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1961-04-27 第38回国会 参議院 建設委員会 第24号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十六年四月二十七日(木曜日) 午前十時二十二分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
稲浦
鹿藏
君 理事
田中
清一君 松野 孝一君 武藤 常介君 内村 清次君
委員
岩沢
忠恭
君
小沢久太郎
君 太田 正孝君 村松 久義君
田中
一君 武内 五郎君 田上
松衞
君 小平 芳平君 村上 義一君 国務
大臣
建 設 大 臣 中村 梅吉君
政府委員
建設政務次官
田村 元君
建設大臣官房長
鬼丸 勝之君
建設大臣官房参
事官
高田 賢造君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
説明員
建設省住宅局建
築
指導課長
前岡 幹夫君
参考人
全国建設業協会
会長
大林
芳郎
君
大畠建設株式会
社代表取締役
大畠
茂君
全国建設労働組
合総
連合書記長
唐澤
平治
君
法政大学法学部
教授
内山
尚三
君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
建設業法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)
—————————————
稲浦鹿藏
1
○
委員長
(
稲浦鹿藏
君) ただいまから
建設委員会
を開会いたします。
建設業法
の一部を
改正
する
法律案
を議題といたします。本日、初めに
参考人
の方から御
意見
を伺いたいと存じます。
参考人
の方におかれましては、日ごろ御多忙中のところ特に御
出席
をいただきましてまことにありがとうございます。厚く御礼申し上げます。それでは
参考人
の方から順次御
意見
を聞かせていただきたいと思いますが、時間の
関係
上、一人十五分
程度
にして、本一部
改正
についてそれぞれのお
立場
から御自由にお述べ願いたいと存じます。 まず、
大林芳郎参考人
に御
意見
を承ります。
大林芳郎
2
○
参考人
(
大林芳郎
君)
大林芳郎
でございます。私はただいま
全国建設業協会
の
会長
をいたしておりまするので、本日は
全国建設業協会
を代表いたしまして
意見
を申し述べたいと存じます。 今回の
建設業法
の一部を
改正
する
法律案
には、私といたしましては、
賛成
の
意見
を申し述べるものでございます。最近数年の間に
建設工事
の量が非常にふえてきておりますることは皆さん御
承知
の
通り
でございます。しかも量ばかりでなく、
工事
の
規模
が大きくなり、またその
内容
も、
技術
的により高度のものがふえてきておるのでございます。
一般産業界
におきましても、その
技術水準
が
技術革新
への
方向
に沿って非常に高いものへと成長
発展
しつつありますとき、
建設工業
におきましても今後ますます
技術
的に大きな
進歩発展
が
期待
されておるところでございます。また、私
ども建設業者
も、これにこたえるべく、私
ども
の
仕事
を通じて
企業
の
合理化
をはかり、
公共
の福祉の増進に寄与するべく常に努力を、いたしておるところでございます。
建設業法
は、
建設業
を営む者の
登録
の
実施
その他によりまして、
建設工事
の適正な
施工
を確保しますとともに、
建設業
の健全な
発達
に資することを
目的
として作られておるものでございますが、これが
制定施行
以来、幾たびかにわたりまして
改正
されておりまするが、なおかつ
現行
の
登録制度
を含む
建設業法
は、最近の増大する
工事量
とこれに対応する
建設業者
の
施工体制
、特に
建設業
の
近代化
、
合理化
ということを考えまするとき、その
内容
におきまして改善されるべきものが少なくないと思われまするので、私
ども全国建設業協会
におきましては、
昭和
二十八年以来
傘下全国
の
業者
の
意見
をまとめまして、数回にわたりまして
建設大臣
にその
改善案
を提出いたしまして、その一部
改正方
を要望して参ってきたのでございます。 今回の
法律案
を拝見いたしますると、
登録制度
の
改正
を初めとしまして、数点にわたりまして
改正
が企図されておりまして、おおむね私
ども
の要望に沿ったものと思われまするので、今回の
改正案
には
賛成
を申し上げるものでございます。 以下、
内容
につきまして、
要点ごと
に私の
意見
と若干の
希望
を申し上げたいと存じます。 第一の
登録
の
改正
についてでございますが、
建設工事
の
定義
を、従来は「
土木建築
に関する
工事
で
別表
に掲げるもの」といろことになっておりましたのを、
別表
各号に掲げる
工事
の
種類
のみにとどまらず、
別表
各号に掲げる
工事
を組み合わせて、
土木一式
または
建築一式
に関する
工事
を
総合
的に行なうものを
工事
の
種類
としてあげることにしたこと、また従来の「
職別
」という名義を「
専門
」という
言葉
に改めましたことは、いずれも
実情
にかんがみまして適当と存じます。
登録申請者
は、従来は単に広く
建設工事
に関する
実務
の
経験
を有する
技術者
一名を常置すればよいことになっておりましたのを、「主として請け負う
建設工事
の
種類ごと
に、」その
建設工事
に関する
実務経験
を有する
技術者
を一名常置していなければならないものとすることに改めましたことは、従来の
規定
がその
資格要件
があまりにも軽微かつ画一的に過ぎるうらみがありました点より見まして、
工事
の適正な
施工
を確保するという
目的
に沿うものとしまして適当であると存じます。 「主として請け負う
工事
の全部又は一部が
土木一式工事
又は
建築一式工事
である
建設業者
」で、
土木一式
または
建築一式工事
に関し
指導
監督
的な
実務経験
、または
業務管理
の
責任者
としての
経験
を持つ者を、さきの
要件
を満たす
技術者
のほかに一名常置する者は、「
登録簿
に
総合工事業者
の
登録
を受けることにより、
総合工事業者
と称することができる。」ものとし、
総合登録
を受けた
建設業者
以外の
業者
は、「主として請け負う
建設工事
の
種類
を明らかにした文字を冠する
専門工事業者
と称することができる。」ものとしましたことにつきましては、近時次第に高度の
技術
の
発展
と
近代化
の促進を要求せられつつありまする
建設業界
の
実情
に沿うものでありまして、ひいては
建設業
の健全な
発達
を促すものであると思いまするので、この点につきましても適当であると存じます。 第二に、
建設業者
の
能力審査
の
法制化
の
問題点
でございますが、「
建設大臣
又は
都道府県知事
」が「
公共性
のある施設又は
工作物
に関する
建設工事
で
建設省令
で定めるものの
入札
に参加しようとする」
業者
の申し出があったときは、
建設大臣
が
中央建設業審議会
の
意見
を聞いて定める
基準
によって、その「
経営規模
その他
経営
に関する
客観的事項
の
審査
を行なうことができる。」ものとすること、この
規定
は、従来
中央審議会
の
勧告
によりまして、実質的には
実施
されておるものでございます。
入札制度合理化
の一方策として、必要なのでありますことは、
業者
として了解するところでございまするが、
審査
の
基準
の
決定
につきましては、
業者
の
経営内容
、
能力
が、的確に表わされるものでなければならないという
意味
から、きわめて慎重に扱われるべきものであると思いまするし、また
審査
の手続につきましても、きわめて公正な方法により行なわれなければならないものと思うのでございます。従いまして、これが
法制化
されました暁には、本案にもございまする
通り
、
審査
の
項目
及び
基準
の
決定
にあたりましては、
中央建設業審議会
におきまして、
十分関係者
の
意見
を徴していただきたいと存じます。 第三に、
建設業者団体
の
法制化
の点でございます。私
ども業者
は、地方におきまして、あるいは
中央
におきまして、
業者
が自発的に相集まりまして、
建設業
に関する
調査研究
、
指導
を行なうことによりまして、
建設工事
の適正な
施工
を確保するとともに、
建設業
の健全な
発達
をはかることを
目的
といたしました事業を行なう
同業団体
を作っておるのでございますが、
業界
の健全な
発展
は、これらの
団体
の
活動
によるところが大でございます。しかも、これらの
団体
の
活動
は、
参加会員業者
の自主的な
協力
によって行なっておるものであります。
建設業界
の
現状
及び将来を考えまするとき、
建設業者
の地位の
向上
、
企業
の
発展
のために、
業者団体
がなさねばならないことは非常に多いのでございます。またその
責任
はきわめて大なるものがあるのでございます。これらの
団体
が健全に
発展
いたしますることは、とりもなおさず
業者
の
発展
でもあるのでございます。
現状
ではその
団体
の基礎がすでに十分固まったものも少なくないのでございまするが、中にはいまだ十分と言い切れないものも見受けるのでございます。
建設工事量
が増大し、
建設業
の
近代化
が要請せられつつある今日、私は
建設工事
に
関係
する
官民関係者
が相
協力
することは、
建設工事
の適正な
施工
を確保するためにも、必要なことであると信ずるものでございます。このような
意味
からいたしますれば、
建設業者
の
団体
が、
建設大臣
または
知事
に
届出
をすることによりまして、
業者団体
の実態及び
活動状況
が明らかになるなれば、一そう
関係官公庁
と
業界
との
協力
が促されることになり、ひいては
建設業
の健全な
発達
にも役立つものと考えられるのでございます。
建設省
及び
都道府県
は、
業者団体
の
届出
が
実施
されることによりまして、いたずらに
監督指導
という観念にとらわれず、
建設業者
のよき
助言者
という考え方で、この
規定
を運用されることを望むものでございます。 第四に、
中央建設業審議会
に
専門委員
を置くことができるものとする点でございますが、最近
建設工事
の量は増大いたしまして、
技術
は高度のものを要求されるようになっております。ますます
建設業
の
内容
は、
複雑多岐
にわたるものとなってきております。従いまして、
建設業
の諸般の問題を審議する
中央建設業審議会
の運営の必要上、
専門委員
を設置することは、時宜に適したものであると存じます。 第五に、
業者
及び
業者団体
に対し、
大臣
または
知事
の行なう
指導
、
助言
及び
勧告
の
法制化
の点でありますが、
大臣
または
知事
が
業者
及び
団体
に対し、
建設工事
の適正な
施工
を確保し、または
建設業
の健全な
発達
をはかるため、必要な
指導
、
助言
及び
勧告
を行なうことは、適当なことであると存じます。 以上、
改正案
のおもなる
項目
につきまして、私の
意見
を申し述べたのでございまするが、
冒頭
に申し上げました
通り
、
業法
の一部を
改正
することにつき、今回提案せられております
内容
は、多年私
ども全国建設業協会
が要望して参りましたことに、おおむね沿うものであると思いまするので、今回の
改正
には
賛成
を申し上げる次第でございます。 今回の
改正案
が幸い可決されました暁には、その
実施
にあたりましては、
政府
はこれが
実施
のために必要な予算を十分とっていただきまして、
業界
より信頼されるこれが運用をはかっていただくことを、この機会にお願いを申し上げまして、私の発言を終わる次第でございます。
稲浦鹿藏
3
○
委員長
(
稲浦鹿藏
君) ありがとうございました。 次に、
大畠参考人
にお願いします。
大畠茂
4
○
参考人
(
大畠茂
君)
大畠茂
でございます。私は
資本金
二千万円、
年間工事量
五億
程度
の
中小業者
でございます。 ただいま
大林
さんから、
逐条お話
がありました、
業者
の
登録要件
、
総合工事業者
及び
専門工事業者
、それから以下にわたりまして、
建設工事業者
の
経営
に関する
事項
の
審査
の件並びに
建設業者団体
に関する
件等
、けっこうだと思います。特に二番のこの
総合工事業者
及び
専門工事業者
、これは前々からまことに不自然ではないかと、こう思っておりましたところが、今回はっきりと
専門工事業者
及び
総合工事業者
という名称になったということは、よろしいことだと思っております。 そのほか、簡単でございますが、
大林
さんのおっしゃられたことと何らかわりがございませんので、これで終わらしていただきます。
稲浦鹿藏
5
○
委員長
(
稲浦鹿藏
君) ありがとうございました。 続いて、
唐澤参考人
にお願いします。
唐澤平治
6
○
参考人
(
唐澤平治
君)
唐澤
です。私は
建設産業
に働いております
建設労働者
、職員の
立場
から、今回の
建設業法
一部
改正
についての
意見
を申し述べたいと思います。 順を追って申し上げたいと思いますが、最初に第二章の
登録
の中の第五条について、このように考えているわけです。
建設業法
では、第五条で、一昨年までは少なくとも「
建設工事
に関し、
法律
又は
命令
による
免許
又は
技術
若しくは
技能
の
認定
を受けた者」、こういう
規定
をしておったわけですが、これがたしか昨年だと思いますけれ
ども
、「
法律
又は
命令
による
免許
又は
技術
若しくは
技能
の
認定
で
建設工事
に関するもののうち
建設大臣
が指定したものを受けた者」というように
改定
をし、さらに今回その辺を一括しまして、「
建設大臣
が前各号の一に掲げる者と同等以上の知識及び
技術
又は
技能
を有するものと
認定
した者」というふうに、この二、三年来再三にわたる
改定
が行なわれているわけであります。この点は、
一つ
は私は
建設省
の
技術
、
技能
に対する
対策
について、はなはだ欠けている事実を、証明しているのではないかと考えているわけです。御
承知
のように、
労働省
では、
職業訓練法
を
実施
し、
通産省
では
電気工事士法
などを
実施
しているわけでありまして、
建設関係
でも
労働省
、
通産省
などで、かなり
技術
、
技能
の問題を取り上げられてきているわけでありますが、そういう
状況
の中で、
建設省
は非常に重要な
技術
、
技能対策
について、ほとんど手が打たれていなかった。従ってこの第五条の中でも、当初は
建設大臣
の指定でありますとか、
認定
ということを考えておりませんでしたけれ
ども
、そういう
他省
に先を越されたという
状況
の中で、あわてて
建設省
が、どろなわ的に、
建設省
としての
権威
を高めるための
対策
として、打ち出されたような気がするわけです。この辺にわれわれとしては
資格要件
の締めつけを行ないまして、
零細業者
なりあるいは使用人であるこれらの
技術者
にとって、従来よりは
条件
がきびしくなるというそういう事態を生じさしているのではないか、こんなふうに考えたわけであります。 次に第二章の二、
総合工事業者
及び
専門工事業者
の点についてですが、私は
総合
と
専門
に分けた
意味
、こういう
必要性
というものについてはなはだ不明確なような気がいたします。しかも
逐条説明
では、こういうふうに分けるけれ
ども
決してこれは
営業制限
を伴うものではない、こういうことを言っておりますし、またこれをやることによって「
建設業
に関する
一般
の
取引
の安全とそれぞれの分野における
施工体制
の
向上
を
期待
している」、こういうふうに言っておるわけですが、むしろこういうふうな分け方をすることによって
中小零細業者
に対しては、むしろ結果として
営業制限
ということが出てくるのではないか、こういうふうに考えるわけです。従ってむしろこういう分け方は、
改正
の
目的
に言っております
中小業者
の一そうの
発展
ということよりは、むしろ大
業者
にとってまさに
取引
の安全の確保であり、一そうの
発展
であるというところにねらいがあるのではないか、このように考えましてこういう分け方については
賛成
をしかねるわけです。なお私
ども
の
組合
の中には、いわゆる
棟梁
ともいわれ、一人
親方
ともいわれる
大工職
の
仲間たち
がいるわけですが、これは当然その
仕事
の
内容
からいきまして
建築一式工事
を行ないます。従って正しい
意味
での
総合業者
だと考えているわけですが、ここでは
専門
と
総合
とを区分けをする場合に、
技術者
の数できめているわけです。いわゆる
大工
、
棟梁
の場合にだれしもいい
業者
になりたいし、大きな
業者
になりたいという
希望
を持っているわけですが、こういう分け方でむしろ差別を受ける、そのこと自体に非常に問題がある、
冒頭
に触れましたように、やはりこれによる
営業制限
というものを招来するという事実を特に強調しておきたいと考えておるわけです。 次に第四章の二の
建設業者
の
経営
に関する
事項
の
審査
についてですが、これは名の通った大
業者
にとっては問題ないと思いますけれ
ども
、特に
中小零細業者
にとっては
業者
の格づけが行なわれるという点について、まさに命運をかけた大きな問題だと、こういうふうに考えます。従ってここでいいます「
経営規模
その他
経営
に関する
客観的事項
の
審査
」を、文字
通り
どのように客観的に行なうのか非常に慎重を要する問題でありまして、私
ども
としてはここに
規定
しているだけでは
十分理解
ができませんけれ
ども
、ぜひこれらの点については
中小零細業者
の
立場
に立ったきわめて客観的な
審査等
について、もっともっと掘り下げた討議と
決定
が行なわれるべきである、このように考えているわけです。 第四章の三の
建設業者団体
について申し上げたいと思いますが、私は今回の
改正
で一番重要なねらいを持った
改正点
は、実はこの第四章の三、
建設業者団体
の
規定
にあるのではないかと考えているわけです。そのねらいとするところは、非常に深く大きいものがあるように思います。
一つ
は最近他
産業
及び
財閥資本
の
建設業界
への
進出
は大
へん
目ざましいものがあるわけでありますが、これは勢い
建設産業
の前近代的な諸
要素
を近代的な
方向
へ変えていくという
方向
へ向かっていくわけでありますが、こうした他
産業
及び
財閥資本
の
進出
に対する
既存業界
の
防衛対策
というふうなものがこの第四章の三、
建設業者団体
の諸
規定
の中にねらいとして含まれているのではないだろうか、このように考えられるわけです。また
既存業界
にとりまして
中小零細業者
は必ずしも
既存業界
に対して大きな
魅力
を持っているわけではないと思いますので、この
規定
を運営することによりまして
団体
としての
権威
を一そう高めまして、
中小零細業者
に対するてこ入れと
影響力
を強めるという点に大きなねらいがあるのではないだろうか、このように考えるわけです。また
職別業者
の再
編成
を行ないまして、
既存職別団体
の
統制力
や
影響力
を——特に
職別団体
に対して
零細業者
はあまり大きな
期待
や関心を持っておりませんけれ
ども
、それらに対する
影響力
を大いに強化しよう、この辺のねらいもあるのではないだろうか、このように考えるわけであります。また特にそうした
業界
と
建設省
、
県当局
との関連にまた一そうのねらいがあるように思いますが、それはやはり
届出
、
報告
、
指示
、こうしたことによります
建設省
及び
県当局
の
官僚統制
の強化が一そう強まるのではないか。今までも
関係者
から
建設省
の
監督
、
取り締まり
の点についていろいろと
意見
のあるところですが、今回のこの
規定
によってさらに
建設省当局
の
監督
、
取り締まり
の
動き
というものが強まるという結果を招来するのではないか、この点を大
へん懸念
をしているわけであります。さらにまたこういう
業者団体
に対して
届出
をさせ、
報告
を受け、
指導
をする、
指示
をする、そういう状態の中で、全体として
建設産業
の再
編成
あるいは
系列化
というものも招来してくるのではないか。また漸次
組織化
されようとしております
建設労働者
の
組織化
に対する
対策
な
ども
、これらを通じて強化されるのではないか、というふうなことを考えているわけであります。 そこで私は、とにかく今回の
改正
の
目的
の中で、特に
中小建設業者
の一そう健全な
発達
をはかるという点を
中心
にしておりますけれ
ども
、私はこの
改正
で果して
中小建設業者
の一そう健全な
発達
ができるかどうか、こういう点については非常に大きな疑問を持っているわけであります。今
中小零細
の
業者
が一番困っている問題、頭をかかえている問題は、むしろこういうことの
改正
によって生まれてくるいろいろな
動き
よりは、むしろ
機械化
、
機動化
の問題、あるいは金融、税制上の問題、あるいは
技能者不足
の問題、あるいは
工事単価
の是正の問題、さらに
労働者
に対する
待遇等
の問題、そうしてまたごく零細な
業者
なり一人
親方
にとっては
登録基準現行
五十万円が今もって据え置かれている、そういう事実などに対してこれらが一刻も早く何らかの形で解決をされる、この点に大きな
期待
を持っているのではないかと思うわけです。
大手業者
を
中心
にしましてはかつてない
建設ブーム
でありますが、その中で
中小零細業者
は
経営
不振なり倒産というものが目立ってきております。いわゆる
建設ブーム
中の悲劇ともいわれ、豊作貧乏ともいわれているわけでして、その
原因
などについて、もっと
建設省
としては考究していくべきではないだろうか、こういう点を痛感をする次第です。 さらに、私
ども労働組合
の
立場
に立ちますと、今非常に
建設ブーム
で騒がれておりますけれ
ども
、その中でかつてない
労働者不足
が伝えられております。その
原因
は、何といっても
労働条件
が他
産業労働者
に比べて圧倒的に悪いという事実、
職場環境
もきわめて劣悪だという事実、特にその中で
労働災害
などについては、この四月だけをとりましても大
へん
大きな
災害
が発生をしております。御
承知
のように四月から、今四月でありますけれ
ども
、北海道の佐藤、大成を
中心
にして生じました約三十四名の
災害死傷者
、また
神奈川伊豆
におきます
西松組
の十一名の死亡、長野の熊谷組における七名の
死傷者
、合計大きなところだけを選びましても五十二名という
仲間たち
が
労働災害
で死んでおります。こうした
災害
、あるいは低
賃金
の重要な
要素
になっております
一般職種賃金
の廃止、あるいは
職業訓練
の一そうの
実施
、こうしたものなどについて、もっともっと抜本的な
対策
が講じられないと、
幾ら建設工事
の適正な
施工
を確保する、
中小建設業者
の一そう健全な
発達
をはかる、こういうことをいわれましても、今触れました
労働者
の諸
条件
について、もっともっと検討をし、具体的な措置を講じない限り、
建設産業
はますます
魅力
のないものになり、
年少労働者
は一人として
建設産業
に身を投じない、こういう事実がだんだんと深刻化するのではないかということを痛感するわけです。従って私はこういう
改正
を行なうよりは、まず
中小
、特に
零細企業者
に対する抜本的な
育成対策
をはかるということが緊要であり、さらにまた
建設産業
に働く
労働者
に対する抜本的な
労働保護立法化
を早急に確立することが、この提案でいっております
建設工事
の適正な
施工
を確保し、
中小建設業者
の一そう健全な
発達
をはかる最大の問題ではなかろうか、このように考えているわけです。 従って今回の
建設業法
一部
改正
についての
意見
を結論的に申し上げれば、いろいろと
改正点
が出ておりますけれ
ども
、これらについては
賛成
をしがたい。むしろもっと抜本的に早急に取り上げるべき問題があるのではないか。それは、
一つ
は
中小
、特に
零細業者
に対する、より愛情ある
保護対策
であり、そうしてまた
建設産業
の進展と
発展
にとって、最も必要欠くべからざる
建設技能労働者
に対する
保護立法対策
の確立にあるのではないか、このようなことを痛感している次第です。 以上をもちまして、私の
意見発表
にかえさしていただきます。
稲浦鹿藏
7
○
委員長
(
稲浦鹿藏
君) ありがとうございました。 次に、
内山参考人
にお願いいたします。
内山尚三
8
○
参考人
(
内山尚三
君)
法制大学法学部
で、民法、特に
契約法
を講義し研究しております
内山尚三
でございます。私は
学識経験者
といたしまして、この
改正法案
に対して
意見
を述べたいと思います。 まず第一点の第二条に、「
土木一式工事
及び
建築一式工事
」という
言葉
が入りましたことは、
建設工事
の
定義
を明確化したという
意味
で、一歩前進であると考えます。
建設業
は、今まで述べられた
参考人
の御
意見
にもありましたように、非常に複雑でございまして
対象
がはっきりしない。そのために
建設行政
の
指導
よろしきを得ないという面がございますので、この点、
建設工事
、今まで
現行法
に
大工工事
、
左官工事
、
土工工事
というようなもの以外に、それらを組み合わせた
総合
的な
建築一式工事
、
土木一式工事
というものがあるという点をはっきりいたしましたことは、大
企業
、
中小企業
の
対策
を考える場合におきましても、
対象
がはっきりするという
意味
で、私は
一つ
の
進歩
であると考えております。ただこれによりまして、いわゆる
中小企業
の問題がますますなおざりにされるのではないかということも考えられますが、私は
建設業
における
中小企業
の問題は、ほかの
産業
と違いまして、非常に
特殊性
があるというふうに考えております。といいますのは
建設業
は
注文生産
であります。従いまして、いわゆる
買手市場
、特に
中小企業
になりますと、多くは
政府
公共
事業に負っておるわけであります。従いまして、
政府
公共
事業といういわゆる独占
企業
でありますから、その点契約
条件
というものはたえず注文主、発注者の意向に左右され、
中小企業
は契約
条件
が悪くても、その
工事
を受注しなければ
工事
がなくなってしまうということが起こりますので、悪い
条件
にあっても
仕事
をとらなければならないという状態が起こるわけであります。その点、
建設業
における
中小企業
対策
といいますのは、よほど
政府
がてこ入れいたしませんと、
条件
が、
経営
状態がたえず押されていく、現在のように
建設ブーム
といわれましても、いわゆる豊作貧乏というような声さえ聞かれます
現状
におきまして、
中小企業
対策
は特に考えるべきだと思うわけであります。 それから、この
改正
によりまして、零細
企業
が無視されるのではないかという
意見
もあると思いますが、私はやはり
建設業
におきまして一人
親方
の問題、ときには
労働者
になり、ときには事業家になる、この現在多く存在しております一人
親方
の問題は、これは別個の角度から考えなければいけないのではないか。一人
親方
は多く住宅あるいは住宅と店舗とを兼ねているような小
工事
を受注しておりますが、そういうものは
総合業者
といわゆる
専門
工事
者とまた別のカテゴリーに入るのではないかというふうに考えております。そういう点におきまして、アメリカあたりで考えられておりますハウス・ビルダーというような概念が、やはり入ってくる必要があるのではないかというふうに考えておるわけであります。 第二点の
建設業
の資格
審査
でございますが、この点、先ほど
定義
について言いましたように、
専門
業者
と
総合業者
というものを二つに分けた以上、やはりそういう
定義
が、
要件
が備えられてくるのではないかというふうに考えておるのであります。ただ、ここで問題になりますのは、先ほど言いましたように、いわゆる一人
親方
をどういうふうに取り扱っていくかということが明確化されておりませんので、この取り扱いにおきましては、いろいろ政令などにおいて慎重に考えなければいけないのではないかと思います。特に会計法の
改正
などということが関連して起こっております場合は、この格づけによりまして、いわゆる
入札
参加の死命を制せられるというようなことも起こりかねないと思いますので、これは民主的に客観的に考える必要があると思います。 次の
建設業者
の
団体
の届け出を
法制化
したことでございますが、これは
一つ
の
進歩
と思われるところは、先ほど言いましたように
建設業
の実態がなかなか把握されておらない。私たち
建設業
を
調査研究
しようという学者も
建設業
の資料が不足している、あるいは実態が把握されていないということで、非常に困却しているわけであります。その点におきまして、
政府
ができるだけ
業者団体
を育成していこう、
職別業者
などでまだ組織が十分でないところをできるだけ援助を与えて、組織させようという意図を持たれましたことはこれはわかるわけでありますが、しかしこれはやはり
官僚統制
にならないように、民間の総意といいますか、そういう自由な
動き
に対して、それを制約するというようなことがないようにすべきでないかというふうに考えておるわけであります。 次の、
中央建設業審議会
に
専門委員
をおくということでございますが、繰り返し申しますように、
建設業
はあらゆる職種が含まれております。
工事
も大
業者
で年間一千億円に達するところの
工事
を
施工
しようというようなそういう大
業者
と、一人
親方
というような非常に零細
企業
が入っておりますので、こういう
複雑多岐
にわたります
建設業
に対して、いろいろ調査あるいは
意見
を述べる
中央建設業審議会
におきましては、
専門委員
を置きまして、
専門
的に調査をすることは非常に意義あることだと思います。ただ、この
専門委員
の選定におきましても、なるべく多方面におきまして
建設業
を研究している者を
専門委員
にするというふうにいたしませんと、
建設業
に対する
対策
が一方的に傾くという憂いがあると存じます。私はかねがね
建設業
というものに対して、現在非常に
一つ
の転換期に立っておるというふうに考えておるわけであります。そういう前提において
建設業
を考えませんと、いろいろな矛盾が起こってくる。かいつまんで申しますと、今まで
建設業
というものに対しては、発注者は
仕事
を出してやればそれでいい、
仕事
を多く出せばそれで問題はないというふうに考えておりまして、また請負人の方、
建設業者
はただ
仕事
をとればいい、
仕事
をとってしまいさえすればいい、そうして
仕事
をとったらば下請をたたいていけばいい、下請は世話役をたたいていけばいい、世話役は労務者をたたいていけばいいという、そういう観念で
建設業
を考えていたと思いますが、とれが現在の労務者の不足の問題、非常に
労働条件
が悪いために労務者が集まらないという問題、あるいは
入札
の不調の問題というような、非常に心配すべき現象が起こっているわけであります。そういう点におきまして、発注者も受注者も、あるいは
労働者
も、
建設業
に対する考え方をこの際転換する必要があるのではないかと考えております。 そういう前提を置きまして、今回の
改正案
を考えますと、いろいろ不十分なところがあると思いますが、
一つ
のやはり前進であるというふうに考えまして、賛意を表したいと思います。
稲浦鹿藏
9
○
委員長
(
稲浦鹿藏
君) ありがとうございました。 以上によりまして、
参考人
の方からの
意見
聴取が一応終了しました。これから質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言を願います。
田中一
10
○
田中
一君
大林
さんに伺いますが、今の
全国建設業協会
の構成
委員
は何人くらいですか。そうしてその中には、個人として入っておる者がどのくらい、それから
団体
として入っておる者がどのくらいというのは、どういうふうになっておりますか。
大林芳郎
11
○
参考人
(
大林芳郎
君) 御
承知
と思いますが、
全国建設業協会
は連合体でございまして、会員は地方の
建設業
協会になっておるわけでございますから、全部で四十六でございますか、になっておるわけでございますが、その地方協会の傘下の会員は、それぞれ個人
業者
もしくは法人
業者
でございまするから、それを全部合計いたしますと現在一万八千二百名あまりになっております。ちょっと個人
経営
と法人
業者
との数の分類は、まだ今集計しておりますので、正確によくつかんでおりません。
田中一
12
○
田中
一君 今あなたは、
全国建設業協会
の代表としての
意見
というふうに言われましたから伺うのですが、そうすると、その中には、たとえばそこに
出席
されている
大畠
君のような方も入っておりますか。
大畠茂
13
○
参考人
(
大畠茂
君) 入っておりません。
田中一
14
○
田中
一君
全国建設業協会
は社団法人ですか。
大林芳郎
15
○
参考人
(
大林芳郎
君) 社団法人でございます。
田中一
16
○
田中
一君 そうすると、
全国建設業協会
というのは、各
都道府県
四十六の
知事
が許可をしている社団法人ですね。いわゆる
団体
をもって構成されている連合会、こういう理解でいいんですか。
大林芳郎
17
○
参考人
(
大林芳郎
君) 各地方の会員であります地方協会が、全部社団法人じゃございません。ちょっと正確に覚えておりませんが、半数以上社団法人でございまして、数をよく覚えておりませんが、二十数協会は社団法人でございまして、十数協会は社団法人でない、いわゆる自主的な任意
団体
でございますね、それから一協会だけ財団法人がございます。
田中一
18
○
田中
一君 そうすると、そういう地方
団体
が四十六集まっているのが、
全国建設業協会
でございますか。
大林芳郎
19
○
参考人
(
大林芳郎
君) 連合会でございます。
田中一
20
○
田中
一君 その中には個人で入っているものはございませんか、個人
経営
もあれば法人
経営
もあるでしょうけれ
ども
。
大林芳郎
21
○
参考人
(
大林芳郎
君) それは特別会員という制度がございまして、現在六十社ほど特別会員になっておりますが、これは
全国建設業協会
の会の運用上、主として経済的な面から、いわゆる賛助会員というような性格を持ったものでございまして、あまり権利の方はないのでございます。会費を納める義務の方だけが主としてございまして、議決権などは持っていないものでございますので、正式の会員じゃないわけです。そういうものはございます。それから正会員は、全部、各県
一つ
ずつの地方の協会が正会員でございます。
田中一
22
○
田中
一君 その特別会員はどのくらいあるのですか。
大林芳郎
23
○
参考人
(
大林芳郎
君) 六十社です。
田中一
24
○
田中
一君 その六十社というのは、大体大
業者
だけですか。
大林芳郎
25
○
参考人
(
大林芳郎
君) 大体御
承知
の
通り
能力審査
格づけによりまして、上の方から大体拾っておるわけですから、大と中堅クラスといっていいんじゃないかと思います。
田中一
26
○
田中
一君 まあ大体六十社くらいが、日本の建設事業を
施工
している。まあ八割以上は——八割まではいかぬかな、半分くらいは
施工
しておるのだと思いますがね、そこで、そういう特別会員の方々の
意見
も含めたきょうの御発言でしょうか。
大林芳郎
27
○
参考人
(
大林芳郎
君) 実は
全国建設業協会
の役員の中には、地方の協
会長
もおられますし、それから一
業者
の代表者も理事者として入っておられまするので、私
ども
協会の
意見
をきめますときは理事会で
決定
をいたしまして、それでもって協会の
意見
として
関係
方面に発表をいたしましたり、折衝したりするわけでございますから、まあ地方の協
会長
と、それから比較的
規模
の大きい
業者
の代表者の方々と、その両者から選出されておる理事で構成されておる理事会のまとまった
意見
と、こういうふうにお考え願えたらけっこうかと思います。
田中一
28
○
田中
一君 特別会員六十社は、議決権もなければ発言権もないと……、ただその四十六の
団体
が、すべての議決機関だというお話を伺いましたが、理事者の中に特別会員の何人かが入っておるということになると、議決権以前の問題であって、
指導
権を持つということになると、それはちょっと問題が違うのじゃないかと思うのですがね。
大林芳郎
29
○
参考人
(
大林芳郎
君) 総会の議決権は、地方の協会の
会長
ということになるわけでございますが、理事会は、先ほど申しましたように協
会長
だけじゃございません。で、大体重大な問題は総会で議決をいたしますが、日常の
仕事
は理事会が執行して参りますから、定款にきめられております問題につきましては、理事会といえ
ども
、総会で議決をされなければ、否決されることがございますから……。
田中一
30
○
田中
一君
全国建設業協会
の性格は大体わかったような気がするのですけれ
ども
、そこでこれはむろん強制加入
団体
じゃないわけですから、今、同じように
参考人
として
出席
しておる
大畠茂
君のように、入っておらぬ、入っておらぬということは、東京
建設業
協会、これにも入っておらぬのですか。
大畠茂
31
○
参考人
(
大畠茂
君) 入っておりません。
田中一
32
○
田中
一君 大体七万名といわれている
登録
業者
のうち、一万八千名だけが
全国建設業協会
に加入しているものとなりますと、いわゆる一万八千名をもって構成している、そのうち主として格づけすれば、一位から六十位までの者が当然入り、それ以外の地方の四十六
団体
が加入しておるところの一万八千名の
意見
であるということでいいのですね。
大林芳郎
33
○
参考人
(
大林芳郎
君) その六十名と申しますのは、全部地方の協会には入っておるわけです。協会員になっておるわけでございますから、包含はされております。
田中一
34
○
田中
一君
政府
は、三年ほど前に
労働省
が
職業訓練法
という
法律
を制定したことに対して、閣議ではむろんそれは、当時の
建設大臣
が了承して提案をされた
法律案
であったわけです。ところが事務当局では、そのときに私が聞いてみると、
内容
も知らないのです。通ってしまって初めて、ああそういう
内容
の
法律
があったのかということを聞いたことがあるわけなんです。今お話の中でも相当あったように、これは
唐澤
君からも
技能
者養成の問題がありましたけれ
ども
、一番大事だということを言っておりましたが、こうして一応、きょう出ておりますところのこれらの
問題点
というものは、
全国建設業協会
が長い間
実施
を推進してきたものであるというお話でございますけれ
ども
、これだけではまだ、あなた方が受けておりますところの
仕事
というものが完全に消化できないのじゃないですか。また円滑な運営はできないのじゃないですか。それでもしほかに要望されておったことがあるならば、それを一、二あげていただきたいと思うのです。なければないでけっこうです。
大林芳郎
35
○
参考人
(
大林芳郎
君)
業法
の
改正
につきましては、
全国建設業協会
としましては、
登録制度
の強化というような問題につきまして、今度提出されております法案とは多少違いました
意見
、要望を出しておったわけでございますが、これは
中央建設業審議会
におきまして私
ども
発言は十分いたしました結果、大体まとまりましたものが今度の法案の形で現われてきているように私
ども
は了承しておりまするので、私
ども
の要望が全部は盛り込まれてはおりませんけれ
ども
、大体要望に近いものになってきておる。
中央審議会
で私
ども
も最終的には了解をいたしました問題でございますので、この法案につきましては私
ども
としては
賛成
をいたしておるわけでございますが、
田中
先生がおっしゃいますように、
建設業法
以外の問題と申しますか、現在の
工事
を消化して参りまするのに、先ほど他の
参考人
の方からも御発言がありましたように、不足しておりまする
技能
労務者の問題であるとか、あるいは
機械化
の問題であるとか、また
中小建設業者
の育成の問題であるとか、そういう問題につきましてはいろいろと
全国建設業協会
としましても、このために解決に努力をしておるわけでございますので、それはまた別に
労働省
なり
建設省
なりにだんだんと要望を申し上げておるわけでございます。
田中一
36
○
田中
一君
登録
制の強化ということは、
条件
をきびしくして、これ以上の
業者
を作らせまいという考え方にたつところの
登録
制の強化なのか、現在の
業者
の中に非常に悪質の
業者
が多い、従ってこれらを、よい芽を育てる
意味
において悪い芽を——これはたしか公開
登録
があったはずじゃなかったかな——あったな。公開
登録
の場合にはこれは
審査
をして振り落とすというような考え方に立っているのか、これはむろん
団体
の問題じゃございません、
業者
としての資格の問題であります。
登録
の強化というところの狙いはどこにありますか。
大林芳郎
37
○
参考人
(
大林芳郎
君)
全国建設業協会
としましては、最近
工事
の量が非常にふえてきておりまするし、だんだんと発注者から要求されます
技術
の
程度
も高くなってきておりますので、私
ども業者
が携わりまする
仕事
は、すべて国民の貴重な財産で、そういうものは建設という形で作り上げていくわけでございますから、そこにもしも不十分な
工事
をすれば非常に国民に迷惑をかげるわけであります。また
公共
工事
も全体の
工事量
の中で相当部分を占めておりますから、まあそういう
意味
で私
ども
総合工事業者
としましては、一定の質を十分に高めた
仕事
をしなければならないという観点から、そういう責務を果たすためにある資格が必要じゃないかという観点から、従来の
建設業法
の
資格要件
では、
総合工事業者
としてはあまりにもそういう責務を果たすのにゆるすぎる、という観点からその資格強化を要望したわけでございます。
田中一
38
○
田中
一君 大白田
参考人
は土木と建築と、どっちをやっておりますか。
大畠茂
39
○
参考人
(
大畠茂
君) 主として建築でございます。
田中一
40
○
田中
一君 土木もできるのですか。
大畠茂
41
○
参考人
(
大畠茂
君) 土木はおもに、くい打ち
工事
、俗に打ちもの
工事
と申しまするが、シート・パイル、くい打ち
工事
とか、打ちものを主としてやっておりまして、橋梁、隧道、道路舗装、これは簡易舗装までやりますが、大がかりな道路舗装というものはやっておりません。
田中一
42
○
田中
一君 それはやっぱり土木
工事
なんでしょうね。
大畠茂
43
○
参考人
(
大畠茂
君) 建築の場合もございます。それから土木の場合もございます。
田中一
44
○
田中
一君 そうするとあなた
総合業者
ですか。
大畠茂
45
○
参考人
(
大畠茂
君) さようでございます。
田中一
46
○
田中
一君 そしてあなたの御
意見
はなぐ、
大林
参考人
の
意見
通り
でございますと、
賛成
でございますと、こういう御
意見
を述べられましたね。
大畠茂
47
○
参考人
(
大畠茂
君) はい。
田中一
48
○
田中
一君 そこで申し上げたいのですが、今、
大林
参考人
のお答えを聞くと、
総合
工事
を行なうためには今のような制度じゃ足りない。いわゆる
登録
の強化ということは、そういうものを、今
総合
工事
、相当高度の
技術
を要するもの、それから
規模
の大きいものに対する
立場
の
業者
と、今
大林
さんの場合には、
業者
だけは、どうしてもだれでもかれでもできないような、できるようなことでは危険があるからできないような強化策をとってくれ、というところから出発したというふうに伺えたのですが、それで将来やっぱりあなたは
大林
組のような大きな
業者
になろうという気持を持っていらっしゃるのでしょうね。
大畠茂
49
○
参考人
(
大畠茂
君)
業者
の通例といたしましては、これは一代では年間五億の
業者
が年間五百億以上のものにはなれないというので、二代、三代とたっていくうちには大きくなるものもありましょうし、消えてなくなるものもありましょう。この法案が、
業法
がそのまま現在の形態で孫子の時代まで二代も三代も続いていくとは思っておりませんので、
現行
の法案としては私はけっこうだと思っております。
田中一
50
○
田中
一君 伺っているのは、あなただってあなたの坊ちゃんなりお孫さんなりが、将来
大林
以上の大きな
仕事
ができるような力を持つ
業者
になる、またならなければならないという意欲には燃えていらっしゃるわけですね。
大畠茂
51
○
参考人
(
大畠茂
君) それは一応持ってはおりますが、なかなか困難なことでございまして、
業法
が変わっていけばよろしいのですから現今では……。
田中一
52
○
田中
一君 今、年間五億
施工
しているとおっしゃっているけれ
ども
、六億、七億、八億、十億、十五億、二十億というその機会があって自分も信頼され、そしてあなたの背後にあるところの金融機関なり何なりが相当な資金的なてこ入れをしてくれれば、人間を集め二十億、三十億の
仕事
ができるというような自信は現在のところではお持ちがないのですか。
大畠茂
53
○
参考人
(
大畠茂
君) 何年か先にはそうなると自信を持っております、たとえば五年
程度
三年
程度
で。
田中一
54
○
田中
一君 そういう
方向
に向かってお
仕事
の方は努力なすっているということなんでしょうね。
大畠茂
55
○
参考人
(
大畠茂
君) はい。
田中一
56
○
田中
一君 これは
内山
先生に伺いますが、私はこれは私の
意見
をちょっと言いますが、
登録
の強化ということは、今まで
全国建設業協会
から要望しておったものということの
内容
は今伺ってはっきりわかりましたけれ
ども
、そこでその意図が十分ではないけれ
ども
盛り込んであるからよろしいという御
意見
でした。そこでそうしますと、結局問題になるのは、
業者
の
経営規模
その他の
経営
に関する
客観的事項
の
審査
ということが重要な問題になってくる。私はこの今の言った
目的
が何かと申しますと、やはりその
業者
の格付けが行なわれるのだというふうに理解をしているわけなんです。また
経営
の
規模
、これはむろん
経営
の
規模
の中にはたくさんの
仕事
をするのだから優秀な
技術
が要るということにはなるでしょう。それはわかります。しかしながら現在の
建設業
の実体というものは、
技能
者ですね、
専門
のここにある二十幾つかの職種別
技能
者というものを完全に自分で持っておらぬのは、今日の
実情
だろうと思う。ここに貫いているのが、
経営
の
規模
その他
経営
に関する
客観的事項
ということであって、一体、ほんとうに
仕事
をする各職の
技能
者を持っているか持ってないか。——なるほど一土木
工事
に対しては一土木
技術
がむろんこれには参画
条件
として入らなければならぬ、一建築
工事
には一建築
技術者
が入らなきゃならぬことはわかっておりますが、これを実際において
施工
する、消化するところの
技能
者、いわゆる
唐澤参考人
が言ってる
建設労働者
というものを心須
条件
として持たなければできないはずなんです。これはまあまあ労働
基準
法その他によってなるほど直用という形をとっておる、一
工事
ごとにですね。とっておりますけれ
ども
実体はそうではない。従って、一万八千名……、全建に加入しておる方々は、大体においていわゆる元請
業者
であって、必ずそこには各職でなくて、各職の上に位する、というのは、
内山
先生がさっき言ったように上に位する位するというか、上に位置するところの下請
業者
がおって、これらがその取りまとめをやり、また、
建設労働者
を掌握しているんだという認識の上に立ちますと、
唐澤参考人
が言っているような、
建設労働者
に対する影響というものは非常に大きなものがくるんではないかというように考えられる。で、まあ肩をたたいて第一段階の下請、それからまた各職の
親方
、次々々と肩をたたいて受注によるところの事業の消化ということを考えられますと、やはりここに
登録
の強化だけではこれの考え方というものは結局、
経営規模
というものが重点に置かれているところの審議会の
審査
だということになってくるんじゃないかと思うんですが、その点はどういう工合にお考えですか。
内山尚三
57
○
参考人
(
内山尚三
君) 私は、
経営
の
規模
ですね、
資本金
が幾らとか、それから社員が幾らか、機械の保有量が幾らかというようなことだけで格づけをいたしますのは、それは私は間違っていると。といいますのは、これはまあ
中小企業
対策
の問題になるとも思いますが、たとえば道路だけをやりまして、道路に関しては日本一だと、あるいはビル建築に関してはだれが見ても日本一の
技術
も
経験
もいろいろな点において持っているという、そういうものはやはり評価をしなければいけないんじゃないか。これを機械的に
資本金
幾らとか、機械保有幾らというようなことにいたしますと、とにかく大きければ大きいほどいいというようなことになると思います。それで、いわゆる
経営
の
規模
その他
経営
に関する
客観的事項
の
審査
を行なうという場合、そういういわゆる特殊
技能
といいますか、そういうものはやはり大いに評価して
審査
をしなきゃいけないというふうに考えておるわけであります。
田中一
58
○
田中
一君 これはまあ日本の
建設産業
の
近代化
に伴うギャップですね。その
近代化
に伴うための
一つ
のジャンプした問のギャップなんですね。これは今、
全国建設労働組
合総
連合書記長
の唐津
平治
君なぞがやっているところの連合会、これらがはっきりとした労務供給権というもの、あるいは
労働者
が全部ここに集まっておって、
総合業者
がそこに労働力の供給を求めるならば、これは非常に
合理化
されたということになります。しかしながら、やはり伝統的な今までの旧習で下請制度というものがあって、下請もやはりおそらく
全国建設業協会
の会員であろうと思うんですよ。会員である者もいると思うんです。それから地方の
建設業
協会あるいは地方の
団体
の会員であるかもわからぬと思う。そういう点で
近代化
への道を歩いているのですけれ
ども
、まだそこにどうしても乗り越えられないものがあると、私は見ている。そこで今回の
法律
改正
の主眼であるところの、いわゆる格づけであろうと想像されるところの
中央審議会
の
経営
の
規模
その他
経営
に関する
客観的事項
の
審査
ということになりますと、これは資本と
経営
のよささえ持てば、あるいは
大林
、清水組はうんと言わないだろうが、六十社以外を下請にしたって
仕事
はできるわけです。一位から六十位までの六十社はなかなかうんと言わないが、百五十位くらいは喜んでくるのではないかと思います、
仕事
がない場合には。これらはもう
政府
として明確にしていいのではないかと思う。私は場合によっては、統制という
言葉
は、戦時中にはずいぶん建設の統制なんかやっておりましたけれ
ども
、協会が、「
公共性
のある施設又は
工作物
に関する建設」という
言葉
をうたっているならば、これは何も会計法がありますけれ
ども
、会計法の
規定
にのっとって協会が
仕事
を受けても一向差しつかえないと思う。協会という元請があって、下請が
大林
、清水、大成であるということは一向差しつかえない、実態から言えば。そこのところが非常に不明確になっております。
大林
さんなら
大林
さんの下請を清水がしてはならぬということはない。また元請としての
大林
さんが
団体
としての一括契約をする。協会もこれは元請として見られないことはない。
登録
してやるならば、
総合
して各府県の優秀な
業者
が全部集まればできるわけです。そこで今度の審議会の
経営
に関するところの問題だけを取り上げられたことに対しては、非常に心配しているのです。下請制度というものがますます助長される危険を多分に感ずるわけです。なぜならば人を持たなくても、機械を持たなくても、資本さえあれば
仕事
はできる。
唐澤参考人
が言っているように、独占資本的な他
産業
から
建設業界
になだれ込んでいる
実情
をよく知っているから、それはそれだけの
仕事
があるからくるのだろうと思いますが、資本によってのみこれらの
経営
の
規模
その他
経営
に関する
客観的事項
というものが伸びるという危険を感ずるわけです。今言う
通り
清水でも
大林
でも下請になり得るのだ、あるいは
協力
してやるような態勢になり得ることになると、そういう危険を感じます。これは
大林
さんどうお考えになりますか、外国の会社と今までずいぶんやっておりましたね。
大林芳郎
59
○
参考人
(
大林芳郎
君) 今、
田中
先生からこの
経営
の
規模
その他、
経営
に関することの
審査
という問題についてのお尋ねでございますが、私
ども
も一番心配し憂慮しておりますのは、客観的
要素
の
審査
の
基準
のとり方でございますね。これが、
業者
のほんとうの
能力
というものが適正に現われる
基準
をきめていただかないと、ただ
経営
の
規模
だけ——先ほどお話の、ほとんど
技術者
を持っていない商事会社のような方が、今日
建設業者
の
登録
をだいぶお持ちになっております。これは最小限の資格は持って提出されますから、当然
建設業者
としては
登録
されるわけなんですが、
経営
の
規模
の大きさだけではございませんで、やはり
技術
の
能力
であるとか、機械の数であるとか、その他
経験
と申しますか、そういうものも実際にはよく勘案されて、
建設業者
の
能力
というものを評価していただかないといけない。従いまして、この
建設業法
の場合には、客観的
要素
だけを一応ひっぱり出して、それで
一つ
のものを作るのだと、あとは発注者がその他の
要素
は考えなさいと、こういうことだろうと私は思うのでございます。従いまして、もちろん、客観的な
要素
のつかみ方もどういう
項目
をとるか、そうしてその
審査
をするときに正確な
審査
もしていただかなくちゃなりませんし、今度発注者がそれを参考にして、いよいよ格づけをされるときには、先ほど私申しました客観的
要素
だけではなく、いわゆる主観的な
要素
、
経営
者がどの
程度
経験
を持っているかというようなことも、十分考えた上で格づけをしていただかないと、私は、業態は小さくても、ある職種については非常に
経験
を持っておられる
業者
も多数あると思うのです。そういう方はその種の
工事
については非常に
専門
家であるという場合に、もしそういうことが十分勘案されて格づけされませんと、非常に不公平なことになる心配があるというふうに考えまするので、先ほどちょっと申し上げたわけでございます。
田中一
60
○
田中
一君 国際
入札
は主として丸紅とか大丸とか飯田とかいうような貿易会社がおそらくとっているのだろうと思いますが、こういう人たちが国際
入札
に参加し、そうしてこれは清水でも
大林
でも、おそらく場合によればその下請として全国的にやるだろうと思うのです。これは今までも例がございますから。そうなると、一体
建設業
というものは、どこに何を求めようとしているのかわからなくなってくるわけですね。それから今お話のように機械を保有している、人を持っているといっても、
大林
さんのように年間五百億の
仕事
をすれば、そうすれば現在五百億の消化
能力
は
技術者
、機械等で持っているけれ
ども
、五百十億になった場合は、十億だけは不足になるのだということになるわけですね。その不足になった十億というものをどこに求めるか。これはおそらく、五百億をこえる十億というものを消化するのは易々たるものだと思うのです、
大林
さんの力をもってやれば。自分のところの職員は使わなくても臨時にしてもよろしいし、下請にまかしてもよろしい、
技術者
を兼務させてもよろしいということでいくのだろうと思うのですね。常に、工場生産でなくて、先ほどお話があったように
注文生産
ですから、それだけの注文がない場合には、機械も遊ばせなければならぬ、人間も遊ばせなければならぬことになりますから、どうしても
経営
の安全率をみる場合には、下請制度というものを採用するのは当然だろうと思うのです、発注者が計画発注をしない限り。
大林
さんなら
大林
さん、あるいは清水さんなら清水さんの
能力
をちゃんと知って、これだけの全国の
建設業者
の実力と機械の配置、人員の保有等を勘案してやる、材料その他の生産と見合いながら計画発注をする場合には、これはある限界でよろしいけれ
ども
、一方においては、最近の顕著な例としては、
唐澤参考人
も言っているように
中小業者
は続々倒産する。いわゆる背伸びをして
総合業者
であるような顔つきをしている
業者
はつぶれていくのです。なぜかというと金融です。注文は五億、十億と受けながら続々つぶれていくという実態を見ております。これは金融です。
仕事
があるからどうしても背伸びをする。それで、自分の消化
能力
はあるけれ
ども
資金的には裏づけがない。注文をとる、しかし無理があるためにつぶれていく例をたくさん見ておりますけれ
ども
、私はこの辺で、ただ単にこうした
経営
の
規模
だけを考えられて格づけをされる点については、
全国建設業協会
の一万八千人の方々も、あるいは
大畠
さんのようにそういう
団体
に加入しない方々も、もう一歩慎重に、今
大林
さんの御発言があったように、
政府
側の方でこのような表現でもってこの
法律
を審議してくれということになりますと、非常な危険を感ずるわけなんです。そうして、おそらく、
責任
の分散といいますか、下請片々ということになって、なるほど一工程下請にする場合には、元請、下請、これはむろん事業税は、同じような金額の中から、四段階でいけば四段階の事業税を
政府
はとるのだから、
政府
としては下請制度というものについてはほくそえんでいるかもしれない。
大林
さんなんかが五十億で受けたものを五人に分散下請をした場合にも、事業税の
対象
になります。
大林
さんが全部消化して下請に出さないというのだったら、その場合には事業税は
大林
さん一軒で済みます。そこに非常に、
建設業
がほんとうの姿でもって将来伸びるためにも、いろいろな矛盾があると思うのです。ほくそえんでいるのはやはり国だと思うのです。税金がよけいとれる。そういう点で、
政府
はどういう考えをもってこの政令で
基準
をきめようとするのか。私は危険が多分に含まれておるのではないかと思うのです。これは
内山
先生どうお考えになりますか。
内山尚三
61
○
参考人
(
内山尚三
君) 私はやはり、発注者と元請ですね、
総合業者
との契約を近代的にして、そうして、先ほど言いましたように、ただ
仕事
を出せばよい、一方では
仕事
をとにかくとればよいという考え方を捨てて、やはり契約を
近代化
し
合理化
して、そうして元請が合理的な
経営
ができるようにすべきだと思う。それからさらに元請と下請といいますか、
総合業者
と
専門
業者
との間の封建的な
関係
を
近代化
して、契約な
ども
平等なものにしていかない限りは矛盾はどんどん下へ転嫁されていく。そうして末端の労務者に一番しわ寄せが来て
労働条件
は悪くなる。従って、労務者の不足の問題な
ども
起こってくる。そういうふうに考えますので、やはり元請と下請——先ほどおっしゃいましたように、
建設業
が
注文生産
である以上、これはやはり
専門
業者
というものに当然
工事
者というものは分かれてくると思います。ただ、
専門
業者
は、たとえば
一つ
の
企業
として成り立つものと、あるいはトビとか土工あたりになりますと、むしろ
企業
というよりも、今の企
業者
というものがフォーマンのような形になりまして、そうして
一つ
のレーバー・ユニオンのような形に入っていきますと、だんだん
建設業
が
近代化
していくのではないかというふうに考えておるわけです。現在においてはそれがまだ未分化でありますからいろいろ問題が起こると思いますけれ
ども
、大体そういう
方向
に進んで、元請と下請との契約を
近代化
していきますと、そういうふうになっていくんじゃないかというふうに考えております。
田中一
62
○
田中
一君 これはもう一ぺん
大林
さんに伺いますが、大丸とか飯田、丸紅とか国際
入札
あるいは国内
入札
は、GHQじゃない、今の駐留軍の
仕事
なんかに参加しています。そういう場合に、それらをも、これは
登録
を受けている以上は——これは何も持たない最小限度の
条件
だけを持っているに過ぎない、
登録
を受ける場合にですね。確かに資本だけは多いでしょう。そういろ
業者
などはここに仲間に入れないようにしてほしい、という気持はむろんあるんでしょうね。
大林芳郎
63
○
参考人
(
大林芳郎
君) 国内の
工事
につきましては、これは
登録
業者
としてそういう方々が
登録
をおとりになれば、やはりこれは
建設業者
でございますから、われわれとし便しては、
仕事
の方ではまあ競争者といいますか、これはフェアに競争してお互いに
建設業界
のために尽くしていくということなんでございますが、海外
工事
の場合は、実は私
ども
古くから
建設工事
だけで
仕事
をしております
業者
としましては、戦前は外地にも出て行ったことがございます。しかしこれは、どちらかと言いますと日本の軍の
仕事
を主としてやっておったものですから、そういうある保護のもとにやっておったと思うのです。戦後はそういう事情が一ぺんいたしまして、自分の力で出ていかなければならぬ。戦前実はほんとうの自分の力だけで、私
ども
古くから
建設工事
だけでやっている
業者
が長らく海外に出ておったということはないのでありまして、これは戦後初めてといってもいいのです。しかし今後世界情勢、特に中近東、東南アジア
関係
方面を見ますとほとんど後進国でございますし、しかもそれらの国は欧米よりも日本のような国の力を借りて経済的にも伸びていきたい、そういう強い
希望
を持っております。これは私昨年なり数年前からたびたび海外に参りまして、そういう人たちと会いましてそういう気持が非常に今みなぎっておるのをみるのであります。私
ども
としましてもできるだけそういう方面には友好的に
協力
をして、そういう方面の
発展
にも
協力
することが、いろいろな
意味
で、これはいわば
一つ
の形を変えた輸出
産業
として日本では考えまして——まあこれは輸出
産業
として国際的に見れば大きなことでございます。国際平和のためにもなることですから、心がけてはおるのでございますが、何と言いましても、海外でわれわれが
仕事
をするということは、物を日本で作ってあちらに持っていくのと違いまして、現地で
仕事
をしなければならぬ。そこで
言葉
の問題とかその他、私
ども
ほんとうに
技能
労働者
全部を連れて向こうでやるということはいろいろな
意味
でむずかしいのでございます。どうしても
労働者
は現地の
労働者
を使う。それから資材も物によっては現地の物を調達しなければならぬといろことになりますと、残念ながらまだ私
ども建設業者
はそれだけの十分な
経験
を海外で持っておりませんので、勢い最近までは、現在でもそうでございますが、やはり長年
経験
を持っておられる主として貿易商社の力を借りつつ、主として国際
入札
、あるいは現在まではほとんど賠償
工事
でございますが、そろいう方面に
協力
をしておるわけなんです。現在のところは、海外
工事
についてはどうしてもある
程度
現地に長年
経験
を持っておられる商社の方と相提携して、だんだんと海外
工事
の
進出
をはかっていく。しかし行く行くは私
ども
何人か人を送りまして、現地で相当修練すれば、私
ども
の自力で海外で
工事
をするようなこともできるようになるのじゃないかと思いますので、私は
建設業者
として正常な
登録
をなさってやられる限りは、別にそれを排除するとかいうような気持は毛頭持っておりません。また十分国内ではそういう方と一緒にやっていって、その方々も適正な
施工
をなされるのであれば、日本の
建設業界
のためにもなることでございますから、やはり相ともに携えていかなくちゃならぬと思います。
田中一
64
○
田中
一君 私が言っているのは、あなたの御答弁で尽きますが、国内でも同じことなんです。下請といろ制度でもってやっている場合に、貿易商社は貿易商社としての
立場
でもってやればいいので、元請になる必要もありません。それらのものが、やはりころして
経営規模
、その他の
経営
に関する客観的視野によって
対象
になり、それが上位に少なくともたくさんの機会を与えられるというところにランクきれることは、非常に危険を感ずるということになるわけです。
大林芳郎
65
○
参考人
(
大林芳郎
君) 私
ども
今までの
経験
では、そういう商社の方の方がプラント一式を請け負われまして、そのうち
土木建築
関係
の
仕事
を、商社の方から契約をしてやったことはございますけれ
ども
、そういう商社の方が建築
工事
、土木
工事
だけをおとりになって、それをまるまる私
ども
が契約してやったという例はございませんし、今後も私
ども
はそういう気持は
一つ
もございません。
田中一
66
○
田中
一君 これは
政府
もそこにいるから念を押しておきたいと思うのだけれ
ども
、
基準
の草案でもできておりますかね、鬼丸官房長。
鬼丸勝之
67
○
政府委員
(鬼丸勝之君)
基準
の草案につきましては、なお検討中でございますが、一応とりまとめたものを持っております。
田中一
68
○
田中
一君 これは
唐澤参考人
に伺いますが、あなた一体今日の下請制度というものは、伝統的に慣習となっている現在の実態と、建設
技能
者を抱いているところの労働
組合
を見た場合には、どういうあり方がいいと思いますか。
唐澤平治
69
○
参考人
(
唐澤平治
君)
内山
先生のお話もありましたけれ
ども
、非常に他
産業
に比べて特殊な
内容
を持っている
建設産業
の中で、特に元請、下請の
関係
というのは、私
ども
としては一刻も早くこれは解消すべき問題である。やはり元請、下請の
関係
は常に危険負担を下へ下へと移していく、最終的に
労働者
の
労働条件
なり、その他の問題にしわ寄せされてくるという問題は、一日も早くそういう状態については解決をしていかないといけないのではないか。むしろ資本と労働との
関係
では、たとえばアメリカに見られるような、労働
組合
が
中心
になる労働供給事業による労使
関係
というものを確立していくということを、日本でもいろいろな角度から検討して実現させるということに、
関係者
全体が最大の努力を払っていただく必要があるのじゃないだろうか、こう考えているわけです。
田中一
70
○
田中
一君 どうも
建設省
は、自分の方は行政的に
業者
その他の建設に
関係
するものだけを自分の分担された行政にとって、発注という
仕事
は、これは行政面と全然違った形で
建設省
は出しているわけです。これは何ら直接
関係
がないから、そこで今、言うような
言葉
の上の行政的措置というものを考えておるけれ
ども
、実態論としては考えられないということなんですが、同じ所管が労働問題なら
労働省
の所管であって、それをどうすることもできないということなんですがね。私は
建設業法
の今度の
改正
に伴って相当そうした
職業訓練
の問題、
技能
者訓練の問題とか、あるいはそうした実際の
施工
に関する制度の問題ということにまで、やはり
一つ
の芽を出すことが私は必要であろうと思うのです。とにかくまあ所得倍増計画で本年度予算から出発するこの予算の分配が、
公共
事業だけを取り上げても十六兆三千億というのが十カ年間の計画の
規模
です。これが民間の
工事
がそれくらいあるとするならば、少なくとも三十何兆というものを十カ年で行なおうとすることにならざるを得ないわけです、これに伴う民間設備投資ということが並行して行なわれますならば。これらの
建設行政
、いわゆる建設
施工
の面から見て
建設省
はどう考えているか。おそらくそういう
施工
能力
はないのではないかと思うのです。そうして一面、
機械化
で行くということを言っておりますが、日本で
機械化
云々と言ったところで、大型機械というものは振り回すだけの広さを持たないのが多いのです。同時にまたその機械を運搬するにしたって道路の幅もそれに耐えるようなものを持っておりません。大型機械が困難だからといって分解して一々持って行ったんじゃとてもそれは能率的になるものじゃないのです。そう考えた場合には、一体
建設業者
に、うんといろんなものが肩へかかってくる。
建設業者
にかかってくればその下請
業者
にもかかってくる。先ほど
内山
先生が言った
通り
、末端の
労働者
に結局そのしわがきて、しょせんその下請制度がある限り
労働者
は低
賃金
です、決して高
賃金
にならないのですよ。契約権というものはすべて元請が持っておるわけですから。こういう点でもう少し、その私は
建設業法
をここで
改正
するならば、これから、三十六年度から行なわれるところの所得倍増計画というものを実際やるならば、これに対するところのあらゆる面の実態に即するところの
対策
というものは考えられなければならぬと思う。それにはただ単に
登録
の強化だけではならぬと思う。そうしてまたこの
団体
に対するととろの
助言
とか、
勧告
、
指導
等のことがこれはもう空文になってくるのです。なぜならば
大畠参考人
等は何の
団体
にも加盟しておりません。しかしながら、私は
公共
工事
はいたしません、民間で立って参りますという
業者
もいるのです。これはもう
仕事
が余って参りますと、どうしても
賃金
は上がる傾向になるのが当然なんです、
仕事
がふえてくると。とろがこれがまた弱い未組織な
労働者
であって
親方
に隷属して
仕事
をしている、こういう点を私は根本的に考える段階にきていると思うのですが、
大林
さん、もうあなたは大阪にお帰りになるそうですが、どうお考えになりますか。ただ単に
登録
強化、この要求は四年ごしのものだから、これさえ取っておけばとわあわあ言うだけでなくて、どうするかと考えるのが、
全国建設業協会
の
会長
として、むろん大会社、
中小業者
のお
立場
でお考えになっておると思いますから、
一つ
お伺いしたいと思います。
大林芳郎
71
○
参考人
(
大林芳郎
君) 先ほどから皆さんのお話のように、現在
建設業界
におきましては
工事量
が非常に増大しておりまするので、確かに
技能
労務者の不足を一部来たしておることは事実でございまして、
政府
の五カ年計画、長期計画あるいは経済成長計画を
実施
していかれるということになりますと、おそらくここ数年間は官民
工事
合わせまして総
工事量
は本年などと比べまして、そう大きくは減らないだろうと思います。むしろふえることはあっても減ることは数年間はないのじゃないか。私
ども
むろんそういう観点に立ってこれをいかに消化していくか、しかも質を落さないで消化をしていくことが
建設業者
の任務でもあり、
責任
でもあると思っております。そこでどうしても機械の問題は、これも全
建設業者
ということになりますと、比較的
規模
の小さい
業者
の人たちは、なかなか自分が、その人たちが受注しておる
工事
の性質によりましては、そう大きく
機械化
できないものがございます。まあ建築、住宅
工事
、学校建築のようなものは、私はそう大きくは
機械化
できないと思います。一方において労務者がだんだん不足してきている。従いまして、労賃が上がってきておるという点から、まあ先ほど皆さん御指摘のような、あるところへしお寄せがきておりますんで、この問題もただ標準
賃金
を上げる、単価を上げる、さしあたっては私はやはり適正な単価に引き上げてもらうということが、どうしても必要だと思うのですが、それだけではなかなか問題解決しない。やはり
建設産業
の
技能
労務者に若い人が来るような
対策
を講じていかなくちゃいかぬ、それはやはりこの
業者
としても考えなくちゃなりませんし、やはり
労働者
自身も、私は大いに自覚をしてやっていただかなくちゃならぬ面もあると思うのであります。そういう
意味
で私は
経営
者、
労働者
含めて建設に携わっておる者が、できるだけそういう点を合理的に
仕事
のあり方を追求していくようにしなければ、この問題は私はやはり相当根本的な問題があると思います。との
技能
労務者の解決の問題でございますね、そういう点で
労働省
の方にも、
建設省
の方にも
全国建設業協会
としましては
意見
を出しまして、そういう問題の改善方をお願いをしておるわけでございます。
稲浦鹿藏
72
○
委員長
(
稲浦鹿藏
君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
稲浦鹿藏
73
○
委員長
(
稲浦鹿藏
君) 速記。
武内五郎
74
○武内五郎君
大林
さんに。私、ちょっとおくれまして、あるいはお話があったかもしれませんけれ
ども
、申しわけありませんが、この
建設業
協会の現在の業務はどういうことをやっておりますか。
大林芳郎
75
○
参考人
(
大林芳郎
君) これは先ほどちょっと申し上げましたのですが、
全国建設業協会
は今連合会になっておりまして、各地方の協会の上部
団体
になっておるわけでございます。当然その地方の協会の傘下の
業者
の数を合わせますと、先ほど申し上げましたが、大体一万八千二百数十名ということになっておりますので、日本の
登録
業者
七万数千名のうち、
総合工事業者
としては相当部分の数の
業者
を傘下の会員におさめておるわけでございますから、当然私
ども
としましては、日本の
建設業界
の大部分の
業者
、
総合工事業者
としては相当部分の
業者
の方のために各種の問題の改善をはかるために
調査研究
等を行ないまして、会員相互の自発的な啓蒙、それから研究等もいたしておりまするし、また必要があれば
関係
方面に
業者
の
経営
状態その他の改善のために
意見
を提出する、要望をするというような
仕事
をしておるわけでございます。
武内五郎
76
○武内五郎君 そうなりますると会員——
業者
の利益のためにいろいろな事業をされておる、そういうことですね。
大林芳郎
77
○
参考人
(
大林芳郎
君) そういうことでございます。
武内五郎
78
○武内五郎君 それで地方の
団体
の実態を御存じでしょうか。
大林芳郎
79
○
参考人
(
大林芳郎
君) もちろん会員のことでございますから、常に
報告
を受けたり私
ども
の方で地方の協会へ参ったりいたしておりますので、ある
程度
のことは
承知
しております。
武内五郎
80
○武内五郎君 今度の
法律
の
改正
で、
業者
の
団体
が
一つ
の公認の
団体
になるわけでありますが、それで、たとえばこういうことはないでしょうか。その
業者
の
団体
が、
工事
の発注される場合に
業者
を推薦する、あるいはまた端的にいえば、その
団体
を経由しなければ指名を受けることができない、またさらに極端にいえば、その
団体
が
工事
の請負のトンネルになるというようなことはないでしょうか。
大林芳郎
81
○
参考人
(
大林芳郎
君) ただいま御質問の、あとのそのトンネルということは決してないと私は信じております。それから経由するという問題でございますが、これも発注官庁と地方の
団体
とが、そういう内々の約束を取りかわしておるとか、そういうことはないと思いますが、ただ大体私
ども
の傘下の協会は、その地方におきましての
総合工事業者
の大体の有力な
業者
を会員といたしておりまするから、発注官庁によりましては、あるいは発注者によりましては、その協会に入っておるかどうかということを聞かれることはあるように聞いております。
武内五郎
82
○武内五郎君 その協会に入っておるかどうかということが、
一つ
の制約にならぬと思いますか。
大林芳郎
83
○
参考人
(
大林芳郎
君) それは発注者の方の御意向であって、私の方からそういうことにしてくれということは申し上げておるわけじゃございませんから……。
武内五郎
84
○武内五郎君 まあこれは地方の
団体
においては、私は全部ではないと思いますが、その協会に入っておるかどうかということ、また従ってせっかく
登録
をとった、設備を持って
労働者
を持っておる
業者
が、そういう協会に入っていないために指名を受けられなかったことがしばしばあるように伺いますが、そういうことはもうあってはならぬと思うのですけれ
ども
、御存じですか。
大林芳郎
85
○
参考人
(
大林芳郎
君) まあそういう事実があるということは私
ども
聞いておりませんのですが……。
武内五郎
86
○武内五郎君
大畠
さんに伺いますが、どうして
大畠
さんは協会へ加入されてないのですか。
大畠茂
87
○
参考人
(
大畠茂
君) 今までに
業者団体
というのは、われわれ
中小
規模
の
業者
にはあまり利益があるとも考えられませんでしたし、必要も感じておりませんので、いまだに入っておらない次第であります。
稲浦鹿藏
88
○
委員長
(
稲浦鹿藏
君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
稲浦鹿藏
89
○
委員長
(
稲浦鹿藏
君) 速記を始めて下さい。
武内五郎
90
○武内五郎君 それではお急ぎでしょうから
大林
さんに伺いますが、先ほど発注者とその
業者
の
関係
でありまするが、やはり何ですか、協会の方ではなお今日でも特に
公共
企業
関係
において、片務的な契約ですね、こういうものの
改正
についての熱意はまだあるのですか。
大林芳郎
91
○
参考人
(
大林芳郎
君) その点は非常に熱意を持っております。標準契約約款というものがございまして、その
内容
は私
ども
常に、従来かなり片務的でありましたのを今日まで数度にわたりまして
改正
をされまして、相当双務的にはなってきておりますけれ
ども
、現在でもなお
業者
の
立場
から見まするとやはり片務的じゃないかと思われる点も残っておりますので、現在でもその点の
改正方
を要望しておるわけでございます。
稲浦鹿藏
92
○
委員長
(
稲浦鹿藏
君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
稲浦鹿藏
93
○
委員長
(
稲浦鹿藏
君) 速記つけて下さい。
武内五郎
94
○武内五郎君
大畠
さんにお伺いしまするが、協会に入らなくてもあなたはその営業を続ける上において差しつかえございませんか。一向支障を感じなかったか、あるいは障害は起きなかったか、業務上の障害が起きたということはございませんか。
大畠茂
95
○
参考人
(
大畠茂
君) 何ら差しつかえございませんでした。
武内五郎
96
○武内五郎君 なおお伺いしますが、たとえば今度
一般
の
業者
が
専門
の
技術
屋をかかえなければならぬし、それが
一つ
の
登録
の
条件
になる。まあ今まで実態を見ておりますると、そういう
技術
屋を持っていなければならぬということは、
一つ
の
条件
ではないが、小さい
業者
の部分においては相当実行されてないのがあるようですが、あなた方同
業者
の中でもしこういうことがたとえばあって、立っていける
業者
が立っていけなくなるという
業者
があるのじゃないですか。
大畠茂
97
○
参考人
(
大畠茂
君)
総合工事業者
及び
専門工事業者
の問題でございまするが、これは大
業者
と
中小業者
の差はその
技術
屋は皆さん持っていらっしゃるので、それが員数において多いか少ないかだけの差だと思います。それと先ほどの一人
親方
の問題、これは明らかに
総合
と
専門
に分かれますと、今までのような工合には立って、いかないと思いますが、これは営業上はっきり
総合
と
専門
に分かれるということは、むしろ施主側に対して毛よろしいのじゃないか。
業者
としましても
立場
が明確化いたしますから、
能力
及びその人員がいないのに無理に
総合業者
の形態をとるよりも、
専門
業者
としてやれるということになりますとよろしいと思いますが。
武内五郎
98
○武内五郎君
経験
さえあればいいわけですね。
大畠茂
99
○
参考人
(
大畠茂
君)
専門
業者
としては、
経験
があればよろしいと思います。
総合業者
としては、大なり小なり必ず
技術者
を持っておりますから、法案が
総合業者
、
専門
業者
というふうに、はっきり名称が分かれても何ら
中小業者
及び大
業者
は差しつかえないと、一入
親方
の
専門
業者
が変わってきますが、これもよろしいと私は解釈しています。
武内五郎
100
○武内五郎君
内山
先生にお伺いしたいですが、その
登録
についてのいろいろな制約上の
条件
がございます。たとえば今の
技術者
の
関係
とかいうようなことはございますが、これは営業の自由ということに対する
一つ
の制約だと思います。これは
法律
上どういうふうに解釈されますか。
内山尚三
101
○
参考人
(
内山尚三
君) 私は、アメリカの例をとりましても、最近は営業の自由の原則とともに、やはり消費者の
立場
といいますか、消費者の
立場
を考えなければいけないという考えが強く出てきているわけです。ですから営業の自由と消費者の
立場
ということから、このバランスにおいていわゆる制限を加えるという、現在そういう考え方が出ておりますが、私は、
建設業
の実態が大から小まで非常に
複雑多岐
にわたっている、というようなことの今の
現状
におきますと、やはり一定の格づけといいますか、そういうものが必要になるのではないかと。まあ大
工事
を一人
親方
がやるということは実際において不可能でありますから、大体その
業者
はどういうレベルにあるかというようなことは、やはり一応の
基準
を設ける必要はあるのじゃないか。ただ先ほ
ども
言いましたように、格づけになりますから、その格づけにはもちろん客観的な
基準
ということが入って参りますけれ
ども
、それ以上に
経験
年数——どれだけの
経験
があるかというような、そういう特殊
技能
というようなものを考えませんと、非常に業態の実際の評価が間違ってくるのじゃないかというふうにまた考えますし、いわんや制限つき公開
入札
というようなことになりますと、大体格づけによって
入札
できるかどうかというような、そういう問題も起こって参りますので、この点は非常に慎重に、政令などにおいても慎重に取り扱うべきものであると。それから、上に上がっていく
経営
ですね、
合理化
し、そうして実力が出てきた
企業
ですね、どんどん格づけが上に上がっていくという余地を残しておきませんと、固定化してしまいますと、その格づけというものが非常に不合理なものになるというふうに感じております。
稲浦鹿藏
102
○
委員長
(
稲浦鹿藏
君) ほかに
参考人
の御
意見
に対する質疑はございませんか。——ほかに御発言もないようでございますから、
参考人
の
意見
聴取並びに
参考人
に対する質疑は、これにて終了することにいたしたいと存じます。
参考人
の方におかれましては、長時間にわたりまして貴重な御
意見
をお聞かせ下さいまして、まことにありがとうございました。 それでは午後一時半まで休憩いたしまして、午後は
政府
に対する質疑を続行いたします。 午後零時二十五分休憩 —————・————— 午後一時五十三分開会
稲浦鹿藏
103
○
委員長
(
稲浦鹿藏
君) 休憩前に引き続き
委員
会を再開いたします。
建設業法
の一部を
改正
する
法律案
について質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言下さい。
田上松衞
104
○田上
松衞
君
建設業法
の一部を
改正
するという大きなねらいは、
建設工事
の適正な
施工
と
建設業
の健全な
発達
に寄与したいと、言うまでもないことです。今までのことではいろいろ足りない点が出てくる、そこでこれを完全に行なうということでしょうが、そこで私
ども
は、幾ら法を変えてみたところで、現実の問題というものが、こうしたことによって正しく
目的
通り
にならないといたしまするならば、幾ら法を変えてみたってだめだと思うのです。そういうようなことから、たまたま最近起こった事態について、
建設大臣
の御所感を
一つ
お聞きしつつ、そしてそれを通して質疑に入っていきたいと思います。 すでに御
承知
だと思うのですけれ
ども
、三月二十六日の夕方のできごとなんです。時たまたま日曜日の夕方のできごとだったわけなんですが、横浜市が、世界アマチュアレスリングの選手権大会に間に合わせようとして、一生懸命に急いでやっておりまするところの横浜市文化体育館、相当大きなものなんです。延べで面積が八千四十平方メートル、高さが十七・五メートルですか、この総工費は実に四億円をこえておる膨大なものです。これが五月十五日の完成を目ざしてやっておったのですが、これがさっき申し上げました三月二十六日の午後七時ごろ屋根がずり落ちてしまった。しかも、それは一部分の陥落ではなくて、実に屋根の部分四千五百平方メートルの中の二千五百平方メートルという大きな部分がぶっこわれて落ちたという事件なんです。たまたまこれを
施工
したものは、さっき
参考人
としてこられた
大林
組、これがやられたわけです。
大林
さんに聞くのは、どうも儀礼上この場合ではどうかと思ったので、そこでむしろ
方向
を変えて
建設大臣
にお聞きすればいいと思うのですが、結局これがさっき申し上げましたように、五月十五日はもうすぐなんです。九〇%以上がもうでき上がっておったわけなんですが、それが一ぺんにがたっときてしまったのですね。実にこの会堂は七千人を収容できるところの大会堂なんです。これが一ぺんに落ちてしまった。もしこいつがたとえば落成式等に一切の
関係者
を集めて落っこちたら、これはどうなったろうか、これは全く世界を驚かすような大事件になったはずなんですよ。九〇%できて、もうでき上がるというときにやってしまった。こういうことについて少しおわかりになっておるならばその点、及びこれらについてはどういうところが一体
責任
を持つのか、横浜市民が考えておりまするあれは、たとえば鉄筋のアパートなんかに住んでおりましても、木造よりか鉄筋ならば大丈夫だと、安心してそこで生活しているわけですけれ
ども
、このことがあってからもう戦々きょうきょう、しかも今申し上げたような七千人も収容できるような大きな会堂の中ですから、一分でも一秒でも入っておれというならば、監獄にでも入っておるような気持でなければいられぬようなことです。一面また、これは根本からほどいてしまわなければだめだというようなうわさまで立っているわけです。もしそうなりますると、三千万や五千万の
仕事
と違うわけですから、実に四億という大きな金が市民の負担になってくるわけなんです。建てるだけでもそうですが、こわして建てるということになれば、これの数倍なんです。これの
関係
が一体どうなるかという不安、従ってこれらについて
責任
はどうなるのだろうか、設計者が
責任
を負うべきものか、
施工
者が
責任
を負うべきものか、そういうような問題をまじえて今大きな話題になってしまっておるわけですよ。もし、できることならば、私はちょうどこのときは不在中でしたので、新聞を通して、あるいははたから教えられて知る範囲なので、
建設省
としてはもちろん十分御調査なすっておられるだろうと思いますから、その真相をお聞かせ願って、さらに今申し上げたような、こういう場合にどういうととろが
責任
を持つべきものかということ、これについての御説明をお伺いしておきたいと思います。
中村梅吉
105
○国務
大臣
(中村梅吉君) ただいま御指摘の横浜市文化会館の屋根の落ちました問題を私
ども
聞きまして、実は驚いて、さっそく係の方からいろいろ調査をするように
指示
しておったわけでございますが、
施工
者の
工事
請負人の
大林
組に言わせると、設計
通り
にやったのだと、
工事
に何らそごはないという弁明のようでございますが、はたしてこういうような大問題が起こったということが設計上の欠陥か、
工事
の欠陥か、
工事
監督
上の欠陥であるか、これらが問題でございまして、この
原因
はもう極力明らかにいたしたいと、しなければならないと私
ども
考えておるわけでございます。横浜市としましても、
専門
家の方々数人に依頼をしまして、その
原因
の究明を、目下
原因
を突きとめることに努力をされておる段階のようでございます。まだ何がもとでこういうことになったかということは、はっきり私
ども
聞いておらないのでありますが、詳しい事情は、直接の担当者でございます
指導課長
をきょう
出席
さしておりますから、直接お聞きを願えればよいかというように思います。
前岡幹夫
106
○
説明員
(前岡幹夫君) ただいま話題になっております横浜市の体育館の
工事
中の事故につきましては、われわれ大
へん
遺憾なことだと考えております。先ほど御説明がございましたように、
工事
中でございまして、約九〇%でき上がっておった。しかもこの事故が起こりましたときには、屋根の防水コンクリートのごく一部でございますが、まあ私見まして、大体屋根面積の二割
程度
かと思いますが、それくらいの屋根の防水コンクリートを
施工
されておるときに落下したと、こういう
状況
でございます。で、この落下する前に若干たわみが出ておりましたので、その点につきましてかなり注意をしておったようでございます。 構造につきましてちょっと簡単に御説明申し上げますが、ちょっと即席で恐縮でございますが、大体こういうような屋根の格好になっております。四枚の平板で、こうお互いにせり持ちで持っている。これが大体五十余メートル、こちらが八十メートル前後のかなり大きな構造でございます。それでこれが落下いたしまして、現在逆のこういうような形にたれ下がっておるようでございます。この構造理論が非常に高度の構造理論を使ってございまして、この平板な、一メートル二十厚さの鉄骨で組んだ平板でございます。完全にこれは詰まった平板でございませんで、鉄骨を斜めにこうやって、厚さが大体同じような一メートル二十になっておりますから、こういう平板でせり持ちで持たせると。従って
工事
中に、この平板の両方からこう力がかかって、つり合いがとれる、こういうことになっておるわけでございます。それで
工事
中にこの力のかかり方が少ないとむしろ安全度が下がってくると、こういうごとになるわけでございます。それで構造計算のいわゆる設計上の問題もあるかと私ら思いますが、さらにこの
工事
中のいわゆる
施工
のやり方というものも、やはり若干これに関連する問題でございます。そういうことで、さっそく市の方へ私は調査に参ったのでございますが、市の方で、ただいま
大臣
が申されましたように、現在の構造力学の大家、日本での大家四人の方にこの
原因
の調査を依頼されておりますので、私らもこれ以上の方は現在の日本にはいらっしゃいませんので、その結果を待って措置したい、こういう工合に考えているわけでござ います。
田上松衞
107
○田上
松衞
君 私がお伺いする気持はですね、ただ起こった事態がこうであるというような説明のことではないのですが、これはどなたでも、新聞やあるいはテレビ等でごらんになった方もおありでしょう。その今お話しになった
程度
のことはわかるのですけれ
ども
、実はあの設計に当たった者でも、日本の有数な
専門
家三人を交えて、そこでたくさんの競争
入札
をやったわけですが、今申し上げた
専門
家三人を交えての
審査
会議でいろいろ検討した結果建てられたのだ、こう言われているわけなんです。しかもさっき申し上げたような、こういう大きな建物で、横浜市が日本で誇るものを作りたいということでやって、市民もこれに
協力
し、さっき申し上げたようにでき上がったならば、世界アマチュアレスリングの選手権大会場に当てる、世界的な
一つ
の場所にするわけなんですから、その建物にしてこういうことがあった。そういたしますると、最近焼けない家をということで、こういう工合に木造をどんどん耐火建築に直していこうという意欲を持ってやっているけれ
ども
、このことのために、どのくらいその気持の上に冷や水をぶっかけたかということです。これは行ってごらんなさい。あれでさえああいうことだ。まして、ここ百坪や二百坪の建物なんというものはいいかげんなものだ。
法律
なんかでどうやられてみたところで、結局結果的には、この
関係
の設計者側、
施工
者側あるいは
監督
者側、いろいろ入り乱れてみんな
責任
のなすり合いをしている。そういうことで、いまだどうこうしようという
対策
は立てられていないとうわさされているわけです。こういうようなことになっていると、市民が、今度新しい工法を用いて、いろいろな工法を背景としつつ建てられていく新しい建築に対して大きな疑問を持ってしまった。お話の状態では、そういうところで目下調査中だということになるけれ
ども
、しかし、すでにちょうど一カ月たつわけです。きょうは四月の二十何日ですか、その一カ月、いまだにこれがはっきりしないでいるわけなんです。しかもさっきの御説明であったように、上のが逆にひっ込んだというあれですけれ
ども
、写真等に出ておりますものは、天井をささえておった柱は全部ぺしゃんこにばらばらになってぶっ倒れてつぶれてしまったわけですよ。完全に下へですね。もう少しあれすればどかんときてしまう。私はさっきこれが落成式をやったならば、神奈川県下の名士が全滅しただろう。そこで世界的な問題になったろうと申し上げたのですが、それにもまして、もしあれが五月十五日に竣工して、そうして世界レスリングの選手権大会に使われて世界中の選手たちがやって来た場所でこんなことでもあったら、もうそれこそ日本の建築界というものに対する大きなこれはもう恥というだけじゃなくして、それを超越した大問題になってしまうだろうと思う。まさにはだえにあわを生ずる気持なんです。だから今市民が聞きたい問題は、これを
指導
し、あるいは
監督
の
立場
もおありであろう
建設省
がどういう工合にこれに対処しようという決意を持っておらるるかという、特に
建設大臣
にこの点をお聞きしておかなければならないと、こう思っておるわけなんですよ。繰り返して申し上げますけれ
ども
、もろもろの
法律
が、市街地改造等の問題が出てくる、建築のいろいろな問題がこう出てきますけれ
ども
、この
一つ
の問題を見せつけられて実にその意欲をみんな失ってしまったということなんです。
鬼丸勝之
108
○
政府委員
(鬼丸勝之君) ただいま御指摘の件につきましては、調査の結果が判明いたしますれば、その結果によりまして、請け負った
建設業者
の
工事
施工
上、
施工
粗雑のために危害を及ぼすおそれが非常にあったと、あるいは請負契約につきまして
業者
が不誠実な行為をしたというような場合には、
建設大臣
あるいは
都道府県知事
が必要な
指示
をし、あるいは適当な措置を命ずるということから、さらに情状によりまして営業の停止、取消しの処分も行ない得るわけでございまして、
建設業法
上
業者
の
責任
が明らかになりますれば、そのような処置を情状によって考えたいと思っております。また設計につきましては、設計事務所に横浜市が外注をいたしてやっておるようでございますから、設計事務所の設計が疎漏であったというようなことが判明いたしますれば、建築士法によりましての
規定
に基づきまして、建築士事務所に対する
監督
処分を行なうということになると考えられますので、結果によりましてどちらかの処分が適正に行なわれることを考えております。
田上松衞
109
○田上
松衞
君 さっきのお話の中では、大体設計の上に何かの間違いがあったのじゃないかと思われるようなことに聞いておったわけだし、あるいはそういうようなこともうわさされておるわけです。それで少なくとも裏の
言葉
で言いますと、
大林
組は設計
通り
に
施工
したのであるというのですから、
大林
組の考えからいうならば少なくとも設計の間違いだ。私
ども
の考えるときに、そういうようなああだこうだということよりも、少なくともさっき言った全国の
業者
をまとめるところのほとんど大部分をやっておるあの協
会長
が、ただ設計
通り
やったのだからおれの方じゃ間違いないと、そんなことで一体
仕事
をされていいものなんだろうかということなんですね。やっぱり作っていく者は、ただ上の人は幾組かの下請
業者
にまかせて
一つ
の図面をあてがってその
通り
にやっていけと、……もっとそれを設計者も、あるいは
施工
者も、
監督
の
立場
にある人々も一緒になって、この種のたくさんの人々を収容する場所なんですから、この場について万一の場合に失敗のないことを期しつつやらなければならぬはずだと思うのですが。そこで、直接の
工事
のほかに、
建設省
が、それらのことの広い
意味
の
監督
というものを、十分なされないといけないことじゃないかと思うのです。これについてはどうなんですか。
建設省
はどういう
程度
の
監督
をされるわけですか。こういう場合の
指導
監督
ですね。
前岡幹夫
110
○
説明員
(前岡幹夫君) 最近その構造力学は非常に
進歩
いたしまして、でき上がってしまって初めて安全だ、
工事
中はむしろ逆に不安定な構造と、こういうものがかなりふえてきておりますことは、これは事実でございます。それでまあ私の方といたしましては、これは先般も全国課長会議で
指示
したことでございますが、特にあまりそのきわどいと申しますか、われわれに言わせますとリミット・デザインと申しておりますが、あまりそういうきわどい設計、これは多人数が入る
公共
建築物についてはあまりとらない方がいいんじゃないか、できるだけ
公共
建築物は安全な
方向
に進むべきではないかというようなことを
指示
したわけでございます。それでなお、この
工事
中にそういう不安定な時期があるわけでございますので、その不安定な時期の手当、まあこれは十分に今後考えるように
指示
したいと、こういう工合に考えます。
田上松衞
111
○田上
松衞
君 すでに御
承知
だろうと思うのですけれ
ども
、さっき申し上げた三月二十六日の日曜日の夕方、これは日曜日であった、夕方であった、
工事
人もいなかったという場合であったから
死傷者
一人も出さないで済んだことはせめてよかったわけです。ところがその一週間ぐらい前に、この問題では天井の屋根のはりが少したるんだのを横浜市建設局では発見した。そこで注意したのだけれ
ども
、
専門
家に一体どうなんだろうかということで検討の依頼中だったというのですけれ
ども
、しかし
大林
組の方はじゃんじゃんじゃんじゃん
仕事
を続けてしまったわけなんですよ。これは
建設省
の
指導
というものはどんなものでしょうね、まあ知らせなかったのだから、
建設省
では、たくさんのものがあって一個々々そんなに目をつけておるわけではないという話なら、それきりですけれ
ども
、一体主務官庁としてはどうもそれでは納得できないのですよ。
建設省
がこの種のものをやろうという場合に、厳重に
監督
する範囲、権限というものはどのくらいのものなんでしょうか。たとえば市とか県とかというものにまかせっ放しでするものなんですか、直接に
建設省
としてはできないのですか、その点は。
鬼丸勝之
112
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 田上先生も御
承知
のように、まあ建築物の構造設備等につきましては、最低
基準
を建築
基準
法という
法律
できめられておりまして、まあこの
基準
法は最低
基準
ですから、まあ新しい工法とか設計上の新しい問題は、最低
基準
を満たしておれば
基準
法上これは差しつかえないわけでございますが、これに基づく建築の
監督
につきましては、
一般
的には
都道府県知事
、それから横浜の場合は横浜市が
監督
をやっておるわけでございます。この場合は横浜市が発注者であると同時に、
基準
法上は
監督
をする特定行政庁という二つの
立場
でやっておるわけでございますが、まあ
基準
法上はおそらくあまり問題はなかったであろうと考えられます。そこで次には先ほど申し上げましたように、
建設業法
の上では請け負った
業者
に対する
監督
、これも
大臣
と
知事
と、まあ両方が
監督
できる
立場
になっておりますが、この
監督
につきましては先ほど申し上げましたように、不誠実な行為をやったとかあるいは
工事
が粗雑で危害を及ぼした、及ぼすおそれが大きかったというような事実がはっきりいたしませんと、
監督
上の処分はなされないわけでございます。これはまあ今後の調査結果によって考えなければならないと思っております。 もう
一つ
は、設計の事務を民間の建築士事務所が受け持った場合には、この建築士事務所の設計の
仕事
がまずかったという場合に、建築士法による
監督
処分を、やはり
建設大臣
が、建築士法に基づきまして
監督
上の処分をするということができることになっておりますが、これも先ほど申し上げましたように、建築士事務所の過失、あるいは故意に設計の
仕事
がまずかった、ということがはっきりいたしませんと処分はできないわけでございます。これも将来の調査結果に待って考慮をすべきことであろうと思います。 まあ
監督
上の、
法律
上の根拠は以上のような次第でございまして、できるだけ早く調査結果が判明いたしまして、その結果によって適切な処置を講じて参りたいとかように考えておる次第でございます。
田上松衞
113
○田上
松衞
君 まあ役所としてはそれ以上には言えないことだろうということはもう百も
承知
なんです。実際は。これはまあお聞きになっております
委員
の方々に少し御説明申し上げると、さっきのお話では天井——上向きの傘形屋根が下へ引っ込んだ形だとこう言われたのですが、そんななまやさしいのじゃないのですよ、実は。これはもう鉄柱から壁から、もちろん鉄筋から、少なくとも上半分が皆中へ注ぎ込まれちゃって、そして上はもう陥落しちゃっておるという、そこで修理くらいで間に合う問題ではないわけなんです、
実情
としては。完全にやりかえなければならない。さっき申し上げたように途中でというのじゃなくして九〇%以上でき上がっておったものが、そんな状態になってだめになしちゃったのですから、これをほどいてしまうだけの費用でも莫大なんです、費用の点から言いますると。そしてまた新規にすれば四億が八億になるか十億になるかこれは大
へん
なものになってくるだろうと思うのです。市民がおびえておる、——あれの
一つ
が、建てる趣旨がそういうことだったのですからふるい立って、いいことだ、世界会場が横浜へ持ち込まれたというので、非常に無理なあれを喜んでその負担をしつつ出発したものです。
昭和
三十五年以来これをやったのがこんなことになってしまった。そうすると、あとで何か適法ないろいろな処置等考えるということであるけれ
ども
、いまだに一体
責任
の所在がどこにあるかを研究しているという態度であって、形はそのままであって、これをこわすだけでも、少なくとも新聞が伝えるところでは七、八カ月を要するであろうと言っているのです。これはそうでしょう、こういうようなことになっていくと、ただ設計者が何か処罰をされたとか
業者
が
仕事
を取り上げられてしまったとか、そんなことの処分だけでは済まぬので、残る負担は一体どこがどうしょっていくのか、何億か、あるいは十億をこえるかもわからないという大きな問題になってくるのに、幾ら
大林
組だといっても、しかも
大林
組がさっきのお話のように、設計
通り
にやっているのだというような言い分をしているのだから、もうすでに気持の中は横浜市民に対して
大林
組が、かりに解体するようなことがあっても、市民に損害をかけないというようなことになるというようなことなんか夢にも考えられない問題で、こうした問題を残されて、市民は一体どこへどういう工合に、自分たちはこの問題を考えたらいいのであろうかというのが、
言葉
は適切でありませんけれ
ども
、偽らないこれは市民感情なんですよ。だから少なくとも、大目付役の
建設省
が、もろもろの
法律
をこうやって——たまたまきょうも
建設業法
の一部を改めていくという、この精神が一体どこにあるか、需要者に対して安心できるように、需要者の気持にこたえるように、
業者
ばかりの問題にあらずして、これは市民——国民を
対象
として安心して住める家を作らすことのためにやっていることでなければ
意味
がないはずですから……。こうやっていながら現実にはそんな問題が出てきて、これの
責任
が問われるようになってきたら法に照らして適当にあれをしよう、しかし具体的には、大体市民のふところに迷惑をかけないようには考えられない不安を実は感じるわけです。これに対して
一つ
この際
建設大臣
の確固たる、何といいますか御所見を承っておきたい。
中村梅吉
114
○国務
大臣
(中村梅吉君) これは実際今御指摘のように非常に大問題なわけですが、問題はこれからの完成までの費用の問題等がいろいろお話のように伴ってくることはあると思いますが、いずれにしましても、そういうような問題が起こった欠陥の所在がどこにあるかということを、遠からずその
専門
家、大家の方々数名にお願いしていろいろな角度から精査中でございますから、その結果が出て
責任
の所在がはっきりしませんと、実は
建設省
としても処置の方法が実はないわけであります。もしその
責任
の所在が明らかになって損害をどこが負担するかというようなことについて、横浜市と
工事
請負人なりあるいは設計に
責任
があるという場合に、設計と請負者との問に争い等が生じました場合には、その争いを解決する紛争処理の制度もございますから、それらはそれによって解決をできるだけ迅速にさせるように取り計らう。また手落ちのあった者に対する処分については、できるだけ厳正な、世間並びに横浜市民も納得できるような結末をつけるということにする以外にないと思っておるようなわけでございます。従って、まだ今の段階ではこういう方法で善処したいと申し上げることの困難な状態にあるわけでございます。
田上松衞
115
○田上
松衞
君 大体
一つ
の問題をとらえてこれをどうするかということについて、十分
責任
のあるようなお答えをいただくということが非常に無理であるということは、はっきり私も感じたのですよ。ただ私はこういうようなことを、せめてお願いしておきたいことは、問題は問題としてさっきの
通り
であります。いろいろにこうやっておりますけれ
ども
、せっかく
建設業法
の一部でも
改正
したいということであれば、こうした思いも寄らなかった事態が現実に起こった、故意でも何でもなくてこれは起こってしまったわけですが、こういうことに対して少なくとも国民が安心していけるような、さらに事後のことを何とか処理解決するような点に留意されて、今後
改正
される場合には、ただ
登録
の停止や取り消しであるとか、設計者の処罰であるとか、
監督
者の
責任
追及だとかそんな
程度
じゃなくて、
指示
であり
勧告
であり営業の方の停止、こういうような問題に今限っておるわけですが、これらについてもっと将来
一つ
何かお考えなさるような御意向はありませんか、どうですか。私は少なくともそういう必要がこれは実際出てきたと思うのですよ。これについて
一つ
お聞かせいただいておこうかと思うのです。これは将来に属する問題です。おわかりにならなければ繰り返し申し上げますが、ただ今まで、現在のこれでいきますると、
指示
をし、
勧告
をし、それでもきかない場合にはこうする、処分の方法としては営業の停止をするとか、あるいは取り消しをするとか、いろいろなあれがありますね。しかしそれはそれでおしまいにしても、そのことだけでは国民の安心はできないわけなんです。こういう場合があったときには
建設省
がもっと強いあれをもって、少なくとも需要者、いわゆる発注者に対して心配かけないようなふうにするところまで持っていく、というあれがないといけないと思うのです。くどいようですけれ
ども
、この
程度
でいって万一レスリング大会が行なわれていた、世界の選手が集まってしまった、一挙に何千人という人を殺してしまったというようなことがあった場合に、
大林
組の営業を取り消してみたところで、設計者あるいは
監督
者を処分してみたところでこれは何にもならぬのですよ、そんなことは。営業停止だってそれは償いはできるものではないのですね。そこで建設自体に対して、
建設省
がもっと的確な万一にもそういうことのないようにやっていける、何かそこに打ち込み方というものがあるのじゃないか。非常にきょうは無理ですが、そういうことを
一つ
検討されるお気持がありますか。そんなことはもう従来の
法律
でも十分だとお考えになりますか、その点についてお聞きしておきたい。
中村梅吉
116
○国務
大臣
(中村梅吉君) この起きてしまいましたもののあと始末につきましては、先ほど申し上げたような順序で参るよりいたし方ないと思うのでありますが、今後の
一般
的な問題としましては、普通の建築物で構造上のもう疑義の余地のない問題は別でありましょうが、こういったような大きな坪数でそうして大きな屋根であるとか、まだ力学上や建築学上確かだというようには見られても、はたしてそれが完全に事故の心配がないものであるかどうかということの疑義のあるような大建築等につきましては、建築の
届出
に対する確認、あるいは建築許可をいたしまする場合に、その
責任者
である
都道府県
の
知事
等は、設計者が合理的に設計してあるからそれでいいという許可の仕方でなしに、なお一そう綿密な
審査
の仕方をして、許可の手続を完了するというようなふうにしていく必要があるのではないか、という点につきましては
建設省
の
立場
で行政
指導
を十分に今後やっていくべきだ、こういうような間違いの起こらないようにベストを尽くす以外にはないと思いますので、そういうふうな行政
指導
方針をとっていきたいと思うのでありますが、今回の
改正
におきましても、四十条の二というのを設けまして、
建設大臣
または
都道府県知事
は、
建設業者
あるいは建設
団体
等に対して、
建設工事
の適正な
施工
を確保することについて、いろいろ
指導
、
助言
、
勧告
ができるような
規定
を実は設けさしていただいておりますようなわけで、これらの点を活用いたしまして、遺憾の点のないように
法律
の運用を行ない、行政
指導
の全きを期して行きたいと、こう思っております。
田上松衞
117
○田上
松衞
君 いろいろ貴重な時間をこれ以上さいちゃ相済まぬと考えまするから、最後に
希望
を申し上げておきたいと思うのです。かつていろいろ炭鉱等に起こった爆発事件、そのたびに将来再びこういうことのないようにすることを繰り返して、もう忘れたころにはまた起こってくる。次から次へああいう問題が徐々に起こっておりますることは御
承知
の
通り
なんです。私はこうした建物等に起こる問題は、今度初めて起こったことだと言っても差しつかえありません、これだけの大きな事件というものは、建物に関する限りはですよ。だけれ
ども
、一度あれば二度あるのことわざのように、油断しておったならば、こんなことはどんどん起こるぞということになるだろうと思うのです。四十条の二で
規定
された文句からいえば、これでいいのですけれ
ども
、今
建設大臣
がこれを十分に活用していくという
言葉
を使われたわけなんですが、私は、その活用の方法、実際にこうやってあるからというだけではいけない、さっき申し上げたのは、十分こういうことを繰り返さないことの、
一つ
のかちんとしたものを考えてほしいと申し上げたのですが、それも要望しつつ、またすでに用意されたこの法の活用も、ほんとうに活用して下さるということでなければ、例を引きました炭鉱爆発等の問題、やはりどうも文字の上では十分手を尽くしたはずであるにかかわらず、実際問題としては、どんどんどんどん起こってしまうのですから、十分これを間違いなくやっていただいて、少なくとも国民に対して不安のないように、もって国民のすべてが、いろいろこうした
建設業法
の一部
改正
等もやっていかれるのですが、これらをよく理解し、関心を持って共にやっていくような工夫を盛り上げていくように
一つ
していただきたい、こう考えるわけなんです。結果的に願うならは、国民はそっぽを向いてしまって、字句の上では何と書こうとも、こんなことは実際問題として、どこへどうはまるのだという
程度
にしかこれは見ないで、逆な
立場
で考える者は、既存の
業者
を
一つ
保護しつつ、保護というとどうかしらぬけれ
ども
、これらに感謝されつつ、うまく肩をたたいて
仕事
をさせるということにねらいがあるのじゃないかと思うくらい、曲げて考える人もないではないので、そうではないのだ、ほんとうに国民が安心できるように直していくのだということを、国民が飛びついていくように、一段の
一つ
決意を新たにされまして、善処していただきたいということをお願いを申し上げておきます。
武内五郎
118
○武内五郎君 先ほど
参考人
に対して質問申し上げたのですが、この
建設業
の
団体
について、何かやはりこれは自然に成長してきた私は
団体
だと思うのですが、今日においてはすでにいろいろな機能を発揮する
程度
まできているようでありますが、そこでこれに対して、はっきりした性格、それから
目的
等を規制する必要が出たのではないかと考えるのですが、それは自然とこのままほっておいてはいけないのだから、何か
一つ
規制しようという考え方でおられるのか。またこれを利用しようという考えでおられるのか、どっちなんでございますか、どういうふうに考えられますか。
鬼丸勝之
119
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 今回本
改正
におきまして、
建設業者団体
に
届出
義務を課することといたしました
目的
でございますが、私
ども
今まで
建設業
行政を担当いたしております
経験
から申しまして、この
建設業法
の
目的
である、
建設業
の健全な
発達
に資するということと、それから
建設工事
の適正な
施工
を確保するというこの
目的
のために、やはり
建設業者団体
の自主的な健全な
活動
に
期待
される面が相当あるというふうに考えた次第であります。そこでこれらの
業者団体
が健全な自主的
活動
を一そう促進するというためには、行政機関といたしましてもこれらの
団体
に対して適切な
指導
を行なう、また行政上の諸問題につきましても、直接
建設業者
に対してだけ
指導
監督
するだけでは、問題の解決が必ずしも、うまくいきませんので、これらの
団体
を通じてこの
業者
に対して行政上の
指導
監督
をするということも必要ではないか。まあこういうことから、今回それにはまず
業者団体
の実態なり
活動状況
を、行政機関において把握しておく必要がある、というふうに考えまして
届出
を義務づけたわけでございます。以上のような趣旨でございますから、これらの
団体
を統制するとか、あるいは役所の思う
通り
に引っぱっていくというような気持は毛頭ございません。
武内五郎
120
○武内五郎君 まあ大体そういうことでありたいと考えるのですが、まあ御
承知
の
通り
先ほ
ども
実は私ちょっと一点だけ指摘したのですけれ
ども
、実際において
業者
の届け出等の通過機関のように考えられます。ほとんど一切の書類は、特に地方の
業者
はその協会の手を経なければならぬというような、これはそういう
規定
はないようですけれ
ども
、事実そういうふうなことになっているものがある。それから
入札
参加の場合なんかでもほとんど協会の
指示
によっていく、あるいは
工事
の配分等も協会の手を経て行なわれる、まあこれを私は、決して悪い
意味
はないけれ
ども
、必ずしも悪いとは考えておりませんけれ
ども
、談合の仲介機関であるというようなことが往々にしてあり得るのであります。それらの
規定
はどういうふうに考えますか。
鬼丸勝之
121
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 現在各
都道府県
にできておりまする
建設業者団体
は、先ほど
参考人
からお話がありましたように、
総合業者
が組織しておる
全国建設業協会
の参加
団体
と、そのほかに
職別
の
団体
等も相当ございます。これらの
団体
が、府県なりあるいは
建設省
その他事業官庁の出先機関に、業務の経由機関として、たとえばおそらく御指摘の点は指名願でありますとか、あるいは
登録
の
関係
の手続等のお話かと思いますが、経由機関として働いておるかどうかという点につきましては、私とも事実は——中に一部例外があるかもしれませんが、実際は経由機関になっていないし、制度の上におきましても役所側から
団体
を経由してこいといっておることはございませんので、制度的にも経由機関になっておりません。事実も、まあ私
ども
聞いておる範囲では実際はないと思っております。それからまあ事実上の談合、
工事
の配分の話し合いのことかと思いますが、これも別に公に
団体
の業務としてやっておるということは聞いておりません。ただ
団体
に加盟しておる一部の
業者
の人たちが、あるいはある
工事
について話し合うというようなことはままあるように聞いておりますが、要するに現在ありまする
建設業者団体
は、そういう
業者
の
経営
上の、あるいは
工事
を受注する
関係
の問題につきまして、積極的に働いておるという事実はないと私
ども
は見ておる次第でございます。
武内五郎
122
○武内五郎君 そうありたいと思うのです。そこでお伺いしたいのは、たとえば、私は、
業者
がその
団体
に加入して一定の会費というものを納入して、その
団体
の
経営
に当るというならば、これはその
団体
内における加入者の平等な
立場
で権利というものの主張ができる。たとえば
工事
が発注された、発注されたる場合に、その
工事
額の何パーセントかずつ納入するということになっておるのか。そういう事実はあったとすればどうなんですか。これは明らかにかなりその
業界
によって
業者
がいろいろな制約を受けたり、あるいはまた何か納入することが困難じゃないかというような
業者
に対しては、えこひいきの取り扱いをやったりというようなことはあり得ると思うのですが、そういう事実はあなた方把握しておられますか、それともそういうことはやはり当然だと考えられるのですか。
鬼丸勝之
123
○
政府委員
(鬼丸勝之君) ただいまお話の
団体
の会費等を、会員の
工事
の受注額に応じて何パーセントというふうに払っておる、あるいは払わされておるという事実は私はないと思います。またありとせばそういうことは非常に好ましくないことでございますから、将来もそういうことのないように、
建設省
としてはこの
改正
が成立いたしますれば、この
改正
の
規定
の運用上
指導
を徹底して参りたい、かように考えております。
武内五郎
124
○武内五郎君 まああるということをおっしゃるのは相当苦しいと思うのですが、事実あるのですから、そういう点はかなりな強い
指導
が必要じゃないかと思うのです。その
指導
について政令で定められると思うのですが、大体どういうふうな政令の
内容
になりますか。
鬼丸勝之
125
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 省令でまずこのどういう
団体
を届け出させるかということと、それから
届出
事項
の範囲を省令でやはりきめることになっておりまするが、大体私
ども
先ほ
ども
申し上げましたように、また先生から御指摘のように、現在
団体
がいろいろあることは知っておりますけれ
ども
、実態があまりつかまれてない、
都道府県知事
になりますとなお
実情
がわからない、こういう
状況
でございます。今後との
法律
によって届け出させるのは、大体
都道府県
の管内区域を
活動
範囲とする
団体
、あるいはこれらの法人でなくても、任意
団体
であっても、すべて届け出をさせようと考えております。全国の区域を
規模
とするものは、もちろん届け出をしてもらいたい。そういたしまして届け出の
事項
といたしましては、名称とか、主たる事務所の所在地、
目的
、事業の概要、役員、あるいは管理者の氏名とか、会員の数、名簿、それから
団体
の維持に要する経費の賦課の額とか方法、もちろん定款とか規約、寄付行為があればそういうものを、財産目録、それから会員に対する
指導
連絡
事項
等、重要なもの、こういうようなものを考えたいと思っております。
武内五郎
126
○武内五郎君 私はこの
団体
の性格、それから運営の
基準
というものが明確でないと、これくらい危険なものはないと思うのです。先ほど申し上げたように、
工事
額の何パーセントかをその
団体
に加入者が納入しなければならないということになっておるとすれば、
団体
の民主的な運営というものは考えられない、まずそういう点から厳重な私は規制が必要じゃないかと思うのです。特に省令等において、まだその省令は発布されておらぬでしょうから十分御考慮を願いたい。 それからその
団体
に
技術者
を置くことが
規定
されておる、これは私は非常にいいと思うのですが、ただその
技術者
を置くということが、単に会員である
業者
の
工事
の
技術
上の
指導
をするとかいうようなことであれば、そう弊害はないと思うのですが、これが直ちに
業者
の業務をかなり強く制肘したり、あるいは
指導
するような状態になってくれば、
業者
としての
立場
というものはかなり弱くなる、その点はどういうふうに考えられますか。
鬼丸勝之
127
○
政府委員
(鬼丸勝之君) この
法律
上届け出られまする
団体
は、
建設業
に関する調査、研究、
指導
というような業務をやる
団体
というふうに考えておりまして、この
団体
の会員である
建設業者
に対しまして、
経営
上あるいはその
業者
の業務を具体的に制肘するというようなことを、この
団体
にやらせることは、考えておりません。またもし、これらの
団体
がそういうことをやるということは、調査、研究、
指導
の
団体
の性格を逸脱する行き過ぎた行為をすることになると思いますので、私
ども
といたしましてはそういうことのないように十分
指導
し、注意をして参りたいと思っております。
武内五郎
128
○武内五郎君 私はその次に
業者
の種別、
土木一式
、
建築一式
等々の一式の
業者
の届け出、たとえば
建築一式
届け出の
業者
が、単に建築ばかりでなく、やらなければならぬ建築に付随した土木事業なんか等があると思います。あるいは電気
工事
に関する
業者
であっても、電気ばかりでなく関連した他の事業が必要になってくるのじゃないかと思うのですが、
総合登録
をせないで、一式
業者
がそういうことができるようになるのか、その点はどうですか。
鬼丸勝之
129
○
政府委員
(鬼丸勝之君)
土木一式
または
建築一式工事
を請負う者で、
総合工事業者
としての資格を持たない者、つまり一人
親方
の場合でございますが、これは
専門工事業者
として
仕事
ができるわけでございます。なおこの
土木一式工事
または
建築一式工事
を主として請負うという、
専門工事業者
として
登録
いたしました場合においても、他の
工事
もこれはできるわけでございます。その
親方
さんがほかのたとえば電気とか基礎
工事
とか、そういう
経験
があればもちろん一向差しつかえないわけでございますから、これを
土木一式
として
登録
したから
土木一式
だけしかできない、こういうものではございません。主として請負う
工事
が
土木一式
または
建築一式
、こういうことでございますから、ほかの
工事
も当然できるわけでございます。
武内五郎
130
○武内五郎君 それで
登録
手続の場合ですが、
登録
上の資格の
規定
があるわけです。その資格の
規定
ですが、いろいろなたとえば
技術者
をこういうふうにしろというふうなこととか、ほかにたとえば
業者
の資本額というようなものに対する規制は作られるのかどうか。
鬼丸勝之
131
○
政府委員
(鬼丸勝之君)
建設業者
の
登録
の
要件
といたしましては、この
法律
の
改正案
に第五条に
規定
してございますように、主として請負う
建設工事
の
種類ごと
に、法人の場合は役員のうちの一人あるいはその使用人のうちの一人、個人
経営
の場合は、もちろん使用人の一人かその
親方
一人が、ここに各号に
規定
してありますような
技術
的
能力
を持っておるだけの
要件
でございますから、
資本金
等は全然
登録
の
要件
としては考えておりません。
武内五郎
132
○武内五郎君 先ほど
参考人
がおられたときに
参考人
からお話があったのですが、単価の問題ですが、今田上
委員
から出されました
工事
上の不安な状態ですね、まさか
大林
ともあろう大会社が、手抜きをやったりなんかすることはないと考えるのですけれ
ども
、単価上の問題で手抜きをやることがほとんどまあ
一般
のようになっておるようであります。それで、たとえば単価においても
建設省
の単価
基準
というものと、国鉄の単価
基準
というものと、同種の
工事
というものでも非常に違っておるということがあると思います。特に国鉄では人間の生命等まであずかって
仕事
をぜにやあならぬので、きわめて厳重な
工事
を必要とすることは当然でありますが、その点ではどの
工事
においても私は同じだと思います。
建設省
関係
の
工事
だって田上
委員
が質問したように、もしあれがすでに開館されて、使用後に落ちたとすれば大
へん
なことになったと思うのですけれ
ども
、この単価上の問題で
業者
の間にいろいろな不平がある。非常に
建設関係
の単価が低い。たとえば鉄道で材料を支給してさえも
建設省
との単価の開きが大きいというようなことを言っておりますが、そういうことはどういう——しかもそれが単価、時価において更正できるかどうか、考え直すことができるかどうか。そういう点をお伺いしたい。
鬼丸勝之
133
○
政府委員
(鬼丸勝之君)
工事単価
の問題でございますが、国鉄の
工事
との比較のお話もございましたけれ
ども
、
建設省
所管の
工事
も非常に多種多様でございまして、具体的には簡単にちょっと一口に申し上げかねるのでございますが、建築物、住宅、その他建築
関係
で申しますると、公営住宅は単価が三十五年度同様据え置きになっておりまして、増額を認められておりません。ただ、坪数が、特に第二種公営住宅におきましては、一坪それぞれふえておりますので、あとは
実施
段階におきまして、構造の種別を
実施
上うまく組み合わせるというようなこと。それから
施工
方法等におきましてもできるだけ工夫いたしまして、何とかこの単価でできるようにいたしたい。もう
一つ
、公営住宅の性格上、どうしても足りないという部分は、地方
公共
団体
——事業主体である
都道府県
なり市町村でございますが、これらが実際には相当
協力
をするということで計画の戸数を達成いたして参りたいと考えております。住宅金融公庫や住宅公団住宅におきましては、用地費におきまして一七%増です。
工事
費におきましては、木造が七%、簡易耐火が五%、鉄筋コンクリートが四%の増加で組まれておりますので、この予算単価の
実施
面におきましては、用地費等は地域別に相当実態を考えまして、
実施
上工夫をいたしましてこの単価でやって参りたい。官庁営繕におきましてはこれはすべて直轄でやっておりまするが、この単価はあまり実は増額を認められておりません。これは文部省の学校、あるいは厚生省の病院
関係
との均衡上もありまして、単価増がほとんど認められませんでしたが、これも実行上坪数等の加減を工夫いたしまして、何とか予定
通り
施工
ができるようにいたして参りたい。結局これらの建築物の
工事
はすべて請負に付せられるわけでございますが、落札不調というようなことになりましては事業が進捗いたしませんわけでございます。従来もそうですが、今後も実行上の措置を大蔵省等とも場合によっては相談いたしまして、
工事
ができないということにならないように処置をいたしたいと考えております。土木
関係
の施設におきましても、若干の単価増はそれぞれ認められましたが、ものによりましてはまだ不十分なものもございますが、これはやはり
実施
上
実施
単価を現地の
実情
に合わせまして考えていきたい、
実施
設計を組む際にそういう
実施
単価を十分検討いたしまして、実行できるように取り計らって参りたいと、かように考えております。
武内五郎
134
○武内五郎君 まあいろいろな面で単価がかなり前年度よりも上がって組まれておるということはあると思います。ただ問題は、
工事
施工
の上で一番大事なのは、何といっても材料と労賃、この
動き
によって
工事
のよしあしがほとんどきまるのではないか。特に労賃等は非常に低く組まれておって、従って、いろいろな労賃上の支払い
関係
から、結局権利金その他不祥なことをやり出す、これが
一般
のようでありますので、しかもこれは物価等の変動でかなり上下が激しいので、それらについてのスライドをできるように考えられぬものかどうか。
鬼丸勝之
135
○
政府委員
(鬼丸勝之君) こういう単価を構成しておりまする
要素
のうち、労賃が相当大きな
要素
でございますし、そのほかにもちろん資材その他の諸経費ということになっておりますが、実は土木
関係
の
工事
におきましては、いわゆる歩がかりという制度的な従来からの慣行がございまして、たとえば掘削については、一立方メートルどれだけでできるのだというような計算があるわけでございます。そこで、その中で人力を使う場合に人力がどれだけ要る、機械を使う場合には機械がどれだけ要ると、普通標準の歩がかりといたしましては、掘削に人力がどのくらいの割合である、機械がどのくらいの割合であるというようなことで、これを厳密に労賃なら労賃だけで、はじき出すわけに参りませんので、一例を申し上げますと掘削の場合も、歩がかりの人力の部分につきましては、昨年は平均で四百六円の労賃、これに対してたとえば切り取り、床掘りの平均が一一%、あるいは人が運搬するものが三六%、四百六円にそれぞれのパーセンテージをかけて、百九十円というのが三十五年度はじき出されておったわけです。これを今回は労賃を四百十八円というふうに見まして、歩がかりの一一%、三六%は同様でございますが、百九十六円というふうに、はじき出しております。これは一応の標準でございますが、そこで、このほかに機械を使う場合はまたこまかい計算がございまして、機械による分と人力による分をどういう割合で組み合わせるかというようなことによりまして、全体の金額が違ってくるわけでございますが、私
ども
といたしましては土木
関係
はできるだけ
機械化
施工
をやりまして、それによって労賃の単価の上がった部分を埋め合わせるように考えていきたい。従いまして、
実施
上は労賃の単価はこれ以上に上回った、過去のPWの標準より以上——人によりますが、むしろ最高に近い方の標準より上回ったものを支払うことができるように考えて参りたいというふうに思っております。建築物につきましても同様に、一坪当たり材料と労力費がどれだけ要るかということで、坪当たりの単価を出しておるわけであります。これも資材の使い方あるいは資材の
種類
等によりまして、労力の実際の所要量も変わってきますし、資材の使い方と
施工
方法が変わりますれば、
技能
者の
種類
もある
程度
変わってくる。
施工
方法なりあるいは資材の使い方等でできるだけ工夫して参って、必要な労賃につきましては支払うことができるように配慮して参りたいというふうに考えております。
武内五郎
136
○武内五郎君 この審議会の問題ですが、審議会は、
業者
の資格、
工事
能力
等を
審査
して、それによって
大臣
または
都道府県知事
がその資格をきめるということになっておりますけれ
ども
、今地方の
業者
等の実態を見ますると、大体A、B、Cというような段階があるわけです。このA、B、Cの段階をやはりこの審議会が
審査
、査定する。もし、私は、実質において、Bに指定されているがAなんだ、あるいはCに指定されておるのだがB以上の
能力
を持っているのだ、というような査定の結果について不満があった場合、異議申し立て等によってこれを更正できるかどうか。
鬼丸勝之
137
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 今回
改正案
に盛られております、
建設業者
の
経営
に関する
事項
の
審査
の制度につきましては、ただいま先生から御指摘のように、現在は
中央建設業審議会
におきまして、
入札制度合理化
対策
の一環といたしまして
実施
いたしておりますが、これはしかし
一つ
の
勧告
の性質を持ったものでございます。従いまして、現在の審議会の
決定
は行政
指導
的な効力しかないということでございまして、
現行
の
入札
資格の
審査
の結果につきましては、
審査
を受けた者が再
審査
を受けるという道が開かれておりません。そこで今回
改正
法に、ここに新たに
規定
されましたゆえんは、これをもっと合理的な
基準
によって、フェアに行なうということがよかろうというふうに考えて、制度としてここに
改正
法に新たに詳しく
規定
をしたようなわけでございますが、この条文の中で第二十七条の四の
規定
におきまして、
審査
の結果、異議のある
建設業者
はその
審査
を行なった
建設大臣
または
都道府県知事
に対して、再
審査
の申し立てをすることができる、と
規定
されておりますのは、異議があれば
大臣
登録
業者
は
建設大臣
、
知事
登録
業者
はこれを
都道府県知事
が申し立てを受けて再
審査
をする、という趣旨でこの
規定
が設けられている次第でございますので、もちろん申し立てによりまして再
審査
をいたしたい、あるいはいたさせるというふうに考えております。
武内五郎
138
○武内五郎君 次に私、
業者
と発注者との契約
関係
について、御
承知
の
通り
何といっても注文する方は注文される方よりも強くなる。
一般
にわれわれが商店から物を買う場合には、お客さんの方はかなり強いわけですが、そういうような工合で、
業者
と発注者との間に、その
立場
の相違もあって、契約上に非常に対等な
立場
に立っていない向きがかなりあると思う。何々にすべし、何々しなければどうするというような
関係
が契約文書等にかなり見えるようであります。これはこの時代に合わぬように考えられるんだが、それらについて対等な
立場
で契約ができ、対等な
立場
で話ができるように今後
改正
が考えられないものかどうか。
鬼丸勝之
139
○
政府委員
(鬼丸勝之君)
建設業法
の
規定
に基づきまして、注文者と
建設業者
の契約につきましては、標準契約約款を
中央建設業審議会
で
決定
いたしまして、
建設省
としてこれを発注者側に
勧告
いたしております。この標準の約款によりますると、ただいま御指摘のような片務的なことはないのでございますが、ただ
実情
は御指摘のように発注者である
都道府県
等におきましては、非常に古い明治大正時代からの
規定
に基づいて契約の様式、約款をきめておるというようなところもございますので、私
ども
といたしましては、今後この標準契約約款そのものももう少し対等な双務契約という観点から
合理化
する余地もございますが、同時にこれが
合理化
されましたら、これを徹底的に発注者の方で励行してもらうように強く行政上の
指導
をいたして参りたいと、かように考えております。
武内五郎
140
○武内五郎君 いずれ私はこの契約上の問題についてお伺いしたいと思いますが、一応終わります。
武藤常介
141
○武藤常介君 二、三簡単にお伺いしたいと思います。ただいま田上君から横浜の建築の問題に対していろいろ御質問があったのですが、私はここでは全く
内容
がわかりませんので、どうと申し上げることはできないのでありますが、あるいは設計に落度があったのじゃないか、あるいは
施工
にもまた不完全なところがあったのかもわかりませんが、とにかく設計士の
監督
について私はいろいろ考えておることがあるのですが、こういう重大な問題はきわめて少ないのですが、地方で毎々非常に困難しておることは、設計者は非常に新しい様式や斬新な形を競っていろいろやりまするが、それはそれでよいのでありまするが、同じ坪の単価においてはなるべく発注者の意思に沿うようなものを作ろう、こういう考えからいろいろ工夫をされるのでありますが、ただその単価の入れ方が全くそれに沿っていない。現在の状態では、官庁営繕でもまた町村の学校建築でも非常に予算が少ないのであります。その予算が少ないところをいろいろと新しい、いわゆるしろうとの目では非常によいような建築を盛んにやっておる。ところがその単価に至りましては全くずさんである。とうてい現在の価格では
施工
ができないというので、建築
業者
は非常に困難していることは事実であります。こういう単価に対する設計者、すなわちこの建築士というものは
責任
は一体負わないのですか。それとも何でもいいから図面を書いてそれにでたらめな価格を入れても、設計者というものはそれで
責任
を負わぬのであるか、そういうことをお伺いするのです。
鬼丸勝之
142
○
政府委員
(鬼丸勝之君) あるいは建築士が業として設計または
工事
監理を行ないます場合に、事務所を開いた場合には建築士事務所、これはそれぞれ建築士法によりまして
監督
をいたしておりまするが、ただいま御指摘のように、個々の具体の例につきましては、建築士なり建築士事務所の
技術者
が、いわゆる単価その他の積算でございますね、積算の点で十分でないという話は私もときどき聞いておるところでございますが、斬新なデザインだけをして、その裏づけになる単価構成、積算が間に合っていないという場合が最近ちょいちょいございますけれ
ども
、これは発注する事業主体におきまして、予算の面から設計の根本を十分注意して参るのが至当であろうと思います。建築士に事業主体の方がまかせっきりということではいけないと思いますし、私
ども
の
建設省
所管の建築施設、住宅等におきましては、
都道府県
なり市町村、あるいは公団、公庫等におきまして、事業をやる事業主体の
立場
として発注する場合に十分注意をさせておりますし、特に積算につきましては、むしろ事業主体の方が
責任
を持ってやるというぐらいに考えて注意をいたしておるような次第でございます。ただ町村等になりますると、職員もそういない、適当な
技術者
も少ないというようなことから、事業主体自身がこまかい積算を十分やれるかどうか心配でございますが、公営住宅等の事例によりますれば、町村が事業主体の場合には、その町村の所在する県におきまして、県の建築課で十分その辺の
指導
をいたしておる。こういうことになっておりますので、県の建築課に対する
指導
等につきましては、なお
建設省
としても十分遺憾のないように注意して参りたいと考えております。
武藤常介
143
○武藤常介君 私は今から三、四年前、東京都の建築士会に招かれたもんですから、行って建築士の方にいやみを言ったことがあるのですが、どうも建築士の諸君は非常にデザインにばかり頭を入れて、そうして
建設業者
がこれを完成するのにちっとも頭を入れていない。先ほ
ども
非常に
参考人
からも御
意見
が出ましたが、
中小企業
の方がどんどん参っておるというのは現実のようであります。それらは何であるかというと、町村はかりに、あるいは県でもそうでございまするが、予算がこれしかない、これだけの
仕事
をこういうふうにやれと言ってやるので、そうすると建築士の方では、とにかく大した
責任
も感じないで、とにかく適当な図面を書いてそれに適当な単価を入れて出す。そうすると建築
業者
というものは非常に競争をしておる。であるからして大てい安くしてやるのだろう、単価などにかまわないで競争してとるのだろう、こういうような実例が方々にありまして、その結果はいずれもうまくない。であるからして、建築士という許可を得た者に対してはそれだけの
責任
を負う必要があるのではないか。それは一体建築士法ではどうなっていますか。
鬼丸勝之
144
○
政府委員
(鬼丸勝之君) ただいまお尋ねの、建築士が設計をいたしまして、その設計にかかる建築物が設計
通り
できるかどうかという場合の
責任
の
関係
でございますが、その場合その設計を担当いたしました建築士なり建築士事務所が、設計だけでなく
工事
の監理をいたします場合には、当然建築士法上
責任
があるわけでございます。ただ先生の御指摘の場合は、設計だけを引き受けて、あとの
工事
監督
は市町村なり県がやっておった場合ではないかと思います。その場合は今度は
工事
監督
の方の
責任
は事業主体の方にありますので、結局事業主体と建築士の間で設計が単価に見合うように十分話し合いが尽くされていなかった、というケースではないかと思われるのでございますが、私
ども
は県にもそういうことをかねがね注意いたしておりまして、建築士に設計を頼む場合には、できるだけほんとうは
工事
監理まで
責任
を持たせる、多少の経費はかかりましても
工事
監理までやってもらうということが、建築士が名実ともに
責任
を負うことになっていいのではないか、というふうな
指導
もいたしておりますが、しかし
工事
監理は建築士も忙しくて一々現場
監督
までできないという場合には、もう少し事業主体自身がまかせっきりにしないで、設計を組むときに十分積算上検討して、単価等も検討していくという必要があるわけでございまして、御指摘のような事例が今後も間々出てくると思いますので、十分
一つ
建築士の使い方と申しますかにつきましては、事業主体である
都道府県
あるいは市町村に十分
指導
いたしまして、先ほど申しましたように、建築士が名実ともに
責任
を果たせるようにいたしたいと考えております。
武藤常介
145
○武藤常介君 ただいまのお話でありますが、大体町村ではそういう
技術者
を持っておりません。大体は設計者が設計してそうして一カ月に一回か二回ぐらい
監督
に行って、そうしてこれを完成する。そこでその間の単価には全く一たん渡したら
責任
を負わない。そうすると、建築士というのは何か図案でも書くとかあるいは絵を書くとかいうようなことに終わってしまうのでありますが、少なくも建築士という肩書を授けた以上は、やはり時価というものをちゃんと把握して、そうしてそれが完全に
施工
ができるというような設計書をこしらえて出す。その後の監理はともかくとして、それまでのことは
責任
を負わせないならば、設計士というものを
現状
のような制度のもとにおいて認めていくことは、はなはだ……ことに今日のような物価の上昇の時代にありましては、非常に各方面に、発注者も迷惑をする、また
施工
に当たる建築
業者
も迷惑をしておる。きょうはだいぶ
中小企業
者がだんだんいわゆる豊作貧乏というような形になる、ということを口をきわめて皆さんが申されましたが、そういうことが最近は非常に私は多いと思うのであります。最近、相当
中小企業
者が破産の状態になっておることは明らかのようでありまするから、こういう方面は、やはり
建設省
において
指導
監督
をする必要があると私は思うのですが、なお重ねてお伺いいたします。
鬼丸勝之
146
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 建築士の業務につきましては、御指摘のように、あるいは建築士自体が、設計上の
技術
的な良心に従うことを急いで、経済的な観念がまあ多少稀薄であるというような場合が、特に最近の事態においては実際にあると思います。で、私
ども
は、建築士会というこの法定の
団体
もございますし、こういう
団体
を通じまして、なるべく現実に即した、特にこの単価その他の積算に遺漏のないような設計をするような心がけと、またその実際の積算の
能力
ということにつきまして、講習会等を府県単位でやらしておりまするが、御指摘のような点は今後ますますそういう方面に力を入れまして、建築士の教養を高めて参るということをはかって参りたいと思いますし、それから市町村が事業主体の場合には、お話のように
技術者
がほとんどいないというところも多いのでございますから、この場合に私
ども
といたしましては従来、県が、この市町村の事業主体として
監督
する力を補ってやるように、県の土木事務所等の出先が
監督
を
協力
する、こういうことが望ましいということで
指導
いたしておるようなわけでございまするが、事業主体自身が県等の
協力
を得て
監督
をしっかりやる。で、どうしても
監督
が十分できないというような場合には、建築士会等にも
協力
を要請いたしまして、建築士自体が設計から
工事
監理までを
責任
をもってやる。どちらかの方法をとって参れば、お話のようなまずいことがだいぶ解消するのじゃないか。そこで、今後もそういう考え方で、建築士会あるいは事業主体である市町村、県に対する行政上の
指導
を十分徹底して参りたいというふうに考えております。
武藤常介
147
○武藤常介君 ただいま
建設省
のお話わかりましたが、かような問題のできる根本をいろいろ考えてみますると、ただいまの同僚議員からの御質問がありましたがやはり単価が予算にないというのが
原因
らしいのでありますが、ちょうど数日前、住宅公団の総裁に会いましたところが、どうも本年の予定の事業の施行はとても困難であると、こういうふうなことを言っておりましたが、これは予算の当時はさほどのこともなかったんでしょうから、これはやむを得ないのでありまするが、このままで一体、追加というわけにも今はいかないのでしょうが、こういう方面の住宅であるとかあるいはその他の建設事業が、予定
通り
の
工事
を進めることは非常に困難であろうと私は思うのでありますが、これに対処するためには、どうかまた考え直す必要があるのじゃないかと思うのでありますが、
大臣
はどうお考えになっておりますか。御
意見
をちょっとお伺いしたいのですが。
中村梅吉
148
○国務
大臣
(中村梅吉君) 実は、三十六年度予算
編成
の際にも、単価の問題非常に重要な問題としてわれわれは取り上げまして努力をいたした次第でございますが、思うように財政当局の理解を得ることが困難であったわけでございます。住宅公団あるいは住宅金融公庫等の建設にかかる積算、あるいは営繕等の分につきましては、若干われわれの趣旨が
通り
まして、従来の単価構成を是正してもらったわけでございますが、文部省の方の学校建築もうまくいかなかったようでありますけれ
ども
、特に公営住宅につきましては、大体考え方の基礎が違いまして、大蔵省に言わせますと、これは補助単価であると、補助の
基準
としての単価構成なんで、建設単価じゃないのだということで、この是正はできなかったわけでございます。しかし、実際にその単価構成は補助単価であるにせよ、補助をもらった府県あるいは市といたしましては、やはりそれを
一つ
の
基準
として発注をするという傾向がありますので、自然それが請負
業者
の方にしわ寄せされるという
現状
にあるようでございますから、来年度は
一つ
今から、早くから準備をしましていろいろだ資料を整えて、十分われわれの趣旨も徹底するように努力をしていきたいと思っております。
武藤常介
149
○武藤常介君 県に対する補助
工事
は、補助であるからというお話でありますが、
大臣
の御趣旨はよくわかっております。ただ大蔵省の見解が、これは補助単価なんであるからというが、しかしやはり県としては地方財政にもさほど余裕がないのですから、それが減れば予定の建築はできない。また建築をしても先ほど申したような非常な無理な
仕事
になる。たとえば農民の所得の倍増、あるいはその他の所得の倍増ということを叫ばれておるときに、この
建設業者
だけが両方から圧迫をかけられるようになれば、これはわれわれ
建設業
に
関係
する議員としても黙って見ておるのはどうかと私は思うのですが、そういう点を何とか考え直さなくちゃならぬのじゃないか、こういうふうに私は考えておる次第であります。別に御答弁は要りません。
田中一
150
○
田中
一君 これは
一つ
はっきりとただしておきたいのですがね。この
中央
一
建設業
審議会できめようとする格づけの問題です。
目的
何ですか。その前に
基準
の案があれば
一つ
もらっておきます。
鬼丸勝之
151
○
政府委員
(鬼丸勝之君)
建設業者
の
経営
に関する
事項
の
審査
の
目的
につきましては、もう
田中
先生御
承知
と思いますが、
公共性
のある
建設工事
につきまして、発注者の便益に供しようということが第一でございます。またひいてはこの
公共
工事
を請け負いたいという
業者
の全体の
施工
能力
の
向上
ということも、
期待
いたしておるわけでございまして、そういう趣旨で従来は単に
建設業
審議会で非公式的にやっておりましたものを、今回制度として確立いたしまして適正妥当な
審査
結果を出してもらいたい、こういう趣旨で
改正
してここに織り込まれておるわけでございますが、この
審査
の
項目
と
基準
でございまするが、これは
建設大臣
が
中央建設業審議会
の
意見
を聞いて定めることになっておりますので、まだこの法案が成立いたしませんので、成立後すみやかに審議会に諮りまして
決定
していただきたいと考えておりますが、事務的には一応
審査
事項
としましては、
工事
の
種類
別の一年間の完成
工事
高、それから過去五年間の
建設工事
一件の最高額、
資本金
の額、職員の数、この内訳としまして、もちろん
技術者
の職員の数も明らかにしたいと思っております。それから保有しておる建設機械設備それから
経営
比率等です。この
審査
の
基準
といたしまして、あるいはどういう格づけをするかというようなことにつきましては、まだ具体的には今検討中でございますが、この
基準
の考え方は
建設業界
の均衡ある
発展
、特に
中小業者
の健全な
発展
を考慮いたしまして定めたいというふうに考えております。
田中一
152
○
田中
一君 発注者がだれであろうと、請負人の実体というものを調査
報告
を受けたいといえば、必ずそれは
大臣
または
都道府県知事
は義務づけられるわけですね、この
法律
の成立によって。
鬼丸勝之
153
○
政府委員
(鬼丸勝之君) この
公共性
のある
工事
の発注者が請求いたしますれば、
建設大臣
あるいは
都道府県知事
は
審査
の結果を通知しなければならぬというふうになっております。
田中一
154
○
田中
一君 民間の
工事
を発注しようという場合には……。
鬼丸勝之
155
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 民間の
工事
は
関係
ございませんので、この条文にございますように、
公共性
のある施設または
工作物
に関する
工事
ということで、なお具体的には
建設省令
で定める予定にいたしております。
田中一
156
○
田中
一君 国民が直接関与しないこの種の
法律
でいうこの調査
報告
書なんていうものは、御自分の発注権限でおやりになればいいのです。条例または政令でおやりになればいいのです。一体国民がそうした
内容
というものを知りたい場合には国民には与えない。そのうちの特殊な
公共
事業、
公共性
ある
工事
を発注しようという者だけそれを調べるということは、これは特定なる人たちの利用をはかるということになるわけですね。そうしてその格づけというものは何ら民間の発注者に影響しないといっても、これは影響するものなんです。一体独善的に
公共性
ある事業だけ、この格づけなりあるいはこの
審査
というものは、その分だけの問題だということだけで足りるものじゃないと思うのです。しからばなぜ、ある一定のAという
業者
の従来やった、
公共性
ある施設または
工作物
に関する建設
能力
を調べるのか、おそらく、これはそのAという
業者
の、あらゆる建設
能力
の
総合
したものをお調べになろうと思うに違いないと思うのです。そうして特殊なる人間だけが、その調査というものを利用しようという考え方に対しては、非常に疑義があると思うのです。それならば何も
中央建設業審議会
に頼む必要はないのです。
中央建設業審議会
は少なくとも国民のものであるはずです。それが特定なる
公共性
ある
工事
だけに対する
報告
というものが法で規制されるということは、これはちょっと私は納得できないと思うのです。そうならば何人であろうとも、
法律
でこれをきめようというのですから、国民がやっぱりその
内容
を知りたいという場合には、国民にもそれを知らしむることが一応この法の建前からいえば妥当です。しかしまたこれを
一般
に公開して、鬼丸官房長は頭の後の方にはげがあるということまで
報告
されたのでは困る場合もある。私はこの
法律
の建前に対して非常な大きな
問題点
があると思うのです。だから、なぜ、どうして、何をやってどういうことかもつと納得する答弁がなければ、民法の方の学者でも呼んで来てもらって、そうして一ぺん
意見
を聞かなければならぬと思うのです。
法律
は国民のものなんです。
法律
というものは取締法であっちゃならないのですよ。会計法では公開
入札
というものが原則になり、どの
業者
も機会均等、公開
入札
の場合には、日本人である限りこれは
入札
権はある。しかしながら、なぜ特定なる発注者だけがそうした調査を占有するか、占有することが今日の他の民法その他の
法律
面から見て、
法律
にまではっきりと
改正
してきめようということが、ほかの
法律
にそういう例があるかどうか
一つ
答弁していただきたい。十分調べてほしい。もしあるならばあるでもって一ぺん考え方を伺いますけれ
ども
……。
鬼丸勝之
157
○
政府委員
(鬼丸勝之君)
田中
先生この問題を非常にむずかしくお考えになっているようでございますが、今回この
改正法案
に特に
規定
いたしましたのは、従来のやり方を抜本的に変更して、新しい制度を全然新規に打ち立てるということではございませんので、少し立法に至りました沿革的なことを申し上げますが、実は
中央建設業審議会
で、従来もうここ数年来、
建設業法
が成立いたしましてから間もなくでございますが、
昭和
二十五年以来
入札
制度の
合理化
対策
の一環として、
入札
の参加者の資格に関する
基準
を検討し
決定
いたしまして、それを発注者、
公共
団体
、国、公団、公庫等に示して参考に供しておったわけでございます。ところが昨年来御
承知
の会計法の
改正
に関連いたしまして、財政制度審議会においていろいろ御
承知
の
一般
競争
入札
を建前にするとか、指名競争
入札
をどう扱うかという議論がありまして、その
一般
競争
入札
をやる場合に、
一つ
の制限を付加するやり方として、資格
審査
をやったらどうかというような
意見
が相当強く出たことがあります。今回の会計法の
改正案
におきましても、資格を
審査
することができるという趣旨の
規定
がうたわれておりまして、制限付の
一般
競争
入札
という制度が
法律
に
規定
しておると思いますが、そこで、私
ども
としましては、発注者の
立場
で、しかも、国だけが
一般
競争
入札
を
実施
するために資格
審査
をやるというのはいかがなものかということで、実はいろいろ財政制度審議会においても
意見
を申し上げました。実態は、現在の指名競争
入札
が、発注者の側からみても、また、
業界
の
立場
からいっても適切であるという
意見
を、私
ども
は大蔵省の審議会で申しておったのです。そこでむしろ客観的な資格
審査
をやるならば、
建設業
行政の
立場
で、つまり言いかえますと、
建設工事
の適正な施行を確保すると同時に、
建設業者
の健全な
発達
をはかるというこの
立場
で、
公共
工事
の資格審衣をやった方がいいじゃないかと。もう
一つ
、大蔵省
関係
で扱いますと、国が発注する
工事
だけに限定されます。これはいかにもおかしいと。
公共
工事
ならば、むしろ実態は
都道府県
その他が相当部分をこなしておるわけですから、国の発注する
公共
工事
だけを特別に資格
審査
するというのは、むしろ筋が通らぬのではないかというようなことから、
建設業
行政の
立場
で、広く
公共性
のある
工事
について、
客観的事項
の資格
審査
をやった方がよろしいという結論が、
中央建設業審議会
におきまして出まして、そこで、大蔵省もようやく
中央建設業審議会
の大勢の
意見
を納得しました。納得しまして、大蔵省も国の
立場
で資格
審査
することはできるようにしようということで、会計法にも資格
審査
の
規定
が入っております。しかし裏の話、というとおかしいんですが、大蔵省事務当局との話し合いでは、会計法による資格
審査
と、
建設業法
による資格
審査
とは矛盾しないようにしようと。
建設業法
のこの
経営
上の資格
審査
は、
公共
工事
全般にわたるものであるから、こちらの方がむしろ
一般
的に妥当すると、それに矛盾しないように大蔵省の方の会計法上の資格
審査
は考えていこうと、こういう話し合いになりまして、今回
建設業法
に、
公共性
のある
工事
につきまして、
一般
的な
経営
上の資格
審査
制度を
規定
することになったわけでございまして、その
内容
は、従来審議会で非公式に、この
現行法
の三十四条の
規定
に基づいて作っておりました
基準
と、根本の趣旨は変わらないと。むしろこれをより
合理化
して行なう。また、申請した人に再
審査
の道を開こう、より合理的にフェアに行なうという趣旨で、この
規定
を設けたような次第でございます。 それから、民間
工事
も、やるなら当然取り上げるべきじゃないかというお話でございますが、もちろん、この申請者の
審査
の場合には、民間の受注
工事
をどういうふうに受けたかということは、
審査
の
内容
には入りますが、ただ、民間の注文者にこれを知らせるということになりますと、結局公表することに変わりはありません。さきほどお話の
通り
です。そこで、民間の方にはこの
審査
結果までも知らせる必要はないじゃないか。と申しますのは、先生よく御
承知
のように民間
工事
はほとんど随意契約で、大体特定の
業者
との信頼
関係
で、
工事
を請け負わせておる
関係
もございますから、
公共
工事
のように広く
業者
を指名し選択するということはないわけでございますから、私
ども
は、そういう実態からいたしましても、民間の注文者にお知らせする必要はないというふうに考えたわけでございます。
田中一
158
○
田中
一君 そうすると、会計法の今度の
改正
によって、これは原則は
現行
でもその
通り
です、公開
入札
が原則なんですから、
建設省
としては、従来
通り
指名競争
入札
を行なうために、これを格づけをするんだということでいいんですか。
鬼丸勝之
159
○
政府委員
(鬼丸勝之君) ただいまお話のように、実際の
工事
の
入札
は指名競争
入札
がむしろ
一般
的であるという前提に立ちまして、その場合、指名
業者
を選定する
一つ
の客観的な
基準
として、これを使ってもらいたいということでございます。
田中一
160
○
田中
一君 そうすると、
中央建設業審議会
が盛った格づけというものは、その格づけなりにおける指名は正しいものと大蔵当局は認めると、こういうことになっているんですか、了解は。
鬼丸勝之
161
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 格づけしたその
内容
につきましては、正しいというふうに大蔵省当局も認める。しかし、現実には、国なり地方
公共
団体
がこれを使います場合には、このほかに、主観的
要素
と申しておりますが、
工事
のできばえその他その発注者の方から見たいろいろな
要素
を加えまして、そうして発注者の方で実際は別のランクを作るということになるかと思います。
田中一
162
○
田中
一君 そうすると、保有機械、職員等のむろん実態までも調べるんですね。たとえばブルドーザーが必要な場合には、ブルドーザーが五台要るんだ、あそこのうちは十台持っているからこれは可能であろうという見方をするのか。そうすると、ブルドーザーが十台というものは現在一体どこに使っておるか、その機械はいつごろあくのか、今度の
工事
に対して間に合うか間に合わないか、という点までも十分に調べた上で、これは主観的
要素
でけっこうです、指名しようとするのか。これは今言う
通り
、資本の大、機械保有の大等々、数字の上の安全率というものと、その当時の、実際にある一定の期間内に
施工
させるという場合には、それこそあなたの方で主観的な判断をするためには、相当大きな調査網を持たなければわからないことなんですよ。もしも
中央建設業審議会
が常置される指名選考の機関というならば、これはいいと思いますけれ
ども
、ただ単に資本の大、
規模
の大、ここに書いてある
通り
、「
経営規模
その他
経営
に関する
客観的事項
」だけは認められて、そうして主観的なこれに
要素
を入れた判定を下す場合に、その
業者
が持っている機械とか何とかの運用
状況
というものを、完全に把握しなければだめなんです。しかし、本人は言うかもわかりません。自分の持っている十台のブルドーザーはここに使っておるこれはこの
工事
には間に合いません、しかし、仲間のところからブルドーザーを借りてやりますと言った場合には、借りてやる場合にも当然なされ得るという見方をしようとするのか、あるいはそんな機械はなくたって何とか間に合うという場合には、あなたが借りるという先へ行って、あなた確かに貸すのですかと言って十分調査した上でそういう指名をするのか。そういう点は非常にむずかしくなってくる。その点はどういう発注の仕方をするのですか。
鬼丸勝之
163
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 大体先生が今おっしゃられた
通り
でございますが、この主観的
要素
は、これはいわば注文者でなければわかりませんから、
建設業
審議会で検討するのはあくまである時点における客観的な状態ということだけでございます。そのほか注文者がそれに加えて発注しようとするときに、一体今手持ちの
工事
がどうなっているか、どういう
工事
をほかに請負っているだろうか、機械をどういうふうに使っておるだろうか。さらに、さっき申し上げましたように、従来の
工事
のできばえ、あるいは工期をうまく守ってやったかどうか、不正、不当な行為があったかなかったかというようなことは、発注者におきまして主観的
要素
として判断をいたしまして、客観的
要素
を加えて指名
業者
の選定をすると、こういうことに相なるわけでございます。
田中一
164
○
田中
一君 そうすると今と何も変わらないじゃないですか。そんなもの
中央建設業審議会
に何も頼む必要がない。あなたのところへきた
報告
書をもって、これが
経営規模
、その他
経営
に関する
客観的事項
というものが現在手に入っている。何も
関係
ないじゃないですか、明文化することは。単に大蔵省の方で、なんか
責任
をどっかに転嫁して、発注者の方の各職員が
責任
をどっかに片がわりするような機関をどっか作ってくれぬか、じゃそれを作ろうということにすぎないんじゃないですか。そんな法をもてあそぶことはいかぬですよ。もっと実体の問題をつかんで、そうして今言う
通り
、あるいは
公共性
ある事業は、
一つ
の間違いがあったかしらぬ、しかし
一般
の民間の事業については非常に高度ないい成績を持ったものがあったという場合、ただ
一つ
の
公共性
の
工事
をもって工期が延びたということだけで、他の社会においてはそれは優秀な成績を上げているという
業者
を、それだけでもってそれを判断するなんということは、これは僕はあっちゃならぬことだと思うんですよ。人間には間違いがあります。何も客観的
条件
によって、悪
条件
によってできない場合もあるんですよ。私は
一つ
知っております。たとえば、せんだっての新潟県に雪が非常に深かった、そのために輸送が間に合わない、そのために一カ月なら一カ月延びてしまった。ところがそれが不幸にして年度末にかかった。年度内ならば延期しても何とか処置をしてくれるけれ
ども
、年度に越えてかかるとこいつは大蔵省はどういう
意見
を言うか、どういうことを言うか、それこそ繰り越し
工事
として認めるという大蔵省の判断がなければそれは認められない。こいつは何でもないことなんです。そういう客観的な
条件
によってやむを得ず延びたという場合も、それもやはりマイナスの点につけて判断するなんということがあっちゃならぬと思うのです。しゃくし定木にものをやる場合じゃないということですね。そうして
中央建設業審議会
がそれまでのものの
意見
書をつけ加える、ただ格づけをするにすぎないでしょう。私はほんとうに今度の会計法でこれ——はまあ今までも貫いている精神でもあるけれ
ども
、ただ単に公開
入札
をやったんではいいものはできない。また指定
業者
も参加するから、だから指名
入札
にするんだという場合、その実態が十分に調べられて、そうして審議会に出てくるものならばこれは認めたらいい。そうじゃなく、ただ単にそれはそれでもって得た調査に対して、これはなおそれ以上の消化力があるということだけを判断するなら、いつでもだれでも判断できます。向こうの提出された書類に対して、ただ国家公務員の担当の
責任
のがれのために持つ、というような制度にしかすぎないのですよ。もう少し掘り下げて実態というものを見てやらないとかえって害になります。まあ、これは官房長官や高田君は
法律
を作る、制度を作る方の側だからいいけれ
ども
、各地建で、あいつは気に食わぬといったらおしまいだ。あいつは工期一週間おくれたからということでおしまいだということになってしまう。そういう考え方で適格者か適格者じゃないかという考え方をするのは酷です。もしこういう制度をもってこれを尊重してやってくるならば、おそらく
公共
工事
に対する
入札
者がなくなってしまいます。応札者がなくなってきます。なぜならば毎年民間
工事
は相当ふえてきている。大体
公共
工事
と民間
工事
は半々ぐらいに伸びておりますよ。多少のきずがある者だけが
公共
でやる
工事
だけにきて、あとは逃げていきますよ。現に住宅公団等が行なっているところの、指名者に対する審議会を部内に持っている。こういうものぐらいでやるならばいいけれ
ども
、部内の制度というものを考えずに、おそらく契約担当者がきめるのかあるいは地建局長がきめるのかわかりませんけれ
ども
、そういう点は主観にウエートがかかりすぎたらやはりこれは問題です。そういう点の運用ということはどういうことに持っていくのか、現在のままと同じでございますというのではこれは何にもならぬのです。少なくともよりよいものを伸ばし、そして誠心誠意実力のある者に対してはその労働力、機動力を活用するめだということの表われならば、これは現在の段階としてはいいと思うのですけれ
ども
、主観のみで 大体この審議会の答申というものは、これは何もプラスもマイスナもないわけで、これは適格者でございますというのにすぎない。不適格者はその中で選ぶはずはないのですから。こういう点は運用の面においては非常に危険を伴うと思うのです。そういう点はどういう工合に
指示
するつもりなんですか。汚職をふやすような制度ではいかぬですよ。
鬼丸勝之
165
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 実際の指名
業者
の選定にあたりましては、まあこの
審査
結果からは出てこないわけでありますし、直ちには。そこで私
ども
従来地方建設局に対しましては、指名
業者
選定要領というようなものを通達いたしておりまして、これによりまして、これにさらに主観的
要素
を
基準
として取り上げて考えなさいということと、それから選定の仕方といたしまして、たとえば一部長と局長だけできめたりいたしますと、御指摘のような非常に片寄った主観で判定されるおそれがございますから、選定
委員
会を、たとえは道路
工事
にいたしましても、総務部長、企画室長等を交えて部内で選定
委員
会を作ってきめなさい、それから一億円以上の
工事
金額につきましては、本省まであらかじめ伺いを立てて承認を受けさせております。本省におきまして次官が
会長
になって、各局長が
委員
からなるやはり選定
委員
会をそのつど開きましてきめておる。一億円以下は地建でそれぞれの
関係
部長と局長が
委員
会を構成してやっている、まあ、こういう
状況
でございますので、お話のようにこの
法律
の
改正
を機として、さらに主観的
要素
の取り方、加え方、これにつきまして公正にこれを行なわれるように運用上は十分注意をいたして参りたいというふうに考えております。
田中一
166
○
田中
一君 それからこの
中央建設業審議会
では、かりに三十五年に十億消化した、三十六年にはやはり十億という押さえ方を主観的に判断しようとするのか、これは十三億でいいという判断をしようとするのか、これはどうなんですか。おそらく格づけをする場合に、やはり
業者
で毛
希望
を持たさにゃいかぬですよ、
希望
を。
希望
というのは将来に対する
希望
ですよ。お前はどこまでも一億円
業者
だと、お前は二億五千万
業者
だと、こういうきめ方はいかぬと思うのです。そうするならばそれに
関係
ない大
業者
だけ頼めばいいんです。一番安全です。具体的にどういう形にするのか、それ非常に危険なんですよ、締めつけをしてもいけなければ野放しにしてもいけないし。
鬼丸勝之
167
○
政府委員
(鬼丸勝之君) ただいまお話の点でございますが、将来の予測的な数字は出さないつもりでございます。これはまあ非常に不確定でございますし、今日のように個々の
業者
の受注高も相当漸増が予想されますから予測は立たない。ただ過去五カ年間の
建設工事
の一件当たりの最高額とか最低額というものを、そのつど毎年出していきます。そこら辺から将来も発注者の方から見て多少参考になるんじゃないかと、それから実績として過去一カ年のパーセントを、まあ客観的事実しか出せませんから、その辺は
中央建設業審議会
におきましても、これからいろいろ検討審議していただきますが、予測的な数字をもって格づけの
要素
とするということはどうも当を得ないんじゃないかというふうに考えております。
田中一
168
○
田中
一君 それじゃ次の二日の
委員
会までに、格づけはどういう形で考えているのか、ちょっと図解して持ってきて下さい。
鬼丸勝之
169
○
政府委員
(鬼丸勝之君)
中央建設業審議会
に諮らなきゃなりませんので、ほんとうの事務当局で考えておる草案の原案くらいの
意味
であるならば、持って参りたいと思っております。
田中一
170
○
田中
一君 第三の問題の
団体
ですがね。これはまあ民法上の法人ということに、はっきりと
規定
してますから、おそらく各地方にある、先ほど
大林
参考人
が言った法人になっているものはどんどんと法人になると思いますが、そこで一
都道府県
に一
団体
という考え方に立っているのか、あるいは幾つでもいいんだという考えに立っているのか、
職別
の
団体
はどうなるのか、そういう点はどうですか。どういうものを考えているのですか。
鬼丸勝之
171
○
政府委員
(鬼丸勝之君) この
団体
はこの案にございますように、
建設業
に関する
調査研究
、
指導
等の業務を行なう社団または財団ということになっておりまして、
建設省令
で定めることになっておりますが、私
ども
は民法上の公益法人であろうとなかろうとこれは取り上げて参りたい。それから
都道府県
の管内につきましては、
都道府県
ごとの区域を
活動
範囲とするというものであれば、やはり届け出てもらいたいと思っております。その場合に、
都道府県
単位に
一つ
でなければならぬということは考えておりません。これは
総合業者
の
団体
もありますし
職別
のものもありましょうから、
都道府県
の区域を業務範囲としておれば幾つでもけっこうだと思っております。もちろん全国区域を単位とするものも
一つ
以上あってけっこうですから、これも届け出をしてもらいたいと思っております。
田中一
172
○
田中
一君 それから
建設業
じゃない契約行為ということになりますと、設計事務所、これはおそらく委託設計というものは相当これから多くなると思うのですが、この点はこの建築士法ではないわけでしょう。何もありませんね、そういうものは。これもやはり会計法からくるところの契約行為ですから、国でやっている場合にはそれはどうしているか。どういう工合に規制しようとするのか、建築事務所の場合、設計ですね、監理はやるでしょうが、設計ですがね。
鬼丸勝之
173
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 設計のうち建築
関係
につきましては、建築士事務所を設ける場合におきましては、
登録
をすることになっております。これは建築士法におきまして
登録
を受けられるということになっておりますので、むしろ
建設業
と同様
登録制度
によって
指導
監督
を受けておるわけでございます。
田中一
174
○
田中
一君 同じようなケースで、あなたの方から建策士に出す
仕事
、あるいは公団も出しています、道路公団も出していますが、いろいろなものも出しておりますが、それは同じような行き方で出していこうという考え方ですか。
鬼丸勝之
175
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 設計の点でございますか。
田中一
176
○
田中
一君 ええ。
鬼丸勝之
177
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 建築
関係
の設計は、地建におきましても、あるいは住宅公団におきましても、相当との設計をやる建築士事務所に発注いたしてやって参っております。ただ道路と土木施設の
関係
におきましては、制度的にはこういう
法律
による
登録制度
は行なわれておりませんが、実は道路
関係
等の土木のコンサルタントと申しております設計
専門
の
業者
の方々が、だいぶん最近はふえて参りました。今まで非常に少ないものですから、
法律
規制をやるというふうな
必要性
がなかったわけでございます。今後この問題は検討していかなければならぬと思っております。また、実際問題として、道路事業等におきましては、相当設計を外注して参る必要があると考えておりますので、道路等のコンサルタントの民間の
業者
が
発展
することを
期待
しておるような次第でございます。
田中一
178
○
田中
一君 では、建築の場合には全部随意契約ですか、道路の場合もコンサルタントに対する契約は随契にしているのですか。
鬼丸勝之
179
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 私も全般につきまして詳しく
承知
いたしておりませんが、建築につきまして住宅公団等の例を聞きますと、建築家協会という
団体
がございます。この建築士の事務所が集まっておる
団体
でありますが、その
団体
に頼みまして一社か二、三社推薦を受けまして、そのうちから選んできめておるということが住宅公団の場合です。そのほかは
一般
的に随契か、あるいは二、三社、数社の一種の協議設計と申しておりますが、協議設計というやり方で設計を発注いたしております。
田中一
180
○
田中
一君 協議設計の場合には、何か設計料は前もって払うのですか。協議設計の場合には住宅公団の建物なんかというものは単なる労働ですよ。何も特別なものをねらっておるものじゃないでしょう。この場合にはどうなんです。この場合にも協議設計をするのですか、こんなものまで。
鬼丸勝之
181
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 住宅公団の場合には大体建築家協会等に頼みまして、特定してやってもらっておるようです。これは御
承知
のように基本設計が住宅公団に大体ありますものですから、それに基づいて今お話のように労働といいますか、労務の提供というのが実態でございますから。ただ新しい構造物を設計させる場合に、営繕
関係
では協議設計を使っております。いわゆる懸賞募集というようなやり方もやったことがございます。その場合は、しかし協議設計に参加した人全部と契約するわけには参りませんので、やはり競争して、何と申しますか、概略の設計構想を出してもらってきまった人と契約する、こういうことになるわけでございます。
田中一
182
○
田中
一君
団体
が二つでも三つでも、あるいはそれ以上できた場合、たとえば要綱の第五ですがね、「必要な
指導
、
助言
及び
勧告
」、これはやっぱり
官僚統制
のにおいが多分にありますよ。この点は何をしようとするのか。それも二日までに、どういう点を
指導
、
助言
、
勧告
の
内容
とするかその構想を出して下さい。少なくとも
建設業法
を守っておる者に対するそんなものはないはずですよ。事故があった場合にはあるでしょうがね。事故に対しては当然ですよ。
鬼丸勝之
183
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 一応ここで考えておりますのは、従来、
建設業者
に対する
指導
、
助言
、
勧告
という
規定
がございますが、これは悪いことをした場合とかあるいは不誠実な行為をした場合に
勧告
できる、あるいは
助言
できるというようなことになっておりまして、非常に範囲が狭いものですから、今回この
建設業者
と新たに法定されました
建設業者団体
につきまして、事前のと申しますか、あるいは
経営
上の改善等についての
指導
、
助言
、
勧告
もできるようにしたらどうかと。それから先ほど田上先生からお尋ねのありましたああいう事故の防止等につきましても、あらかじめ
勧告
をするとかということが必要だろうと思われますので、そういう趣旨で範囲を拡張いたしまして、
建設業者
については
助言
、
勧告
できる範囲を拡張した。
建設業者団体
につきましては、むしろ
団体
が
助言
なり
勧告
、
指導
を受けることを
希望
する場合もまああり得るわけでございまして、これは地方
建設業
審議会でもいろいろ議論されましたが、やはり
建設大臣
なり
都道府県知事
が、積極的に
指導
したり
助言
をしたりする方が
団体
のためにもなるという場合、そういう場合に限ってやろうという趣旨でこの
規定
が設けられたわけでございますから、役所が統制しようとか
団体
を縛ろうというような気持ではないのでございます。
田中一
184
○
田中
一君 先ほど
大林
参考人
が、これは高田君も鬼丸君も聞いておったからわかるでしょうけれ
ども
、七万人からいる
業者
の中で一万八千名が参加しておる、そうしてそのほかに
指導
的な
立場
に立っているものは、大
業者
が六十
業者
くらいだと言っておりました。一万八千人を代表しているうちの六十人が実際に
団体
を牛耳るというのが実体なんです、建設事業協会の場合には。しかしこれが
公共性
断る
工事
はおそらく半分以上消化していると思う。そうしてそれらからの
報告
等が末端の七万人、あるいは一万八千人でもいいが、一万八千人の総意であるということにはならない場合が多々あると思うのですよ。で、これは
建設省
の場合はまだ相当金額の高いものをやるからいいけれ
ども
、地方の市町村に行けばますます低くなってくるのですよ。地方の場合と
建設省
が指名する場合の相手というものが、おのずから
条件
も違えば
内容
も違うし、非常に狂いがあるのですね。そういう点は一体どういう工合に、総意として生かそうとするか、たとえば建設事業協会から
報告
がきた、その
報告
は一万八千人の総意として受け取ろうとするのか。あるいは大
業者
六十社の意思として聞こうとするのか。形式としてはやっぱり
団体
です。
内容
は一万八千人の
内容
として聞くのか。七万人のうちの一万八千人というのは少数ですよ。あなた方の受け取り方はどうなんですか。
中央建設業審議会
には
中小業者
入っておらぬですよ、審議会には。昨年ずいぶんやかましく要求して
労働者
団体
の
委員
は一人入った。しかしほんとの
中小業者
は入っておらぬじゃないか。で、
中央建設業審議会
の
意見
なんだから、地方の
建設業
審議会は別に聞く必要ないわけなんだ。それはやはり代表入れなきゃいかぬと思うのだが、その点どう考えます。
鬼丸勝之
185
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 現在の
中央建設業審議会
には
中小業者
の代表の方も三名
委員
として入っておられます。それから……。
田中一
186
○
田中
一君 どういう人です。
鬼丸勝之
187
○
政府委員
(鬼丸勝之君) もちろん全国
土木建築
総連合の代表として
唐澤
氏も
委員
として入っておられますし、まあ今回の
改正
で特に
専門
的な事柄を
審査
していただくために
専門委員
を置かれるようなことになりますると、
専門委員
としてまあ各界各
専門
家の方をお願いしたいというふうに考えております。
田中一
188
○
田中
一君 今度は二十五になるのか、その
専門
業者
、
総合業者
入れますとね、
業者
は、職種は。そうすると、それは
中小業者
といっても、三名の
中小業者
というとどういう方です。
鬼丸勝之
189
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 三名の
中小
業界
の代表という方は
総合工事業者
の方です。そのほかに左官、電気、管
工事
等の
職別
の代表の方も
委員
として入っていただいております。
田中一
190
○
田中
一君 その
委員
として入っている人はだれですか。電気
工事
だれですか。
鬼丸勝之
191
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 地方から
総合
工事
業の
中小
代表といたしまして秋田の北林さん、それから東京の小川さん、それから広島の藤田さん、それから管
工事
の代表といたしまして坂井さん、それから電気設備
工事
といたしまし三二輪さん、これらの方に
委員
として入っていただいております。
田中一
192
○
田中
一君 電気
工事
なんというものは、三輪なんというのはおそらく何千億か何百億かの
工事
をしております。それから広島の藤田なんというのは
中小業者
じゃないですよ。今日ではもはや年間百六十億ぐらい
仕事
していますよ。そんなもの
中小業者
には入るわけがないですよ。これは将来でいいからお願いしておきますが、一体各地建ではどういう
業者
を指名しているか、
一つ
出してみて下さいよ。指名参加願いというものが出ますね。大体何通ぐらいきていますか。たとえば関東地建で営繕
関係
その他河川、道路
関係
で、その中の、それは今度は
中央建設業審議会
で
審査
するのだろうけれ
ども
、おそらく現在はやっておっていわゆる指名を年に一ぺんでも受けるというものは何人くらいおりますか。
鬼丸勝之
193
○
政府委員
(鬼丸勝之君) 現在
中央建設業審議会
に資格
審査
を請求しておりまする
業者
は約二千社です。これは
大臣
登録
だけでございます。それから地方建築局も毎年春に指名願いを
希望
の
業者
から取っております。そうして名簿を作りまするが、これの数字につきましては今ちょっと手元にございませんので、後ほど御
報告
申し上げたいと思います。
稲浦鹿藏
194
○
委員長
(
稲浦鹿藏
君) ほかにございませんか。——ほかに御質疑がなければ、本日の審議はこの
程度
にとどめたいと思います。 次回は五月二日午前十時から開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十二分散会