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荒木正三郎君 砂糖の問題は私はまだ聞いていないわけで、続いて聞きます。
砂糖の自由化を中止された
理由は、先ほどの
説明で明らかで、結局砂糖の
国内生産を保護育成するというのは、これは
ほんとうの
理由じゃないと思う。むしろ、私の見るところでは、
国内の製糖業者ですね、製糖業者を保護するために自由化を中止しておる、この一言に尽きるじゃないかと思うのですね。もし
国内の砂糖の生産者を保護するならば、保護する必要があるというなら、大豆と同様に、これは育成政策を別に立てるべきです。現に大豆は立てているのですからね。立てているのだから、砂糖についても、
国内のいわゆる農民生産者に対してはこれの育成政策を講ずべきですよ。大豆と同様にすべきです。そうしないでおいて、
国内の生産を増強していくんだ、そのために中止するのだということは、私はこれは大豆の場合と
考え合わせて納得できない。そういう
意味・で、それじゃ何で製糖業者の代弁をなされておるかということは、私の単なる
意見じゃないですよ。
だから、具体的に私は聞きたいと思うのですが、税制調査会の附帯決議で、これは
木村委員も先般ちょっと触れましたが、附帯決議において、粗糖の
輸入自由化は昭和三十六年中に実施すること、こういうふうに書いております。それから先般税制調査会の副会長がここへ見えたときに、私
どもの
質問に対してこう答えておる。粗糖の
輸入について、
関税を
引き上げても砂糖の市場
価格というものは下がる、自由化すれば、砂糖の
関税を
引き上げても市場
価格は下がるんだ。——これは何を物語っていますか。
関税を
引き上げたら当然市場
価格は土がってくるはずです。それでも下がる。そうすれば、自由化ということは、
国民にとっては一大福音ではないでしょうか。現に砂糖は、
関税として大体年に八百億円、その半ばを占める四百億円近くは砂糖の税金じゃないですか。砂糖は一般
国民の消費物資です。それを自由化すれば値段が下がる、
関税を上げても値段が下がる、こういっておる。それをしないということは、それではだれがその利潤を得るのかといえば製糖業者であります。これに弁明の余地があれば、これは十分してもらいたい。十分の弁明の余地がなければ、私の言っておるように、製糖業者の利益を守るために自由化を中止したと言われても仕方がない。もし
国内の生産者の利益を守るというならば、大豆と同様にこの育成
措置を講ずればよい。その必要を私は認めます。また、砂糖の自由化をすれば
国内の生産者の立場を保護するための政策が必要である。これは大豆はとっておるのです。そうすればそこでそれに対しての答弁、これは
政府の責任ある答弁を求めたいですね。税制
審議会の答申に対して三十六年中にこれを実施する
考えがあるかどうかということが第一点と、それから第二点はキログラム当たり百二十五円をこえる水準で維持されないような情勢の場合には
関税を引き下げなければならないということを言っておる。そういう
審議会の附帯決議というものを当然と
考えておるかどうか、その二点について、その二点と、初めに言った、この中止した
理由は製糖業者の利益をはかるためかどうか。これはもう率直に、政務次官はなかなか太っ腹ですから、これくらいのことは正直に言えるはずだと思うのです。これを
質問して、納得すれば私は次の問題に移りたいと思います。私はきょう相当時間をとっているから、恐縮に感じているのです。しかし、どうしてももう一点やらなければならない問題があるので……。