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政府委員(
松尾金藏君) ただいま政務
次官から申し上げましたように、私
どもの
立地計画に対する最終の
目標といいますか、理想的な形は、適正配置
計画というようなものが非常にはっきりしたものができて、それに基づいて
工場の適正配置をやるとか、あるいは極端な場合に、
勧告、
助言によって調整をする。あるいはさらに進んでは、そういう適正配置
計画に従って
工場建設の行なわれるように、たとえば英国の
制度で申しますと、初めに
届出勧告という形からスタートいたしましたが、現在は認証という形で、事実上
許可制に近い形をとっております。そういうところまで適正配置
計画という、はっきりしたものができて、そこまでいくのが
立地政策としては理想であろうと思いますが、ただ、現実の問題といたしまして、今御
指摘ございましたような予算措置等では、
調査費によりまして
調査をして、適正配置
計画を作りたいというところで現在努力をいたしておる段階であります。
予算の項目について申し上げますと、一番大きな金額で計上されておりますのは新規
工業地区の
立地条件調査、これが従来百六十六
カ地点の
調査をして、さらに三十六年度、本年度におきましては、さらに五十カ
地区の新しい
調査をやる。さらに一昨年、つまり
昭和三十四年度に
調査をいたしました
地区については、補正
調査をやるという
内容のものが、この新規
工業地区立地条件調査であります。これは現実には、府県に委託して行なって参ってきております。
それから、今特に御
指摘ございました
立地適正化の
調査の点でございますが、これは輸送事情でありますとか、今
お話のございました
立地原単位の
調査でありますとか、そういう先ほど申し上げました適正配置
計画を、今後作り上げていくための
調査を進めて参りたいというのが主たる
目的でございます。適正配置
計画というものを作ります際に、私
どもの現在の考えでは、大きな柱が三本あると思います。第一は、今申しました新しい
工業地区の
立地条件がどうなっておるか、従来、百何十万
地区やりましたような新しい
地区の
立地条件の
調査をやることが、そういう資料を
整備することが、まず一本の柱でありますが、第二には、まず今回の
改正で
動向調査といっておりますが、主たる
企業が、今後
工場建設をやるのには、どういう
地区を選ぼうとしておるか、そういう
企業の
動向を把握するということが、今後の適正配置
計画を作る際の第二の柱であろうと思います。第三の柱は、今申しましたいわゆる原単位
調査というもので、たとえば鉄鋼の、ある生産単位あたりに水がどれだけ要って、
用地がどれだけ要って、輸送力がどれだけ、そういうおもな
業種につきまして、ある生産能力単位ごとに、
立地条件のある原単位があるはずです。それを把握いたしますと、ほかに、いろいろな
調査その他
産業規模いろいろあると思いますが、大体、その
三つを組み合わせますれば、今後の新しい
工業地帯に、どういう
工場が建設されるか、その建設が行なわれるか、また行なわれることが合理的であるというのが見出し得るはずであるということが、私
どもの現在の考え方の基本であるわけでございます。そういう
意味で、今、従来
立地条件調査をだんだん進めて参りましたが、原単位
調査は、まだこれからどんどん相当力を入れてやらなければならないと思っております。それから
動向調査は三十五年度に一応のものはやりましたけれ
ども、これはまだ必ずしも完全なものではございません。今後さらに精密な
動向調査をやって参りたいと思います。
そういうことで適正配置
計画というようなものがはっきりつかめれば、
工場の
適地誘導は、もっと積極的にやり得るのではないかと思いますが、
現状では、それを直ちに法制化して
工場の
立地誘導を、英国が現在やっておりますような認証
制度というようなところまで強力にやり得る段階には、まだわれわれ自身の検討といいますか、準備が不十分であるというような立場で、今回の
改正案を考えた次第でございます。