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政府委員(稻益繁君) 提案
理由のところで書いてありますもの、大体主食と石炭、石油、それから非鉄の一部、銅、鉛、亜鉛といったようなものであります。それぞれにつきまして
理由を申し上げますと、主食につきましては、米、小麦でありますが、いずれも現在もしもこれを自由化するということになりますと、かなり何と申しますか、国際比価が
日本に非常に不利と申しますか、
日本の米なり小麦なりというものは割高についているわけであります。従いまして、今回の改正作業におきましても、一応
検討はいたしたわけでありますが、現在のところ、御承知のように、主食
関係は食糧管理制度のもとで非常に何と申しますか、統制が行なわれているわけであります。当面主食はまだ輸入の自由化ということも
考えられませんし、また輸入されて参りますものも、直接
政府で管理をしているという形でありまして、その
関係から、御承知のように、現在は暫定で免税を行なっているわけであります。そういった、いわば輸入の自由化の問題並びに食糧管理制度、これが近い将来にどういう形になって参るか、これに対して根本的な
検討がまだ始められた段階でありまして、現段階におきましては、そういった完全な何と申しますか、
民間貿易による輸入の自由な姿というものがいつごろ実現するかまだ想定がつかないわけであります。そういう
意味におきまして、今回は現行の関税率をそのまま据え置いたといったような次第でございます。
それから、石炭、石油でありますが、これは総合的なエネルギー対策と申しますか、そういった点が通産当局におきましてまだいろいろ
検討の過程にあるわけでありまして、従いまして、石炭と石油との
関係をどういった形で根本的に政策として解決するかというめどがまだはっきりついておらないわけであります。従いまして、今回はそういった主として
理由から、石炭、石油の
関係は現行の税率を据え置くということで解決いたしたわけであります。
それから、いま
一つの面であります非鉄の一部でありますが、これにつきましても、御承知のように、銅、鉛、亜鉛、いずれもまあ
日本におきましてはまだ非常に、何と申しますか、自由化に困難な物資であります。これを自由化するという場合には、いろいろな国内産の銅、そういったものの対策を別途どうやるかということは、現在まだ
検討の過程にあるわけであります。今回の関税率の改正作業をやります際には、まだその方の結論が出ておらないということでありまして、まあそういう
意味で今回は見送りの据え置きといたした。
いずれも主要な物資といたしましては、ただいま申しましたようなそれぞれの
理由がいずれ明らかになると申しますか、一応のめどが立つ時期が参るわけであります。その際に、そのときのいろんな条件を加味いたしまして適正な税率を設定いたしたい、かような
考えでございます。