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藤田藤太郎君 私はこの前大来さんが見えたときに、この
雇用計画の中で三つに分けて、ここに書いておられた。私はこの三つのことは賛成だ。「低賃金不安定
雇用形態である臨時工、日雇い
労働者、社外工の是正、二、技術革新の進展に対応して
労働時間を縮小する。三、家族的労務管理、年功序列型賃金体系を是正して、同一
労働、同一賃金の原則を打ち立てる。」ということが、ここに
政府の倍増計画の解説として出されておるわけです。だから、それをどうして実行するかという問題が今ここにきておるわけです。しかし、
労働省として
雇用促進事業団の事業としておやりになるときにはここまで踏み切っていない。今やILOでも四十時間制の、一週四十時間制の勧告が六月の総会で、あしたから六月に入りますが、六月の総会できめられようとしておる。これも重要課題の
一つでございます。それからこの三つあげられておる、重要課題をあげられておる。まだほかにもあると思います。こういうことが具体的な方針としてやられなければなりませんし、それからまた、経済の需要をどう高めていくかという問題についても
政府がチェックできるものはたくさんあると思うのです。やらなければならぬことがたくさんあると思う。最低生活費をどうして上げていく、最低賃金をどう上げていく、社会保障をどうしていく、労後の生活の保障のために所得保障をどうするかという問題は、いろいろの問題は
政府がやらなければ、国の政治としてカバーをしなければ実現しない問題だと私は思う。これは迫水さんも否定されないと思う。だから、そういうものと関連して参りますれば、どうしても今ここで
政府の計画の中で
説明されているようなことが生かしてこられるという、その生かしてこられるというのは
近代国家を目標にした生産性と賃金率との問題や物価の問題というものがどうして生産と消費との
関係を維持していくかという
関係において、私はこういう問題が真剣に
議論され、
労働省が今おやりになろうとしているのは
雇用促進事業団の
労働力の流動性や
訓練の問題、これもけっこうでございます。しかし、これだけでは完全
雇用という打ち出されたものに密着しないんじゃないか、私はそう
考える。だから、そういうことを経済企画庁ではお出しにならなければいけない。たとえば十年後の国民生活という問題が新聞に発表された。迫水さんは、これは間違いであったと言って予算委員会で取り消されましたけれ
ども、あなたの意向を受けた十年後の国民生活というこの文を
一つ見ても、目標だけは
労働時間が幾らになるとか、賃金が何倍になるとかいうだけで、どうやっていくかということは
一つも書いてないのです。これが間違いであってもなくってもいいですよ。間違いであってもそれはいいですよ、いいですけれ
ども、こういうものを達成するまでにはどうしていくかという、私はスケジュール、プランがなければできないんじゃないか、そう思うんです。
それからもう
一つ迫水さんにお聞きしたいことは、私はきのうだったか申し上げましたように、
政府の計画されたものと、国民の購買力との
関係が、国民消費というものが個人消費、
住宅建設というものが計画よりもうんと下である。そうして、たとえば設備投資というようなものが四割から五割近くも年度の計画よりも上に上がっているという、こういう実態が
政府の発表している姿に出てもきているわけです。こういうものをチェックしなければ完全
雇用にならないのです。私たちはわれわれだけの勝手なことを言っているのではない。今日
近代国家を目ざしている欧州の国というのはそんなことをやっていないのです。自由経済だ、自由主義だと言ってみて、そうしてどうにもならぬということで済まされる問題では私はないと思う。だから、総理は賃金が上がることはけっこうだ、倍増からいってもけっこうだ、こうおっしゃいました。今の問題についても外国並みにやりたいということを念願しているとおっしゃいました。おっしゃいましたけれ
ども、実際にそれではどうするかという施策については
一つも出てきていないのですね。だから、私はそういう意味で経済企画庁長官に、あなたの方であらゆる計画をお立てになるんだから、だからやはりその筋道をきちんと立てて、経済、生産の面に生産点にチェックしなければならないところはちゃんとチェックしていく。そうして完全
雇用というものがすなおな形で、不安定な
雇用関係、
労使関係じゃなしに、正常な形で
雇用が拡大していって、農業で四百万首を切るというならば、これを引き受ける
対策をきちんとあなたの方でやらなければ、
労働省や農林省にやれといっても無理です。これをあなたはお立てになるかまえというものがなければ、ほんとうにこれはもう
労働省はこの
法案をお作りになって四十何億ですか、四十四億の予算の範囲内で目立ったところだけ処理をするということで終わってしまうのです。だから柱になるものを
一つはっきり経済企画庁はおやりになるかまえをここで示していただきたいと思う。