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木村禧八郎君 私はそこがおかしいと思うのですね。たとえば
基準をきめる場合、
大阪の
計画が適当であるという。たとえば北海道で釧路の
港湾で今度建設する、そういう場合に、適当でないといえるかどうかです。何を
基準にして……。
所得倍増計画からいえば、後進地域を開発してアン・バランスをなくすということが
一つの
方針でありますね。そうなったら、そういうおくれている地域の
港湾について、これを
外債によって、
国内では
資金の割当がないから、
外債によってこれを調達したいといったら、それを断わる理由があるでしょうか。
大阪だから、それは資本にとって有利だから、もうかるからということ、いわゆる採算ベースばかり考えて、住民の利益ということから考えたら、
基準のつけようが簡単につかないと思うのですね。ですから、いわゆる
基準として適当であるかどうかということは、
大阪の
港湾を開発することは、大資本にとって有利であるということなんですよ。大体太平洋沿岸ベルト地帯に重点を置くということは、資本の効率から考えているのですよ。資本の効率ということを考えて、これを
判断の
基準とするかということになると、われわれとしてはそれだけではいけないのじゃないかと思うのです。やっぱり住民の利益を考えたら、資本の効率がかりに悪くても、その点は
計画の中へ入れなければいけないのじゃないか。それでなければ地域格差が縮まらない。
それから、
外債を
発行する場合の支払い能力の問題ですね、
大阪府、市については交付団体でない、だから財政力はある。ところが、貧困府県ではそういう財政力がないから、そうした償還能力とか元利支払い等不十分だという点があるかもしれません。しかし、それは今度国の立場で考えます場合に、国がそういう措置を講じてやるべきだと思うのですね、それは。もしそういう貧困府県、市町村、財政力のないという場合には、やはり国がそれを
外債を
発行して
資金手当をしてやるということも正しいのじゃないかと思うのです。特に
大阪だけを取り上げて、
資金計画の別ワクでやるということについては、どうもそこにわれわれは割り切れない点がある。全体のワク内で、
外債というものはワク内に入れて今後考えなければいけないのじゃないでしょうかね。
ワク外、
ワク外といいますけれ
ども、その点が
一つ。
もう
一つは、
国内でなかなか
資金調達ができない、
計画が大きいし
——こう言われましたが、これにも私は問題がある。たとえば
財政投融資の原資、預貯金の伸び等から考えて、あまり大きい
計画について原資が足りないという問題もあると思うのです。しかし、それにしても、最近の財政のあり方にもう
一つの問題があると思うのです、
金融について。たとえば三十五
年度の自然増収はやはり千億も引き揚げ超過でしょう。そういう問題もある。これは
金融を圧迫しますし、やはり
資金の蓄積を阻害していろと思うのですよ。それから三十六
年度でも、さっき
委員長等ともちょっと雑談、話したのですが、かなりの自然増収があるとなると、それがまた
資金蓄積を阻害すると思うのですね。そういうやり方にも問題があるのであって、全部なかなか郵貯の原資の伸びその他でまかなうことは困難であるかもしれませんけれ
ども、やはり今の財政と
金融の政策のやり方いかんによっては、もっと原資はあり得るのじゃないかということも考えられるのですね。どうも私は、
外債なら
ワク外でいい、こういうことになると、全体の地域開発なり、それから
資金計画なりが狂ってしまって、非常に不均衡になるのじゃないかということを心配するわけなんですが、繰り返して同じような質問をしているのですけれ
ども、その点やはりどうしても割り切れないのですね。