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説明員(
木村行蔵君)
道交法施行になりましてから八カ月ぐらいになりますけれ
ども、大体まあ半年ぐらいの統計はまとまっておるわけです。それを時間があまりありませんのでごく結論だけ申し上げますと、一月から三月ごろまでは、非常に
交通の
事故が激減いたしました。しかし三月、あるいは四月、五月の陽春のころからまたぼつぼつふえて参りまして楽観を許さないような
状況になっております。しかし、結論からいいますと、一月から六月までのことしの上半期は、
件数において前年同期に比較して六%増になっている。けが人は〇・三%の
増加であります、これはほとんど横ばい。それから死者においては〇・六%の減少であります。これは減少といいますか、横ばい程度です。これはすでに御
承知の
通り、毎年二〇%から三〇%ぐらい、
件数も死者もあるいはけが人も戦後ふえる一方でありまして、こういうふうに横ばいないし死者の減少ということは画期的な結果で、しかし、ただいま申し上げますように、いろいろ四月ごろからはふえつつあります。それから非常に悪質なものがだいぶふえてきておる。その中で、たとえば
車両の種別についていいますと、最近特に目立って
事故の多いのは砂利トラック、
ダンプ・
カーなどであります。これは本年一月までの
状況を見ますと、前年同期に比較しまして、
件数で五八%、非常なふえ方であります。死者で三五%、けが人で三九%増でありますので、こういう非常な目立った驚異的な
増加であります。それから長距離トラックによる過労
運転といいますか、スピード違反と申しますか、そういうものが原因になって起こっておる
事故が、長距離トラックの面で出ております。あるいはコンクリート・ミキサーなどの大型
車両による
事故が依然としてふえておりまして、これらの
事故は犠牲者が大きいのであります。それから最近、特にこの夏になりましてから目立っておりますのは、貨物
自動車などの荷台に人を乗せまして、その
運転中に転落したと、こういうようなことで正規の
交通機関でない貨物
自動車に安易に人を乗車させて運行する風潮が出ております。この
事故も若干出ているような
状況でありまして、注目いたしております。
それから踏切
事故でありますか、これは依然として絶対数は相当あります。ありますが、これは国鉄側と私たち側と第一線でいろいろ
協議会を作りまして、具体的に踏切の
事故防止について
対策など改善策をとっておりますので、これは毎年たとえば、ことに国鉄などの統計によりますと一〇%、あるいは一〇数%前年同期に比較してふえておりましたのが、最近の
状況はほとんど横ばいというようなことで若干踏切
事故の勢いを押えているという
状況が出ておりますけれ
ども、しかし、数としては相当多うございます。それから
都市周辺にだいぶ
事故が多くなっている。すなわち
都市の都心部からだんだん周辺に及びつつあるという
状況が出ておりまして、これはまだ統計ははっきり出しておりませんけれ
ども、目立っておる傾向であると思います。それから大
都市におきましては、都心部よりも都心部を通る
道路、メーン・ストリートよりも裏
通り、路地などにおける
事故がだいぶふえておる、こういう
状況が出ております。
それから、
事故の原因といいますか、これは車間距離が不十分である、非常に密着して追尾して走っておる、こういうような
状況でありまして、相手方が急停車したためにこちらもぶつかってしまう、こういうようなことで車間距離が不十分である、こういう原因が目立ってきておるのであります。それから除行しない、あるいは追い越しを適切にやっていない、こういうようなことから、そこが原因になって
事故が起こっている
状況が見られます。ただ、追い越しによる
事故につきましては、数は多うございますけれ
ども、これも若干
増加傾向を押えておるという
状況が出ておりまして、横ばいではないかと思われます。それは、センター・ラインを越えて行くということに対して、きびしく
取り締まりをしておりますので、そういう影響もあるのじゃないかと思いますが、そのほかわき見
運転というような原因からくるのが多いわけであります。
それからどんな
運転者による
事故が多いかと申しますと、大体最近出ておる傾向といたしましては、二十才台の若い
運転、しかも、一年未満の
運転経験の比較的短い、こういう
運転者層によって
事故を起こされておる度合いが大きいのでございまして、上半期の全体の
事故の五五%、まあ大半、半分以上はこういう二十才台の若い
運転者あるいは一年未満の経験
期間の短い者によって起こされておる、こういうような
状況であります。それから、さらに目立った傾向といたしましては、ひき逃げ
事故が非常に多うございまして、これは上半期で全体で八千五百件ばかり出ておりますが、これは前年同期に比較しまして約一割の増となっております。また、
交通事故全体の中に占める度合いとしても、これは四%を占めておりまして、相当のウエートになってきております。
こういうふうな悪質な事犯がふえておりますことに対して、
対策としましては、特に悪質事犯の
取り締まりの徹底ということを特に指示いたしまして、一斉
取り締まりその他をやっておるような
状況であります。それから、
雇用者側、運行管理者側の責任を追及するという面についても、相当まあ第一線では踏み出して
取り締まりをやっております。
それから安全運動等や安全教育、安全PRというような面におきましては、特に従来ありました日本
交通安全協会を発展的に改組いたされまして、財団法人として、全日本
交通安全協会というように改組しまして、、それが
財政的にも、あるいは陣容の面においても、その他
事業面においても相当これが活発に
活動を開始して参りました。あるいは文部省御
当局にも要求しまして、いろいろ安全教育の面についての
推進の協力方をお願いいたしておるわけでございます。あるいは
関係機関とも協力を……、特に先ほど総務長官からお話がありました
対策本部の場を活用するという点について、踏切
事故の防止なり、砂利トラックの
事故防止なりという面については、そういう
対策本部の場を活用する、これをまあ
事故防止の面に力をいたさせていただくという、こういう点について
対策を
推進いたしておるわけでございます。そういう
状況でございます。