○天田勝正君 この際、こういう大きな問題ですから、私は
政府側からも大臣に来ていただいて、注意を喚起しておきたいと思うのですけれ
ども、この
法律案自体が本院の先議で、衆議院に送らなければならないという
関係もあるそうですから、一つ
田中次官がおられますから注意を喚起しておきたいのですが、もともとこの種のものは、民間
会社でありまするあの各電力
会社におきましても、そういう将来の危険をおもんぱかって、ボーリングはボーリングで別にやらした。そうすればボーリング
業者は
会社側に、これこれの危険があります、こういうことをちゃんと指摘して、昔の方がどちらかというと、人命尊重という言葉はないけれ
ども、尊重したと見えて、そういう危険なところをやめたり、やめないならば、それに耐え得る
工事をボーリング
業者から指摘させて、その
通り注文をつけて、今度は新しくダム
工事の
業者に渡す、こういうことなんです。ですから、そういう場合の検査というものは非常に厳重をきわめたものです。しかるところ、役所側がこのごろ一括
請負などというのをしばしばやるものですから、各電力
会社の戦後作ったダムで、おそらく一、二です、昔のように厳重にやっておるのは。あとは全部一括
請負ですから、請け負った
業者がその下請たるボーリング
業者にボーリングをやらせる。ちょっとここに危険が出ても、
請負業者同士ですから、まあまあと、あまりそんなこと言うなというようないい加減なことになってしまって、それで施工されているのですよ。だから、私がさっき言ったように、役所におる人だって
技術者ならば大てい承知しておる。隧道を鼓型にして、真ん中の方はうんと薄いのです。だから、どこをたたいたら必ず穴があきますからというのは、われわれにも自然にニュースが入ってくるのじゃなくて、それをやった
業者が知らせるということさえある。入口と出口の両側だけ厚い。だから、鼓型の隧道になる。これは
請負を別個にさせて、どっちがもうかるのかというけちな問題じゃないんでしょう。あと必ず一定の年限が来れば人命の危険になるのですから、ですから、こういう問題については、
会計法は建前としていいとしても、もっと奥深いところを
政府側においても一つ全体として注意を喚起してもらいたいと私は思うのです。これは注文でありますから、それだけでやめますけれ
ども……。
ところで、
委員長、今度は議事進行ですがね。過日来私はこれに関連して、この前本院でこの
会計法が問題になったとき以来指摘して、いろいろな資料の提出等も要求しておるわけです。きのう
大蔵省側から聞いたところによりますと、どうやらきょうか明日あたりのうちに清書して私の手元までは要求した資料が出るようであります。ところが、過日も指摘いたしましたように、不法占拠などやられてしまって、そうして今度はにっちもさっちもいかなくなって、またもやこの税金で立ちのき補償をやる、こういうようなことで
会計法を
改正してみたって、その事態は、この前も指摘し、今度もそうだけれ
ども、何も改善されないんですね。それで
政府部内では、今度そういう場合に会計検査院から措摘をされて、無
契約で占拠されるのはけしからぬじゃないか、金を取れ、こうやられるから、仕方がない、金を取ってしまう。金を取ってしまうから、そこに不法占拠がちゃんと合法的になってしまって、そこでとほうもない立ちのき料を要求される。要求されるのは役所だからいいでしょうけれ
ども、それはみな国民の税金で出すわけです。近ごろ、これは戦後に三公社なんということになったけれ
ども、鉄道の駅の拡張のできないのなんか、実に枚挙にいとまがないのです。この間も私言った。それもどさくさに、要するにごね得のやつがすわり込んでしまって、そうして会計検査院が指摘した。それで
契約書を取りかわせというから取りかわした。それで居住権ができて、もともとは不法占拠なのに合法であると追認、こういう形で、今度は何とか始末するには国民の税金ということになっておるのです。悪循環でしょう。それではまじめなものが税金を払うばかりで、やり切れたものではないのですよ。
そういうことについても、会計検査院等も私は呼んでもらいたいと思うので、きょうまあ各派においてこの
法案をどうしてもあげるということならば、これは継続の
調査の案件にしていただくなりなんかしないと、これはとんでもないことになると思うのです。この点どうですか、そういうふうに
調査案件にしてもらって、
委員長の手元でしかるべくこれらが
審議できるように手配してくれますか。