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政府委員(村山達雄君) この前確かにここで一ぺん
お話ししたと思いますが、まず三十六年度の自然増収をどのくらい見ておるかという点を申し上げますと、三十五年度の当初予算に対しまして三千九百三十億の自然増収を見ておるわけでございます。それから、三十五年度の自然増収がどのくらいになるか、これはまだ決算が確定いたしませんのでわかりませんが、現在の収入状況を見ますと一月末までの
数字がわかっております。それによりますと、一兆二千九百九十六億で、第二次補正予算額に対しまして八五・三%になっております。昨年、つまり三十四年度の決算額に対するやはり一月末の収入
割合は七七・六%であります。しかしながら、昨年はちょうどこの月末が日曜日に当たっておりますので、その分を計算いたしますと約八〇・六%くらい収入したであろうと見込まれるわけであります。その
割合をとりますと、大体ことしは収入歩合におきまして八五・三。八〇・六でございますから、四・七%くらい上昇率がアップしております。ただ、今年度は年度内減税を五十八億しております。従いまして、今度の第二次補正後の予算一兆五千二百四十五億、これに五十八億を加えた額に対してその上昇率のアップを見ますと、四・七%が四・三%
程度になり、今後も大体今までの四・三%
程度の収入歩合の上昇、アップが見込まれるとすれば、
一体幾らくらいの自然増収が出るだろうか、こういう計算は可能なわけでございます。はたしてその
通り出るかどうかわかりませんが、
一つの推計の
方法と考えます。そういたしますと、今後第二次補正後の予算に対してなお五、六百億
程度の自然増収が出るものではなかろうかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
先般の予算
委員会で
木村委員がおっしゃいましたのは、高木教授がかなり多くの自然増収を見積もっておる、それに対して
政府の見積もりは少ないのではないかということでございますが、高木教授の計算
方法を見てみますと、われわれの見込みより高木教授は三十五年度において相当多くの
金額を見積もっておるように思われます。
方法論としてやっておりますのは、十二月末までの収入実績を今後の国庫収支の状況から判断しました高木教授は、租税収入というものを単純に加えて、そのほかにまだ五百億くらい出そうだといって三十五年度を見ておるわけであります。従いまして、結果から見ますと、われわれがただいま申しました
数字よりは大体、さらに五、六百億
程度よけいに見ているのではなかろうかというふうに考えます。それから、三十六年度はわれわれの方は当初予算に対して三千九百三十億と申しましたが、高木教授の計算
方法は、国民所得の三十六年度の三十五年度に対する増加額、これに対していわゆる限界租税函数といたしまして二六・五%くらい増収があるのだ、こういう計算をされておるわけであります。われわれの方の計算は、経済の見通しをもとにいたしまして、最近の実績をもとにして、個々の税目について積み上げ計算をいたした合計が三千九百三十億となっておるわけでございます。高木教授の方は、その国民所得の増加額に限界租税函数をぽんと掛けまして、それによっていくとこれくらいになるだろう、こういう答えを出しております。ただ、われわれの過去の経験を見ますと、限界租税函数二六・五という
数字は最近ではとてもこれは使える
数字ではございませんで、最近ははるかに低い
数字になっておるわけでございます。ですから、この二六・五という限界租税函数をお使いになったところあたりが、そういう何といいますか、達観による
一つの見込みを出されておるので、その辺が
政府の見積もりと食い違ってきたのであろうというわけでございます。