○村尾重雄君 先ほどからいろいろと
お話があったように、私も御一行と一緒に、いわゆる問題となった五十馬力の
コンプレッサー室をば拝見したのでありますが、その前に経営者である上田清次郎氏が私
たちにこう語っているのであります。
それは、火のけのないところに、火災の起こる
原因のないところに火災が起こった。だからあなたがたは
一つ私の言い分も、失礼かもわかりませんが、十分に
原因を調べてもらいたい、こういう
お話だったのであります。われわれ先入観としては
コンプレッサーの加熱によるとか、あるいはこの五十馬力の
過熱によるとか、いろいろ先入観を持ってわれわれ入ったのですが、さてわれわれしろうとが見ても、また現場でいろいろとコイルの燃えていない点とか、あるいはスイッチを切った時間等々の話を現場の案内者に伺ったときに、大体五十馬力が
原因でないのではないか、
コンプレッサー過熱ということにも
一つわれわれ疑点を持たなければならぬ。ただしこの抵抗器だとか、あるいは閉塞器だとか、電気設備等についてまあこれに、何か
専門家が見ればこういうところに疑点がないかという感もいたしました。しかし、さて五十馬力の
機械室の周囲の岩壁等を見ますると、やはり失火を、そうたやすく火の出るようなところでないということをば深く感じたのであります。そういうような点と、ただし先ほどからいろいろと鹿島議員がお尋ねになったように、この五十馬力の部屋と百馬力の
機械室との間、さき七メートルとおっしゃっておられましたが、私
たち現地に見て大体五メートル
程度のところだと思いますが、あの近くに二つの部屋があって、そこから失火ということについては相当これは簡単にやはり
原因というものが解明できないのじゃないかと、こう思います。こういうような点で私は、この五十馬力のある部屋から火が出たということ、これは間違いないと思うのですが、その
原因究明については鋭意究明を願って、やはり結果というものをばぜひとも解明していただきたいと、こう思うのであります。私は失火の
原因などについては、われわれとうていこれは
調査したってわかるものじゃございません。当局及び
関係者の失火の
原因の解明をば、結局待つのでありますが、ただ火災が起ってから七十一名の
坑内に——それ以上おられたのでしょうが、
犠牲者を出したが、その救出作業というものが相当長時間においてこれが放任されておった。なぜ火災が起こってから
坑内に働いている人の待避ということがもっとすみやかに行なわれなかったかということは、
局長自身も十分にこれはお感じになっておったことだと思うのです。また、われわれも深くそれを感じるのですが、そこで私は、この
坑内の電気室の失火の
原因をなぜもっと早くこれを知ることができなかったかという点で、私、ただ
一つだけの疑問を出したいのです。この点は十分今後の
調査を待ちたいのですが、たとえば電気室におられた津川さんとかいう六十年配の方が、百馬力と五十馬力の
両方の管理をされておった、当然五十馬力と百馬力、
現地でいろいろ伺いますと、一人で二つを大体操作しているということは、これはもう
あたりまえのことだそうです。その点は一人々々置かれることは非常に完全なんですけれ
ども、一人でも十分できる仕事だということはわれわれ了解し得たのですが、ちょうど発見された人が、今話を伺っていますと、沖島という人だそうでありますが、
坑内で働いておって煙が浸透してきたので、
自分は感じて上がっていって火事を発見したという
お話がありましたが、向こうで、
現地で聞いたときは、津川その他何がしという二人ほどの人が十二時の食事を百馬力の部屋の近所でしておって、非常に焦げくさいにおいがしたから、何だと思って五十馬力の
機械室に行ったところが、すでに煙がもうもうとして判別することができなかったということを、その人直接じゃなしに間接に伺ったわけであります。私実はその
炭鉱に幸い偶然ですが、知った人がおったものですから、その人等にもいろいろ事情を伺ったのですが、その話を私に知らすために言ったのではないと思うのですが、その話のあやからいきますと、津川が、また電気係というようなものは四百メートルといいますが、
炭鉱坑口に出ることがたやすいそうですが、昼の時間だから昼飯を食いに行っておったのではなかろうか、こういう
お話も伺ったわけです。私はその電気係と申しますか、そういうことが、
本人を責める意味じゃないが、事実とすれば、これは相当やはり今後重大なことになるのではないかと思うのです。この点お気づきになっておるかどうか知りませんが、百馬力の部屋に食事しながらそこにおった場合、あの離れ方では、五十馬力の部屋で火事が起こったときにもっと早期に私は発見できたのだと思うのです。そういうような点で十分こういうような点についての
調査を御依頼申し上げたいと思うのです。それと私が話をし過ぎるのですが、時間の
関係上まとめてお尋ねしたいのですけれ
ども、また、私の言いたいことも向こうを見てきた
立場から一気に申し上げたいと思うのですが、私しろうとが感じたことは非常ベルの問題です。火災が起こった場合、発見が少々おくれても非常ベルの装置があれば助かるのではないか、こう思ったのですが、大体
中小炭鉱では非常ベルがないのが今日の現状だそうです。これが事実だと思います。だがあの
炭鉱で何か奥で作業をしている人
たちに
災害を知らす
方法がないのかと言ったら、外からは電話がある。なぜ電話をかけなかったのだと言えば、火災がわかってこれを
坑内の奥の方に知らそうと、何片々々と言っておりましたが、知らそうとして電話をかけたのだが応答がなかった、こう言っています。非常に
坑内では
災害を知って右往左往しておりますから、詰所に人がおらなかったんだとは思います。それ以外に何かないのかといいますと、こういうものがあるのだといって私見せられたのですが、鈴ですが、これは何に使うのだといったら、炭車のストップ、発車等の合図に使う鈴がある。これはどうして鳴るのだといったら、坑外から何か電気の陰と陽との接触によってその鈴が鳴るようになっておるのだというような話を伺ったのですが、そういうことはあの
坑内に置かれておることが事実なのかどうかお伺いしておきたい。そういうような点についての、あなたはいろいろと保安
関係上
坑内の事情をお聞きになったときに感じられておったかどうか、お伺いしたいと思います。