○山田節男君 この、今日
NHKが置かれておる民間
放送との共存の
立場からいって、現行法では
ラジオも現実にいって、どんどん減ってくる。
NHKに対して、
受信料を払う
ラジオ受信者というものはゼロになっていくということも、極言すれば言えると思う。
テレビも、おそらく三年ないし五年すれば、現在の
ラジオの
受信者に対すると同じような問題が起きてくると思う。
そこで、これは具体的に申しますけれ
ども、これは宿命的なものです。ここに、世界に百十数カ国ありますが、この民間
放送、商業
放送と
公共の
放送が併存しているところが七、八カ国ございます。それはまたそれで、いろいろな制度を持って
公共放送を保護している。これは、
公共放送と民間
放送と共存しながら、使命を果たしていく道はどこにあるか、結局収入を安定させなければならぬ。その安定さすのは、どこにあるかといえば、結局
受信機というか、あるいはそういう無線
放送を受信する
一つの
受信者に免許をするという
考え方です。いわゆる一種の税金的な免許料として
受信料を取る。これは
テレビの場合でもそうでしょう。この二つしかないのです。ですから、これは本
委員会でも、私は、他の諸君も申されておりますが、この二つしかない。これえなぜ踏み切れぬかということは、ここ五、六年言っている。
NHKにも郵政省にも言っておりますが、依然として、はれものに触れるがごとくして、その根本に触れない。そうしてただ、今
テレビで金が入ってくるから、どうにかやっていけるのだ、これは極端に言いますと、金が入ってくる間は、どうにかなる、こんな大きなものだから、国がつぶしはしないだろう、こういうような、私は悪く
解釈すると、そういったイージー・ゴーイングな気持から出てきておるのじゃないか。このことは、これは
経営とすれば非常に危険なことである。ですから、この際思い切って——すでにやるべきそのときは過ぎている。今日、こういう
予算を出してくるというところに、先ほど申し上げたように、三十六
年度が、最も転換期に立っている。この
予算は、
NHKの悩みを現わしている
予算を、収支
予算を見ましても、そうして長期の借入金はふえる、短期の銀行からの融資もあるというようなことで、一方におきましては、民間
放送との共存の
立場、あるいは
公共放送の
建前から万難を排して、あまねくこの
放送をしなくちゃならないというようなことから、その使命と現実のいわゆる経済的
基礎というものがマッチしないところに、こういうことが出てくる。この根本的な打開策というものは、私は
受信料の問題を解決しない限りは、もうこれは、
NHKは
財政的に行き詰まってしまって、どうにもこうにもならなくなるのじゃないかと思うのですが、先ほど阿部
会長としては、
受信料の問題について、諮問機関を作るということをおっしゃいましたけれ
ども、これは、単なる諮問機関ではありません、法の改正ですからね。法の改正ですから、むしろ
郵政大臣がイニシアティブをとられて、これは、他の
放送法の改正の点もございましょうが、
NHKに関する限り、この
受信料の問題を根本的に
考え検討する。これは政府としていわゆる
法律による
委員会、スタチュトリ・コミッティをお作りになって——これは
NHK自体がやるべきものではありません。これは
公共放送ですから、国の政策として、経済的安定を与えるのは、これは国の政府のやるべきことである。これは、
NHKがイニシアティブをとるのではなく、
郵政大臣がイニシアティブをおとりになって、そうして
NHKが好もうが好まないだろうが、根本的な荒療治をしていただきたい。
そうして、それを
NHKに実施せしめるということになりませんと……。これは私過去七、八年見ておりますと、根本的な問題はどうも避けているような
状況にある。不幸にして、歴代の
郵政大臣の任期も短いし、従って、また
公共放送の直面するであろういろいろな問題について、ほんとうに真剣に
考えていただいて、それを実施していくという、私は今日までその
機会がなかったと思うのです。小金
郵政大臣としては、私は今回の
予算編成の経過を見まして、
郵政大臣が、これをここにお出しになる経過を、私はアウト・サイダーとして仄聞し、新聞等で見まして、
NHKとしたならばこの次はどうなるか、われわれをして非常に危惧の感をもたすような
状況にあったと思うのです。
そういう点で、私は特に
郵政大臣に、あなたの御在任中に、だれかが一刻も早く手をつけなくちゃならない問題ですから、
一つ大臣が自発的に、具体的にいえば、
NHKの
受信料というものをどうするか、その
方法というのは、二つしかないのです。これを至急に、具体的に決定するように、
郵政大臣が努力されてくれることを私は強く
要望いたします。同時に阿部
会長も、三十七
年度の
予算を編成するからには、抜本的にお
考えになる、諮問機関を設けるというようなことをおっしゃいましたが、これは
NHKが、こうしてくれ、ああしてくれというようなことは、これは具体的にはなかなかむずかしいと思うのです。ことに
受信料の問題に関しましては、これは、
NHKの今日までの伝統なり、
歴史から申しますと、
受信料の現行法を変えるということにつきましては、これは精神的にも悩まれる点だとわれわれ思う。しかし、重大な使命を持っておるこの
公共放送として、経済的に安定を得られないような、そういう
基礎でやるということは、これは国民に対しても非常に私は申しわけないことだと思う。やがてはこれは荒療治をしなければならぬのですから、阿部
会長並びに副
会長、あるいはその他専務
理事の諸君は、
一つ至急に、三十六
年度は、これでいくにしましても、三十七
年度からは、今の制度を根本的に変えてから、ぜひお出しになるように……。これは
郵政大臣あるいは阿部
会長としても、三十六年の
歴史を持つ
NHKの将来の発展に対して非常に大きな貢献をされることでもあるのですから、ただ個人的な感情とかでなくて、国の将来という
立場から、ぜひ
一つ、私はこれは実現に邁進されることを御両者に切にお願い申し上げておきます。非常に演説的になりましたが、この点は、また問題に触れて、具体的に御
質問申し上げたいと思いますが、
大臣に対するきょうの
質問は、これで私は終ります。
それから次に、難聴地域の解消の問題ですが、昨日要求申し上げた難聴地域の
資料を提出されておりますが、ここに出してある難聴地域の、これは一体外国からの混信による難聴地域なのか、あるいは
NHKの
放送のカバレッジが不十分だから難聴地区なのか、この点
一つ、この
資料によってお答え願いたい。