○松野孝一君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま
議題となっておる
住宅金融公庫法等の一部を
改正する
法律案に対して、賛成の討論をいたしたいと思います。
この本案での
内容とするところの第一点は、
理事を一名増員するという問題でありますが、これは前の討論者の話にもありました
通り、現在の
住宅金融公庫の
事業量、当局のお話によりますると、もうすでに一千名になんなんとしておる職員を包容しておる。あるいはまた
貸付残高が二千億になんなんとしておるというような状況、非常に
事業量が増大するという点から考えて、やむを得ないことと考えます。
それから第二点におきまして、今まで
公庫は、
公庫住宅の
建設に必要なる
土地の
造成、取得というものに対して
融資をいたしておったのでありますが、これを拡張いたしまして、一般の
住宅用地の取得、
造成並びにその団地における学校とか、あるいは商店とかいうのを
建設するための用地の取得、
造成、そういうものに対しても拡張して、
土地造成等の
資金のワクを拡大する、こういうための
改正でありますが、これも目下の宅地取得を容易にするという
事業からいきまして、まことに適切な処置であります。現に三十六年度は、これがための
計画も従来の二倍、三倍になっておるような状況でありますので、大へん適切な処置だと思います。私といたしましては、極力
計画を完全に実行するように努力していただきたいと希望する次第であります。
次に、
融資利率の増額の問題であります。これが一番問題になったのであります。案によりますと、宅地に関しましては、従来六分五厘を、今度七分五厘にするというのでございます。これはでき得れば、われわれもこの際、
金利を一般に下げるというような、物価高を抑制するという見地からいいまして、なるべくこういうことはやらぬ方がいいというような考えを持ちますけれども、しかしながら現在の当局の
説明によりますと、やはり
住宅の用に供する宅地の取得が非常な困難を来たしておる。郊外
住宅の宅地が、年に二割、三割上がるというような現状からいたしまして、できるだけ早く、また良好なる宅地をできるだけたくさん取得するという必要に迫られておりますので、この際、多少の
金利は上げても、
資金量を増大して、そうして宅地を取得して、そうして必要な人に、それを譲り渡してやるということは、きわめて必要なことだと考えるのでありますので、ただいまのお話によりますと、一部の
金利の引き上げによりまして、その受ける打撃というか、影響というのは、結局坪当たりにすると八十九円という程度にとどまるそうでありまして、現下の宅地の値上がりから見れば、ほんのわずかなものでありますが、まあせめて、一部は値上がりしましても、
資金量が増加してどんどん宅地を取得できれば、むしろ得策じゃないかというふうに考えるのであります。三十六年度の
政府の
計画におきましても、大体二倍、三倍という宅地の取得、
造成ができているようであります。これはぜひとも、できるならば、これでやりたいというふうに私どもは思うのであります。
それから
中高層の建物に対する
貸付金の利率でありますが、これは
住宅分は七分、店舗その他の
部分は七分五厘、一部上がることになりますので、これが大へん問題にされておるのでありますが、われわれも、できれば現行
通りがいいと思いますけれども、
中高層に対する需要というものが非常に大きいという点にかんがみ、なおかつ店舗に対する
部分については、相当利益率もあるし、
市街地のまん中に立つような状況にもありますので、この利益も大きいと考えられますので、むしろ需要に応ずるために、一部上げても、その数量を多くする方が適当じゃないか。
計画におきましても、昨年度よりも倍以上も
計画を大きくしておりますので、私はやむを得ない措置じゃないか、ただ、
住宅の
部分を上
げたという点につきまして、なるほど御非難もあったようでありますけれども、これも、ほかの一般
個人住宅というのに
比較しまして、大へん便利なことであります。また先ほどの話によりますと、これは
個人住宅を乗っけることもできるというようなことでもありますので、この点は、自由がきくという点もございます。この点に関しましては、これを実行する衝に当たりますものは、よく考慮して、
中小企業者も、中には入ることでありますから、その点を十分考慮して、なるべく
住宅を取得するものに有利になるように、特別の配慮をお願いしたいと、こういうふうに思う次第であります。
それから産業労働者
住宅の
建設資金に関しましては、これは
中小企業向けは、従来
通りでありますので、ただ、大
企業向けだけでございます。これが五厘上がるだけでありますので、大
企業の方は、その
事業をやっておるものも、
資金を持っておることでもありましょうし、五厘上がっても大して、その入る労務者あるいは職員等というものに対しては、そう迷惑がかかることはなかろうというふうに思いますが、これも、先ほど問題になっておりました
通り、できるだけ入居者に対して、これがために
家賃が上がるというようなことがないように、極力行政指導をやっていただくということをお願いしたいと思う次第であります。
要するにこれは、今申し上
げた点から、
住宅政策の上からいえば、一般
個人住宅というものは、原資六分五厘のものを五分五厘に下げて貸し付けておるのでありまして、その供給が大
部分を占めておる。それには影響はない。そのほかの災害
住宅とか、あるいはいろいろな項目の
住宅があります。その
住宅には影響はない。今申し上
げたことだけが問題になるのでありまして、なるべくその影響の少ないのを選んだという点で、ただ
資金量を増加して需要に応ずるようにしたという点であります。聞くところによりますと、
資金量は、これをやれば一億何ぼとかの収入があがる。そうしますれば六分五厘の原資の低利
資金で七十数億も余分に取得できるようになるんだというお話でありますので、七十五億を、これだけの小さく上がることによって取得して、そうして需要に応ずるようにした方がいいか、あるいは従来
通りのものにしておいて、しかし七十五億の金は使えないような、
規模を縮小する方がいいかという問題になりますと、この程度のことならば、やはり利率の引き上げをやっても、七十五億の
資金を回転することによって、
住宅あるいは宅地の需要を満たす方が、現状より得策ではないかというふうに考えるわけであります。しかしこの問題に対しましては、その
中高層耐火建築物等につきましては、
中小企業者もあることであります。需要には応ずるのでありますけれども、できるだけ低利になるように、今後とも考慮してもらいたい。それから産業労働者
住宅も、これがために大
企業者が、労務者にこれを転嫁しないように特別の注意を払っていただきたい、こういう希望を申し上げまして、私は、本案に賛成するのであります。