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説明員(海原治君) 先般、七月十八日の国防会議におきまして、第二次
防衛力整備計画の決定を見たわけであります。お手元の
資料には、その際に発表になりましたものを一応収録してございます。
この
計画作成の
趣旨は、冒頭に書いてございまするように、
わが国内外の諸情勢の推移を見通して、
わが国に対し起こり得べき脅威に対処して、有効な
防衛力の
計画的、かつ、円滑な
整備をはかるために、国防の基本
方針にのっとりまして、
昭和三十七
年度から四十一
年度に至る二次
計画を作成するものであるということがその
趣旨であります。
この
防衛力の
整備の
方針を次に記載してございますが、まず第一に、現在の日米安全保障体制のもとにおきまして、在来型兵器の使用による局地戦以下の侵略に対し、有効に対処し得るような
防衛体制の基盤を確立するというのが一つのねらいでございます。
昭和三十六
年度末までに達成されますところの
防衛力は、一応骨組み的なものでございます。それを骨幹的
防衛力と言っておりますが、その骨組みが整いました
防衛力につきましてその内容の充実を行ない、あわせて科学技術の振興に即応した精鋭的な
部隊の将来における建設を行ないまするための基礎をつちかうものである。それで陸、海、空の
自衛隊の総合的な
防衛力の向上をはかるというのが第一の
方針でございます。この骨組みであるところの
防衛力ということにつきましては、先般の
国会におきましても、本
委員会におきましていろいろと御質疑がございまして、お答えもいたした次第でございますが、この内容といたしましては、装備の近代化、それから逐次古くなって参りますところの装備品の損耗分を
計画的に更新していく。さらにその更新に
当たりましては、
部隊の機動力というものを大いに増進したい。さらには後方支援態勢の強化、特に
基地等の後方
施設の
整備充実等をしていくというのがそのねらいでございます。特に、万一不幸にして有事の事態に対します場合には、おおむね一カ月分
程度の弾薬というものは備蓄いたしまして、とにかく三
自衛隊が独力で対処していけるようにしていきたいというのが第二の
方針でございます。
それから、さらに第三といたしましては、現在各種の兵器がめざましい進歩をいたしております。特に誘導兵器の進歩に即応いたしまして、対空誘導弾の導入をはかる。これは具体的には、ナイキ、ホーク大隊でございます。その他近代的な装備の一部を
整備し、なお、研究を要するものにつきましては運用の研究を行ない、その完成とともに
部隊に
整備していく、こういうように考えておりますのが第三の
方針でございます。
それから次に、以上のような具体的な陸海空
自衛隊の
防衛力の向上ということのためには、さらに情報機能を
整備充実し、あるいは技術研究開発を促進し、さらに国土、
国民に密着した
防衛力、前長官もしばしば申し上げておりましたが、
国民の中の
自衛隊というためには、
災害派遣であるとか、公共
事業への
協力というような民生の
協力面の施策を推進して参らねばなりません。特に飛行場の周囲におきますところの
騒音の防止
対策というものにつきましては、重点を置いて取り上げていく、これが第四の
方針でございます。
以上のような
整備の
方針に基づきまして、
昭和四十一
年度末におきますところの目標を次のように設定いたしたわけでございます。
陸上自衛隊につきましては、制服の自衛官十八万人、これで五
方面隊、十三個師団を編成いたします。予備自衛官三万人、海上
自衛隊については、艦艇十四万トン、
航空自衛隊につきましては、航空機約一千機をもちまして二十四隊を
組織し、そのほかに地対空誘導弾
部隊四隊、これはナイキが二個大隊、ホークが二個大隊、こういうのが内容でございます。
以上のような目標を達成いたしますためには、今後四十一
年度前後、経費の
増額が必要になって参ります。これにつきましては、一応
事務的な推算といたしましては、今後毎年平均百九十五億円ないし二百十五億円
程度の
増加というものが必要になってくる、このように考えております。ただし、その毎年の
防衛庁費の増ということになりますと、当然
国会で御審議をいただくわけでございます。各
年度の
予算の作成に
当たりましても、そのときどきの財政
経済事情というものを十分に勘案いたしまして、民生安定その他一般の諸施策との均衡を考慮してこれは決定していくというのが、一応経費を推定いたしましたときの
条件でございます。
さらに、この
計画の
実施に伴いましては、何分にも五カ年の長期にわたる
計画でございますので、その間にいろいろと情勢の変更、
条件の変化等もございましょうから、内外の情勢の推移等に伴って、戦略構想等に基づきまして長期的な見通しを絶えず持ちながら、時々折々に再検討していく。その必要ある場合は、すみやかに国防会議の議に付しまして、そしてこの
計画は修正していくものであるというのが私
どもが現在考えております、先般御決定になりました二次
防衛力整備計画につきましての
事務当局としての考え方でございます。
さらに、若干数字的な点を敷衍して御
説明申し上げますと、現在
陸上自衛隊につきましては、一応十七万一千五百人というのが自衛官の
定員でございますが、これを十八万にいたしまして、八千五百人の増をお願いしたい。予備自衛官の
定員は現在一万七千人でございます。これは年末におきまして三万人、一万三千人の増をお願いする、こういうふうに考えております。この人員をもちまして、先ほど申しましたように、基幹
部隊としましては五
方面隊の十三個師団、これを編成して参りたい、十三個師団につきましては、先般の
国会におきまして
関係法律の御制定をみたわけでございます。
海上
自衛隊につきましては、先ほど約十四万トンと申しましたが、具体的に申しますと、一応十四万三千七百トン
程度のものというものを見込んでおります。この数字は
昭和四十一
年度末までに
着工いたしますものが出て参りましたときの数字を含めておりますので、四十一
年度末のところでとってみますというと、約十二万トン
程度になるわけでございます。その内訳は、護衛艦艇といたしましては約九万三百トン、潜水艦が一万六千五百トン、掃海艦艇が約一万五千七百トン、海峡、港湾防備等の艦艇といたしまして約二万一千二百トンというのが海上
自衛隊十四万三千七百トンの内訳でございます。
海上
自衛隊につきましては、このほか航空機を二百三十五機保有することに
予定いたしております。
さらに、
航空自衛隊につきましては、先ほど申し上げました二十四隊は、おおむね六百五十機
程度の実用機をもって編成いたすものでございます。その内訳を申し上げますと、全天候の戦闘機
部隊が十一隊、昼間戦闘機
部隊八隊、偵察機
部隊一隊、輸送機
部隊が二隊、飛行及び電子監査隊が二隊、これが一応の
予定でございます。
航空自衛隊につきましては、このほかにいわゆるサイトとして御存じの航空警戒
部隊、各地における第一線に
レーダーで航空警戒をいたします
部隊を二十五隊編成いたしたいと考えております。なお、いわゆるバッジとして考えられました半自動になります警戒要撃
組織というものは、一応
計画の当
年度におきまして完成をいたしたい、四十一
年度末までに全国を一セクターといたしました
組織を持ちたい、このように考えております。このほかに、先ほど申し上げましたような地対空の誘導弾
部隊、ナイキ一個大隊、ホーク二個大隊というものがございます。
以上が第二次
防衛力整備計画のごく重点と申しますか、重要な
事項につきましてのあらましを申し上げた次第であります。