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天田勝正君 これまたとてもややっこしゅうて、同僚各位だって私が言っただけでは頭に入り切れないほど複雑なんです。それで、これも私が
質問した中にまだとても答えられないものがある。高裁じゃとても無理だ、最高裁の方で……。
幾ら人に払う
契約をして、今日まで
幾ら払ったのか。どだいおかしいでしょう。国の
財産を民間の団体に貸して、その民間の団体が今度は裁判所に貸した。借りた裁判所はそれに金払っている。それが結局不当だったから、その裁判所に今訴えているというんだ。ずいぶん奇妙きてれつ、こういうことがすでにあるというだけで、
国民はいやになりますよ、実際。これは私はさっきから本院に
幾らか
関係のあることばかりをどんどん言ってきたんですがね。これはもともと、ここには三百五十坪と書いてあるけれ
ども、三百五十坪の問題ではないのです。千十坪の問題なんです。東京のどまん中で千十坪というのは、借地権だけだって大
へんなものです。そこをその国際文化協会なるものに貸したんです。千十坪といえば、百姓するといったって三反百姓ができるという始末ですよ。そういうものが、一国際文化協会なるものが三反三畝を使うということに不審に思わないというところに、この問題が起きてくる。まず第一に貸すときに、これはもともと国の
財産であるけれ
ども、
所管は旧貴族院。それで、自然に貴族院がなくなったから、その
あとを本院が引き継いだ。本院が引き継いだものを、これは旧貴族院のあれですから要らないというので、
大蔵省の方へ返した。返した
あとが、さっき述べたような事態になっちゃって、とうとう何と六百六十坪を除いた三百五十坪につきましては、旅館を建てられちゃって、これが移転登記になって、それをさっそく翌日には他へ売って、そうしてそれを買った者がまた第三国人に売って、その第三国人が今度また別の第三国人に売っちゃった。それで、今度は訴える先は最高裁だというわけなんでありまするから、もう少しくこの点は裁判所側にもちゃんと
大蔵省の方で調べてもらいまして、私の
質問については、これは聞いている同僚
委員各位も聞きたくなったろうと思う。そうでありますから、これもとても尽きませんので、一つ整備されて次にお伺いしたいと思います。
一番最後の問題は、これはややこしいケースでありますけれ
ども、ずいぶん新聞にも書かれて、本院、
衆議院でも問題になったことでありますから、
質問は短くやりますが、いわゆる虎の門公園事件であります。これにつきましては、ごく最近、本院の決算
委員会で取り上げられまして、数年前にもこれは
衆議院、
参議院ともに決算
委員会において、二十八年ごろに決議がなされております。そうして大蔵
大臣に、すみやかに公園復原のために適切な措置を行なうようにというので、要望がなされておる事件であります。ところが、その要望がなされた後に、さらにニュー・エンパイア・モータースという会社が、今ごらんのようにりっぱな鉄筋コンクリートの家が建てられてしまった、こういうことでございます。そうして、こういう居すわりの連中は、言い草がふるっている。原状回復はできない、原状回復はできないからそのまま
使用を認めてもらいたい、こういうわけのようであります。それで、明け渡しなんかにはとても応じられない。そこで、こちらから訴訟している。
ところが、今度ここに不思議なことは、これは
大蔵省や本院でもともに不思議に思っていることなんですが、裁判所もこのごろは私は全然信用できなくなっている。さっきの例を見ても、それが一つであります。今
指摘した問題も、裁判所の方では和解をしろと言っているのですね。裁判所だけは、われわれはこれは尊厳を認めていかなければ、法治国としての秩序は成り立たないのでありますから、これにはとかくの批判を私はしたくないのです。こういう、これは
生活に困っているのでも何でもない。
事情やむを得ないのでも何でもない。今あげたのは、
事情やむを得ないんじゃないものばかりあげたのでありますが、ことに大事業家です、これは。その大事業家が居すわっているものを、むしろ懲罰式にそういうものを追い出してもらいたいというのが
国民の感情であろうのに、裁判所の方は、和解をしろ。どうして和解をしますか。現に鉄筋コンクリートの建物を建てて堂々と営業を営んでおるのに、和解をすれば、向うの言い分を聞く以外に道がない。これは私は
国民の声として言うのであって、しかし、こういうものに対してはこれこそ断固たる処置をとらなければ、裁判所といえ
どもそれは間違っておるということを国側で申し立てなければ、どうも国の機関に国が申し立てるというのはおかしな話だけれ
ども、そういう事態になっちまった。これは結局
管財局としては、あるいは
大蔵省としては、
大臣ともしっかり腰を据えてもらわなければならぬのだろうと思いますが、目下、どういう処置をとろうとされておりますか。