的に対抗できないのは普通の場合によく御存じの通りです。そういう手続なり、あるいは家賃を払われているという事実はないのでしょう。ただ住んでおられる、側近の者としてとにかく使われているのをそのまま認めている、心配をかけないように認めているというだけの話です。それをとにかく法的な地位だというわけに参りません。契約が入っていないということでしたら、家賃は払われておるのですか。
  102. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) その居住の事実を認めてきているだけでございまするから、従って、その特別契約もありませんし、従って、適当なときに適当にするためにも特別に家賃をもらうというようなことも、契約がありませんから、ないわけでございます。
  103. 吉田法晴

    吉田法晴君 やっぱりいいかげんじゃないですか。それは側近として、とにかく親戚関係にあるから云々ということで、ちゃんとしたとにかく契約もなし、家賃も取らず、だから契約の存在というものも証明できぬ。やっぱりやり方はとにかくいいかげんですよ。まあその点はいいかげんなやり方が側近についてやられているという一つの証例として確認だけしておきます。
  104. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) ちょっと訂正いたします。この使用承認の一応手続はあるということでございます。使用承認――使用を承認するという意味の手続はとられております。
  105. 吉田法晴

    吉田法晴君 使用承認の手続というと、契約はない、家賃は払っておらぬ、その使用承認の手続というのはどういうことですか。一般的な普通の国民と変わらぬように法上なって、そうして民法上の、民事契約上のあれはなくて使用承認というのはどういうことなんですか。それもとにかく宮内庁特別の形式ですか。
  106. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 建物の管理者として、そこへ居住されることを承認したということでございまするから、普通の借家契約書という、ああいう法律云々というものとは違います。管理者としての承認ということであります。
  107. 吉田法晴

    吉田法晴君 先ほど、宮内庁の職員が公務員宿舎におって、それは管理人としているのだという御答弁です。それじゃ管理人はだれなんですか。管理人は、先ほどの答弁では、特に公務員宿舎に入っている宮内庁職員だというお話でしたが、管理者に宿舎の管理人として指定してあるのですか。
  108. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 今のは、あるいはお聞き違いになったと思うので、今あの建物宮内庁が管理をしておる。管理をしておる宮内庁が、管理者としてその東久邇さんですか、そこを使われておるのを承認したという意味でありまして、管理者は宮内庁の方を言っております。
  109. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、宮内庁の職員がそこに住んで管理者になっておる。その宮内庁の職員が管理をしておるのを宮内庁が認めておる、こういうことですか。そんなら何も、とにかく東久邇氏との間に使用承認云々ということはないでしょう。これは何も文書を要しないので、宮内庁の職員が管理者であることは宮内庁が管理をしておるのだから、その機関として、あるいはまあ使用者ですか、そして管理に当たっておる、これは文書を要しません。宮内庁の役人が管理者として当たっておるという点については、何も文書は要らぬです。あるいは内部的な手続があるでしょう。
  110. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この公務員宿舎として入る人、その人もやはりその使用承認を得て入るわけです。宮内庁というのが管理をしておる。そこに数家族が公務員宿舎として入っておる。その人が管理しておるわけではないのです。宮内庁という役所が管理をしておる。だから、そこに公務員宿舎として入っておる人も、宮内庁の承認を受けて入っておる。東久邇さんも承認を受けておられる、そのことを申し上げたわけであります。
  111. 吉田法晴

    吉田法晴君 宮内庁の役人が管理者として入っておる。これはさきにも説明がありました。それだけの説明以上に、東久邇家との間に使用承認云々という話ですが、その使用承認というのは、民事的な一般的な概念で言うとどういうことなんですか。これは使用貸借でしょう、法律的に言えば。あるいは賃貸借契約でしょう。使用承認という概念は民法上にはありませんよ。宮内庁独特のとにかく法理で何か文書が出ておる、こういうことなんですか。宮内庁の役人がそこに公務員としておって管理をしておる。それから、その公務員宿舎を使用しておるこの関係はわかります。問題は、東久邇家が使っておる部分について使用承認と言われるから、それは宮内庁が管理をしておるという関係以外に、宮内庁の役人として東久邇氏を採用をして、そしてそこで管理をしておるというならば別ですよ。そうでなくて、ただ使用承認と言われると、その関係一般民事関係ではわかりません。宮内庁独特のとにかく関係ですか。
  112. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) あれも国有財産ですから、国有財産の使用の場合に、それを管理者が承認する、公務員宿舎の場合の承認ということでいくわけですけれども、要するに、不法に入っておるということではない。承認を得て入っておるという形をとっておりまするから、だから普通の民事上のような借家の場合とちょっと違う公のものの使用ということで、手続もまあそういうふうに行なわれておるということでございます。
  113. 吉田法晴

    吉田法晴君 まだわかりませんが、宮内庁の役人が管理者としてその公務員宿舎に入っておる。これは管理者として入っておるのだけれども、その使用承認の関係は、これは宮内庁内部の関係、それはわかりますが、説明はあれですか、その管理者を通じて入っておるということが事実上承認をされておるという関係で、宮内庁と東久邇氏との間はどういう関係ですか。宮内庁の役人として使用承認をしておるというのですか、それとも、管理者が事実上使用しておるということを事実上承認をしておる、こういうことだけの関係で、宮内庁とそれから東久邇氏との間に契約なら契約があるわけではない。そうすると、民事上の普通の観念で言うと、宮内庁と東久通氏との間に賃貸借契約なら契約書が取りかわされておるわけではないが、管理者を通じて事実上人っておるということは認められておる、こういうことですか。
  114. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) そこにおります宮内庁の職員を通してではありません。宮内庁職員も、それは公務員宿舎としておるわけですから、管理者は宮内庁、それが終戦後国有財産に変わって、宮内庁が一応管理するというときになると、その際に、先ほど申したように、今まで事実上おられるものですから、その事実を認めた、承認したというのでそういうふうになっているわけで、その住んでいる人を通してとか、住んでいる人がやったとか、住んでいる人は公務員宿舎としておるので、同時に、宮内庁の職員としておりますから、その維持管理についての配慮は、これはいたすことと思いますけれども、住んでいる人が管理者でなくて、宮内庁が管理者ということであります。それが終戦のとき、その事実を承認したというわけであります。
  115. 吉田法晴

    吉田法晴君 宮内庁の職員との関係はいい。東久邇氏との関係はどうなっている。宮内庁の役人が事実上承認しただけでなくて、宮内庁も承認をした、使用承認をしている、こう言われるから、その関係はどういう関係なのか。
  116. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 結局、宮内庁が管理者として東久通さんに使用の承認をしたということになりますから、宮内庁との関係は、まあ使用を承認しているという関係において、普通の借家のような形と違いますけれども、やはりそこに借りている者、貸している者という関係が出ていると思います。
  117. 吉田法晴

    吉田法晴君 その東久邇氏を管理者として入れていると、こういうことですか。一般的なとにかく賃貸借とか何とかいう関係ではない。事実上承認しているが、文書が入っているかどうかもはっきりしませんが、管理者としてとにかく入れておる云々と言うならば、その宮内庁の管理者として、こういう公用財産の管理者として認めている。そうすると、これは宮内庁の役人に準じてですか、管理者ということになると。そういうとにかく法的な点がはっきりしないで、ただ事実上人っているのを承認している、契約書は入っておりません、家賃は払っておりませんということをはっきり言われればそれで済むのですが、何かこう承認をしたような法的な承認をしたような関係をしていて言われるもんだから、それなら宮内庁の管理者になっておるのだ、宮内庁の役人に準じて取り扱いをしている云々ということを聞かなければなりません。はっきりしませんね、やはり。
  118. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 結局その事実を承認した、承認しているということで、今、吉田先生言われたようなことになるのでございます。
  119. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、くどいようですけれども、東久邇氏を宮内庁の管理者として、当該建物の管理者としてはっきり指名したわけでもない、それから契約書も、民事的な賃貸借契約ということで契約書が入っているわけでもない、あるいは家賃がとにかく納められているわけでもない、はっきりした契約に基づいてやったというのではなく、その事実上人っているのを事実上承認したということにとどまるわけですね。そうすると、法的にはとにかくはっきりしない。だから居住権を主張する根拠がない。これだけははっきりしている。
  120. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) これは法的にもどうもちょっとはっきりしないので、われわれもいろいろ考えているのですけれども、はっきりしないのは事実なんです。従って、何かと言っていることがはっきりしないので、私自身もいろいろ考えてもはっきりしない点があると思います。
  121. 吉田法晴

    吉田法晴君 はっきりしないということがはっきりしたわけだ。
  122. 小幡治和

    理事小幡治和君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後は一時三十分再開することとし、これにて暫時休憩いたします。    午後零時九分休憩    ――――・――――    午後一時四十四分開会
  123. 小幡治和

    理事小幡治和君) これより内閣委員会を再開いたします。  午前に引き続きまして、皇室経済法施行法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  124. 吉田法晴

    吉田法晴君 松本先生から御質疑があるそうですが、その前に、午前中の質疑で数字の合わなかった点、少し明らかにしておいてもらいたいと思うのですが、一億七千九百七十一万円、午前中の説明では一億七千九百四十七万七千円と計算をされるのですが、少なくとも二十何万くらい違いがあるのですが、そういう意味宮内庁の数字というものは、どこでもつじつまが合わぬ、いいかげんじゃないか。これはまあ皇室に関しては、あるいはみんなが遠慮をする、あるいは宮内庁の方もいいかげんでいいのだ、こういう感じがあるのじゃないかという一つの証査でありますから、納得のいく説明を願いたい。
  125. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 午前中のときに、吹上お住居造営費の総額、営繕費、調度品費、付帯事務費合わせて一億七千九百四十七万七千円と申し上げて、前日御視察に見えたときの書類で一億七千九百七十一万九千円とありましたのと違いました点のお尋ねでございますが、これはこの今申し上げました三つの項目のほかに、造営のために嘱託の人に出す謝金、そういうものが午前に申し上げた中に落ちておりましたので、それを加えますと一億七千九百七十一万九千円になるわけでありまして、前日お上げいたしました書類は、造営に必要な経費全部をいろいろな項目のところを総計したものでございまして、決して不正確なことを申し上げたわけではございません。
  126. 小幡治和

    理事小幡治和君) ちょっと申し上げます。  関係当局よりの御出席の方は、午前中のお三方のほかに、ただいま藤枝総理府総務長官が御出席になっておられます。
  127. 吉田法晴

    吉田法晴君 今、差額は嘱託費だけだと言われましたが、嘱託費だけでなくて、午前中に、調度品費が含まれておることは述べられている。その嘱託費というのは何ですか。
  128. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この工事をする際の従業員の主体は、宮内庁の注文者の主体は、宮内庁の工務課の職員がやっているわけでありますが、そこの職員だけでは足らないというので、臨時に委嘱をした人に対する賃金を、名目のものでございますけれども、払っておる経費でございます。
  129. 吉田法晴

    吉田法晴君 労務者ですか、技術者ですか。
  130. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) これは普通の名目は賃金になっておりますけれども、普通の工事をする労務者ではございませんので、それぞれの専門を持っている技術の人でございます。
  131. 吉田法晴

    吉田法晴君 これは二十四万一千三百円というのが、午前中の説明で落ちておった金額ですが、二十四万一千三百円というのを、一人の技術者、これはまあ建築関係だろうと思うのですが、それに対する謝金というものですか。今まあ賃金という答弁、さきには謝金というような話、謝金というと予算に出ている謝金との関連があるかないかという点も疑問が起こって参りますけれども、二十四万一千三百円というのは、一人の建築技術者に対する謝金なり賃金なりと、こういうことですか。
  132. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) これは一人ではございませんので、たとえば測量する場合に測量関係の人たちとか、そういう意味で複数でございますけれども、そういうようなことでございます。
  133. 吉田法晴

    吉田法晴君 複数。それから本来の設計あるいは工事は宮内庁の工務課でやった。そうすると、今測量云々というお話ですが、測量をしたりなんかするのは、それは事前に測量をされているのでしょう、設計するまでに。設計は工務課ですか、工務部ですか、宮内庁の工務関係でやったと言うのです。そうすると、その施工に入ってから測量等を別に頼まなければならんという点がわかりませんが、それはどういうことですか。
  134. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) これは三十五年度、六年度、両年度にまたがった総額でございまして、三十五年の初めはまだ設計が完成していない。そういう場合には、設計に関連して委嘱した人が出て参りまするし、工事にかかってからでありましても、いろんな部分的な面で、注文者の立場から、さらに監督をしながらやっていく場合に、専門の人を委嘱してさらに見てもらうというようなことも出てきております。そういう人に対する賃金の、名目賃金といいますか、ずっと長くその人を委嘱するのでなくて、必要なときの委嘱でありますから、賃金の名目で支払っていたということでございます。
  135. 吉田法晴

    吉田法晴君 どうも説明を聞いておって、つじつまを合わせるために測量その他技術者複数に対する賃金というか、あるいは謝金という説明がなされているような気がしますね。その設計自身は宮内庁の工務関係の者がやった、あるいはその後の建築についても施工についても、この設計者は監督をしているでしょう。それに測量等の部外の者を頼まなければならなかったというと、どうも説明が合わんじゃないですか。
  136. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) やはりその測量というのは、一つの例として申し上げたわけで、いろいろこういうような工事の場合には、そうした委嘱に対する賃金というものは、ある程度それに伴うわけで、私もこまかく一々は存じませんので、一例を申し上げたわけでございます。
  137. 吉田法晴

    吉田法晴君 まあ休憩時間に私聞いた話を引き合いに出すのは恐縮ですが、その予算の一億六千幾らのほかに、あるいは謝金とか寄付とか、そういうものもあって、実際には予算以上にふくれたと、こういうように推測される説明もあったのですが、いわば一億七千九百七十一万円と、それから予算にあります一億六千二百七十六万との差額をいろんな名目で、とにかく中身はようわからんけれども、いや調度類だ、あるいは嘱託費だとか謝金だ、こういうようにつじつまを合わせるあれじゃないですか。予算の面でどこの項目にどうしてあったものをこちらに移して、それが差額になっているのだ、こういうことならば数字が上がって、それから中身もはっきりしているはずです。
  138. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 予算の面ですと、この造営の工事費のところが、三十五年度と三十六年度で合わせますると、一億六千二百七十六万五千円、それから予算面の庁費の中に含まれておりまするこれは調度品経費、これが千四百五十三万七千円、それから事務費も庁費の中に含まれて参りまするが、これが約二百十七万五千円、そのほかに、やはり予算の賃金という項目の賃金の中に二十四万一千円入っておるということで、それを合わせてみますると一億七千九百七十一万九千円ということになりますということで、予算基礎はございますわけでございます。
  139. 吉田法晴

    吉田法晴君 予算の中の賃金云々というお話で、それはどこなんですか、謝金というお話がありますが、謝金というお話は、予算の中に謝金という項目は別にございます。その中から出したということなんですか。それから数字が、今あれは賃金で二十六万云々というお話ですが、先ほど午前中に示された数字を計算すると、一億七千九百四十七万七千円ということで、差額は二十四万一千三百、数字が違います。予算のどこのどういう項目の中の幾らを持ってきたのか。それから、その謝金云々というならば、この宮廷費の中の諸謝金と関連があるのかどうか知りませんが、予算の賃金と、その予算はどこから持ってきたのですか、数字も違います。
  140. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この調度品費というものは、予算のところにも宮廷用器具費というようなところがそれで、二千五十万六千円というような、含んだものがあるのです。それから、その事務費の関係で、これはその皇室費の方じゃなくて、宮内庁費の方の予算の方に入っております。賃金も、宮内庁費の方にそういうところがございまして、そこに入っております。
  141. 吉田法晴

    吉田法晴君 数字は合っていないのですね。二十六万というのと二十四万というの、数字も違っている。
  142. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 二十六万というように私が申し上げたのでしょうか、何かちょっと。
  143. 吉田法晴

    吉田法晴君 今の。
  144. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) それは二十四万一千三百円の言い違いだと思います。
  145. 吉田法晴

    吉田法晴君 それは宮内庁費の賃金部分、しかし、それにしては総工費の中に、別の予算にある建築費といいますか、あるいは新築費というか、その一億六千万に相当する部分のほかに、別に賃金なり何なりに計上してあるものを、これは宮内庁費にしても、それを持ってきて、これだけかかりましたという説明はおかしいじゃないですか。
  146. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 皇居造営に必要な経費として特に予算に組んだもの全部を申し上げる方が、この方がかえって正直だと思うので、もし皇居造営のこのことがなければ、その分は要らないということでございまして、そのために要る経費というものを、工事費のほかに、そういうような経費も一緒に出したものを、これだけの経費がかかりますということを申し上げたので、かえってまあ親切なつもりで申し上げたのでございます。
  147. 吉田法晴

    吉田法晴君 その造営費として一億六千二百七十六万五千と、これは予算に計上してある新築費、建物費用、そのほかに調度費が千四百五十三万七千円、それから事務費が二百十七万五千、そうして二十四万一千三百円がこれは賃金である。諸度調弁費云々というのは、これは新築の費用に別に計上してあるにしても、それは新築の費用の中に、予算の項目は別だったけれども、それが入ったんですという説明はわかりますけれども、賃金まで、新築予算でなしに、別の項目に計上してあったから二十四万一千円という金額を持ってきた、こういう款項目の流用ではありませんが、そういうものを含んで賃金云々というものが中に入っておりますという話ではちょっとおかしいじゃないか。
  148. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) それに関連している経費ということでございますので、それを申し上げたので、そこに間違いがないように、かえって親切に申し上げたように思うのですが、ちょっとお尋ねの趣旨がのみ込みかねるのでございますけれども、どういうふうな……。
  149. 吉田法晴

    吉田法晴君 造営費として予算に計上してあったのは一億六千二百七十六万五千円、そのほかに、費目が違っておったけれども、調度費の中からこれだけ、あるいは事務費の中からこれだけ云々という説明だとわかるのですけれども、賃金まで出てきて、そうしてその賃金の中の一部分が入っておりましたと、こういう説明では、吹上の住居の総工費幾らかかりましたという説明としてはずさんじゃないか。新築にこれだけかかる、しかも、十月完成までにはこれだけかかるという費目としてあげられてきたものの中に、通常の工賃云々というものが、初めの建築費あるいは造営費なら造営費の中に見てあればいいけれども、見てなくて、別の項目の分が幾らか入っている、こういう説明だと、新築にこれだけ要りますという説明としては、少なくともずさんじゃないか、あるいは款項目の流用がなされたというか、少なくとも説明にはそれが入っておりません。
  150. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 賃金の面は、賃金のところからそれだけ流用するという意味ではないので、大蔵省へ予算の要求書を出します。そういう場合に、この吹上の住居の造営の関係でこれだけの賃金が要るというので出しているわけで、それが三十五年度は約十五万一千円、三十六年度が約九万一千円、両方合わせて二十四万一千三百円ということで、これは吹上の住居の造営の関係でこれだけのものというやはり費目は別のところに持っておりますけれども、賃金のワク、そこから流用するというのではございません。
  151. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、最初から新築の総工費は一億七千九百七十一万円であった、その中に建物の建設費あるいは調度費、あるいは事務費、あるいは人件費、こういうものが計上してあったというのですが、そんなら最初の予算説明をされている一億六千幾らという国会に出した資料が不正確ということになる。
  152. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 午前中も申し上げましたけれども、組み方で造営費として、それが主たる部分で、その部分だけを特に取り上げて申します場合には、一億六千二百七十六万五千円というふうに申し上げるのが、普通の例でありまして、そのほかに、なおこういうものが要るというようなこと、それを加えて総体幾らということでございます。なお、特に財産取得の関係は国会の承認も要るわけですが、その場合は、不動産の財産取得、そうなりますと、その場合には、この造営費の一億六千二百六十一万円の部分が不動産ということで御承認願うということでございます。その意味でこの部分がこの前国会に出ておったと思います。
  153. 吉田法晴

    吉田法晴君 経理関係の担当者に伺いますが、三十五年度一億九十四万二千円、三十六年度六千百八十二万三千円、これは吹上住居の整備費と書いてありますが、その中には、調度とか何とかいうものは含まない、そうして不動産としては一億六千云々という、調度を含まない額だ、こういう説明ですが、そうですか。通常で考えますと、建物を建て、それから諸度調弁費は諸度調弁費で別に書いて、それが一体となって不動産といいますか、建物と一体をなすように私ども理解をするのですけれども、この予算の中には、そういう調度とか、あとで一体となるものは予算には計上してないで、賃金部分もそうですけれども、していないで、でき上がったものは一億六千云々という計算をするんですか。今の説明を聞いていて、もし、一億七千九百七十一万九千円というものが実際にかかった総経費だと言われると、少なくともこの予算はずさんだと言わざるを得ませんが、どうなんですか。
  154. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 予算としては、これは専門の大蔵省の方でも十分検討してお作りを願っているので、私ども予算の専門家でございませんけれども、そういう意味で、予算としてはずさんなものではない。それも必要な経費がそれぞれあげられているわけでございますから、ただ、不動産の関係皇室用財産取得というような場合には、その造営費の部分、不動産の部分を特に国会の御承認を得て、これを皇室用財産にするという手続きをとられる。そういうものでない経費もやはり予算にのっける、他の予算にのっけるところを、正直にこれだけかかりますという、こういうふうに御説明をする方が親切なやり方だと思って、皆さんがお見えになったときに、全部の経費を加えたものを申し上げて、間違いはないと私は思います。
  155. 吉田法晴

    吉田法晴君 間違いであるかどうかというところの結論を出す前に、一億七千九百七十一万九千円というものの中には、説明によると、調度費あるいは事務費、あるいは労賃といいますかね、技術者の謝金を含んでいる。予算には一億六千幾らという予算が出ている。そうすると、この整備費、これは新築費と書いてありませんけれども、整備費と書いてありますから、整備費の中には建物だけじゃなくて、調度も含まれ、あるいは賃金等も当然含まれてこれは予算が作られているのじゃないかと、こう理解するのが当然でしょう。そうしてでき上がった建物を一体として見て、それが幾らになるか、帳簿の上では一億六千幾らということになりましょう。しかし、この費目からいうと、別の費目の人件費、あるいは調度費、あるいは事務費というものが含まって一億七千幾らになったというならば、少なくとも簿価の上からいっても、一億六千と一億七千という開きが出てくる。そうすると、予算を要求したこの一億六千というのは、そのほかに、今年でいうと六千百八十二万円ですか、それはそのほかにまだ調度費とか人件費とかいうものがある、こういう説明をされるから、そうすると、三十六年度の予算というのは、これは整備費としてはそのほかにもあるのだ、こういうことになるんじゃないか。予算で要求するときには、整備費をこれだけ要求するんだから、整備費をこれだけ出せば吹上の住居は完成するんだ、こういう建前と理解するんじゃないですか。われわれは少くともそういうふうに理解します。それはそういう説明はあなたの方から言えば親切かもしれないけれども、予算審議をする場合には、これは一億幾らにことし六千百八十二万三千円というものを出せばでき上がると理解して予算審議しておりますよ。ほかのところにもまだ金額が上がっておる。その差が全部でいうと千七百万円になりますけれども、そういうようなものがあるということは、少なくとも、とにかく予算の形式としては不備がある、あるいはこのほかに千七百万円というものがあったということになる。そういう意味で、説明としてもずさんだ、あるいは予算書としてもずさんだと一言えるじゃないですか。そうして結果は、あなたの言われるように、簿価の上からすれば一億六千幾らということになる。実際には労務費なり事務費なりというものが加わって一億七千九百七十一万円というのが財産としてでき上がる、一体となって。
  156. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) お尋ねのお気持の点、どうもはっきりわかりかねるのですけれども、普通の予算の組み方がされているわけでございまして、調度費とか付帯の事務費というものを、特に施設費の中に含めないで、それに該当する庁費の項目に入れるのが普通の組み方であるというので普通の組み方がされておるのでございまして、特にこの場合に特別の組み方をしたわけではないというふうに思います。
  157. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、一億九十四万二千円あるいは六千百八十二万三千円の中には、人件費は入っていないのですか、あるいは事務費は入っていないのですか、労賃は入っているのでしょう、大工さんやなんかは。
  158. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この造営費の一億六千二百七十六万五千円の方、これには人件費は入っておりません。工事に従事する人がありますが、これは請負に出すわけですから、それは請負業者の方では人を使っておりますから、請負契約で一本でいきますから、特別に人件費というものは出てこない。
  159. 吉田法晴

    吉田法晴君 請負にするが、その中には人件費は入っておる。それから設計、監督も、普通は入っているはずです。で、宮内庁で実際にやられるというので、それはこの費目の中に入らないで、人件費部分に入っているかもしれません。しかし、宮内庁でやらない、あるいは設計、監督か何か知りませんけれども、測量なり、あるいは注文者として云々という話ですから、これは設計費あるいは設計監督費の一部でしょう。あるいは普通だと整備費なり建築費なり、あるいは設計費、監督費というのは入っておる。設計を実際に宮内庁でやったからということで、それは宮内庁の人間だから、別の項目に入っているでしょう。しかし、それで足りないで設計、監督をするというものは、本来これの中に入っていなければならぬはずです、六千百八十二万円の中に。それがこの中に入ってないで、別の項目で入っておると言われるならば、少なくとも六千百八十二万円の説明が足りない。そうじゃないですか。普通の場合を考えれば、設計、監督費というのは入っておりますよ、工事費の中に。そして、それがつけ加わってどれだけのものができ上がったか、実際に一億七千九百七十一万円のものができ上がった。で、帳簿上は事務費なり調度費なり、あるいは人件費の一部というものを別に出してあったからということで、一億六千幾らというものが帳簿に出てくる。それは事実違ってくるじゃないですか、実体と。設計、監督費なら設計、監督費の一部が二十四万一千三百円にしても、それは建物にくっついておりますよ。もしあなたが言われるように、数名の人間で、あるいは測量だとか、あるいは監督、その後の技術員云々ということになれば、これは加わるでしょう。実体と違った帳簿上のものが出てくる。それは予算の組み方なり、あるいは説明の仕方が悪かったのか、それとも予算外のものをとにかく流用してつけ加えたと、こういうことにしかならぬじゃないですか。
  160. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 予算外のものをつけ加えたんじゃなくて、やはり初めからそういう予算が要るというので、予算をその項目の中に組んであるわけであります。で、これは多分他の建設省が直轄のようにして設計、監督してやられる工事の場合についても、工事費というとこれだけ。そのほかに、建設省が従来の事業でやられて、そのほかに臨時に何か入ってくれば、そういうものをまた別に予算として別の項目で組まれておりまして、普通の公共営造物の造営の予算の組み方で、この場合だけ特別に変わった組み方をしているとは考えられないわけでございます。
  161. 吉田法晴

    吉田法晴君 瓜生さんでわからなければ、ほかの経理関係、あるいは工務関係説明者でもけっこうですが、今も建設省の例を引かれましたけれども、建設省の役人が直接当たれば、建設省のこれは人件費でまかなうんですから、これは予算が別になることはわかります。しかし、その他の労務費、あるいは設計、監督費というものは、工事に付帯して――工事の基礎ですが――やる場合には、これは設計、監督費というものは入っているでしょう。それは、なるほどこの予算の中で別な項目かもしらぬけれども、調度費、あるいは人件費としてほかに計上しておるかもしらぬけれども、そうすると、予算の最初の出し方がずさんだということになるんじゃないですか。そうでなければ、宮内庁の立場からいっても、実際にでき上がったものは一億七千九百七十一万円ということだから、少なくとも簿価として一億六千万幾らという簿価と実体と違ってくるじゃないですか、こういうことが言えるんじゃないですか、その辺の説明を……。
  162. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) 先ほど来、瓜生次長から御説明がございましたが、吹上お住居施設費のうちに、予算上あがっておりますのは、普通に大蔵省でやっておりますように、純粋の工事費が上がっておるわけでございますが、仰せの通り、ある施設をやります際に、それに付帯的ないろいろの設計だとか、あるいはまたそれに人件費的なものも当然要るわけでございまして、その要求に対しまして、大蔵省の方といたしまして、予算の立て方といたしまして、このものについては庁費に入れるとか、あるいはまた、このものについては賃金で整理するというふうに、各予算項目に適当なそれぞれの費目において整理いたしておりまして、ここに上がっております三十六年度の六千一百万円と申しますのは、先ほど来御説明申し上げましたように、純粋の工事費のものが上がっておるわけでございます。それで、でき上がりました後におきまして、財産取得の段階におきまして一億七千万円が適当であるじゃないかというふうな意味の御発言もございましたけれども、これはそのうちには、先ほど来申し上げましたように、動産的なものも入っておりまして、財産取得の段階におきまして会議に付されます部分は、皇室財産として、不動産として取得するのが対象になっておりますので、その意味におきまして、純粋の工事費を基礎として考えるのが適当じゃないだろうかというふうなことを御答弁申し上げた次第でございます。
  163. 吉田法晴

    吉田法晴君 不動産なら不動産として、一億六千幾らというものは実際かかったんだから、それだけを帳簿に上げる。調度は調度で別に上げる、これはわかりますけれども、しかし、賃金部分を別に計上して、そこから使ったから云々という話になると、その賃金部分等は、これはまあ調度もですが、どこから出たのか。予算説明によると、どこに入るのかという疑問も起こってくるのですが、それから賃金部分が謝金といわれ、あるいは賃金といわれても、その賃金部分は別に帳簿に出てこぬのでしょう。これは建物に付加するのですか。
  164. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) 先ほど来、賃金につきましていろいろ御質疑がございましたけれども、賃金は、三十五年度、それから三十六年度と、多少予算の組み方が違っておりまして、前回委員の方々が御視察に来られました際に、御説明用の資料としてお出ししました内容のうちには、工事費、それから付帯経費、あるいは動産的な経費、それから、それに関連いたしまして、多少の人手不足を補うために賃金的なものも加えまして、その金額が二十四万円というふうなものを全体合わせましてこれこれの金額であると、こういうふうに御説明申し上げました。これでこの三十五年度中には、宮廷費中に賃金の部面も入っておりまして、この賃金は、三十五年度の宮廷費の庁費の中に入っておりまして、三十六年度におきましては、これは宮内庁だけでございませんで、各省共通でございますけれども、そうした人的な賃金面は、全部庁費的な方に集めて整理しようじゃないかというふうなことで、先ほど来申し上げましたように、宮内庁費のうちの賃金部面に入っております。それで、御視察のときに資料として出しましたうちに、総体の何から何までを全部正直に、そうした賃金の部面なんかも入れまして、そうして御説明いたしました。その数字と、正式に国会に提出いたしました予算書との間に、先ほど来御疑問の点があったかと思うのでございますけれども、そうしたいきさつ、内容になっておりますので、御了承いただきたいと存じております。
  165. 吉田法晴

    吉田法晴君 こまかいことでそうあまりやりたくないのですがね。どうも説明は首尾一貫していないし、いいかげんだという印象はなおぬぐい去ることができないのですが、その今の説明だと、賃金部分も、三十五年度は一億幾らの中に入っておった。それから三十六年度は、賃金部分は庁費の中に入っていて、それから回されている、こういう説明。この両年度を通じて、調度費、それから人件費事務費も含んでですが、事務費といわれた二十一万七千五百円と、それから二十四万一千三百円というのは、それはわれわれいただいておる各費目のうちからいうと、庁費の中に入っておるものを使ったんだ、こういうことですか。  それからもう一つは、一億六千幾らということででき上がったら、不動産の価格がこれだけだと、こういう説明ですが、しかし、その賃金部分は、これはほかに調度品が幾らということで帳簿は出ないのですが、一億六千幾らの中に入る、付加して一体になる。これは帳簿に、別に調度品が幾ら云々という、人件費が幾らということで、残りはせぬ。そうすると、一億六千幾らというものと、それから、一億幾らになるかわかりませんけれども、実体の評価との間には、違いが出てきますね、これは認めざるを得ないでしょう。
  166. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) 先ほど、賃金が三十五年度の施設整備費のうちに入っているか、入っていないじゃないかというような御質疑でございましたけれども、三十五年度中の賃金は庁費のうちに入っておるわけでございます。宮廷費のうちの庁費のうちで整理いたしておる次第でございます。  それからもう一つ、でき上がったときの賃金を一億六千万円のうちに吸収して評価すべきじゃないかというような意味の御質疑がございましたけれども、これは純粋の工事費の部面を標準といたしまして将来の考え方を立ててしかるべきじゃないかというふうなことを答弁申し上げただけでございまして、その評価を幾らにどうするかというふうなことは、その段階におきまして、またあらためてでき上がった後に評価されるべき問題でございまして、考え方の標準は、純粋の工事費が中心でございますというふうに申し上げただけでございます。
  167. 吉田法晴

    吉田法晴君 やめますが、いずれにしても、とにかく三十五年度のやり方と三十六年度のやり方は、人件費の点についても違う。それから、少なくとも予算で一億六千幾らで整備ができるという中に落ちておるものがある。庁費の中で云々というお話ですけれども、そういう点からいっても、常識的に考えてみたその予算の計上の仕方とは違うし、大蔵省とは打ち合わしておったということですけれども、宮内庁のことだから、あるいは宮廷のことだから、予算使い方、その表示の仕方というものもいいかげんで、あるいは流用じゃないかもしれませんけれども、少なくとも予算の立て方、あるいはその国会への出し方、その点についてはずさんがあるということは、これは非難を免れぬと思う。いいかげんな点があるということの一つの証左として確認をするにとどめて、この問題終わります。    ―――――――――――
  168. 小幡治和

    理事小幡治和君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、二見甚郷君が辞任され、米田正文君が選任されました。    ―――――――――――
  169. 小幡治和

    理事小幡治和君) なお、関係当局の中で、佐藤総理府総務副長官もただいま御出席になりました。
  170. 松本治一郎

    松本治一郎君 私は、瓜生次長にお尋ねします。  現在皇室用財産としてあるものが全国に十五カ所ですね。その土地の広さは、全国に七百八十七万九千七百二十三坪、その上に建てられている建物は、総坪数は五万一千百四坪になっておりますが、数字はその通りですか。
  171. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この私の手元にありますものと、小さいところ、ちょっと何かありまするけれども、土地全体は七百八十七万六千九百六十三・六一坪、建物が四万九千七百八坪と、こうなっております。大体同じです。ちょっとどこか違います。
  172. 松本治一郎

    松本治一郎君 このうち、全く使用していないもの、たとえば常盤松、高輪南町、その他開放すべき余地のあるものはどのくらいでしょう。
  173. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 現在のところは、皇室用財産として管理していくのが適当であるというので管理されておるわけでございます。午前中、高輪南町の御用邸についてはいろいろお話がありました。研究問題だと思います。研究問題のところはございます。おあげになりました常盤松の御用邸の方は、東宮仮御所として使用されておりましたが、東宮御所ができまして、皇太子殿下が東宮御所に移られた跡が、今は一応あいているようには見えますが、その部分については、将来、義宮さんが御結婚にでもなるというような場合に、ここへ一時的にお入りになるとか、あるいは皇族の集まられる場合の場所に考えられるというようなことが考えられるわけで、この部分は将来に向かってもぜひ必要と考えるのでございます。その他葉山の御用邸、那須御用邸、ここはおわかりですし、下総御料牧場、新浜猟場、埼玉猟場、修学院離宮、桂離宮、正倉院、それから陵墓、そういうような関係がございます。沼津の御用邸においても、これもやや検討を要するものじゃないかと、ざっくばらんに申しますと思う点もございます。ここ二、三年ちょっとお使いになっておりません。海水浴なんかするにはいい場所で、まあ義宮さんあたりが学友と一緒に行かれた場合、ちょっと使われたことがあるということがございます。将来、あるいはまた浩宮様がだんだん大きくなられた場合に必要とも考えられますので、しかし、ここについても、まあそういうことを考えるべきじゃないかという意見もあり、これについてもいろいろ検討を要する点があるかと思います。
  174. 松本治一郎

    松本治一郎君 現在国民は、あの戦争のために残された子供を抱いてあえいでおる人が少なくないのであります。また、学校が狭いために二部教授を行ない、それでも不足のために、公会堂や寺院を使用しなければ第二の国民である青少年の教育はできないという状態であるのであります。日本に生まれて日本に住みついていた国民の中には、生活困難のために海外移住をすらしなければならない人があるのであります。今日の国民は国の主権者である。その主権者である国民を守るのではなくして、国民の生活を犠牲にして、首を切られ、失業している者、最低生活もできないで自殺する者も出ておるのであります。海外に移住する者があるのに、要らぬ金、余る金をどうして皇室のぜいたくのためにふやしてやらなきゃならないかと、こう考えるのであります。どう思われますか。
  175. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 皇室は、国民の総意に基づいて、国民とともにあられていくわけでございまして、一般の国民の中にいろいろお困りの方のある事情についても、常に頭の中に考えておられるし、必要なことについては、またいろいろ心を配っておられるわけでございまして、まあ生活の実態は、そうぜいたくということのないように、常に心がけておられて、質素を旨としておられると思うのでございます。しかし、ずっと低い生活をしている方から見れば、その生活程度がまだまだ上位の生活をなさっておりまするけれども、しかし、これも国民の総意に沿うて、国民の総意がどういうふうなことを期待し、どういうふうに望んでいるかという、国民の総意を常に考え合わせながらその程度というものを考えていく、国民の中にはいろいろな方がございます。先生のおっしゃいますような方もたくさんおられるでしょうし、また、違う方もたくさんおられます。最大公約数に総合したものが総意、その総意が那辺にあるかというものの判断はなかなかこれはむずかしいですけれども、あるいはいろんな新聞、雑誌に現われた資料も一応参考にしまするし、選挙の際にも、投票を通じて現われて参りまするそういう表現、そういうものも参考にする等、いろいろ考えて、結局国民の総意に沿うように進んでいかなければならない。根本においては質素を旨としていかれまするけれども、国民の総意が期待する線ということも常に考えて進んでいかれるのであると思います。そういう意味において、先生のおっしゃいましたような御意見の次第も、これは十分われわれ宮内庁に勤める者としては常に考えることでございまするけれども、しかし、総意というものはどの辺にあるかということも考えながら今のような進め方でいっているといろ点を  一応御了承を得たいと思うのであります。
  176. 松本治一郎

    松本治一郎君 憲法二十五条は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と、こううたってある。ところが、それすらできないで困っておる人がたくさんある。六法全書のどこを見ても、ぜいたくにして最高の生活を営む権利を持っているとは書いてない。皇太子がアメリカ、東南アジアに旅行されたあのときの模様を、ある農村の一婦人はこう言っておる。私は戦争のために主人を失い、三人の子供を抱えて今あえいでおるのである。あの派手な着物が一着分あったならば、三人の子供がどんなに助かるだろう、ちょうどあの美しい姿はファッション・モデルのようであった。戦争させた天皇一家はぜいたくができて、戦争させられて苦しい生活をさせられておるわれわれはどう考えなきゃならぬかということを、毎朝五時五分から放送されておる早起き鳥で聞かされたのであります。そういうことはわかっておりますか。
  177. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 今おっしゃいましたようなのは週刊誌にも載っておりまして、まあそういうような声のあることも承知をいたしております。で、これはなかなかむずかしいことでございます。皇族として公的に御旅行になる、その場合に、やはり御服装その他も、そう貧弱でもいかない、ぜいたくは必要ありませんけれども、相応のやはり服装をなさっていないと、外国へ行かれた相手国の人々が、まあいろいろな人もおりまして、結局日本に対する評価というようなことをそういう面を通じてもいたしまするし、相手に与えます感じも、やはり相当な服装をなさっていた方がいい感じを与える、それによって両国の間の、国民の間のなごやかな親しさが増されて、それが基礎になって、場合によると貿易その他の面においても、また、場合によっては円滑にいくということもあることを外務省の人から聞いたわけでございまして、公務の必要によって行かれて、その場合にこれぐらいのことが必要だということでやっておられるわけで、まあそこらあたり、しかしながら、ほんとうに困っておる方から見ますと、今先生がおっしゃるような、こういうような所見の出ることも私ども考えなければいけないと思って、そういうような不平不満といいますか、そういうようなことが皇室の方に関連してなるべくないように考えなければいけないということを、われわれとしては常に頭を使っておるつもりでございまするけれども、先ほど申しましたように、やはり公的な御旅行をなさる場合、外国に行かれるような場合は、ある程度のことは必要で、その点もやはりお考えをいただきたいと思うのであります。まあそこらあたりのかね合いというものがなかなかむずかしいですけれども、まあ御意見のような次第も常にわれわれは忘れてはいないということを申し上げておきます。
  178. 松本治一郎

    松本治一郎君 皇太子のアメリカ旅行、東南アジア旅行に対して、外国人で批評したのはネール氏が一番よかったと思います。ネール首相は、だれが見ても幸福感を感ずるであろう、おれが日本を訪問したときに、おれは何人で行ったかと、そういうことがネール首相だけじゃないのです。各国からくる手紙でもわかるわけです。そういう空気が外国にもあるということをやはり知っておってもらいたいと思います。
  179. 吉田法晴

    吉田法晴君 瓜生次長は、服装も相応にすることが日本の評価の基礎になる。あるいはそのことが、ひいて貿易にもよく影響するのじゃないか、こういうお話ですが、テレビに出てくる一場面々々々、必ず着物が違っておったと、こういう表現を、これは女は着物に敏感なものですから、みんな言っている。テレビに出て来られる一ぺん一ぺん着物が変わっておった。しかも、その着物の一つ一つが、あれ一着あったら、今のお話ではありませんが、三人の子供に自分たちとしては十分のことができるのじゃなかろうかといわれるほどにりっぱなものでちったと国民が受け取っておる。これは女に聞くと、みんなそう言うのです。一ぺん一ぺん出て来るときに着物が違う。午前中と午後、あるいはきょうと翌日という工合に違っておったのか、そこは知りませんが、とにかくテレビに出てこられるたびごとに、一ぺん一ぺん着物が違っている。その一ぺん一ぺんの着物が、三人の子供をかかえる自分の生活に比べると、あれ一着分があったらということを感じさせるようなりっぱなものである。こういうことになって、それが相応で、あるいは日本の評価を高からしめ、あるいは貿易に有利に働くだろうと答弁されるのですが、ネール首相は、今の松本委員質問ではありませんが、その随行の人数でも、自分でさえあんなにはたくさん連れて行かなかった。あんなにたくさんの人を連れ、あれだけの費用をかける云々ということであれば、だれも幸福感を感ずるだろうと言うのは、これはみなあなたの言われるところによると公務だ、その公務であるかどうか、皇太子の海外旅行をどういう工合に使っているかという問題は、これはあとの問題ですから、それは略しますけれども、やはりそこには外国の評価が、瓜生さんの言われるのとは逆にやはりなされておるということを証明しておると思うのですが、それでもやはり相応だと考えられますか。
  180. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 日本人の中でも、顔もいろいろ違い、考え方もいろいろ違いますが、外国人の中にも、顔が違い、また、いろいろの考え方の方がいるので、これも総合的に考えて、どこらあたりが最大公約数かということで考えていく必要があると思うのでございまして、そういうような意味で申し上げたのでございます。なお、服装がたびたびに違っておられる、テレビの面では、私もよくは覚えてないのですけれども、違っておったのかと思います。それは、そういうふうな公的の場合にはそうですが、平素そんなにはかえておられないので、平素の、普通の私生活においては、そう派手なことはなさっていないのでございます。何か外国人によっても考えが違うのかと思いますけれども、つまり天候とかその歩所柄ですけれども、そういうのによりまして婦人の服装はいろいろ変えるのがいいというふうに考えている人が多いようで、これももちろんそうでないという考えの人もあるかもしれませんが、そういう意味で、その日の模様、あるいはお出になる場所というようなことによって、服装を変えられておるというのが、それがテレビの上に出たと思います。なお、私は週刊雑誌を読んでのことですが、非常に一着何十万円もするということが書いてありましたが、実際はそんなに高価ではないので、もっと安いのでございます。見た目がよく見えるのかと思います。
  181. 吉田法晴

    吉田法晴君 これは国民、特に服装のことですから女が敏感で、一ぺん一ぺん違っておったという点はみんな見た。しかも、それがあなたが見られた雑誌についても、数十万円するものであろうとみられたくらいで、実際はもう少し安かったという、どの程度安かったか知りませんけれども、それは国民が一般に着ているものとは違いましょう。あるいは結婚の場合にも、一ぺんしか着られぬ紋付ですか、そのような着物を作ることがいいか悪いかということさえ民間では論議されているのです。しかし、そういう国民の目から見ると、相当りっぱなものをたびごとに着ておられる。たびごとに違っておった、こういう印象を皆受けているところは、国民の多数が、やはり一々違った、あるいは着られているものは一つ一つがりっぱなものであった、それをとにかく自分の生活に引き比べてみて、あれだけの着物の一着分でもあれば、自分の子供が、とにかく三人子供がいれば三着分じゃなくて、もっとできる。平素困らないくらい買ってやれるのじゃないか。一着の着物を買うさえ苦労をしているものだから、そこであれだけの一着分の金があったら、子供に着物を着せるのに不自由をしないだろうという感情を込めて、感懐を込めて言っていることなんです。そこにはやはり批判が入っている。それはいろいろな意見もあるでしょう、こう言われますけれども、そこにやはり端的に国民の感情が出ている。あるいはネール氏の随員の数からするあれにしても、経費あるいは規模、こういうものについて、これはインドの首相だけれども、アジアの諸国の中のとにかく大きな国、その首相が、国民の感情も、ある意味においては代弁もし、代表をして言っている。そうすると、これはインドだけじゃなしに、相当にほかの国から見ても、そういう感情をやはり抱いている。そのことが、あなたが言われるように、日本の評価を高からしめ、貿易を伸ばすゆえんでなしに、むしろ逆に働いているのじゃないかという一つの証左として今申し上げたわけでありますけれども、相当のとにかく批判がなされている。あるいは服装関連をして、あるいは費用関連をし、あるいは随員に関連をして、皇室予算の点について、これは疑問が投げかけられている。これが妥当であるかどうかという点がそこに秘められて意見が述べられているとこれは考えられるのです。重ねて私は次長に御答弁願いたい。
  182. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) いろいろの御批判のあります点については、われわれとしてもそれを決して軽視しないで、そういう問題についての今後の問題をどう考えるかという場合の、十分の参考にはしているつもりであります。しかし、それには程度の問題もあります。いろいろ御意見もありまするし、その御批判の通りにして、また今度別の面でまた別の批判も出るのじゃないか。何か妃殿下の御服装の問題で、もっと何かじみにした方がよろしいというようなものに対する新聞の投書面ですけれども、しかし、自分たちは、自分が十分できなくても、一つのあこがれを持っている人に着てもらって、それを見て楽しむ、一緒に親しみを覚えていくということもあるのだから、そういう人のあることも忘れないでほしいというような投書もありましたし、まあいろいろの考え方がございます。しかし、そういうようなものを総合して新しい時代に処していくにはどうしたらいいかということを十分考えていきたいと思うので、現在の姿がこれが百点満点だといって、これは改める余地がないというふうにも考えないで、その日その日の改めることを常に考えながら進んでいきたいと思っております。
  183. 吉田法晴

    吉田法晴君 都合のいい意見だけとにかく取り上げて、それが世論だというつもりはないようですけれども、どうも答弁を聞いていると、その切実な国民の生活を反映した意見というものを十分考慮しようとしていないのじゃないか、こういう疑問を持ちますだけに、その点だけは強調して申し上げておきたい。  問題は、その服装の問題じゃなくて、使っていないあるいは用邸といいますか、あるいは土地建物について国民に開放すべきじゃないか、こういう問題もある。高輪についてはお話がありました。それから沼津ですか、沼津の御用邸についても、めったに使っていないし、義宮等が一ぺんか行かれたこともあるけれども、これもまあそうたびたび使っているわけではないし、考えなければならない問題だというお話がありました。これは全体についてある問題です。特に最近農民についても、海外に移住さえしなければならない人間がある。それから農地についてもそう。あるいは住宅地についてもそう。これは東京都の住宅、宅地事情について私今申し上げるわけではありませんが、一坪が何万というのではなくて、何十万もする。そうして値上がりがとどまるところを知らぬ。数年の間に土地の売買をして何億という金をもうけた人間もある。それから旧皇族財産をあれしてどんどんもうけておる人間もあるわけですが、そこで、土地の問題というもの、あるいは建物という問題について、これだけ国民の関心が高まって、土地が暴騰することを防ぐために、国としても何らかの施策を講じなければならないという声は、これは国会の周辺にもある。政府も考えなければならぬが、われわれも考えなければならぬ。とにかく法律案さえも用意しなければならないという実態にあることは、あなた御承知の通り。そういう中で、全体について使っていないもの、あるいはほとんど使わないもの、それから部分的に御所を含んで使わない部分について、開放を考えるべきだ。あるいは国民のために使えるようにすべきではないか。あるいはそれを住宅地として開放する部分もありましょう。あるいは公園ということにするあれもありましょう。用途はとにかくでありますけれども、全体について再検討すべき時期ではないかということは、これは瓜生さんもお認めになっておるところだと思う。で、あげられたほかに、そういう点について検討され、あるいはこういう点については考えなければならぬという点はないのですか。重ねて具体的にあげる前に一般的に一つ宮内庁の意見というものをお述べを願いたい。
  184. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 御用邸とかそういう関係では今申したわけでございますが、なお、皇居の関係につきまして、皇居はこれは約三十万坪ございますが、そのうちの東側の十万坪、これは旧江戸城の本丸、二の丸、三の丸のあった所、大手門、内桜田門から入った地域でありますが、その部分につきましては、これは皇居造営審議会の御答申の趣旨もございましたし、これを庭園として整備して宮中行事に支障のない限りは、原則として一般国民に開放するという準備も進められておりまして、今年度の予算にも、それのためのものが八百何十万を一応第一年度としてみておりますが、これはやはり今おっしゃいましたような御趣旨に沿う一つであると思います。
  185. 吉田法晴

    吉田法晴君 この皇居の公園化問題というのは、けさの新聞にも出ていましたが、実はその開放云々という話があったのはもう数年前の話で、数年間とにかく問題にしなければほったらかしにしておくのかという印象を私どもきのうまで持っていた。ようやく出ておりますが、ただ、これは今まで普通財産であったものもあったから、先月宮内庁に移管をして、それから宮内庁は地主の立場になってそうして公園化を考える、こういうお話のようですが、そうすると、どうもその辺に私ども納得のいかない点もございますが、開放という方針をきめて数年間の期間がたったのはどういう理由なのか、承りたい。  それから普通財産であったものをわざわざ宮内庁に移管をしてなぜ公園化あるいは開放を考えなければならぬのか。その点納得のいかぬものがありますが、これはどういうことなんですか。
  186. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 東地区の公開の方針は、もう一昨年の秋、皇居造営審議会の答申がございまして、それを受けて昨年の一月閣議の決定があって、その中にその部分が含まれておりまして、昨年からそれじゃどういうふろにしたらいいかということを公園の専門家の意見を聞きながら準備を進めて参っておるわけであります。で、三十六年度からまず最初の実施の一部分に取りかかる。問題は、あの中は現在そう公園的な、きれいになっていないのでありまして、非常に建物が雑多にあったりしております。ごらんの方はそういう印象をお持ちになると思いますが、そういうものを不要なものをこわす、あるいは、必要なものであってもその場所に置いてはというものを一応ほかに移す、そういうふうな経費が伴うて参ります。それも、あの中には、宮内庁関係建物のほかに、警察庁関係の皇宮警察、あるいは総理府の関係、あるいは運輸省の関係であるとか、そういうような他の建物もありまして、そういうところとも打ち合わせしながらこれを移す。移すにも経費が要る。経費関係も大蔵省との関係でそう一ぺんに簡単にもいきません。そういうことで、準備にはすでに入っておりまするけれども、まだ少しく時間がかかるわけであります。  それから大蔵省の所管であった部分宮内庁の所管に移した理由でありますが、これはあそこの十万坪のうち約四万坪余り終戦後に、皇室財産であったころに、財産税として物納をされた。それが大蔵省の方の所管になっておったわけです。しかし、あのお堀の中で宮内庁の所管と大蔵省の普通財産というのが入りまじっている。そこをきれいにする場合も、大蔵省所管の分については、普通財産ですから、宮内庁でそう簡単にそこの分まできれいにするということもできないようなことで、総合的にこれをきれいにするにはやはり宮内庁が一貫してこれを管理してこれを整備するという方がよろしいということで移管になった。移管になった上は、宮内庁が一貫して全体的な計画で整備していくというふうにいたすことでございます。
  187. 吉田法晴

    吉田法晴君 物納をされて普通財産になったものは、これは公園にするんなら、普通財産としてそのまま公園化するというのが順序。まあ宮内庁建物もあった云々という点もありましょうが、それの大蔵省所管になってなかった分を宮内庁として開放するというなら、それを普通財産に移せばいい。普通財産であったものを一ぺん宮内庁に移さなきゃならぬという理由は何としても私納得できぬですが、その整備について、建物を移したり、あるいは整備するのは、宮内庁予算でやるんですか。これは来年度予算関連して。
  188. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この部分は、宮内庁関係建物ですと宮内庁予算になりますし、警察庁の関係のものであれば警察庁の予算になりますし、その他総理府関係のものであればその方の予算、また大蔵省関係のものであればその方の予算が伴うということでありますが、しかし、総合的に相談をして、大体大蔵省も了解をしていただいて、そうして進めていくということ、宮内庁一本ではありませんが、そういう建物を整理するなり、こわして外に出るなり、あるいは皇宮警察あたりはあの中にいた方がよろしいと考えられますので、東の一角の方に移ってもらう。そうして東側のこの中心部のいい所はずっと緑地化して、そうしてそれを皇居付属の庭園にして、まあ場合によると、そこらで園遊会ができれば園遊会をするということにも使われる。しかしながら、そういうことは年のうち、ほんのまれですから、もうほとんど大部分の日は一般に公開して、一般の方が入られて自由に散策されてリクリエーションされるというふうにいたしたいというので、この大蔵省の関係の分を除いて、宮内庁の現在管轄といってもずっと入りまじっておるので、図面でごらんになりました方はおわかりになりますが、非常に入りまじっておるので、一方はきれいになって一方は草がはえていたんでは公園になりません。全体を総合してこれを整備した方がよろしいということでございます。
  189. 吉田法晴

    吉田法晴君 建物の、あるいは警察のものは警察で費用を負担する、移すのは、中に入れるかもしれぬというお話しですけれども、あるいは他の官庁のものは他の官庁で除却をする、こういうお話ですが、これはよくわかりませんが、けさの新聞の図面で見ると、旧二の丸、三の丸あたりの土地は大蔵省所管であったのではなかろうかという点線が中に書いてありますが、その建物は別ですが、土地については、境界線はまっすぐではありませんが、そう入り組んでおるとは考えられませんけれども、それを宮内庁所管に移すのは、今の説明でもまだ理由が納得できませんが、一応宮内庁の所管にして、予算によると、今の説明に従って、これは付属庭園にする、こういうことで付属庭園の費用七百六十八万八千円というものを計上し、一昨年からきまっておったけれども、昨年は全然、予算の計上はなかったわけですが、七百六十八万幾らをかけてこれを庭園にする。で、両者を含んで、国の普通財産であったものを含んで、皇居付属庭園として整備する、こういうことのようですが、そうすると、開放じゃなくて、国有財産、普通財産であったものを取り入れて、一般には開放すると言われるけれども、皇族といいますか、宮廷のものにするという点は、むしろ逆に開放じゃなくて、普通財産であったものを取り込んで庭園にする、付属庭園にする、こういう格好になるんじゃないですか。どうもその辺、開放という話と実際にやられるのは少し違うようですが、具体的にどうですか。
  190. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 大蔵省の普通財産であったもの、これはもう一昨年になりますが、皇居造営審議会の際にも、いろいろ委員の方が検討された結果でございまするが、その普通財産、場合によっては切り売りもできるような性質のものですけれども、実際は大東京のまん中に、あそこの地は緑地にしておくことが大東京の衛生上からもいいし、それでこれを公園に整備する方がいい。公園に整備するためには、まず一貫してこれを整備して作った方がいい。皇室でもお使いになることもありますが、大部分一般の方に利用されることになる可能性が十分ありますから、これを十分公園らしく整備して、その方を宮内庁が担当してやっていくというようなことがよろしい、こういうことで皇居造営審議会の答申に基づいてその計画を進めているのであります。  なお、公園化するには、約八百万円ばかりの三十六年度の予算ですぐできるのではございませんで、それは公園化する場合に、いろいろ植えます木の苗を育てるとか、現在あの周辺の非常に荒れている所をとりあえず木を植える。木を植えるのは、すぐ大きくなりませんから、まず、そこに植えていくというような経費、それから、先になりまして、先ほど申しました建物をいろいろと動かす経費、これが一番経費がかかると思うのであります。建物を動かすという経費が一番かかると思います。そういうものをさらに三十七年度からお願いをして、そうして中を緑地的な公園化する。それで、現在も一般参観の方は午前の十時、午後一時半は来ておられますけれども、あるいは公園化たし場合には、そんな時間の制限をしないで、朝から夕方までは自由に入っていただいて散策していただくという場所にしようという実質的な開放、こういうことになるというふうに考えております。
  191. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、七百六十八万八千円というのは、これは三十六年度の、木を植えたり、さしあたりの整備の着手というふうな話ですが、建物を動かす云々という話は、三十七年度以降というのですが、その中で、警察や、あるいは他の省にまたがるものは他の省で負担をして移転をしてもらう、こういうお話ですが、大体どれくらいのあれを考えておられるのですか。七百六十八万八千円というのが、これだけじゃないという話を聞くと、相当な経費のようですが。
  192. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この建物の移動計画、これはいろいろな関係の向きも多うございますので、まだここをこうというように計画が固まってはいないのであります。しかしながら、じゃ、今後どのくらいかかるか。これは計画によって計算されると思いますけれども、まあ私のざっとした考えでは、数億円かかるのじゃないかと思います。
  193. 吉田法晴

    吉田法晴君 七百六十八万八千円というのは、ほとんど東部の公園化に使うということですね。
  194. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) それはそのための経費であります。
  195. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、各所の修繕費ということで一億四千七百八十三万円、ちょっと一億五千万近い金が計上してありますが、これは十五カ所云々ということでこんなにたくさんになっているのだと思うのですが、この中には今の宮内庁関係建物を移したりする費用も入っているのですか。そういうものは全然今年の予算の中には入っていないのですか。
  196. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 今年の予算の中には、まだ建物を移す経費は入っておりません。
  197. 吉田法晴

    吉田法晴君 東の方を半分ほど開放するということで、大へんけっこうな話だと思っていたんですが、実際には開放じゃなくって、普通財産であったものも取り入れて、それでまあ公園にすると、こういうお話ですが、その辺、とにかく最初の看板と実際多少違いがありますが、あの宮城の周辺は、これはだれが見てもあそこを通るたびに痛切に感ずることですが、非常な自動車の混雑で、いわば東京都の交通禍の中心になっておる、特に前の方……。そこで、緩和をするために宮城開放を行なう、あるいは宮城移転説も出てきたわけですが、それらの点について、今どういう工合に考えられておるのか、宮内庁の意見を承りたい。
  198. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 皇居の移転の問題、これは皇居造営審議会でいろいろ審議をされ、やはりあそこの土地に皇居を置くのがよろしいという答申をいただいております。その線で準備を進めていくというのでございます。それから交通の関係、これは、皇居周辺が非常に輻湊しているのは事実であります。これはもう皇居造営審議会の際に、その問題を、交通の方の専門家を呼んだりしていろいろ検討をされたのでありまして、その場合、あるいはあの中に地下道を作るとかいうような問題も検討されたんでしょうけれども、問題は、結局あの周辺並びに、周辺だけじゃなくて東京都全体の道路計画を早く進めていくことが、交通の輻湊を緩和するのじゃないか。皇居の周辺も、高速道路ができる予定になっておりますが、それも早くやるべきだ。それを早くやることによってその緩和――あの付近だけ考えたんじゃだめなんで、一つ全体計画でいくということ。なお、地下道の関係は、あそこを通れば、九段の方から祝田橋の方面、あそこだけずっと地下道を持っていっても、その地下道を通っているときだけは幾らか緩和されますけれども、前後は同じで、そこでまたぱっと一緒になってしまうんで、金をかけたほどの効果がない。地下道をずっと東京駅の先まで持っていけばいいけれども、実際問題としてとっても経費もかかる。そこで、交通の専門家の方々で、その他の方法をとる方が賢明である、それで、早く道路計画を実施するというふうなことが賢明であるというふうなことでございました。そういうふうにわれわれは承知いたしております。
  199. 吉田法晴

    吉田法晴君 世論も考えると言いながら、今の皇居付近の問題については、造営審議会の意見も、これはまあ国民の一部ですが、それをやはり国民の世論だとして受け取られ、それを取り次いでおられるんだけれども、あそこの周辺で交通禍に見舞われている全部があそこを通るたびに、もう少し何とかなったら緩和されるんじゃないか、あるいは開放されたら緩和するんじゃないか、これはそのたびにやはりみんな思っている。そういう意味で、世論というものを考えられるときに、今、いい見本が出たんですけれども、造営審議会の一部の意見というものを国民の世論と考えておられると、これは大きな間違いですよ。なお、周辺についても、造営審議会の、祝田橋からの道だけを地下道にしてもそれで解決しないという意見ですが、それに対しては国民のまた大きな批判と意見とがあるということを申し上げるが、この公園化の問題に関連をして、たとえば坂下門から乾門に抜ける道等については、これは一般に開放して、公園だけでなくて、道路としても使い、交通難の緩和に資しようという考えがあるんですか、ないんですか。
  200. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 坂下門から乾門の道路の関係は、自動車が輻湊するようないわゆる道路にするということは、この東側地区を公園化する性質からも適当じゃないし、なお、皇居が造営されますると、そのすぐ横で非常に輻湊する地域が出るのは感心しません。で、交通緩和の点からも、先ほど申しましたように、前後の所は同じで、結局、そこで一緒になって混雑してしまうわけなんでございまするので、全然閉鎖的には考える必要はないかと思うのですが、普通の道路と同じように輻湊して走るということは、公園化することとも矛盾する点もあるし、というようなことでございます。
  201. 吉田法晴

    吉田法晴君 普通財産の分をも宮内庁に移して、あそこを公園にするというお話ですけれども、まあ時間を限って云々ということではないのですが、しかし、これはあとで問題にしますけれども、他の京都の御所あるいは修学院、桂離宮、その他にしても制限をされている。国民の間には差別はないはずなんだけれども、実際には差別的取り扱いをされている。あるいは見せるについても厳重な条件をつける、あるいは看視がついているわけではないが、案内の人がまあせき立てたり、とにかく見せるについて自由に見せているわけではない。そうすると、公園が宮内庁の所管だと依然として、あるいは京都御所あるいは修学院、桂離宮と同じように、それを使うについても条件がある、あるいは五時ごろになったら締めてしまう、こういうような感じがするのですが、それでは、とにかく開放したということにならぬじゃないですか。これはこの前のときにも、私はイギリスのバッキンガム宮殿の前のハイド・パークなんかの例をあげました。これは完全な公園になっている。昔はあるいは一部であったかもしれませんが、完全な公園になって国民の利用にまかされている。そういう姿にもならぬじゃないか。特に道路の問題で、皇居の前なり、周辺が一番込む、これは東京都のまん中ですから当然ですが、そこで、国民の要望である交通難の緩和等についてもできるだけ寄与したいというならば、開放したまん中の、とにかく坂下門から乾門に抜ける所を一般に使わせるということは当然考えなければならぬと思うのですが、そういう国民の利便のために開放すると言いながら、あまり考えられておらぬじゃないですか。
  202. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この東側地区の公園化された場合は、京都の御所とか桂離宮なんかと全然管理の趣きが変わるので、あそこですと、一応やはり許可制にしている。これは文化財の保護の立場から学者の方の意見毛ございまして、特に桂離宮、修学院の方は数は多くございませんが、京都御所は非常に多くの方が参りますけれども、一々案内して説明なんかやっております。東側地区の場合は、許可を受けて入るというのではなくて、自由に入れるようにする。新宿御苑のように料金を取るということではなくして、自由に出入りのできるようなふうに考えたいというふうに考えているわけで、そういう意味において開放的だと思っております。
  203. 吉田法晴

    吉田法晴君 開放するというならば、公園もそうですが、道路についても、国民に普通の公園のように全面的に開放したらどうですか。所管はおそらく宮内庁に移されることと思う。宮内庁が所管するつもりでしょう。宮内庁が所管すると、宮内庁の中に残っているやはり古い官僚主義あるいは天皇制時代のとにかく観念というものがついて回りますから、なお修学院や桂離宮のように、あるいは京都御所についてもそうですが、そういうやはり制限というか、制約がついてくるでしょう。皇室財産にしても国民のものだという観念がほんとうに徹底するならば、条件をつけないで開放し、あるいは管理も国なりあるいは都に開放するというか、ほんとうに国民のものに開放するのが開放の趣旨じゃないですか。開放という名目はあれするけれども、実際は宮内庁で所管をしておって、宮内庁の自由に許可し得る条件で使ってもらう、こういうことにこれはなるのじゃないですか。道路のごときはそのいい例です。それじゃ開放という精神が十分生かされない。
  204. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 道路の関係は、普通の公園の中でもそう自由にはいっていないと思いますけれども、ただ、その構造によって比較的自由なのもありますが、やはり空気のきれいな場所ということを保持するためには、これは普通の所でもある程度のことはあると思います。そのまん中で非常にいい道路があって、しかも、それが何も公園化に影響のないようなものがあれば、これはまた別ですが、矛盾するような面においては、やはりある程度の制限はあると存じます。  それからまた、京都御所とか桂離宮と同じように、許可制でいくのじゃないか、むずかしい制限をつけるのじゃないかということでございまするが、今のところは、そういうことは考えておりませんし、将来もそういうことはないと思います。これは皇居造営審議会の答申の趣旨に沿っても、そういうことにならないわけでございますから、その点は御安心をいただいていいと思います。
  205. 吉田法晴

    吉田法晴君 重ねてお尋ねしますけれども、道路の点については再考をするあれはありませんか。
  206. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この道路についてどういうふうに考えるかと、これは普通の自動車が輻湊するような道路としては、これはやはり公園のすぐ横というようなことは感心しないと思います。ただ、どういうふうに考えるかということについては、まだ検討の余地はございまするが、これはさらに将来の問題として検討しても、いわゆる制限的なものはある程度つくと思いますが、どの程度の制限かということだと思います。
  207. 吉田法晴

    吉田法晴君 制限というと、宮内庁からのとにかく勝手な制限でしょう。それじゃ開放の目的を達せぬから、制限をつけないで、交通難緩和のために、せっかく開放した東部との境になる坂下門から乾門に抜ける道路は一般に使うように考慮はしないかと、こういう点を申し上げているわけです。
  208. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) その問題については、皇居造営審議会もいろいろ検討をされましたのです。で、道路の専門家についてもいろいろ意見を聞かれて、結局、先ほども申しましたように、普通に自動車が通るような道路にするためにはこれは適当でないから慎重に検討しなければいけないという御趣旨でありまして、ですから、将来の問題としてはなおまだ十分研究はいたしたいと思っておりますが、現在の段階においてはこういうふうに答えざるを得ないのでございます。
  209. 吉田法晴

    吉田法晴君 検討を強く要望し、あの周辺を回る車  これは宮内庁の車に乗っておるのではそんなことはわからぬでしょうけれども、ハイヤー、タクシーに乗って回るものは、回るたびに考えておるという人が、これは国民の大部分です。その点は強く申し上げておきます。  これは皇居を含んでほかの所もそうですが、大きな土地を保有したい、あるいは大きな建物を作りたいというのは、これは封建的な考え方ですよ。パスカルの随感録の中にもありますけれども、人間に冠をつけたり、あるいはばかでっかい背景を作るのは、その人間の本質で、民主主義的な人間の価値は変わらない、あるいは人間の価値がそれ自身で最高のものだという評価なしにくっつけて、あるいは背景なり、くっつくもので威厳を保とう、大きな建物に住んでおれば偉く見える、あるいは大きな住宅に住んでおれば――皇居に住んでおれば偉く見える、見せようという、これはいわば附随的な飾り、あるいは虚勢だという本質をついた意見がございますが、私は、大きな家に住まなければならぬ、あるいは大きな場所をとらなければならぬというのは、これは民主主義じゃなくて、封建的なものだと思う。その封建的なものが、なお皇居についても、あるいはほかの用邸なり、あるいは牧場についても、あるいはこの十五カ所のあれに全部くっついておると思うのですが、少なくともヨーロッパのあるいは王族についても、その辺はもうすでに通り過ぎちゃって、開放すべきものは全部開放しておる。これは、ベルギーの皇族の住居の近くに行ったこともございますが、五時が過ぎていても、すぐ周辺まで私ども行ってみたわけです。この開放を予定をした以外の宮城についても、私どもそういう感じがするのです。私ども会館に住居をしていて、半蔵門など、あの周辺に散歩をしておるときに、しばしば見ることですが、キジが何百羽あるいは千羽こすか知りませんけれども、無数におって、こっちの対岸まで遊びにきている。そうすると、使われない土地が相当ある。新聞やその他で見ると、武蔵野の面影が残っているということですが、武蔵野の面影が残っているほど草ぼうぼうで使わない土地がたくさんある。そういう無用の土地は、これは検討し、開放を考えるべきじゃないですか。昔のようなばかでっかい建物に住まなければならぬ、あるいは土地を持っていなければならぬというのは、これは民主的な国民の主権のもとに象徴である云々ということは、皇室の建前ではなかろうと思う。憲法の精神からいけば、パスカルのいう、要らぬものはとるべきで、不用の土地あるいは不用の建物は開放を考えるべきだというのが、現在の当然の姿だと思うのですが、残された宮城について、あるいはその他のあれについて、一、二はあげられましたけれども、他の猟場あるいは用邸等について、再検討をする用意はありませんか。
  210. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この皇室用財産として管理をする必要性がないというような結論が出る部分については、これはもう考えていかなければいかぬと思います。将来の問題としていろいろ検討を要することと思いますが、今問題になっておりまする点を、先ほど申し上げましたわけですが、将来としてはいろいろ考えなければいかぬと思いますが、ただ一面、先ほど申しましたように、その国民の総意というものの判断もなかなかむずかしいので、どの程度がいいかということがございまして、なお、そう急激なことは、これはやはり避けなければいけない、だんだんに考えていくということであろうと思います。
  211. 吉田法晴

    吉田法晴君 皇居の東部を開放するというのですが、東部の開放程度のことは、これは残った皇居全体についても私は言えることだと思うのですが、いわば封鎖をして人間は入ることも、あるいは普通で言うと、のぞくことも許さぬ。乾門の前を通って、乾門の中をのぞこうとすると、立っております衛視が、われわれをつかまえても、のぞいてはいかぬ、こう言うのですが、そういう封鎖的な格好で、ばかでかいものをとにかく留保しなければならぬというのですが、東部だけでなしに全体について開放をする、東部程度の開放をする気持はないですか。
  212. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) あの中のその他の部分、西側の地区という所は、委員会なんかあります、広い芝生のあたりを中心にいたしておりますあそこが公の行事をされる宮殿の予定地でございます。それからまあ奥の方の吹上御苑、ここが両陛下の御住宅の所でございますので、御住居の所を非常にたくさんの方が来られるということは、住んでおられる方も疲れますので、これはやはり適当でないと思いますし、それから宮殿の部分については、いろいろの行事で国内、国外の方が見えられる場合に、やはりそこが普通にたくさんの方が自由に歩いておられるというのでは、これはやはり来る人が非常に不便を感ずるし、いろいろこれではというような意見もありましょう。しかし、差しつかえない時間、そういう時間があれば、行事があまりないというようなときを見計らって、現在も午前と午後の時間を限って、千人ずつ御案内をすることになっておりますが、それに似たようなことを、これは毎日はできませんが、ある程度のことを考えるというようなことも考慮することがあるというようなことを考えておるわけです。普通の公園にしてしまうのは、やはりこれは適当でないと思います。
  213. 吉田法晴

    吉田法晴君 一応エチオピアのことは知りませんけれども、世界見渡して見て、こういう工合に封鎖をし、それから使いもしないばかでっかい土地をとにかく封鎖的に占有をしておるというのは、これは世界に例がないという点だけは重ねて申し上げておきます。  他の施設に移りますが、十五カ所のものを現状のまま拡大をしても縮小はしない、こういうことですから、維持修繕費についても、一億五千万円近い金を出さなければならぬ、こういうことになるんですが、下総の御料牧場のこともありますが、これはあとでやりますが、たとえば那須の用邸のごときは、三百七十一万坪、那須の用邸ですが、使われるのは一年に一ぺんかそこらでしょうが、それに三百七十一万坪もとっておかなければならぬですか。建物も二千五百八十二坪、一年に一ぺん使うか使わぬかで三百七十一万坪をずっととにかく何も使わせないで置いておくのはまことにもったいない。全部で七百八十七万坪ですか、こんなに膨大な土地を遊ばせて、何にも使わせないでとっておく、あるいは国民に何らの――多少部分的に制限的に見せている所もありますけれども、とにかく開放をしていないというのは、おそらく世界にないだろうと思う。那須の問題について、三百七十一万坪を今のように置いておくことが妥当であると考えておられますか。
  214. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 那須のあの付近はずっと山の森林の部分が多いのでございます。御用邸にはこれは毎年夏には必ず行っておられる。一月以上、ときには、前後合わせれば、ときによっては二月も行かれることもありますが、両陛下並びに他の皇族さんも行かれる。特に陛下は那須では植物の採集に非常に御趣味を持っておられる。ずっと山を回って植物の採集をして、それをいろいろ分類もし研究もしておられる。その場合に、やはり陛下だけでなくて植物の方の学者、あるいは愛好者の方も一緒になさったりもしているわけです。普通のずっと山地でございまして、それでそういうふうになさっておるので、現在のところはやはりこの用に供されておりますので、そういうふうでよろしいかと思っておるわけでございます。
  215. 吉田法晴

    吉田法晴君 植物の研究をするのには、那須の御用邸の中だけでやらぬでも全国回ってみたらいいじゃないですか。限定をしなければならぬという理由はないじゃありませんか。植物の研究をするから、その山をとっておかなければならぬという理屈はどこにも立ちませんよ。
  216. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 全国的にも、地方の行幸の際には、その付近でよくやっておられます。植物の採集、御休養の日というものが、長いときは、一週間もあればその間にはさんでとか、そういうときに、大ていはその付近の植物の採集なんかされ、それと那須の方と比較研究されるとか、まあいろいろそういうふうなことをされているわけでございます。
  217. 吉田法晴

    吉田法晴君 まあ一例をあげましたけれども、これだけ土地が狭くて、一億近い人間がひしめき合って、あるいは住宅の土地にしても、あるいは耕地にしても、あるいは山林にしても、土地の一坪に対して、とにかく人間がひしめき合って、それを奪い合っているというか、従って、とにかく価格も騰貴をする。東京都内で一坪一万円以下はないくらいで、東京都下の境目の調布の近くまで行っても、一万円こしていると思うのですけれども、それは全国的にそうなんです。それは全体の土地が狭いから、一坪の土地さえとにかく、いわば獲得競争の対象になっているというときに、七百八十七万坪、その中には大部分使わぬものがある。あるいは用邸なら用邸として使ってないものもあるが、用邸として使うとしても、最小限度この程度にしぼるべきではなかろうかという検討は、これはどこでやられるにしろ、宮内庁等で検討されるべき段階でしょう。特に東京のどまん中の問題については、交通難の緩和の問題もあり、それからあるいは東京のどまん中が皇居でなくて、別に移ったっら東京の交通難も緩和できるだろうし、あるいは土地の問題も解決できるんじゃなかろうか、こういうあれもあって、皇居の開放論も起こり、あるいは用邸等についても――とにかく、高輪等についても検討を要望する声が起こって、それを多少取り上げようということになれば、全体について同じようなことが言えると思う。特に三百七十一万坪もある那須については、坪数が広いだけに言われるわけですが、他のものも含めて、そういう点について再検討をする、そうして最小限度にしぼる、あるいは必要でないもの、あるいは用邸としてその規模が、その広さでなくてもいいんじゃないか、あるいは三百七十一万坪が百分の一の三万坪になったって十分目標が達せられるでしょう。三万坪じゃなくても、一万坪だってそうでしょう。外国の例を引くまでもなく、これはウィンザー宮ならウィンザー宮にしたって、住居の周囲はほとんど公園のようになって、国民もだが、外国の人間も出入りしている。住居として確保されているのは建物の中だけです。付近の大きな公園、あれは何と言いましたか、あれは公園として国に移管されている。こういう点はこれは日本でも考えてしかるべきじゃないですか。一年に一ぺん行かれるから、那須の御用邸は要るんだ、山で植物採集に行かれるから三百七十一万坪がやっぱり要るんだ、こういう現状じゃなくて、国民の事情と、それから困っている実情を考えて、再検討すべきじゃないかということは、これは個々のものについてはとにかくですけれども、国民のこれは痛切なやはり関心事、それがやはり批判にもなり、そのことは、たとえば東京なら東京に上ってきた鳥取でしたか、の小学校の生徒にしても、あるいは宮城前に行って、東京のどまん中にこれだけのとにかく土地をとっている必要がどこにあるか、こういう意見が出てくるところに現われているように、これはやはり国民の見た者、あるいは知った者の共通して持っているあれです。それは造営審議会とかなんとかいうところに、古い考えの諸君が集まって相談をしている意見、そういうものをはるかにこす大きな国民的なこれは関心事、あるいは意見でしょう。それこそ国民のほんとうに声なき声というか、真意をくむゆえんですが、そういう点について、那須を含み、あるいは大宮御所、常盤松、高輪、全部について、この十五カ所の全部について検討をする意思はありませんか。
  218. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この現状をそのままずっと永久にこうしておくべきだというようにも考えないので、やはりその事情によっていろいろ検討していかなければいけないというふうには考えております。で、国民の総意の推移というような点も十分考えていきたいと思うのですが、ただ、まあ散発的にぽつぽつと出ます意見、これも十分参考にしていきまするけれども、全体をひっくるめての御意見がどういうことを期待しておられるかというその御期待の点にやはりわれわれは忠実でなくちゃいけないので、まあ国家公務員として、一部でなくて全体として――なかなかその把握がむずかしいのでございますけれども、そういうような面でまあ考えておるので、現状のまま永久にこれでなくちゃいけないとも考えない。部分的にはいろいろ検討もしながら、新しい時代に沿うような皇室のあり方を考えていきたいとは思っております。
  219. 吉田法晴

    吉田法晴君 猟場というのが二つあります。新浜、埼玉と二つありますが、これは二つともどうしても要るというのですか。これは、まあときどき外国の使臣を案内をしたりしておりなさるのは新聞で見たりしますけれども、その外国の使臣をたまに、ときどき案内する云々について、猟場二つ、片方は九万八千坪、ちょっと十万坪に近い、片方は三万五千坪ですが、これらの点についても再検討のあれはない  ですか。
  220. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 現在のカモ場の利用状況からいいますと、やはり二つがあっても手一ぱい、といいますのは、お客をしますと、それが毎日はできるのじゃありませんので、少なくとも一週間ぐらい間を置いてやらなければならない。ちょっとカモの方が荒れますものですから。で、外国の特別の国賓が見えた場合は新聞に載りますけれども、そのほかに定例的に日本に駐在している各国の大公使並びに館員の一部をあすこへ招待されておるわけです。で、これがたしか、そういう関係のが七、八回ございます。それから国内の関係のということで、猟には実際いいのは、まあ十一月半ばから一応解禁になりますけれども、十二月に入って、十二月、一月、二月、三月十五日まででありますけれども、いいのは三カ月ぐらい。ですから、その間隔を置いてやらなければいけませんものですから、今度は埼玉の方、今度は千葉の方というふうにして、間隔を置きながら猟場としては一週間以上置くようにして行なわれておるわけであります。なおそのほか、この宮中のお客をされる午餐会、晩餐会その他のときに、カモの肉を使われますけれども、そういうのは専門といいますか、職員がとるのでございます。で、職員がお客をする以外にとって、これはそういうような催しの用に供するということもいたします。そういう関係上、やはり現在の状態ですと二つで手一ぱいと、ですから、やはり二つが必要であるということなんであります。
  221. 吉田法晴

    吉田法晴君 まあ職員がとって云々というけれども、職員が食っているのかどうかしりませんけれども、大体、とにかく外国の使臣を接待する云々というのは、これは外交関係、外交の仕事は本来外務省がやるべきじゃないですか。たとえば外国旅行にしても、これは私の旅行か、それとも国のとにかく外交関係の正規のあれか、これが混同、混乱をしていると思うんだけれども、憲法にいわれておる政治について責任を負わない。憲法に規定しているあれにしても、政治については、象徴であって、内閣の助言と援助によって行なうと、国政について、この憲法の定める国事に関する行為のみを行なう、国政に関する権能を有しないというならば、外交問題のごときは外務省なり、あるいは政府がやるべきであって、皇室がやられるのはこれはおかしいじゃないか。憲法の建前からおかしいじゃないかという点もありますが、そういう点からいって猟場は、これは使臣に主として使う。外国使臣といいますか、外交上の一つのまあ何といいますか、接待の一つとして行なわれるとすれば、皇室がその猟場云々の点については、皇室だけが持っていて、外務省は全然持っていないということについても、これはまあおかしい。じゃ、外交関係が主であるならば、外務省に移して、国に移して、そうして管理をし、あるいは外国使臣の接待に使うかどうかという点も考えるべきじゃないか、こういう点も考えられる。それから、ついでですが、たとえば修学院離宮とか、あるいは桂離宮だとかいうようなものを、ほとんどこれは皇室自身では使わない。いわば文化財として保存されて、そうして文化財として国民あるいは外国使臣にも見せているというなら、これは文部省に移して、文化財として保護する。そうすると、管理もあれですが、何といいますか、国民の中から制限をして選択をすると、こういう弊害もなくなるだろうと思う。あるいは正倉院についてもそうです。この中で、この十五カ所の中で所管がえをして国に移す、あるいは国民に開放すべきもの等が相当あるように思うのですが、猟場の問題と、あるいは京都の離宮あるいは正倉院等について、そういう所管がえをすべきじゃないか、こういう主張についてはいかがですか。
  222. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 猟場での外交関係の接待の関係でございまするが、まあ憲法上、天皇について、国の象徴、国民統合の象徴、つまり外国に対しては国の象徴ということでございます。で、国事行為として行なわれるというものは、この大公使の接受というのが国事行為の中にありますが、これは信任状の捧呈を行なうというのが国事行為としてあるわけです。その他はやはり象徴としての儀礼的行為、政治的なものじゃなくて、儀礼的な行為はなされてよろしい建前であるという法的な解釈でございます。従って、まあ外国のいろいろなお祝いとか、あるいはその他何か凶事にあうとかいう場合の御親電なんかは、天皇陛下の名前で外国の元首あてに出される。外国の元首から日本に対してそういうようなことがある場合に、国の象徴としての天皇陛下のところへ来るという接触が象徴というお立場でございます。で、外国の来ている使臣に対しては、まず信任状の捧呈は、天皇が受けられるというのは国事と思います。その後の政治的じゃない、儀礼的ないろいろな接伴をされることがまあ外交上親善、――政治問題は、全然これはもう外交のあれをどうする、これをどうするという政治問題はほとんど触れないわけで、一般の人間同士としての親善を国の象徴として深めていかれるということが、陛下のやはり御活動の中に入っておるわけであります。そういう意味でやはりこのカモ場へ天皇陛下が招待をされて、カモ猟を催されるということが、お互いに人間同士としての親しさを増し、親善を増していくというのであります。外務省のやりまする政治的な面は、全然ないわけであります。しかも、呼ばれる方も国の象徴としての陛下に招かれたということに喜びを深くしておられる方が多いわけであります。そういう意味で接伴の効果も上がっておると思うのでございます。  それから修学院とか、桂離宮とか、そういうようなもの、京都方面にあるものについて、文部省にでも移したらどうかという御意見でございますが、この部分につきましては、これはいずれにしても、国有財産であって――さっきは国にやったらどうかということですが、現在国のものであります。皇室のものではない、国のものでございます。それを皇室用として残してあるわけであります。これはずっと歴史的に皇室との関係の深い所で、現在も皇室関係では、ときたまそちらにお出かけのときには、あそこにお寄りになりまするし、先ほどちょっと申し上げましたように、外国の国賓などが見えましたときに、特にこちらに案内をして接伴をするというようなこともございます。そういう意味皇室の用に供される。正倉院、これはずっと聖武天皇のお残しになったものが、皇室の御先祖のお残しになったもの、皇室の宝物のようなものであります。しかしながら、戦後はこれは国有財産になっております。国有だけれども、そういう御先祖との関係もあるものであるし、特にずっと昔から勅封の伝統もあるし、やはりそうしてくることによって中の宝物がよく保護されてきたという伝統があるから、これはやはり中の宝物を大事に管理する建前から皇室用として置いてこれを管理する方がよかろう。文部省も宮内庁も、国の機関として宮内庁がこれを管理していくということがよろしいというので、現在のようになっているわけでございます。
  223. 吉田法晴

    吉田法晴君 修学院離宮あるいは桂離宮、まあ正倉院は皇室で使うことはないというお話ですが、皇室の先祖が作られておるとか、勅封云々というお話がありましたが、修学院、桂離宮、あるいは京都御所を使われるならば別問題ですけれども、修学院離宮あるいは桂離宮等も、皇室で使うというよりも、国民の文化財としてとにかく今保存をしておる。あるいは一般にも見せておる。内外のお客様にも見せておるのですが、実際に文化財として国が保・存しなければならない、あるいは保存をしておるという面の方が、皇室で使うという実態よりも多いのじゃないか。そこで、文部省移管という点を考えたのですが、とにかく皇室で持っておかなければならぬ理由はだんだん薄くなってきているじゃないか。これは国有財産云々という点は、今でも国有財産云々ということですけれども、ところが、皇室用財産です。国有財産だけれども、皇室用財産です。皇室で使うから皇室で持っておるのだ、こういう建前になっておるが、実態は違う。そうすると、所有というか、所管の仕方についても、もっと国民的なものとして持っておるという方が自然ではないか。そういう意味で保管の仕方、あるいは使い方、国民みなで保管をし、あるいは守り、それから使う。制限的に今のところとにかくあれをされている。聞くと、たとえば民間でいうと、一般の会社の社員は見ることができないで、あるいは課長以上とか、係長以上とかいう選別がなされているようです。それから見に行っても、私ども行ったときはとにかくですが、あるいは家族が見に行ったり何かしますと、やっぱり制限的に、見ちゃいかぬということではないけれども、非常に制限をされておる。国民のものにはなりかねておる。そこにとにかく管理の仕方、あるいは皇室用財産で置いておくべきが妥当であるかどうかという疑問が出てくるわけなんです。もう少し検討をする余地はありませんか。
  224. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 修学院、桂離宮については、検討の余地がないとは申し上げかねると思います。しかし、現状においては、皇室用として宮内庁が持っていて、宮内庁が管理をしておりまして、一般の国民の方にも、できる範囲内において入って見ていただくというふうにはかることに努力をしていきたいと思います。ただ、ここの修学院、桂、特に桂離宮の方は、ああいう木造の建物でございまして、相当たくさんの方が毎日入られますと、摩滅をするものですから、学者の意見もありまして、普通のときは、一日百人、旅行なんかのシーズンの多いときは、二百人ぐらいに限っていただく、特に優先的な方としては、そういう面の研究をする人、優先的な人がございます。しかしながら、一定の資格がなければならないのだ、そういうことは言っておらないわけでございまして、毎日優先的な以外の部分について、一般の、特にその方面の専門に研究調査をするというような方でない方についても、入っていただいておるのであります。今後も御趣旨に沿うように一そう努力をしたいと思います。そういうことでございます。
  225. 吉田法晴

    吉田法晴君 十五カ所全部ひっくるめてだろうと思うのですが、各所の修繕費が一億四千七百八十三万、一億五千万近いのですが、この各所の修繕は主としてどういうように割り振ってあるのですか、内訳を承りたい。
  226. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) ただいまの御質問でございますけれども、営繕関係予算でございますけれども、大きく分けまして、皇室用財産に関する経常的な営繕費と、上記のほか、特別施設あるいは整備を要するものは、別に整備いたしておりますが、経常的に必要といたします予算につきましては、その建物の坪数に対しまして、大蔵省と協議いたしまして、承認されております単価がございますが、この単価にかけ合わせていく。また庭園につきましても、庭園の面積に対して、それぞれの単価をかけ合わせまして、それで経常的な営繕費といたしまして八千三百万ばかりの経費を組んでおります。上記のほか特別施設、整備を要するものにつきましては、そのうちに防災関係の、ちょっと大きな経費でございますが、たとえて申しますれば、崇神天皇のこれは相当大きなお堀でございますけれども、そのお堀の水は周辺の灌漑用水に利用されておるというふうなものでございますが、そうしたいろいろの経常的なもの以外の大きなものにつきましては、一件ごとにそれぞれの経費を積み重ねておりますが、これが五千二百万ばかり入っておりまして、それとそれとを合わせまして、ただいま御質問のような経費内容になっております。
  227. 吉田法晴

    吉田法晴君 営繕費関係で八千何百万か、あるいは特別施設について防災を含め、あるいは崇神天皇の陵の池ですか、池の修繕を含めて五千何百万円、こういうお話ですが、別に十五カ所をあげてありますが、その十五カ所にあげてある項目別と申しますか、あるいは施設別にすると、おもな点はどういうことになりますか。
  228. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) ただいま個所ごとの経費は幾らであるかというふうな御質問でございましたけれども、個所ごとにつきましては、ただいま御説明申し上げましたように、面積と単価のかけ合わせでございまして、これは積算的にかけ算すれば、さっそく出て参りますが、ちょっとただいま手元にはっきりした計数を持っておりませんので、お許しいただきたいと思うのでございますが、大きなものにつきまして申し上げますと、皇居内の変電所改修に関しまして六百四十六万円ばかり入っておりますことと、それから那須の御用邸の温泉の現地の改修に関しまして百九十七万三千円ばかり入っております。大きなものといたしましては、京都御所の屋根の改修というのがございますが、これが千三百五万円ばかり入っておりますことと、それから正倉院の避雷針の改修、先ほど申し上げました崇神天皇陵の土手の改修というのが九百二十六万円、そうしたものが大きなものでございます。
  229. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうするとあれですか。営繕費坪幾らということで、実際にこの建物が修繕を要するから、ほぼこういう工合に直さなければならぬという実態から積み上げたものではなくて、結局、一律に特に取り上げられたものはあれですが、それにしたって一千万をこえるものは一つしかない。そうすると、全体について、坪数幾らということで一億五千万円近いあれが出ている。どこをどういう工合に欠陥があるから、こういうふうに直さなければならぬというのが実際にあって、それを集められて一億五千万円ばかりになっているのではなくて、べたに坪数にかけて認められている云々ということでやられている、こういうことになると、一億五千万円ばかりのものというものは、これは広い土地があり、あるいはたくさんの建坪があるから、これだけのものになっている、こういう印象を受ける。これは国の予算にしても、あるいは国民の税金からなっているから、一つ一つについていえば、土手を直す、あるいは風水害を受けたものについて直すについても、一つ一つの場所について厳重な査定をしてやっているのですけれども、そうでなくて、いわば全部についてこれだけのものが要る、こういう積算の基礎も大へんずさんな、緊急性がないのに、国民の困っている部分については、非常なそこそこの、とにかく実情に応じてそれが単年度では十分にやられていないのに、宮内庁関係については、いわば十二分な修繕費が計上されている、こういう印象を受けのですが、そうですか。
  230. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) 何でもかんでも大きな面積に単価をかけ合わせているのではないかというような意味の御質疑がございましたけれども、大体、先ほど申し上げました経常的な営繕費と、特別的な営繕費の区分けでございますけれども、百万円を一件につきましてこえるというような案件につきましては、大体、特別的な案件として取り扱っております。そのほか、一般的な経常的なものにつきましては、百万円以下のものでございまして、これにつきましては、予算基礎といたしまして、これは積算したものがございます。それは一々この部分がこの部分ということでありますと、個所も多方面にわたっておりますので、相当な金額になろうかと思うのでございますが、これは国といたしまして、大体の建物の標準単価というふうなことを見合いました金額基礎といたしまして出されました金額でございまして、その経理その他につきましては、実行にあたりまして十分気をつけてやっておるというふうなことが実情でございますので、ただいまの経常及び特別の関係につきましては、大体百万円以下のものにつきましては、そうこまかいことは積算はいたしておりませんけれども、少なくとも相当大きい金額につきましては、一々項目をあげて御審議をいただいておる、こういうふうな実情でございますので、御了承いただきたいと思います。
  231. 吉田法晴

    吉田法晴君 一般的な修繕費云々の単価は幾らですか。
  232. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) 坪数の単価でございますか。
  233. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうです。
  234. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) 建物については五百円から千円、庭園につきましては四万三千坪余になっておりまして、これの単価が百円ないし二百円でございます。
  235. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、結局、一般的なものについては、修繕を要するかどうかということにかかわらず、五百円から千円見てやる。だから、実際にその建物が修繕を要する状態にあるかどうかということにかかわらず、五百円から千円は見てやる、それから特別の百万円以上のものについては、個々にとにかく審査をして実情に合って予算要求をし云々ということで、そうして合わせてやはり一億五千万円のものは、一般予算のように災害があってこれが急速に堤防を直さなければならぬ、あるいはこわれた海岸堤防を直さなければならぬ、あるいは河川の土手を直さなければ災害が続くということで単年、一年でできないで何年も延べながらやっているのだけれども、宮内庁の修繕費については、具体的にそこがどうなっているかということにかかわらず、五百円から千円は見てやる。そうして総計をして一億五千万円といえば、どうしてもその年に急速に直さなければならぬというのではなくて、いわば国民の一般の災害なり、あるいは予算の要求に対しては、具体的にどうなっているかにかかわらず、修繕費がついている。その積算の結果は一億五千万円になっている、こう理解をせざるを得ません。そういう意味で一億五千万円の内訳を聞いてもすぐに出ないように、緊急でないものまでも十分な予算をつけて修理をする、こういう格好になっていると理解をこれはいたします。それから内廷費の五千万円を五千八百万円にすることが妥当かどうかという問題について、余裕があってたまっているものを貯蓄されたものの中から二千万円を出すことができた、こういう意味で実際に余裕があるという点は午前中に大体明らかにしたのですが、下総の牧場に関連をしてお尋ねをしたいわけですが、これは前回なり、同僚委員からの質問もあって、一応明らかになっている点も念を押して聞いて参りますが、職員が百三十六名、支出が、事業費の千七百万と営繕費の四百五十万、それから人件費の二千五十万で合わせて四千二百万、それから収入が、飼料等を中心にして二千二百万、それからソーセージ、あるいはバター、肉類等を含んで皇室の用に供するものが五百万円程度、そのほかに国庫に納入するものが一千万円程度、三千七百万円程度だという概括的な説明があったようですが、大体そういうことですか。
  236. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 私から御説明したのでございますが、この国庫に入る現金の畜産、農産品の売払代というのは千七百万円程度ということでございますが、その点がちょっと違っております。あとはそうでございます。
  237. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、総計の収支はどういうことになりますか。
  238. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 支出の方は五千万円、収入の方は千七百万、それから自給関係が二千七百万、それから五百万足すと四千四百万余り。先日ちょっと申し上げたのを訂正いたしますが、八百万くらい不足すると言いましたが、これは私の計算の間違いで六百万円でございます。訂正いたします。
  239. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、支出は五千万ですか。そうすると、この間言われたというのを計算すると、ちょっと五千万円にならぬようですが、項目別にもう一ぺん五千万円の内訳をおっしゃって下さい。
  240. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 事業費で千七百万円、それから営繕費で四百五十万円くらい、人件費が二千八百五十万円くらい、ラウンド・ナンバーで申し上げたわけであります。支出五千万円になったということでございます。
  241. 吉田法晴

    吉田法晴君 わかりました。そうすると、六百万円ほどの収支でいうと大体赤字が出ていると、こういうことになりますが、衆議院答弁等も見てみますと、皇室にソーセージ、チーズ、バター、あるいは肉類、あるいは野菜等も供給しておられるようですが、そうすると、皇室のいわば飲食物費といいますか、飲食物費の中の相当の部分は、この下総から出ておる、こういうように解されるようですが、そうですか。
  242. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) ある程度部分がそこから出ているというふうになります。
  243. 吉田法晴

    吉田法晴君 ある程度ですか、ほとんどですか。これは、衆議院の速記録は、ほとんど下総の牧場から行っておるように答弁をされたように読んだのですが。
  244. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 衆議院答弁といいますのは、たしか私がしたと思いますが、私はそういうふうに申し上げた記憶はないので、こういうようなものが皇室の料に供されておるということを申し上げた。全体のうちの大部分がこれだというふうに申し上げた記憶はないのでございます。
  245. 吉田法晴

    吉田法晴君 大部分じゃなくて、それでは相当の部分ですか。実際を承りたい、表現でなくて。御料牧場――下総の牧場を保有しておるのは、下総からできるものをその用に供するということで維持をされておる。そうすると、五千万円のものをかけてそれから大部分が需要も満たさぬということになれば、なぜ五千万円も使わなければならぬのか、こういうことになりますよ。
  246. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) たとえば、宮廷費の中で招宴費というのが九百五十八万円あがっておりますが、これは主としていろいろのものを購入したり、材料購入、そのほかにもございます。飲み物も含んでおりまするけれども、このほかに下総の御料牧場の分が加わってくるわけでございます。もしも下総の御料牧場というものがなければ、それだけ招宴費の方がふくらんでいく。一部両陛下なり皇太子殿下なり召し上がるものがございまするが、召し上がるものはそう多くはございませんが、その部分を別にして、それを引いたものが招宴費の方でふくらんでいくということになるわけでございます。
  247. 吉田法晴

    吉田法晴君 内廷費のうちの相当の部分、九百五十八万円が招宴費、少なくとも二割近い金が、この下総から来る分がもし来なければもっと上がるのだ、こういう話ですが、これは招宴費でなくて皇室というか、天皇、皇后、あるいは何人かの内廷で使われる、飲食に供せられるものを含んでも何百万円になるでしょう。そうすると、結局、五百万だけのソーセージ、チーズ、バターをとにかく供給するために五千万円の牧場を経営しなきゃならぬというか、あるいは維持しなきゃならぬ、こういうことですか。
  248. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) そのほかに馬、馬の分は別になっております。御料馬、乗馬の分が、年によって違いまするが、一、二頭、輓馬――馬車を引く馬、それが一、二頭、年によって違いまするが一、二頭補給されております。それがそのほかになります。その関係。  それからなお、この下総の御料牧場は、これもまあ外交団の親善を増すという人間的な意味の接伴の場所になって、三日間ここへ大公使並びに館員の一部が招かれる、そういうようなもので親善を増していくというような点もございまするし、なお、これはまあ直接皇室のためではないかもしれませんが、しかしながら、これも台所ですが、付近のいろいろな牧場の関係で御料馬の種付ですとか、あるいはそのやり方の改善のことですとか、そういう面での畜産の改良に寄与している点はあると思います。また、あの土地は、先日ごらんになった方は御存じでございまするが、ここはそう閉鎖的ではございません。一般の方が相当に散策に来ておられるわけでございます。まあ見学者として正式に許可を受けて特別に見られる方は、毎年一万人くらいでございまするが、自由に入られる方が四、五万人くらいおる、そういうような面の効果もある。なお、その見学者の中の、学校の修学旅行の方が多いのですが、東京付近には総合牧場がありませんのですが、ここへ来ていろいろ勉強もされる、そういうような面が付随的にございまするが、そういう面でやはりこの牧場としての機能はいろいろ発揮されておると思うのであります。
  249. 吉田法晴

    吉田法晴君 まあほかに比べて封鎖的ではない、見学者が来ておる云々ということは、これはつけたりの話です。五千万円もかけて赤字が出ている。ほかのところは、国鉄でさえ、公共用の運輸の根幹だけれども、国の援助が足りないんで国民に負担をさせている云々ということで大へん問題になっている。ずいぶん問題になったわけですが、自立採算もとれぬ、とにかく六百万円もいつも赤字続き、それをどうしても、ここがなければ、食う物がそこからとる以外にはないということならば別問題ですけれども、衆議院説明されたように、「両陛下、皇族さんの御用のものは、ここで生産したものを持ってきております。」、こういうような実態でなくて、まあ相当な部分ということで逃げられると、それならお野菜は国民の生産したものを買ったらいいじゃないか。それから消毒をするなり、あるいは選別をするなりは、それは自由ですわ。国民の作ったものがなぜ食えないかというあれも出てくる。それから畜産の種付や、あるいは改善の、見学にも来ている云々という話ですけれども、畜産の改善云々ならば、国で模範的な畜産場を作ればいいんです。五千万円もかければ畜産場はりっぱなものができますよ。農林省でやってできないものが、もっとりっぱなものができる、五千万円もかければ。なぜ五千万円もかけて下総の御料牧場を維持しなければならぬか。今の説明説明にならぬじゃないですか。外国の使臣が云々、外国の使臣のとにかく接待については、先ほどいろいろ問題にしましたけれども、私は、政治に関係なしに、人間的に親善云々というお話で、ほかにもたくさんある施設も、国の施設もあります。それならとにかく下総の牧場をどうして五千万円もかけて維持しなければならぬか。赤字を出しながら維持しなければならぬか。馬という話ですが、馬が、乗馬にしても一、二頭、輓馬にしても一、二頭ということですが、それはほかからどうして買えないんですか。下総の牧場に行ったときに、松本委員から質問があったそうですが、かつてイギリスから皇太子がもらってきましたか、買ってきましたか知らぬけれども、と考えられておった馬は、北海道に今行ってるという話ですけれども、牧場がほかにないわけじゃない。乗馬にしてもあるいは競馬にしても、民間から、あるいは国の施設から買い上げる、買い上げられないことはない。五千万円もかけて赤字を出しながら、どうしてこれを維持しなければならぬか。
  250. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この牧場は、これは明治以来、明治のころは皇室財産として御料馬場、終戦後は国有財産となって、皇室用財産となったのですが、終戦の際に、面積としては三分の一に縮小して、三分の二は農地として解放になったのですが、そういうような沿革もあります。で、ちょうどまあ占領下で、あの当時は占領軍もなかなかこまかく審査をしたのでございますが、まあこれは皇室用として残すことについて意義があるという判定で残り、それが現在に及んでるわけですが、結局、この皇室においていろいろ乗馬を使われる、その他から買うこともできましょうが、場合によっては買う場合もありましょう。しかし、特に適格馬を作っていくという場合に、初めからそのつもりでそれに適するものを、生まれたときから育成していくという場合にほんとうの適格馬ができる。輓馬、馬車を引く馬についてもそれが言える。特に馬車の関係は、最近は馬車が比較的少ないものですから、それに適格馬というのもなかなか出にくい事情もございますが、最近は特にそういう意味で輓馬の適格馬を作ることに相当力を入れて牧場長もやっておるはずでございます。そういうような適格馬をそこで作っていくということに意義がある。それから野菜の関係なんか、よそから買ってもいいんじゃないか、そういう点もあると思います。しかし、あそこでいろいろ牧草を作る際に、そう広い土地じゃありませんが、一部分清浄野菜をやってその清浄野菜を皇室用に供する。で、これらの、外国の客を迎えたような場合に、たとえば下総の皇室用の牧場で作ったものだというようなふうのことを説明しながらやりますと、やはり市中で買った場合よりもお客さんに与える印象もいいというようないろいろな点がございまして、現在やはりこれを皇室用財産として維持していくというのは意義があるというふうに考えております。
  251. 吉田法晴

    吉田法晴君 前から持っておったから今も持ち続けているんだ、占領中の解放の場合にも、三分の二は解放してアメリカ軍も皇室用財産として残すのがまあ意義があるということでこのまま持っておる、いわば事実の説明だ。合理性は何もないじゃないか。乗馬にしたって、あるいは輓馬にしたって、これは生まれるのはどこで生まれても変わりはない。ただ訓練といいますか、あるいは馬の教育というか、生まれ落ちてから何カ月かたってから調教訓練の問題です。それを下総でやるか、あるいは小馬を宮内庁で今の皇居の中でやるかという違いだけだ。下総で生まれなければ乗馬としての訓練はできない、あるいは適格馬として育てられぬということはないでしょう。これは人間と同じだ。人間はとにかく生まれたときは変わりはない。それをどういう工合に育てるかという点が問題だ。これは家庭の教育もありましょうけれども、いわば教育あるいは養育を含んでの育て方、外国用の、外国使臣を接待するときに、下総でとれた野菜だという説明をつけるとよけいうまいという話も出たが、噴飯ものだ。一々説明しないでありましょうし、あるいは昔は清浄野菜というので人ぷんを使わなかった点がありましょうが、最近はほとんど使っちゃいない。おそらく食うときには、これは一々下総にできたものだと言っても意味がわからぬ。わかる外国使臣はだれもいないでしょうし、説明も何の意義を持たぬ。少なくとも説明には合理性がない。今まで持ってきておるからという以外に、下総の御料牧場を五千万円もかけ、あるいは赤字を出しながらどうして、とにかく維持をしなければならぬという説明には、今の説明ではこれを人を納得させる合理性も何もない。そんな、とにかく民主主義の原則に沿って合理性があるかないかに照らし合わせて再検討するというのが、これは当然じゃないか。概括的な答弁ですから、重ねて御意見を求めます。
  252. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 先ほどの説明をいたしたのは、一応私としてはこの意義があるというように思って説明をしたのですが、吉田先生の方は、そうはとれない、どうもその点残念でございますが、なお、この馬の育成の場合、やはり生まれるときからやって、やはり育成をするには皇居のああいう草っ原のない所ではいけないんで牧場の方で育成する、育成のときからああいうふうな牧場で育成することが大事なので、そういうような点でやはりあそこで生まれてあそこで育成していくというところに意義があるので、どこからか小馬を買ってきて皇居の普通の所で、広場でやるというわけにはどうもいかないように、私もその方は専門じゃございませんけれども、常識的にそういうふうに考えるわけで、あの牧場の今後の問題については、これはまたいろいろおっしゃいました御意見の点なんかも十分頭に入れながら、十分考えていきたいと思いまするけれども、現在のところでは、やはりあれを皇室用財産として維持していくことは意義があるというように思うのでございますけれども。
  253. 吉田法晴

    吉田法晴君 あるのは伝統的な感情だけで、今までやってきた通りに持っておりたい、あるいは今までやってきたように、乗馬についても輓馬についても、あそこで育てたいという気持だけで、それが合理的な根拠にはなりませんと申し上げておる。特に輓馬のごとき、皇室でも使わずあるいは外国使臣の際に馬車で来てもらうというか、私どももときどき見かけるけれども、この交通難の中で馬車でぱかぱかやっているのを見て、時代離れをした、京都の祇園祭りのだしを見ているようなあれですが、それもとにかく文化財としてとっておかなければならないというならともかくですが、むしろこっけいですよ。それも外国でもあまり例がないように思うのですが、たまに外国使臣に供するために輓馬を育てる、年間に一、二頭育てるためにあの下総の御料牧場を維持しなければならないというのは、これはドンキホーテ式な、とにかく時代離れのした笑い話しにしかなりませんよ。前には意義があったのかもしれませんが、皇室用の食用に供する云々ということで、ソーセージあるいはバター、肉類、野菜等も含んでですが、衆議院では、両陛下、皇族の用にここで生産したものを持ってきておる、こういうことで、そこに重点があったかのようですが、そうすると、五千八百万の中には、そういう飲食費といいますか、これは招宴費も含んでですけれども、われわれの月給と同じだといわれたから、その月給の計算基礎になる飲食費云々というのは、大部分この基礎の中からは除かれるのではないか、こういう感じがしたのですが、五千八百万要求の根拠については、少なくとも飲食費といいますか、あるいは野菜とか、肉類とか、そういうものについては、これは入ってないわけですね。
  254. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) そういう部分は入っておりませんが、そういうものが、内廷費をきめられる最初のころからずっとあの牧場はございましたので、そういうものがあるということも頭に入れながら金額が出ておる、この中に入っておりませんけれども、作る最初にこれが頭にあって金額が考えられているということであります。
  255. 吉田法晴

    吉田法晴君 頭の中にあったのは、五千八百万円の中でどのくらいですか。
  256. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) 私から説明を申し上げますけれども、この内廷費のうちに含まれておりまする食饌の関係でございますというと、下総の御料牧場におきまして産出されます生産品の関係でございますけれども、あそこの生産品は、あそこの土質その他の関係からいたしまして、根菜類だとかというふうなものは生産されましてございますけれども、そのほか新鮮な生鮮食料品のようなものはあそこではやっておらないのでございます。一方、内廷費におきまして食饌として考えられております面は、これは肉から、魚から、肉と申しましても、下総でできます肉ではなくて、一般の食饌の関係の必要品が入っておるわけでございまして、内廷費のうちに入っております部門の補足といたしまして、多少下総の方から生鮮の野菜生産品を持って参っておるというふうなのが実情でございまして、先ほど来、次長から申し上げました皇室の御用に供しますと申しますのは、こちらで御陪食その他の関係だというふうなときにそこの生産品を使いますし、一方、内廷でも根菜類だとかいうふうなもの、肉生産品は豚とかいうふうなものは幾らか使いますけれども、全般的にはやはり野菜等の購入費内廷費の食饌費の主体になっておる。食饌費の関係でございますけれども、大よそ全体の約五百五十万円程度のものが食饌関係経費として内廷費の中に占められた金額でございます。
  257. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、食料品関係というのは、五千八百万円の中の大よそ五十万円……。
  258. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) いいえ、約一割程度の、五百五十万円程度がこの食饌関係支出と見合っておるわけでございます。
  259. 吉田法晴

    吉田法晴君 五百五十万円見当――。そうすると、下総から出るのは五百万円、先ほどの瓜生次長答弁で、大部分ではございませんと、こういう答弁の具体的な数字が出たわけです。そうすると、衆議院での瓜生次長答弁で、これは皇室用財産で「直接皇室御使用という意味ともちょっと概念が違いますけれども、」云々ということで、下総の牧場を持っておる理由として、「牛とか豚とか、そういうような関係のものは、皇室でのいろいろな宴会、その他両陛下、皇族さんの御用のものは、ここで生産したものを持ってきております。」云々という答弁は、これは間違いですね。これは瓜生次長のことですから……。これは下総から大部分持ってきているというように解釈されますが、それは間違いだということですか。
  260. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 私、先ほど申しましたように、話していた私自身はそういう気持はないのでございますが、その受け取り方が、表現がまずかったのか、要するにあそこで作られるものが両陛下の御用になっておる、両陛下の御用のものはあそこで作られているものばかりだという意味ではなくて、御用に供されているということを申し上げたので、もし表現が不完全であったとすれば訂正いたしたいと思います。  なお、先ほど招宴費と申しましたのを、あるいは吉田先生は内廷費経費のように思われたかと思いますが、宮廷費の方の金額を読み上げたのでございます。九百五十八万円というのは、これは皇室の午餐会とか晩餐会とか、いろいろな公式のお客さんを迎えての公式な宴会、そういう場合にも下総御料牧場産の分が使われる。それもやはり両陛下がお招きになって開かれるわけでございますから、両陛下が使われるという用語の中に入るわけで、用語を簡単に言ったために誤解を招いたのであれば訂正いたします。
  261. 吉田法晴

    吉田法晴君 最後の点は、内廷費にも使われる、あるいは宮廷費相当の部分にも使われる、こういうことかもしれませんが、少なくとも二月の十六日、緒方委員質問に答えられた中では、「牛とか豚とか、そういうような関係のものは、皇室でのいろいろな宴会、その他両陛下、皇族さんの御用のものは、ここで生産したものを持ってきております。」と、そのあとに「特に外国使臣なんかの接伴の場合に、ここで特別に工夫して作ったものを出すという場合においては、」云々と言っておりますが、これは例外の場合ですが、皇室の使用については、宴会の分を含んでここから出ておるのだ、こういう説明ですから、少なくともこの速記録を読んだ者は、ここから皇室用の豚とか牛とか、あるいは野菜とか、そういうものはここから出るのだ、こう思うのは当然です。従って、あそこの下総からどういう工合にいっているのか、こういう質問が出るのは当然で、答弁は不正確であったと、こういうことで訂正をされますね。
  262. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 先ほども訂正しますと申し上げたのでございます。
  263. 吉田法晴

    吉田法晴君 内廷費の五千八百万要求の中で、飲食費相当部分の五百万円相当分が下総から出ている。もっとも、これは内廷で使われるだけでなくて、いろいろの宮廷で使われる分もあるということですが、五百万円ほどが下総から出ているということですけれども、それは五千八百万円の中の結局一割程度あとのとにかく五千三百万程度のものが妥当であるかどうかという問題に関連をするのですが、前回の委員質問に答えて、あるいは天皇なり一家の人たちが地方に旅行をした場合の宿泊費は、正当にそのまま出さないで、包み金云々という答弁があったようです。ところが、実際に聞いてみると、宮内庁からは払っておらぬかもしれぬけれども、県庁あるいは地方庁からは支払いをしている。おまけにこれは宮内庁の役人が言うのか、あるいは県庁の役人が言うのか知りませんけれども、泊ってもらったのは光栄だからということで、献納品を納めさせておる。黙っておって、とにかく自発的に旅館なり何なりがあれするのじゃなくて、いわば泊ってもらって光栄だろうから云々ということで献納をする云々ということだから、これは助言か、強制にはなっていないかもしれぬけれども、実際には口をきいて、宮内庁の意向もあって献納されておる、こういう具体的の実例を聞くのですが、そういうことですか。そういうのはどこに入っていますか。
  264. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) お泊りになった宿からの献納というのは、私がお伴したときの実例でいいますと、そういうことがあってもお断わりしている。受けておりませんのですが、どういうような誤解でありまするか、ちょっとわかりかねるのでございまするが。
  265. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、いずれにしても宿泊費は包み金、包み金の中身は知りませんが、実際には県庁から支払っておる。あるいは地方旅行の際の汽車を運転するにしても、一週間、十日と準備をしているようですけれども、費用はその大部分が地方自治団体から出ている。県庁等から出ている。そうすれば、旅行費として出るのはいわば包み金程度で、ほとんど旅行について大した費用は要っておらぬように思うのです。県庁等が負担する部分の方が多いようですが、そういう旅行費等が五千八百万円の中にどのくらい見込まれているのですか。
  266. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) ただいまの行幸啓関係の宿泊費についての質問があったのでございますが、公的な行幸に関しましては、宮廷費の中の報償費の中にその金額が入っております。一方、内廷費関係でございますが、これは葉山においでになりますとか、あるいは那須においでになりますとかいう関係の御旅行関係経費でございまして、これは私的においでになりますのは、ただいまのところは夏に那須御用邸においでになり、冬に葉山御用邸においでになるというふうなことで、御旅行関係の宿泊の関係といたしましては、内廷費の中には金額が宿泊費としては入っておりません。大体旅行関係で、出先であるいは行幸啓に関連いたしまして多少の経費を要しまするのでございますが、その関係は陛下を初め、宮様方で二百四十万円程度経費を御旅行関係経費として中に包含いたしております。
  267. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、葉山とか那須とかいう、いわば近回り、あるいは私的に行かれるときの費用内廷費の中にみているけれども、地方に行く費用はみていない。そうすると、たとえばこの間の皇太子夫妻の長野旅行のごときは、そういう費用はみてないで、ほとんど地方の負担になっている、こういうことですね。
  268. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) 先ごろ長野においでになりました関係は、これは公的なホルスタインの御奨励関係意味もございまして、公的な御旅行といたしまして、宮廷費のうちの報償費に包含しております。そうしてその宿泊費につきましても、先般御説明申し上げました通り、部屋代、その他税金から飲食費に至りますまで、実費で積み上げました金額を、ただ一つの袋に入れるという点はございますけれども、実費的なものは全体的に積み上げまして、税金から、あるいは使用人の心づけに至りますまで、全般に過不足なくお渡ししているというのが実情でございます。でございますから、地方庁に対しましてそうした経費を負担さしているというふうな実情ではございません。
  269. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、先般の長野旅行については、予算あるいは報償費の中から、実際は部屋代から飲食費から税金まで出している、相当部分を包み金で出しているというんですから、地方には迷惑をかけていないということですが、しかし、実際にわれわれが聞くのは、これは同僚議員等から聞くんですが、先般の長野の例では、こういうものを県庁から支払っている云々というのは、これは間違いない実情のようです。そういうときには実際に報償費から出ないで、それを地方なら地方の負担にまかしてある、こういうことですか。それは宮内庁から、報償費の中から、あるいは宮廷費から出すこともあるけれども、実際には出さないで、地方自治体等がまかなっている、こういうことはあるんですか。実際に県庁が渡しているとすれば、いわば宮内庁の方から出してもらって行ったけれども、渡さないで、それが宮内庁の役人のポケットに入っているということも考えられると思いますが、実際にはどうなんですか。
  270. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 私からお答えしますが、この長野の御旅行の場合に、包み金ではございますけれども、実際にどれくらい要るのかということを勘案して、それにプラス・アルファしたものを確かにもう渡しておられて、場合によっては出す、場合によっては出さない、そういうものではございませんで、その点は疑いはないと思うのですが、ただ、県庁が出しておられるというのは、そういうときに県の知事とか、そういう人も泊まられたりする、あるいはそういうようなことなのか、あるいはその機会に別に何か御苦労賃というので出しておられるのか、そこらあたりは私にはわかりませんが、両陛下、皇族さん、そういう方の場合に包み金を出します。それからお伴の者につきましては、これは実際の請求書をもらって払ってきているわけでございまして、その点がどういうことでそういうような声があるのか、ちょっと私には解しかねるのでございます。
  271. 吉田法晴

    吉田法晴君 それは、まあ宮内庁からすれば予算もあるのだし、それから包んで行くから払っておるという建前になっていることは、これは説明としてわかります。しかし、宿屋の払い、あるいは同僚議員、国会議員じゃなくて、地方の議員なり何なりが経験したところからいって、それを宮内庁なり、あるいは天皇自身から支払うのじゃなくて、県庁が支払っていく、支払っておる云々という点から見ると、これは私どもはうそだとは思えぬ。そうすると、建前と実際とはときによって違うのだという疑問を持つのは当然じゃないですか。それから、そのやり方が、たとえば相撲だとか観劇の場合に、あるいは相撲の場合にはたばこをやっておる云々という話がこの前のときにもあったようですが、どうもやはりこういう点で、ほかの場合でもそうですが、合理主義が働かないで、民主主義以前のやり方がいろいろな場合に行なわれておるのじゃないか、こういう感じがするし、従って、建前はこうなっておりますから、渡しておるはずですと言われても、それが信用できないのは、ほかにも、たとえばこの前問題になった観劇あるいは相撲の場合等から考えてみても、そういう非合理主義があるのじゃないか。それから献納品の話がありますが、それは瓜生さんは取り次がなかったかも知れぬけれども、しかし、献納品をやっておることは事実。そうすると、瓜生次長は知らぬけれども、献納されておることは事実のようです。その献納が、そのときの献納か、あるいはあとからの献納か知りませんけれども、行なわれておる。そういうものがないというお話ならば、それはどこにあるのか。
  272. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) ここで具体的にどこの場合ということをお聞きするのも悪いかと思いますが、出す建前になっておるが、ときによって出さない、そういうようなことは絶対にないということは、これは断言してよろしいと思うのであります。どうしてそういうような誤解が伝わっておるのか、どうしても私には解しかねるのでございます。
  273. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) それにちょっと補足して申し上げますが、そうしたことにつきましては、報償費の建前からしまして、少しどぎついような感じが出るかもしれませんが、それぞれの場合に領収書を取っておりまして、領収書で整理いたしておりますのが実情でございますから、この実情をもって御了承いただきたいと思います。
  274. 吉田法晴

    吉田法晴君 まあ領収書が取ってあれば渡さなかったということは言えませんけれども、まあ相撲、観劇の場合、相撲の場合にはたばこをやることでとにかく済ませておるというか、それをありがたがってもらうから、それでかわりになっておるといえばそれまでの話ですけれども、そういうやはり非合理主義が、宿泊費あるいはその他の場合についてもあるのじゃなかろうかというような感じがするのですが、一つこれは直接皇室ではありませんが、皇族の場合に、ある皇族が地方に行かれる場合に、一ぺん一度のとにかく何といいますか、大会に行ったりなんかする場合に、十万円出さなければならない、こういうような話等がありますが、これは皇族の場合ですがね、そういうのはどういう種類のこれは金ですか。
  275. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) それは私具体的にはちょっと存じませんが、あるいは車代というような意味で、あるいは出されたことがあるのかと想像いたしますけれども、具体的には存じておりません。
  276. 吉田法晴

    吉田法晴君 まあ同じようなとにかく非合理主義の実例ですが、との新しい、何というのですか、宮殿というのですか、造営の予算が計上されておるけれども、その造営の中に、百万円ですかを含めて一般寄付があるということを前回の委員会の際に報告されたようですが、予算予算でたっぷり計上するが、寄付は寄付、これは寄付か献納金か献納品か知りませんけれども、そういうものがある。それは予算の中には計上されておらぬ。そうすると、やはり至るところでとにかくそういう、何というか、非合理主義がある、あるいは包み金、宿泊費まで地方で聞くことと関連して、先ほどのような疑問を出すのですけれども、その建物の建造費について寄付を受けておられる云々は、これはこの前のときにはあった。これはどういう関係になるか、これは予算の中に入っているのですか。
  277. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この皇居造営に関しては、建前は、もう国費で建てるという建前でありまするが、しかし、国民の中に、自発的に一つ寄付をしたいという強い要望もありまして、そういうことが皇居造営審議会の際にも取り上げられましていろいろ検討されて、で、自発的寄付で、強制があったり売名宣伝に使われるという、そういう弊害のないものについては寄付を受けてよろしいという答申がありましたものですから、それで、その寄付というのは、これは皇室に対する寄付という性質には実はならないので、皇居造営のために使って下さいといって国に寄付をするという格好になります。これは一応受けますと国庫に入るわけであります。しかし、幾ら入ったとかいうことは、ずっと金額がわかりますから、これを支出する場合には、やはり予算の上に、支出面の上に出てくるわけであります。そうすると、寄付をされた金額はこれだけある、だからその部分でこの部分を造営されるというようなふうになりますと、その寄付された人のお気持は生きるわけであります。これは予算の面に現われてくるわけであります。
  278. 吉田法晴

    吉田法晴君 それは予算外ですね。それでは皇居造営についてどのくらいのとにかく寄付があったのか、あるいは見込まれるのか、そういう点はまあ実績はわかるでしょう、この前も言われたんですから。それと予算関係を。
  279. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 去年の夏から受けつけて、きょうのところで金額で千十二万何千円というようなところでございます。で、これはほんとうの自発的に熱心な方の、かえってお断わりするのも人情に反するという範囲で受けるということでございますので、では幾ら集めるというふうに積極的に集める性質のものではございませんので、従って、幾らくらいということも全然あげておりません。その模様によって考えるということでございます。
  280. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、千十二万円程度だというと、新聞その他でこれは正確にはわかりませんが、一億近い云々という話がありましたが、それは間違いですね。
  281. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) もし今までに一億何がしという記事があれば、一けた間違いだと思います。
  282. 吉田法晴

    吉田法晴君 いずれにしても寄付がある、あるいは日常の宮廷費についての献納品があるということになると、結局五千八百万円だとか、あるいは宮廷費の三億九千万円ですか、三億九千万円のほかにそういう寄付なり、あるいは献納品がある、こういうように理解せざるを得ませんね。
  283. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この寄付は、やはり予算の範囲に出てくるわけでございます。現在のところは国庫の方に入っておりますけれども、これを使う場合には予算面に出てくるわけでございまするから、予算外ではなくて、予算内になるわけでございます。  なお、内廷費関係は、これは皇居造営の寄付は全然関係ございません。これについては、別途皇室経済法の制限の範囲で受けられますが、これは年額百二十万円、それをこす場合には国会の議決が要るということになっているので、その線を守っているわけであります。
  284. 吉田法晴

    吉田法晴君 予算としては、造営費なら造営費で予算が組んであるが、国庫を通すからその予算の範囲内になる。しかし、国としては  ちょっと今金額を探し出せませんが、予算が計上されておって、それで国の財政収入の予算も立っているわけですから、その中から金額を建造費なら建造費として計上するのですから、国としては一千万円にしても、あるいは何千万円にしても、これはプラスになるわけです。そうすると、宮内庁としては、それを含めて、国庫からその予算金額の範囲内をもらうということで内輪になる、こういう御説明はわかりますが、国としてはそれはプラスになる、それから内廷費の方の百二十万限度については、これはプラスになる、こういうことですね。内廷費の五千八百万円の予算のほかに、百二十万円までは寄付を受けてよろしい、こういうことだから、百二十万限度まではプラスになる、予算のほかに収入がある、こういうことになりますね。
  285. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 内廷関係のものは、その百二十万円の範囲というのは、現金じゃございません。地方の特産品を知事を経て献上したいといわれる場合に、その特別産業に従事する人のお気持にも沿うし、弊害もないというような場合に受けている地方の特産品でございまして、いわゆる収入としてそれはまた使えるというような性質のものではございません。
  286. 吉田法晴

    吉田法晴君 十五カ所の問題については、先ほど不十分ですけれども、一通り触れたんですが、一つ聞き落としたのは赤坂離宮の問題でありますが、まあ十五カ所についても使わないものがあり、あるいは使っておっても、その一部しか使われないものが大部分ある。あるいは下総の牧場のごとく、それを使い、あるいは五千万円もかけて使わなければならぬ事由が乏しい、こういうものもございましたが、国立図書館ができるというので、赤坂離宮も、あと皇室に返そう云々という話があるやに聞いておったのですが、この点はどういうふうになっておりますか、お伺いいたします。
  287. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 赤坂離宮については、まだどうというような具体的なことは話になっておりませんが、ただ、あの赤坂離宮を皇室用財産からはずして国会図書館にする際に、そのころは、そういうのは一々皇室経済会議の議を経ることが必要でございました。現在では必要はありませんが、皇室経済会議の記録として、将来また国会図書館で要らなくなった場合には皇室用財産にしたらいいじゃないかというような発言があって、記録にとどまっているという程度でございまして、今後あれをどうするかという問題について、今漠然と、日本の国の迎賓施設というのが国としてはないわけで、白金の迎賓施設は、あれは堤さんが持っておられるのをそのとき借りたというような格好で、これは皇室も借りる、政府も借りるというようなことでやっておるわけです。そういうような場合に、あるいは赤坂離宮が利用できないだろうかというような話は出ております。しかしながら、今のところ、まだ具体的に相談をする段階にいっておりませんので、そういうことを私が聞いたことがあるという程度の状況でございます。
  288. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、今国有財産になっておるものを皇室用財産に返す云々という話はない、国としてどういう工合に使うか、その段階になったら国として考える、こういうことだということに了解してよろしいのですね。
  289. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) それは、まあそういうようなことを聞いておるという程度で、これはたとえば宮内庁で、今それについてどうこうしますと申し上げる職務権限の範囲外のことでございますので、そういうことを聞いたことがあるということを申し上げたわけで、そういう方針だというふうにおとりになりますと違いますので、私言葉が足らぬと誤解を受けますから、その点を重ねて申し上げます。
  290. 吉田法晴

    吉田法晴君 今の点は、宮内庁次長として聞いておるということで、正式に問題になっておるというわけじゃないからということで、そういう答弁でそれは満足いたします。  これは皇族の関係になりますが、先般調査に行かれた際に、どの程度調査されたかわかりませんが、光輪閣の問題については前から問題になっておったところですが、これは皇族の品位保持のために、今まで三百万円出しておったものを増額支出してもらいたい、こういうことに関連いたしますが、増額するについて、これは内廷と同じですが、どのくらいとにかく収入が別にあり、どの程度とにかく増額の必要があるか、そのいわば基礎関連をするのですが、皇族の財産というのですか、・昭和三十三年度かに、秩父、高松、三笠と、どの程度あるというあれは前に出ておったようですけれども、それが現在どの程度なのか。それから、あとで光輪閣の問題について、実際にどういうように使われておるのか、あるいは収支の関係について伺いたい。
  291. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 昭和三十三年に三宮家のことについての資料をお出ししまして、その後変化はございません。  光輪閣のことでございまするが、光輪閣の建物は高松宮家で所有しておられるわけですが、その土地につきましては、光輪閣の土地のうちで、大部分の三千四百六十坪というのは国有地で、これは終戦のときに財産税の物納をされたので、国有地でございます。で、それもこの前のときと変わらないわけですが、ただ、それに対しては、この国有地に対しての使用料というものを、三十五年は百七十万二千円払っておられるわけでございます。  それからこの建物については、固定資産税が百三十万かかっております。そういう意味で、光輪閣を光輪倶楽部に貸しておられまして、貸しているのに、そこから相当収入が上がるのじゃないかというような御疑問がございまするのですが、この使用料百七十万、固定資産税の百三十万を合わせ三百万、これは光輪倶楽部の方で支払う形。まあその名義はもちろん高松宮さんですが、それが建物の貸し賃のようなことになりましょうが、実際は、宮様の方の収入はそこから上がっていないわけです。それでなお、光輪倶楽部が借りて利用しておりまするから、ある程度そういうものを負担されるということにも意義があるとも思いまするが、あそこから何か収入があるように誤解をされておる向きもありますが、そういう事情で、収入はないのであります。
  292. 吉田法晴

    吉田法晴君 全体の昭和三十三年の各宮家の財産は、その後変動ないということですが、有価証券等で、高松百九十万、それから秩父宮五十七万、それから三笠宮家六十万というあれですが、これは、有価証券ならば、その後変化がないということはありません。昭和三十三年と、三年以上たっておるわけですから、変化がないということはない。これはどうなっております。
  293. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) 三十三年度に提出いたしました関係の資料と今日とでございますが、三十三年度でお出しいたしておりますが、その後の関係にいたしまして、目立った関係がございますれば、それにつきまして、それに付加した資料をお出しすることができるのでございますけれども、何せ、やはりこの皇族様の私的な関係にもわたりますので、これにつきまして、株券がどうなったか、あるいは貸付信託がどうなったというふうなことに至りますと、三十三年度と今日とにおきまして比べますと、多少の変化はございますけれども、一方三十三年度以降皇族費の歳費の関係が、歳入と一方支出関係におきまして、一ぱい一ぱいの実情でございますので、従いまして、このさきにお出ししました資料にそう大した大きな変更があろうというふうなことは考えられませんので、大体におきまして、三十三年度と同様なところである。あとはやはり宮様方の私的な関係であるというふうなことで、全般的な関係を達観いたしていただきまして、そうであろうというふうなことで御了承いただければと存ずる次第であります。
  294. 吉田法晴

    吉田法晴君 皇族費で一ぱい一ぱいならば、これはまあ余裕があるかないかという問題と関連をしますけれども、一応とにかくもらったものは使う。使われた内容をこまかく言うことは、尋ねても言えない。しかし、一ぱい一ぱいと言うが、その説明でも、一応もらったものを使ったとしても、有価証券その他の変化が、三十三年当時から倍にはなっていないにしても、有価証券の価格だけでも、それは上がっているだろう。それから、何といいますか、株の増加の点もありましょう。そうすると、それぞれのあれが、五十七万円が五十七万円でそのままあるはずがない。あるいは六十万円が六十万円でそのままあるはずがない、百九十万円が百九十万円でそのままあるはずがない。それが倍になっておるかどうか知らぬけれども、ふえているでしょう。これは、変化があるというのが常識ですよ、もしそれを売ったということがあれば別問題ですが。それから問題は、聞いておるのは、変化はあったはずだが、その変化のあった有価証券その他からどのくらいの収入が上がっておるのかということを念のために聞いておるのですから、その変化があった。価格の変化はあったでしょう。その価格の変化があったとして、それがどの程度なのか。それから、あるいは有価証券なりその他から収入が、おのおのの宮家についてどの程度にあると考えておられるか、お聞きしたい。
  295. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) 価格の変化につきましても、ただいま吉田委員の御質疑通りで、そういうふうなことは考えられましょうけれども、一々しからばどれくらいの値上がりがあったであろうかというふうなことに至りますると、やはり具体的に、株券につきましては、銘柄その他に一々掘り下げて当たりませんと、そういう点は正確に出て参らないわけでございます。でございますから、三十三年度当時と現在の平均株価の値上がり関係からいたしまして、多分このくらいであるであろうというふうなことは、私どもといたしましても推測がつきまするし、また、資料をお持ちになっておいでになります委員におかせられましても、同様な御推測はつくと思います。一方日々の御生活関係におきましては、このたびお願い申し上げましたように、相当な御窮屈な面もございまして、人件費におきましても四割を占めているというふうな年額の歳出の状況でありますので、そう余裕がおありになるというふうなことは全然考えられませんし、多少の値上がりあるいは株価の変化の点は、そうした赤字につきましての充填というふうなことは想像はつきますけれども、、一つ一つにつきまして、今仰せの通り、どういうふうな値上がりがあったというふうなことにつきましては、やはり個人的な財産管理の面からいたしまして、そこまで立ち入ってどうこうというふうなことはいかがかと存ずる次第でございますから、こういう程度で御了承いただきたいと思います。
  296. 吉田法晴

    吉田法晴君 瓜生次長でもそうですが、増額要求されて、その増額要求の根拠は示さない。ただやみくもに増額要求を認めてくれ。こう言われても、これは、皇室にありがちな今までの非合理主義をそのまま認めて、とにかく、何といいますか、その品位を保ち云々という点からいってこれだけが必要だと言われても、これは判断のしようがありません。しかも、憲法に規定されているように、人間天皇として、その地位は国民の信託によって云々と、そうして国民を代表して、幾らかあれするのが妥当か、増額する必要があるのかないのか、あるいは増額するとすれば、どれくらいが必要だということになれば、その理由がなければ、これは審議ができません。その審議のとにかく材料として、どの程度の別収入があるかという質問をしているのに、それは個人の問題だから、まあ、プライバシーとは言われぬけれども、それはのぞくべきじゃない、こう言われると、これを審議しようがありません。ここでとにかく論議しているのは、何といったって合理主義、とにかく説明のつく資料がなければ、これは審議ができない。その説明のつく資料として、調査もし、あるいは財産関係も聞く、あるいは別途収入も聞くと、こういうあれをしているのですが、それについて、とにかく個人の問題については触れられぬと言われれば、その皇室の長い間の非合理主義をわれわれにも、国民にも押しつけるという以外にない、それじゃ通りませんよ。
  297. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 皇族費の増額についても、先般提案理由説明がなされておりまするが、ちょっと別の言い方で申しますと、その中に含まれている人件費関係につきましては、この三年間に、人件費は二割六分五厘国家公務員で上がっておりますので、その額をかけて、その他の金額といわれる部分については、特別職の総理大臣、まあ特別職、一般職、すべて公務員は、去年の十月からそれぞれべース・アップがございました。まあ一応総理大臣の給与の上がられる率を見まして、実際に手取りとして上がられるのが五割五分、その部分をその他の金額にかけまして、結局ならしますと、全体で四割の増額になると、ちょうど議員さんの値上がるのと同じ金額かと思いますけれども、そこを考えたわけではございませんが、四割ということになりました。これは、やはり物価値上がりその他一般社会情勢が上がってきます、そういうことに伴う経費の上昇。先般御説明がありましたように、この外交関係その他の関係もふえておる。大公使館の数が、三年前がたしか五十五、六でしたが、今は七十にもふえております。そういうところとの度数もふえて参ります。そういうようなこともありまするし、それから、一般の情勢がこう上がってきておりますから、皇族さんの場合も、品位保持の場合に、一般と同じように歩調をそろえて考えてあげるのがよかろうということで行っておるわけであります。われわれの俸給も上がりましたけれども、その場合も基礎はありましようけれども、大体いろんな率でいったりしておりますし、個々の事情よりも、まあその率をいろいろ考えて行なわれておりまするので、そういうことからきめておるわけであります。
  298. 吉田法晴

    吉田法晴君 公務員は、公務員の場合の全体のとにかく上昇率が、物価なり生計費の上昇率云々ということで、中があります。中があって、上に厚く下が薄い、こういう批判はありますけれども、人事院勧告を出したにはそれ相当の理由があって、全体の上昇率の場合には、あとはとにかくいわゆる改定の問題、職階の問題をわれわれ批判をするのだけれども、そこは、あなたたちは上の部分だけとって、それをそのまま移す、上昇率、こういうことですけれども、公務員なら、公務員全体についてはやっぱり理由があるのですから、合理的な理由があるのですから、それを人事院の勧告を基礎にして政府が取り上げたわけだ。だから、それには、上の方だけじゃなくして、全体を通じての理由があった。皇室の場合には、あるいは皇族なら皇族の場合についても、理由がなきゃならぬ。検討すべき理由がなければならぬ。そこで、その理由の中で、別途収入がどれだけあるのか、あるいは光輪閣の問題も、それに関連して聞かなければならないのですけれども、それについては、先刻個人の問題だからというので言われない。そうすると、とにかくやみくもにただ、総理なりなんなり上げたから、それにつれて上げてくれという以外にない。三十三年の分はありましたが、それの内訳は、御存じのようだけれども、まあ述べられませんが、収入については、その元本基礎については、収入についてどの程度の収入があるだろうという点は、これは大体わかっているのですか。答弁願います。
  299. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) 先ほどからたびたび申し上げておりますように、現在におきまして、個々の収入につきましてどれくらいあるであろうとかいうふうなことにつきましては、はっきりいたしておりませんのでございます。三十三年度のときと大体大きな変更はございませんので、支出関係は、先ほど来申し上げましたような関係でございますので、そういう程度で御了承いただきたいと思います。
  300. 吉田法晴

    吉田法晴君 ところが、有価証券の総額は変化があっただろうというのですが、それからくる収入あるいはその他に、たとえば三笠宮等については、どこかの講師もしておられるようですが、そういう収入についてもわからぬというのですか。あるいは高松については、光輪閣を貸しているけれども収入がない。とにかく別途な収入については一切わからぬということですか。
  301. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) これは変更を、収入としてあげられます財源はほかに全然考えられ得ないわけでございますから、三十三年度のときと大差なかろうということでございます。
  302. 吉田法晴

    吉田法晴君 財産の増額、有価証券の増額はわかりますが、収入の点は、三十三年度とあまり変りないというようなら、それならそれの収入の方は、これを元本にした収入の方は、あるいは別途収入を含めて、大体どのくらいあるという点は、もう全然わからないのですか。これを基礎にした収入等は三十三年度云々というが、それじゃ三十二年度当時と現在と比べてみて、どの程度収入があるか、各宮家について。
  303. 小畑忠

    政府委員小畑忠君) そこまでは現在のところわかっておりませんでございます。
  304. 吉田法晴

    吉田法晴君 これは、三十三年のときにも問題になったんだし、当然とにかく一応概数にしてもお調べになるべきだし、あるいは収入が大体どの程度あろうということは、これは、要求するときには、ちゃんとやはり調べておかなければならぬ。問題になることはわかっておる。まあわからんというんならしょうがないのですが、怠慢です。光輪閣については、その土地の使用料が百七十万円、固定資産税百三十万円、合計三百万円を光輪倶楽部がかわって支払っておるというので、そのほかには何もないということですか、このその他の収入については。光輪閣の収支。それからその中からこの百七十万、百三十万のほかに、この別に家賃相当分というか、そういうものは全然ないのですか。
  305. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) これは光輪倶楽部の内容になるわけですが、光輪倶楽部の内容のことについては、どうもわれわれはちょっと職務権限外の、別になるものですから、大よそのことをもちろん気をつけておりまするけれども、こまかい点はわからないですけれども、宮様との関係においては、先ほど申しましたように、ここからは貸し賃は取られておらないけれども、しかし、こういうような借地料ですとか固定資産税をそちらの方の分で出しておられるから、まあそういう意味において、全然ただで貸しておられるというわけではない。しかも、それは直ちに国の方に行ってしまうもので、宮様の収入にならないという、わかっておる点を申し上げたのであります。
  306. 吉田法晴

    吉田法晴君 相当民間、特に一部の財界に限られておるようですけれども、利用されて、その収入というか、あるいは利益等もあるようですが、百三十万というものが家賃としてあげられているんですか。それとも三百万というものが、これは代納をしておって、別に家賃というものはないのですか。とにかくこの収入といいますか、ずいぶん利用されて、収益はあがっておって、国民の一部だけの利用、財界なり何なりの一部に利用されておる云々というなら、この光輪閣の利用をもっと国民に解放すべきじゃないかという議論も出て参るわけです。もう少し納得のいく説明を願いたい。
  307. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) これは、その家賃と考えてもいいかもしれないのですが、実際上光輪倶楽部の負担になっておる。負担をさせておる。そういう契約になっておりますから、家賃と考えてもよろしいかと思いますが、光輪倶楽部の負担になっているという、ちゃんとそういうような契約になっておるということでございます。  それから、何か特に国家的にどういうふうに利用するかという問題でございますが、光輪倶楽部が、主としていろいろな外交関係の場合に、あそこを貸しております。よく大公使館で、小さな大公使館ですと、いろいろな記念日のレセプションなどを行なう場所がございません。それで、あそこを使っているとか、相当外交方面の方がよく使っておられます。だから、普通の料理屋のようなものではないと思います。また、そういうようなこの建物の利用について、じゃ国がやるかという問題、これは、私はよくわからないのですが、国がそういうようなことをやるのは、これはもうなかなかむずかしいのじゃないかと思うのです。そう簡単ではないだろうと思います。
  308. 吉田法晴

    吉田法晴君 そうすると、宮内庁も外交使節関係等について使っておられる、あるいは、私どもの聞くところでは、財界なり一部の人については相当利用されておるということですけれども、いわば皇族の持ち物だからというので、一部の者あるいは宮内庁等で、使用料、土地の賃貸料あるいは固定資産税分は相当納めておるけれども、いわばこれを利用して、これは、税金関係も安くなっておるだろうと思うけれども、いわば公明に使われないで、やはり一部の利用に、しかも、この建物なら建物を安く利用しながら、一部でその恩典に浴しておる。こういう結果になるかと思うのですが、この点は、光輪閣の運用について、収支も明らかにし、そうしてその運用について、もっと公明な利用、あるいは国民の利用に資するように努力をしてもらいたいと思うのですが、その具体的な方法については、他日でもかまいませんが、再検討をし、あるいは資料等を取り寄せる、あるいは利用方法等について再検討する御用意があるのか。最後に伺いたい。
  309. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 本日いろいろ御意見のありましたことについては、高松宮さんにもお伝えをし、まあ光輪倶楽部の人にも伝えて、今後一そうよりよくこれが運営されていくように考えてもらうようにいたしたいと思います。ただ、そのいろいろな収支を取り寄せるとかいうことは、これは国家機関もあまり立ち入るのは、これは現在の法律上どうかと思う。まあいろいろ聞く程度のことはいいのですけれども、権限のないことをやることは、これは今、公務員としては慎まなければいけないと思うので、その点は御了承願いたいと思います。
  310. 吉田法晴

    吉田法晴君 それは、宮内庁として、増額要求をする際に、どの程度とにかく収入があるのかということは、国会のとにかく関心事の問題で、いろいろ質問も受けたし、どの程度になっておりますかということは聞くのは当然、強制調査権があるかどうかは別問題、これは、宮内庁としては、増額要求をするというその基礎になるという理由あるいは数字等を考えるについて、当然質問を受ける問題です。だから、そういう限りにおいて、宮内庁として、一応どの程度の収入があるのか、どの程度財産があるのか、そして光輪閣の運営については批判されるべきものがあるから、光輪閣の運営はどうなっているのか、収支がどうなっているのか、あるいは態様がどうなっているのかということで聞くのは当然だと思う。たとえば、それは皇族の一部について十万円、地方へ行ってもらう云々という点もありますが、車馬賃で出されて云々というお話ですけれども、それは任意で出されている。聞いていただきたい点については費用が要るから云々という点で、これはいわば強制力がないかもしれない、ないかもしれませんけれども、そういうことが行なわれているということがいいと考えられるのですか。妥当を欠くとは考えられませんか。そういう面で、これは収入に関係する問題だけれども、皇族の収入、あるいはあれについて批判を受けるべきものは、これは直すべきじゃないか。権限があるないは別問題として、これは当然私はあるいは聞き、聞き方もいろいろあるでしょうが、聞き、あるいは是正すべきものについては是正するだけの任務は私は当然あると思う。道義的な責任としても、法律的に云々するという点は別としても、僕はあると思う。そういう意味でお調べ願いたいし、それから、指弾をされるようなやり方はやめられるように、宮内庁としてこれは御忠告をするということは当然ではないか、そういうことを申し上げている。その中の一つとして問題を出したのです。  最後に、皇室の民主化の要請と、それから、きのうきょう問題になっております元首の問題、あるいは、私ども言いますと、天皇制への逆戻りの指向について関連をしてお尋ねをいたしたいと思うのですが、この間皇太子夫妻が長野に行かれる際に、警護を強化しろということで、特別手配が御破算になった新聞記事を見たのですが、そういうことで、警護に名をかりて、一般の警備態勢あるいは警察行政について、国民のための警察行政が犠牲になるという点はどうかという、これは、私は世論の一端だと思うのです。そういう問題があって、これは、施設の開放なりあるいは内廷費、皇族費の問題とも関連をする問題ですけれども、皇室のあるべき姿というもの、憲法で規定をされておる象徴として、あるいは民主制度のもとにおける皇族として、当然こうなきゃならぬという方向と、それから、現われておる警護なり何なり、逆の方向に行っている一つの事例として出ておるのだと思うのです。感想は述べられなかったようですが、警護の行き過ぎによって、一般警備あるいは警察行政が犠牲になっておるような事態については、どう考えられますか。
  311. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 行幸、行啓の場合の地方の警衛、警備の関係、これにつきましては、宮内庁としては、必要の最小限度にとどめてもらいたい、ときによると、どうもぎょうさんになるから、そうならないようにということを常に要望をしておるのであります。地方にお出かけの際に、国民との親しさを増していかれるということが大切で、あまりそこにかきができるような感じのことは、これは感心しないということは、常に要望として言っておるわけであります。  長野の場合にどういうふうでありましたか、具体的には聞いておりませんが、ただ、帰った人から聞きますと、ちょうど松本駅に皇太子殿下がお着きのときには、あそこにたくさんの方がお迎えに来ておられて、警察力が薄かったためか、ぐっと皆くずれて、自動車のところへ皆集まって、自動車が動かなかった。お供の人は、自分の自動車に乗れないので、自動車の上から乗り越えて乗ったという、そういうふうなことがあったりして、それから後、まあそういうことがあってはいけないというので、少し警察官の配置が多くなったようなのを見た。しかし、最小限度というのは、いわゆる警察の方では、そういうときにけが人ができるるようなことがあってもいけない、これは警備関係の任務ですから、必要としてなさっておると、責任はまあ警察の方でいろいろ考えておやりになることで、一般方針としては、できるだけ簡素化してやるように、常に要望はしておるわけであります。
  312. 吉田法晴

    吉田法晴君 今手元にありませんが、三笠宮が、これは「オリエントのあけぼの」というのだったかと思いますが、それの巻末に、終戦天皇が人間になられて、そして警備の点等についてもやかましくなくなったから、そこで、これは三笠宮だと思うのですが、初めて銀座に行ってすき焼を食った。自由に、警備なしにすき焼を食うことができた。そうしたら、そのすき焼は、かつてなくうまい味だった。ところが、これは数年前の話ですが、そのときでさえ、だんだんまた昔に逆戻りをして、そうして自由に銀座にすき焼を食いに行くこともできなくなろうとしている。特に天皇についてはそうだが、これは不幸なことだと書いてありましたが、とにかく一ぺん人間になった喜びというものを再び奪われようとしている。あるいは制限されようとしている。これは悲しむべきだ。こういう記事がございます。今手元に取り寄せておりませんから、正確に伝えることはできませんけれども、そういうことが書いてあったことは、瓜生さんも御承知だと思います。これは復古思想かもしりませんけれども、天皇についても、あるいは皇族についても、だんだん昔に逆コースに戻ろうとする。そういうものが警護なんかに現われつつあるのではないか。一ころと最近の警護を見てみますと、東京都内なら東京都内でもやっぱり私どもの感ずるところである。そしてその警護の強化を見ていると、その言葉を思い出すのですが、なお、最近のあれを見てみますと、新聞紙その他で見てみると、これはあるいは議員にも多少関係ありますけれども、一部のものの中に、あるいは不敬罪に相当する罪を復活すべきだという運動がある。あるいは、きのうきょうの新聞を見てみますと、憲法調査会の動きとして、象徴という点がはっきりしないので、元首にすべきではないか、あるいは象徴という規定を君主制にすべきではないか、そういう国の元首としてのはっきりした地位を規定しながら、君主制度を――これは私は復活だと思うのですが、すべきではないか、こういう議論等があるようです。私は、これらの点は、現在の憲法のもとでは、不敬罪というものが復活するはずがないし、それから、前のような君主制あるいは天皇制というものが復活するはずはないと思うのですが、これは、憲法の改正をして、もとの通りにしようというなら別問題、天皇主権にしようというなら別問題ですが、憲法の前文なり、あるいは一条なり、天皇の地位も、国民の信託によって、主権者たる国民の意思によって云々という点がくずれないならば、あるいは民主主義なら民主主義の原則がくずれない限りにおいて、不敬罪が復活するはずはないし、あるいは天皇制が復活するはずはない。君主制が復活するはずはないと思うのですが、最近の逆コースと、こういう論議についてどういう工合に考えられるか。その三笠宮のかつての喜びと、最近の嘆きから考えて、これは少し総理に尋ねるべき問題だと思うのですけれども、いわば宮内庁を代表して来られましたからお尋ねをしたい。というのは、この予算の問題についても幾つか指摘をしましたように、宮内庁に残っておる昔の考え方、あるいは、背こうであったから、あるいは賢所がどうだ、あるいは昔の宮殿はどうであった、あるいは田植えといいますか、その行事を私ども数年前行って見たことがありますが、何の合理性もない。国民の苦労を知るというのならば、国民の苦労をこれは分かたれればいいのである。ポンプで上げた水で田植えをする。それは、一本か二本を植えるにとどまるのでしょうが、これは、昔からのやり方かもしれませんけれども、何の理由もない。あるいは合理性もない。しかるに、旧慣を墨守し、あるいは宮内庁のやり方としても、旧態に復しようという空気があるだけに、そうして不合理主義が克服されないで残っておる。そういうものが、たとえば内廷費の要求にしても、あるいは皇族費の増額にしても、その底を貫いておる面の中にあるだけに、あるいは警護の問題にしても、あるいは不敬罪の復活にしても、天皇制の復活にしても、君主制の復活にしても、一応やはり伺わざるを得ないので、お尋ねをするわけです。
  313. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) なかなかちょっとむずかしいお尋ねでございますが、三笠宮さんがお書きになった、今おっしゃったものは、私も読んだことがございまするから、ぼんやりながらわかっておりまするが、最近また特に不自由になられたとは考えませんが、この治安状況その他によって警備がある程度強化されるような場合、そういうような印象が、外から見られる場合あるかと思いますが、かえって以前よりはだんだん自由に、今までおいでにならなかったところにも出かけておられるということだと思います。特に三笠宮さんについて言いますると、三笠宮さんには、もうお出かけの場合には、警衛警備は、特に何か特別の場合以外はないのでありまして、自由に、普通の市民のようにお出かけになっておるわけであります。そういう点で、特に全般的にむつかしくなっていると考えないで、以前よりはだんだんよくなっているというふうに思います。世間の中でいろいろの考え方の方もおられますから、その中には、今おっしゃったような不敬罪の復活とかいろいろなことを国会に請願しておられるということも知っておりまするし、いろいろの御意見もありますが、政治問題については、これは宮内庁としては関与しないということで、政治問題になっている問題については、われわれは意見を言うことを控えるのがわれわれの立場だと思いますので、申し上げませんが、この伝統と昔の事ということを全然無視をするということもやはりいけないと、これは一般論として私は申し上げるのでございます。そういうふうに考えております。やはり伝統と新しい時代が調和していく、そこに社会の進歩があるというふうに思っております。皇室についても、伝統とまた新しい時代のものと、それが調和していく。だから、昔はこうだったから今の時代に合わないというようなことまで、昔はこうだこうだというのではなくして、やはりそこの調和を考えながら進んでいく、時代が進んでいけば、それに応じてだんだん進んでいく。しかしながら、伝統を無視する、歴史はもう忘れてしまうということでなくして、新しい時代と調和していくというふうにしたいと思うので、従って、前進であって、過去へ帰るということであってはいけないというふうに考えております。
  314. 吉田法晴

    吉田法晴君 民主主義的な合理主義の鏡と光とに照らして考えていかなければならぬ。あるいは憲法に規定されておる象徴の問題についても、民主主義の建前からはどうでなければならぬという点は、これは宮内庁としても当然考えなければならぬことだし、国民が考えることでありますけれども、宮内庁としても考えるべきことじゃないか。特に、これは前回の質問の際に述べられたんですが、天皇が栄誉礼を受けられないのはどういう理由かという質問に対して、憲法上の天皇の地位の性格がはっきりしていないから、あるいははっきりした解釈がないから、こういうことで、そのはっきりした解釈というものは、国を代表するというか、あるいは元首としての地位をはっきりしてもらいたい、こういう希望等もあって、それらと不敬罪の問題あるいは天皇制の復活の問題とが関連をするように感ずるから、お尋ねをしたわけです。  それからもう一つは、たとえば、三笠宮の問題が出ましたけれども、かつて三笠宮が、これは紀元節問題について発言をされた際だろうと思うんですが、皇室の民主化なり、あるいは紀元節の問題について、紀元節二月十一日というのは全然学問的な根拠はないといった、はっきりした発言に対して、宮内庁も含めて、何らかの圧迫が加えられたといううわさをわれわれは聞くわけです。ですから、宮内庁を代表しての発言という問題、栄誉礼の問題あるいは三笠宮の紀元節問題についての宮内庁からの圧力云々ということを考えれば、合理主義の建前から検討するということじゃなくて、今述べられたあれからいうと、昔云々であったから云々と、庁舎にしても、あるいは待遇にしても、あるいは地位についても、昔なつかしいということで考えられているんじゃないか、こういうことを考えますから、お尋ねをしたわけですが、先に答弁された栄誉礼の問題あるいは三笠宮の紀元節問題についての発言について圧力を加えられた云々といううわさについては、どういう工合に考えておられますか。
  315. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 栄誉礼の問題は、今おっしゃったようには申してないんで、あるいは何か一部新聞にそういうふうに書いてありましたけれども、それは間違いで、そういうふうに申し上げていないんで、速記録がそうなっているとすれば、非常に私の言葉が悪かったんだと思います。速記録でなくて、新聞の方をごらんになったのではないかと思いますが、これは、栄誉礼をお受けになるということであれば、憲法上は差しつかえない。しかし、陛下としては、自衛隊に対する指揮権をお持ちじゃない。だから、指揮者のような形で案内されるというふうに誤解をされるということもあるから、その点については、一般の人の中にいろいろな考え方もあるから、慎重に考えるのが現在の段階です。こういうふうに申し上げたこともあります。栄誉礼は、これは指揮権とも全然関係ないことで、外国の元首でも、外国のその他の国賓の人でも受けられるし、国内の場合でも、直接指揮権のない、ほかの名士の方が自衛隊に行かれても、栄誉礼を受けておられる場合もあるから、栄誉礼というのは、指揮権問題とは関係ないですけれども、しかし、栄誉礼でなくて、何か指揮権と結びつけられるような誤解を受けると何だから、その点を今は慎重に考えていくべきだという点を申し上げたわけです。  それから、紀元節問題についての三笠宮さんの発言でありまするが、これについては、先ほども申しましたが、天皇の地位というものから考えて、なお、皇位継承権者の地位ということから考えて、一党一派に偏するような政治的な発言とか行動をなさるとか、やはり国民の総意に基づく象徴なり並びにその皇位継承権者という、そういうお立場の方としては適当ではない、やはりいろいろ誤解があるから、また憲法上も、天皇は政治的な権能を許されない、国事行為についても比較的儀礼的なことで、政治的なことに云々なさるということはないようになっている。その皇族もやはりそういうふうであるということで、三笠宮さんについては、そういうことだからというので、御忠告したことはございます。吉田先生は、たまたま紀元節の問題についてお考えになりますが、もっと別の、逆の問題で、非常に保守的な問題について盛んにやられた場合をとって、それをどうこう文句を言うべきじゃないだろうとおっしゃると思いますが、やはりこれは、どういう問題についても、政治的な発言とか行動はなさらないというのが、現在の憲法の建前から見た皇室のあり方であるということで、御忠告申したことがあるということでございます。
  316. 吉田法晴

    吉田法晴君 学問をされることはもちろん自由、そうして学問的な研究の結果をお述べになることについて、とかく言うべき筋合いでないと思うのですが、一党一派に偏した云々というお話ですけれども、歴史の事実として、国の始まりや、二月十一日であるかどうかという点は、これは科学的な根拠がないという事実を述べられたものが、どうして一党一派に偏するのですか。それについて、紀元節問題について、紀元節の科学的な根拠がないという発言について、それを一党一派に偏するというように言われることは、これは科学的な事実あるいは論証について、一党一派に偏するという理由宮内庁が圧力を加えた、こういうように一般に言われるのは、これは当然だと思うのです。これは一党一派の問題じゃないんじゃないですか。
  317. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 紀元節問題については、これは賛成もある、反対もある、いろいろございます。だから、やはり全部が一致している問題じゃありませんから、従って、やはり一党一派という言葉がまあ悪ければ、一部の、全部じゃあない、一方的な意見、しかも、それがお互いに討論されて、政治的にいろいろ問題になっているという問題、ですから、これはやはり、そういう問題についての発言については慎重を期せなければいけない。学者としていろいろ研究されるということ、そのことは、まあこれは実際なさっておりまするし、何ですけれども、それが、その発言が政治的にまたいろいろ波紋を生むというような場合には、これは慎重になさるのがほんとうである。これは、まあいろんな別のまた問題をお考えになってみると、それじゃ今言ったら、皇族は何でも言った方がいいというふうにはお考えになっていないんだと思うのですけれども、たまたまあの問題についての御意見があって、そういう立場からおっしゃっているのじゃないかと思いますが、原則は原則としてやはり守っていくべきだと思います。
  318. 吉田法晴

    吉田法晴君 研究の自由はある。しかし、発表の自由はない、こういうことになりますと、国民についても、一般にそうですが、研究の自由はあるけれども、研究の結果を発表する自由はない、こういうことになる。研究の自由とは、あるいは思想の自由というのは、ただ内心で思うのは自由だ、あるいは研究するのは自由だ、しかし発表は、これは自由でないということにはならぬと思う。研究の自由あるいは思想の自由というものは、当然発表の自由を伴います。科学的な事実としてこの研究の結果を発言されることについて、それが妥当を欠く云々という話をされると、それはやはり思想の自由に影響してくるし、あるいは学問の自由についての制限になるのではないか。従って、紀元節問題について、科学的な研究の結果は合理性がないと言われるのも、それは、その当否は別問題として、もっともだし、それについて宮内庁がとやかく言うのは、これはやはり憲法の精神に違反するあれではないか。従来、とにかく昔、戦前に紀元節があったということから紀元節問題について言われるのは、過去のあれについて云々ということで、憲法の精神からするあれじゃないじゃないか、こういう点を申し上げておるわけですが、そういう点、宮内庁の中にある非合理主義が、昔あったから云々ということで何でも考えようという、あるいは国会なら国会に押しつけようという一つの現われじゃないかということで、問題にしたわけです。やはり非合理主義が全体を貫いてあるじゃないか。そういう問題が、あるいは不敬罪復活の動きについて、あるいは天皇制復活の動きについて、栄誉礼の問題についてはなかったと言われましたけれども、紀元節問題については現われて、いる。そういうものが至るところに現われるという点については、そこの基礎にある非合理主義について、あるいは昔からの考え方が基礎になっている云々ということで、私ども賛成することはできない。しかも、それは宮内庁のあり方ではないじゃないか、こういう点を申し上げておるわけです。  大へん一人で時間を取って恐縮でしたが、たとえば、皇居の造営問題についても、あるいは十五の施設の維持修理の問題についても、あるいはこれを開放すべきかどうかという問題に対しても、あるいは下総の牧場の問題についても、あるいは皇族の問題についても十分の説明ができないし、その基礎になっている非合理主義については、私ども何としても納得ができない。もっと民主主義の原則に従って考えらるべきだし、あるいは説明も、合理主義の光に当てて耐え得るような説明をしなければ、私どもを納得させるわけにはいかぬという意味で、説明としても、それぞれについてきわめて不十分であったし、あるいは不満足であったということを申し上げて、私の質問を終わります。
  319. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 実は、私も質問はまだ相当あるのですが、私がこれからやると二時間はかかるので、もう時間の関係もありますから、主として私の質問は大蔵当局の問題なんですが、きょう管財局長は非常に長いこと待ってもらったので、来てもらって質問しないのは非常にお気の毒なんですが、今度大臣に内容あとで言いますから、相当これは政治性のある問題でございますから、この点は十分お伝えを願うということで、私の質問はこれで一応保留ということにします。そのときに――ちょっとつけ加えておきますが、宮内庁関係もありますから、長官でもどなたでもけっこうですから、出ていただきたいということを、一応私ここでお願いしておきます。
  320. 小幡治和

    理事小幡治和君) 他に御発言もなければ、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  321. 小幡治和

    理事小幡治和君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  村山君から、委員長の手元に修正案が提出されております。本修正の御意見は、討論中にお述べを願います。なお、御意見のおありの方は、原案並びに修正案に対する賛否を明らかにしてお述べを願います。
  322. 村山道雄

    村山道雄君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております皇室経済法施行法の一部を改正する法律案に対する修正の動議を提出いたします。  修正案を申し上げます。  皇室経済法施行法の一部を改正する法律案に対する修正案  皇室経済法施行法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。  附則中「昭和三十六年四月一日から施行する。」を「公布の日から施行し、昭和三十六年四月一日から適用する。」に改める。  修正の理由は、この法律案で予定している施行期日はすでに経過しておりますので、施行期日を公布の日に改めるとともに、改正規定を年度当初にさかのぼって適用することとする必要がございます。よって、右の趣旨に沿うよう、ここに修正案を提出する次第でございます。  右修正部分を除く原案に賛成をいたしまして、私の討論を終わります。
  323. 小幡治和

    理事小幡治和君) 速記をとめて。    午後六時二分速記中止    ――――・――――    午後六時十八分速記開始
  324. 小幡治和

    理事小幡治和君) それでは速記を起こします。  他に御発言もないようですから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  325. 小幡治和

    理事小幡治和君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより皇室経済法施行法の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、討論中にありました村山君提出の修正案を問題に供します。村山君提出の修正案を可決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  326. 小幡治和

    理事小幡治和君) 御異議ないと認めます。よって村山君提出の修正案は可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案を可決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  327. 小幡治和

    理事小幡治和君) 御異議ないと認めます。よって本案は修正すべきものと議決せられました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  328. 小幡治和

    理事小幡治和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午後六時二十一分散会