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椿繁夫君 もう一点だけだいぶ前、三月でしたか、地下水は一体だれのものかということで
政府の見解をただしましたが、明確な御答弁がない。
松尾さんは、どうも地上権を持っておる者の支配権が地下水に及ぶのじゃないか、そういう判例があるのじゃないかというふうなことを答えられたことがありますので、私もその後ちょっと
調査をしてみました。ところが、そういう判例はございませんで、逆に大審院が
昭和十三年の六月二十三日でありましたか、地下水の支配権というものは地主にあるとされておるが、公共的な性質を多分に持っておるものであるから、そのように
措置すべきであろうというような見解を示しておることが見つかりました。そこで高松が現に下がっていないと言われるが、よく聞いてみると調べていないということでありますから、これは
調査を願わなければなりませんが、あれだけの工業用地を
造成して、しかも
工場の誘地ができない。
政府は
工場の地方分散を
計画しておる。そういうところから見ますと、いかにも屋島の上から見ると、もったいないような気がいたします。そこであれが
工場適地として活用のできるようにいたしますためには、やはり水の問題を片づけて上げなければならぬ。その問題は、吉野川に水源を求めるかどうかは別といたしまして、四国のあのもめごとというものを
政府も早く片づけるようにして上げなければいかぬと思いますが、地下水のくみ上げが、工業用であろうと建物の冷房用であろうと、それが沈下の著しい原因になっておるということは、大阪、尼崎等におきましてはもう明確にデータが出ておるのであります。たとえば終戦になって
産業が停止状態にある二十年の下期、二十一年などは、ほとんど沈下が停止しておるのであります。それから一年間を通じて見ますと、冬は沈下の
度合いが少なくて、夏に四センチも五センチも多く沈下をしておるというデータが出ています。それからさらに日でいいますと、おもしろいのですが、正月の休みが続きますね、このときには沈下の
度合いがずっと縮小しておりまして、十日ごろになって
産業活動が開始されてきますとまた沈下をしている。でありますから、地下水のくみ上げが地盤沈下の重要な原因、重要という以上に九十何パーセントかの原因をなしているということは、大阪などの
調査によっても明らかです。
そこで、
工場立地調査、工業用地の
造成というふうなことに関して
政府は、やはり地下水のくみ上げ、これは冒頭から
規制してかかるという強力な対策をとられる必要があると私は思う。西ドイツでも地表から十メートル以下の深度の水をくみ上げる場合には
許可主義をとっている。オランダでもそうです。カリフォルニアでも、そうです。ですから
政府は、下がってから防潮堤の積み上げに補助金を出すというふうなことではなくて、沈下の原因が地下水のくみ上げし建物の冷房用あるいは工業用水のくみ上げの原因によって沈下が起こっているということをお認めになるのなら、何とかすみやかに強い
規制措置をとられることが必要だと、本法の一部
改正などにも関連して強く私は考えられる。重ねて御見解を承ります。