○
田中一君 知りたいのは、昭和二十六年にこの
道路運送法ができるとき、その以前の
法律等にやはりそういうものがあったかということですね。だからこの
道路運送法ができると同時に、同じような形の
行政指導をして、大体漏れなく組合に加入しているということになりますね。私は今伺っているのは、
法制局が、
道路運送法の例によって、
建設省の要求に対しては賛成したということを言っているのです。そうすると、
建設省は一体今の
道路運送法によるところのトラック
業者の
実情、こうしたものにまで持っていこうというねらいを持っておるのか、どうなんです。むろんトラック
事業を行なっている
業者と
建設業の
実情、
実体というものとはおよそ雲泥の差があります。トラックの場合と違って、トラックは今言った
通り、日通はこれは別の形になっているけれ
ども、独占企業的な形態を持っているけれ
ども、究極どういうものをねらおうとしているのか。どうも文書の上にある美辞麗句だけを
建設大臣が述べて、
鬼丸官房長が書いたものを
説明するのじゃ困るのですよ。それはわかっているのです、ここに書いてありますから。何をねらっているのか、ということです。もう一ぺんくどく言いますと、どこに持っていこうとするのか。そうして
全国建設業協会に加入している六十の
大業者と
地方の
業者とは、おのずから違うのです。これはとうてい比較にならないのです。トラック
業者の場合は一台持っておってもトラック業を営めますし、何も百台まとまって
運送しなければならぬということはないのだから、百台。パレードを作らなければ
業者はやれないということはない、一台だけでも動ける。
建設業の場合は違うのです。さっきも言っているように、日に千円の手間をもらって行なっている
業者があるということですね。逃げるところはいつもこれは
強制加入じゃありませんと逃げておりますけれ
ども、強力な
行政指導というものは、
建設業の契約行為で一番明らかになっているのです。物価が値上がりになっている、当然予算が二割も低い、事
業者の肩を叩いて、何とか今度してくれぬかといって肩を叩くと、へっと聞いてしまうのですよ。それがまた下請に出すと、また下請もへっと聞くのです。それも末端の労働者が労働強化となり、十時間働くところを十五時間働くとか、あるいは適当に
仕事をごまかしていくとか何とかいうことをしなければ、できるはずのものじゃないんですよ、末端の労働者というものはね。そこに非常に
業態が違うものですから、それを一緒にして、結局弱い者、資本のない者が圧迫を受けるわけです。何をねらおうとするのか。この労働組合の
団体です。その中に業ではないけれ
ども、これは
業法であるから業でなくてはなりませんということを、おそらく官房長や高田
参事官は言うに違いない。
業者でおやりなさいと言っても、一人親方というのは別のもので
事業税の免除を受けておりますけれ
ども、業には違いないんです、
実体というものは。
業者の
登録をしていないのですから、それは
業者でないと言って逃げるかもしれないけれ
ども、しわ寄せがそこにくるのです、大きな
規模の
人たちがものをきめれば、あるいは方針をきめれば。組合員になっておれば下までくるのだから、労働組合にも同じような形の、ここにあるような美しい言葉、美しい
目的の条文を入れれば労働組合に対しても、これは
団体として認めるかどうか。もう少し僕は
道路運送法の中に、今伺ってみると、なるほどいろんな問題が
道路運送法にはあると思うのです。
建設業の場合でも必要ならば必要だということを、もう少し
内容を明らかにして、どういう
行政指導をしようとするのか、何をねらおうとしているのか知りたいわけなんですよ。たとえば
建設業法の中にも、これは三十一年に公布された政令の中にも、
建設業法第三条の「軽微な工事」といって除外例もある。これは
建設業者のやる
仕事であるけれ
ども、
建設業としては、
事業としては認めないということも言っているわけです。だから実際にこれによってどういう方向、どういうものを求めようとしているのかということがもう少し私には納得されなければ困る。そうして現在七万のうちの二万名足らずのものが
団体を
組織しておりますけれ
ども、これでは総意とは認められない。どういう
行政指導をしてこれらの連中をどこに持っていこうとするのか。さっき言ったように、これをまた選挙に使おうとは思っておりません。しかし
自分の都合のいいように振り回そうという気持は多分にあると思うのです。私はそういう
団体がたくさんできるのはいいと思います。おそらく
全国建設業協会で毛
心配していると思うのですが、同じような
業態、同じような
建設業法で
規制される
業者のうち、大小さまざまの
団体がこれからできると思う。また当然そういう方向に、利害が一致しませんから、そういう方向に来るのではないかと思うのです。そういうものを望んでいるのか。下請
制度というものがございます、この
建設業には。下請は下請の
団体を持たせようとするのか。一人親方といって
業者であり、かつまた日雇い的な労働者であるというものがいるわけだ。いろいろです。職種も今度は二十五か六になりますね。二十四になるのですが、これがその職種の中にも階級がある。それらの階級を使うということは
公共事業の場合には
発注者の権限なんですよ。結局そこに来るわけですね、機会というものが。主観的な要素というものが織り込まれてくるのです。一番これは強い要素です。
勧告を聞かない、
助言に対しても耳をかさないという
業者はこれは認めにくいというのはこれは当然ですよ。もう少しねらっているものを、今の
建設大臣が言っているようなそういう美しい言葉でなくて、
実体はどうなんだということをあなたよく知っているはずですよ。
大臣は東京におってそういう
人たちの弁護もしているでしょうから。私はこの
法律案にいたずらに反対するのではないのですよ。どこに押し込んでいこうとするのか、危険を感ずるのです。
行政指導はどこまでも
行政指導であって、何も権力は持っておりませんけれ
ども、
法律的な。もう少し明らかにこういう方向に持っていくのだということを
説明してもらうと同時に、
内容を文書で作って提出していただきたい、限界を。たとえばトラック
業者のように全部を網羅するような
指導をしようとするのか、どこに持っていこうとするのか、何といっても御承知のように、
全国建設業協会というのは力もありまた統制もとれ、またりっぱな
団体です。またああいう
団体があってこそ、
建設業も零細な者の意思も代弁することができると思います。何も競争して今
仕事をほしいために競争をするような今の段階でない。もう手持ちの
仕事はだれかがやってくれればいいという気持を持っているでしょう。そのくらいに繁栄企業です。それだけに反面脱落する
業者がたくさんいるのです。きょう何かの新聞を見ると、前払い保証会社の成績としては今までにない悪い傾向になっていると、うたっております。これだけたくさん
仕事がありながら、中小
業者はつぶれていっておる。その中で何を求めようとするのか。僕にはどうも納得できない。それは明らかにこういう方向に持っていくのだ。
法制局では
道路運送法によるところのこういう
業種を例にとって言っておりますから、そのどの辺まで持っていこうとするのだということを
説明してほしいと思う。