○秋山長造君 その
程度の御答弁では了承できませんけれ
ども、どういうことをやられたのか、資料をまたいただくときに、いろいろな問題について御質問したいと思います。
それからもう一点は、寄付金のことですが、この資料を見ますと、三十三年までしか出てないので、私がほしかったのは、最近の資料なんですけれ
ども、ちょっと古いのですが、しかし、この古い資料によっても、相当
消防寄付というものがあるわけですね。たとえば
昭和三十二年度を見ますと、
市町村の
予算に計上されただけでも八億円あるでしょう。それから
予算に計上されていないものが十三億六千万円、ちょっと十四億ばかりある。おそらく私は、その実態はこういう数字よりもはるかに上回った数字だろうと思う。なかなか性質上正確に捕捉することはむずかしいから、こういう数字になって出ておるのだろうと思う。しかも、三十一年、三十二年、三十三年と三年度間にわたる終計だけ見ても、年々やはり減らずにふえておる。
予算に計上されておる寄付金だけですけれ
ども、ふえておる。おそらく、計上されていない寄付金なんというものも、同じ
ようにふえておるのじゃないかと思う。そういう点について、
消防庁としては、この
消防寄付というものをどういう
ように
考えておられるか、また、どういう
ように
指導しておられるのかということを聞きたい。といいますのは、ちょうど
昭和二十八年にすでに
消防施設強化促進法ができまして、そうして、
年次計画でもって
消防施設を画期的に
整備強化していこうということになったわけです。あの当時、今の
長官が当時おられましたか。
——その当時、私、ちょうど
委員会におりまして、この
法律案の
審議をするときに一番問題になった
一つは、今の情勢の中でこういう強力な
法律を作ってやるのはけっこうだが、その反面、
消防寄付というものがやたらにまたかさんできて、非常にこれが
地方住民の大きな
負担になるのではないかということが非常に問題になった。そのときにこの
委員会で附帯決議をつけたかどうかまでは覚えておりませんがね。とにかくこの
法律をやることは、あくまで公費をもって
消防施設の
強化はやるべきであって、いやしくも
消防寄付がこれによってますますかさんでいくという
ようなことは絶対避けなければならぬということは、これはもうこの
委員会でも再三再四確認されたことだし、当時の当局者もこれは口をすっぱくして、そういうおそれのない
ように
指導する、そうしてその
消防寄付というものは、終戦直後のあの混乱時代の、やむを得ない必要悪だったので、まあだいぶ情勢が落ちついてきたので、
消防寄付という
ようなものは、これはもうできるだけ押えていく、なくしていく、こういう約束だったと思うのですね、ちょうどその当時同じ
ように
警察法が出ておりましてね、
警察法とも関連して、やはり
警察寄付という問題が非常に問題になったのですよ。この
委員会は
警察寄付についてもこれは非常にやかましく議論されて、そうして
警察庁の方でも、これは絶対に押えていこうという
ような約束だった。今日の実情を見ますと、
警察寄付の方はだいぶこれは少なくなってきていると思う。ところが、
消防寄付の方は、こればわずか三年度の間の表を見ましても、これはふえる傾向が見える。だから、おそらくこれば減っていないと思うのですね、今日。だから、この
施設の
整備はまことにけっこうなんです。また、これは大いにやらねばいかぬことだが、しかしその反面、表面に出ていない
地方住民に対する経済的
負担というものは、依然としてふえこそすれ減ってはおらぬということを私は確信しているのです。だから、そういうことでは非常に困るので、これはPTAの寄付、その他
自治省関係のいろんな寄付がすべてそうですがね。中央の話を聞いていると、そういう寄付はだんだん減っていかなければならぬはずですけれ
ども、実際
地方へ行ってみると、寄付はますますふえるという傾向なんです。
消防寄付なんか、その性格からいいますと、これは、いわれたらなかなかいやだということは言えぬ性質のものなんです。これは目に見えない
一つの圧力というものがあるのですから、
消防優先だというて。だから、そういう点についてどういう
指導をしておられるのか。また、はっきりこれは、数字には出ないけれ
ども、現在どの
程度のものか
地方住民の
負担にかかっているのではないかということと。何かばく然としたことでもつかんでおられるのではないか。今後どうされていくのかということについて御答弁いただきたい。