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政府委員(
佐橋滋君) 鉄鋼
関係の資料を持って参りませんでしたので、的確な数字については後日、資料をもって
先生の手元へお渡しいたしたいと思いますが、御
承知のように、
日本の鉄鋼業は、原料をほとんど全部海外に依存いたしておりますので、そのときどきの運賃の上下ということで、
価格はかなり変動いたすわけでありまして、第一次、第二次
合理化計画の結果、
設備面におきましては先進国に比していささかもひけをとらない
設備に相なっておるわけでありますが、概略を申しますと、物価指数その他の上がり工合もありますが、三十年度ぐらいをとって現在まで参りますと、大体物価の若干の値上がりにもかかわらず、鉄鋼は横ばいの
状況で現在に至ってやや安定をして推移しておるわけであります。それで海外の鉄鋼
価格との比較でありますが、大体私の方はアメリカ及び欧州の先進諸国との比較をとっておるわけでありますが、それぞれの国での建値に比べますと、アメリカをまず申し上げます。条鋼類はアメリカに比して
日本の方がはるかに安いのであります。板類につきましては、アメリカは専門国でありますので、若干
日本の方が高い。それから、欧州諸国に比べますとこれは大体西独、ベルギー並みの
価格になっておりまして、フランス、イタリアよりは安い。それからイギリスにつきましては、御
承知と思いますが、原料の
価格統制を
政府がやっておりますので、その点については比較にならないと思います。ただ
日本経済その他にときどき国際比価が出ますが、これは、ドイツ、ベルギー等につきまして非常に安い
価格のものが出ますが、これは御
承知と思いますが、西独、ベルギーはトーマス銑というのを主としてふいておりまして、これは非常に隣分の多い鉄鋼でありまして、
品質の点につきましても大体非常に劣りますので、普通の鉄鋼の
価格に比べますと十ドルないし十五ドル引いて
考えるべき筋合いになると思いますのと、それから欧米の方の建値は工場渡し
価格、
メーカー渡し
価格であります。
日本の場合は
消費者への渡し
価格になっておりますので、日経等で出ます国際比価は必ずしも正鵠を射ていないとこういうふうに
考えておりますが、概略申しまして、欧米先進国に比して
日本の鉄鋼
価格は大体高くない、こういうふうに
考えております。