○山田節男君 そうしますと、今の
長期計画の二十ページに示されている、今官房長が
説明されたように、
郵便事業の収支は五カ年
計画内で全部とんとんにいく、収支差額ゼロだと、こういうように書いておられるのですけれ
どもね、今の
佐方経理局長の御
説明だと、さらに五カ年
計画の初
年度において、もうベーズアップにおいてのこれだけの予想を裏切ったかなり高額な
赤字、
赤字といいますか、支出が増してきているわけですね。そうすると、ここに示されておる五カ年
計画の収支というものは、これは
根本的に変えなくちゃいかぬ。加うるに、なぜそういうことを言うかというと、なるほど五カ年
計画の
局舎の建設以外の
機械化、窓口機関及びポストの増置、
郵便配達地域の拡張、こういったようなものは織り込んでおられると言われますけれ
ども、今言ったように、自己
資金というものが、これは何といいますか、今回の
郵便値上げで
増収されるだけのものではこれはカバーできないという、これはまあ一見した私の感じですけれ
どもね。それを五カ年間で次々
赤字々々で残していって、これは借入金で結局は処分するのだということなら、これはいざ知らず、私は借入金にしても、現在のいわゆる
郵政省のことに大蔵省に対する地位から見ると、あれほどの簡易保険、
郵便年金の積立金を持っておりながら、もうスズメの涙しか使わしてもらえないという、これは私先ほど
大臣に
質問したのはそこなんですね。それを
一つ今回こういう
一つの、これは
国民として欠くべからざる公共投資になるのだから、そのワクを五倍なり十倍にしろという一応の政府の、大蔵省なりあるいは閣議での了解があってやるならば、この
計画は画餅に帰したわけじゃない。ところが、先ほど
大臣の御
答弁によると、まだ正式に閣議でこれはきまったものでもないし、それから
経済企画庁の所得倍増十カ年
計画の一環としてのオーソライズした
計画でもないのだということになると、しかもこれは末期に出された案というものを見もというと、非常に私はさっきの奥さんの言われたような、同じような意味において、これは安定を加えない単に希望的観測による案じゃないか、こういう気が——はなはだ失礼だけれ
ども、私はファースト・インプレッションを受けたわけです。しかし、少なくともこうして天下に公表された以上は、この財政的裏づけというものを責任を持ってやらなくちゃならぬわけです。今、
佐方局長の御
説明だけでは、どうも
計画初
年度、三十六
年度の十カ月
予算においても、このわずか、まあそういうようなきわめてこれは謙遜した、第
一種、第二種の
郵便の
料金値上げにはタッチしないというような、きわめてハンブルな建前でやっておっていいのかという問題。過日も私は参考人を呼んだ場合も、ある一参考人に
質問した条項の中に、アメリカにおいては第
一種、第二種も
値上げすると言っている。いかに政策的といいながら、これはもうほんとうに
郵便が昔。官僚時代と違って、できるだけ自主独立採算でいくということになれば、受益者がこれを負担するというよな建前、これが原則です。そこに
郵便料金あるいは電話
料金のように、いわゆるジャスト・アンド・リーズナブルでなくちゃいかぬという、これは天下の原則なんです。何がジャストで何が妥当であるかというこの基準の持ち方です。これは政策の問題じゃないのです。これは
郵便事業そのものを
国民にいかに
サービスをよくするかということになれば、これはかりに手紙が十円が二十円になろうとも、そうしなくちゃならぬならば、
国民に訴えれば
国民はわからぬことないのです。今特に第
一種、第二種に触れないでおいて、そうしてここに五種というものに非常にパーセンテージの高い急増を示しておるこの問題に対して、二四〇%の
値上げをすると、こういうやり方が
根本精神として私はどうも
郵便事業に対する経営者の心的な心の態度というものがどうも私はふに落ちないのですね。これはまあ大胆に
質問することでありますから、私はあえて
政府委員に責任ある
答弁求めませんけれ
ども、これじゃやはり従来のこれは官営主義の
サービス業ということになりまして、その伝統が依然として払拭されてないという非常な時代錯誤的な機関になっておるのじゃないか。非常に酷評になるかもしれないが率直に申せばそういう印象を受けるわけです。
そこで私はお伺いしますが、これはやはり天下にこれだけの公表をなさって、
国民も現在の
郵便、
サービスのきわめて悪い、また
郵便ポストにしましても、
郵便局にしても、少なくとも欧米の一流国家に比べれば半分に満たないという、そういうきわめて不完全な
立場、それを至急にそれ並みにしていこうというならば、それぐらいの決意を持っておるならば、もう少し私は大たんな、大たん率直な案を出された方がむしろいいんじゃないか。そこでこれは、私、
郵務局長にお伺いしますが、大体今の、ここに示されておるような
郵便事業の五カ年
計画の七百九十五億、昭和四十年の最終
年度においてすら一千億をわずかに出たくらいのこの
予算でもって、一体このあなたの所期の目的が達せられるとお
考えになっておるのかどうか。私はたまたまこの一九六一年のデイリー・メールのイヤー・ブックを見まして、これは一九六〇年における、これは今のイギリスの例になりますが、イギリスにおきまして
郵便事業だけでもって、
日本の金にしまして約二千三十億円くらいの金を使っておるわけです。今日におきましては、二分の一以下の七百九十億でもって約七十億通の引き受け
郵便物を
能率のある、
遅配のない
サービスができるかどうか、この点を
一つばく然としたなんですが、お伺いしたいのです。