○国務
大臣(古井
喜實君) まず今
お話の中にだんだん
問題点があったように思いますが、
一つには将来の
医療制度のあり方について、私が相当根本的な問題を取り上げてしゃべくったことがあるという点であります。私はそういう問題に取り組んでみたいと、取り組まなければならぬと思うものですから、取り組んでみたいと思うという自分の
意見は述べたことがあります。つまり制限
診療撤廃の是非、それからさらに進んで、現物給付以上に進んで、
診療の内容は全部お医者さんに信頼しておまかせして、そうしてそれから
あとはそれにかかった金に対して費用の上の保障をするというふうな療養費給付というところまで、これもそこまで突っ込んで是非を検討してみたい、この問題に取り組んでみたいと、私は実際にそう思っているのです。そういうことも言ったことがあります。これは私一人でできることじゃありませんから、いろいろな機関を経なければなりませんから、当然であります。取り組んでみたいと言っておるのであります。それらそのほかの相当根本的なことについても、取り組んでみたいという自分の熱意というか、気持は述べておることがあります。私はこれは述べたって悪いことだとは自分では思っていない、取り組んでみたいという気持をですね。
それから
病院と
診療所の
格差をつけるようなことを
発表したかどうかという点でありますが、これは私は初めから、そういうことを自分で、そういう
技術的な問題について、私みずからが一ぺんだって、これはもうどこの機会だって言ったことはありません。ただ問題は、まあ百も御承知なさっているように、できれば
予算を組む前にこの
医療協議会を開いて、そこの
意見を十分たたいて、どれだけの幅、また、どういう方式ですね、一律
引き上げか、
点数合理化かという
方法論ですね、こういうことを十分
審議してもらった上で、その
意見をもとにして
予算を組みたかったのであります。ところが、今回の場合にはどうしても
予算を組むまでに
医療協議会を開くという段取りまで、努力はしましたけれ
ども、いきませんもので、そこで今回はやむなく
——さればといって、この
医療問題を一年見送るというわけにはいかない。順序を踏むということばかり言っていると、一年見送らなければならない。これはどう
考えても困ると、こう思いますから、順序を転倒しまして、一通にいたしまして、先に
予算を組んで、それからどうしてもかけなければならぬ
医療協議会にかげて、そうしてそこの御
意見を尊重して、順序が逆になったのでありますから、
医療協議会を尊重しないようになってはいけませんから、御
意見をたたいて、そうして
方法論な
どもきめたいと、もし幅の点についてそこで御
審議になったあげく、どうしてもこれはこういう
根拠で幅が足らないがという御
意見が出たときはどうするかという話も、衆議院の
予算委員会でございました。私は自分の
意見としては、経過から
考えて、つまり
医療協議会を先に開けなかった、まだ開いていないという経過から申しまして、
医療協議会で御
審議の結果どうしても足らぬということが結論として出ますならば、私
どもはその御
意見に対しては尊重して
考えなければなりますまいと、これは私としてはどうもそう思えるのであります。順序がそうなっておりますので、今でもそういう気がしております。
考えを持っておりますが、そういうふうに私はこれは思い、また、進めてきましたのですが、そこで協議会を開かないままで
予算を組むにはどうしたらよいか。ただ手づかみじゃできません。そこで不十分ではありましょうけれ
ども、
厚生省の
手元にある
基礎と
資料をもとにして、一番合理的と思われる
医療費算定をやってみたのであります。事務的に
——私じゃできませんが、事務的にやってきてもおりましたし、やらしてみたところが、大体総
医療費に対して一〇%
引き上げるということでやられるなら、全体として一応カバーできるじゃないか、それを一〇%であるか五%であるかということを算出しますために、
技術的事務的にとった
方法はございます。それはございます。それは結局全体として何パーセントという
予算を組むための
基礎を算出する問題であります。そういうふうにして、
予算を組みましたものを、どうそれじゃ具体化していくか、こういう問題、また、
一つ別個の問題になるのでありまして、
予算を組むときにもいろいろ御
意見がありました。あの当時のいろいろ御
意見もありました。ありましたが、そのときのそれを具体化する
方法については、私はもう算出のときに
厚生省の事務
当局で使いました方式、それに拘泥しないのだ、拘泥しないのだ、そのときから言っておるのであります。拘泥しないのだ、つまりこれは自由に
考えて、そうして、しかしながら
考えるべき場において
考えてきめたいのだ、こういうつまり
医療協議会において論じてもらってきめたいのだ、まだ一ペンも開いておらぬのですから、私はどうしてもそう思えてならぬのであります。そこで今までの経過はそういうことであります。
それから
医療協議会を開かないで、私
どもがこういうふうにする、ああいうふうにするということを、まあ独断的にきめるということは、これはただまあ
諮問しなければならぬものだという、法の規定があるという、法を守りたいということのみならず、やはりこの問題は、一方、負担する側の
立場もあることであります。一緒の、共通の場で十分話し
意見を交換していただいて、そこでまとめていただきたいと思うのであります。そうでないと、私
どもが独断でこうだああだといって、たとえば
医師会の方とだけ取引というと
言葉は悪いが、話し合いしてきめてしまっていきますといっても、負担する方が側が大体これじゃ困ると言ったときには、これはもう全く弱ったことになるのであります。だから、それも一応場においてこれは論じて話してもらいたい、つまり、これが
医療協議会だと思うのであります。その
医療協議会の場がどうも工合の悪い構成でうまくないとかいうことであるならば、これをいい姿に直して、そして、よくそこで論じて結論を出すということが筋でもあるし、結果としてもいいと、こういう
考えを持ちますので、そういう方向で歩いてきたという状況であります。