○
参考人(
渡辺喜久造君)
住宅公団関係の方の
資料について御
説明申し上げます。まず第一は、
日本住宅公団機構図でございます。
住宅公団は
本所と
支所に分かれておりまして、同時にその
支所は大きさによりまして多少
機構にも差別がございます。従いまして、それぞれについて
資料として提出しておきました。
本所におきましては、
総裁の下に副
総裁がおります。それから
理事が八人おりますが、そのうち
本所の方に直結しておりますのは五人でございまして、あと三人は
東京、
関東、
大阪、それぞれの
支所長の役を勤めております。それから監事は
建設大臣の任命になっておりますが、別に三名ございます。
理事は
本所所属の
理事はそれぞれ
部門別に一応
仕事の担当をきめてございます。そこにございますように、
総務、
経理、
計画、
建築は現在一人の
理事がやっております。それから
管理、
宅地、こう分かれております。
その
理事機構の下に
各部ができ上がっておりまして、一応そこに部長だけ
名前をあげておきました。
総務部、
経理部、
計画部、
管理部、
宅地部、
建築部、その他に
考査役が別にございます。それぞれの
名前及び直前の
仕事につきましての出身の省といいますか、
仕事といいますか、
民間であれば、その
会社の
名前を一応そこに列記してございます。
なお
公団全体の
仕事を見る上におきまして、
管理委員会の
制度がございます。
委員が五名ございます。この方方の現職あるいは前職が書いてございませんが、
内田委員は現在
東大名誉教授、元
東大総長、
建築の方の
専門の方でございます。それから
細田徳寿氏は元
大分県知事、
中井光次氏は現在
大阪の市長、それから
太田さんは現在
東京都の副
知事、それから
水野成夫さんは産経新聞の社長をしている方であります。
次のページに
東京支所の
機構図が書いてございます。
支所長がおりまして、これは先ほど申しました
山名理事が勤めております。その下に
次長が二人ございます。それから部といたしましては、
総務部、
計画部、
市街地住宅部、
管理部、
宅地部、
建築部と分かれております。なお、
建築部の下には
工事長がございます。さらにこの下に何人かの
工事区長がおります。
各部にはそれぞれの課がございますが、そこまではこれには記載しておきませんでした。
それから、
関東支所、これは
青木理事が
支所長を勤めておりまして、
次長を鴨井さんというのがしております。
総務部、
計画部、
管理部、
宅地部、
建築部、
工事長があることは同じでございます。
なお、
支所に、この
関東支所と
東京支所と非常にまぎらわしい
名前が使ってございますが、
東京地区の
仕事が非常に大きなものでございますので、おもな一応の所轄の分け方といたしましては、
東京と
千葉県、これを
東京支所が受け持っております。それから埼玉県と神奈川県、これを
関東支所が受け持っております。なお、われわれの方で
特定分譲と呼んでおります
会社の
給与住宅などを、われわれの方で分譲する
仕事がございまして、これは
関東支所におきましても、それらの県以外の県に相当わたっておりまして、北海道とかあるいは東北の方を
東京支所が受け持ちまして、信越の方を
関東支所が受け持つとか、一応所管を分けております。
それから
大阪の
支所でございます。これは大体
近畿地方を受け持っております。
支所長をやはり
理事の大森さんがやっておりまして、下に
次長がおり、部といたしましては
総務部、
計画部、
管理部、
宅地部、
建築部、
建築部の下にさらに
工事長を作っている。おおむね
関東支所と同じような姿になっております。
それから
名古屋、
福岡の
支所でございます。
名古屋支所は、右側に書いているのが
名古屋支所でございます。
佐治誠吉さんが
支所長をしております。これは
理事ではございませんで、普通の
職員でございます。
支所長の下に
総務部、
管理部、
事業部、この
三つがございます。それから
福岡支所は九州及び山口県を受け持っておりますが、
支所長はこれもやはり
職員でございまして、役員ではありません。
総務、
管理、
事業、その
三つの部をもっております。以上が
公団機構の概要であります。
それから第二の
資料としまして、
公団の
建設する
団地内利便施設及び
共益費業務内訳という
資料がございます。
まず、
団地内利便施設でございますが、これは
公団が作りまして
賃貸して、そうしてその使用は
賃借りを受けたところでやっているというのが現在の姿でございます。まず、第一が
市役所あるいは各
町村役場の
出張所、これが現在七カ所の
団地にできております。おおむね大きな
団地だけでございまして、例を申しますと、ひばりケ丘でありますとか、あるいは新所沢、それから霞ケ丘、これは
東武線の沿線でございますが、霞ヶ丘、それから小金井の
そばに桜堤というのがありますが、それから
大阪の
香里それから
千葉県に
光ヶ丘というのがあります。それから、
大阪の
池田の近くにさつきケ丘という
団地がありますが、この辺に七個所、
市役所あるいは村役場の
出張所がございます。なおそれに付記しまして、大体どういう
程度で
家賃計算がしてあるかというのがその次の
資金コスト、それから
償還年限、こういうふうな格好で出ております。これをもとにしました
賃貸料で貸しているというわけでございます。それから
警官派出所、
駐在所を現在作っておりますのが十四個所ございます。これは府県の
警察本部あるいは警視庁に
賃貸しております。それから
郵便局、これは
特定郵便局でありますが、これができておるのが五個所ございます。
地方郵便局に
賃貸しております。それから
診療所は
公営のものと
民間のものとございまして、
公営のものが三
団地にございます。それから
民営のものが九
団地にあります。
公営のものは
地方公共団体に
賃貸しておりまして、
地方公共団体が主体となってその
診療所の
経営に当たっているのであります。それから
民営といいますのは、
民間の法人あるいは個人のお医者さんに
賃貸しているものであります。どの
程度の
家賃で
賃貸料を
計算しているかというのは、その次に書いてある
通りでございます。それから
店舗としまして現在四十一
団地に作っております。
店舗に属する
倉庫等を含んでおり、坪数にして約八千百坪あります。
店舗につきましては多少
計算が違っておりまして、
資金コストも高い
計算になっております。おおむね五百戸以上の
団地を目標に
店舗を作るということにしております。それから
電話交換所、
団地電話という
名前をお聞きかどうか知りませんが、現在
電話の数が必ずしも十分でございませんので、
電話交換所を
団地に作りまして、そこへ外線を何本か引いて、そこから
交換機でさらに
団地内の
入居者の方に
電話を引いている、
交換手がおりまして、その切りかえをやるといったようなのが昨年くらいからでき始めました。現在までできておるのが十個所ございます。
電電公社の方との話し合いができまして、その場合におきましては
入居者のまず
組合を作りまして、そうして
入居者の
組合が一応われわれの方との
契約によって
賃借りをする。そして
特定の適当な人を選びまして、その実際の
経営は委託しているというのが現在の
状況でございます。その場合の
賃貸料の
計算の基礎はそこに書いてある
通りでございます。それから
幼稚園が
一つございます。これは
池田の
さつきヶ丘団地でございますが、ここは普通の
公団の
団地というよりも
公団の方で
区画整理による
宅地開発をやりまして、一部
公団が
住宅を作っており、同時に他の
分野には従来の地主さんの
土地もあるわけでありまして、そういった
関係もありまして、
公営の
幼稚園が
一つございます。これは
譲渡しております。十年の
年賦で
譲渡しております。それから
民営の
幼稚園としましては、
賃貸している分が
一つ、
譲渡している分が
一つ。
賃貸している分は常盤平と呼んでおりますが、松戸の
そばにある
金ヶ作の
地域にある分でございます。それから
譲渡しておりますのは多摩平、日野にあるんでございます。いずれも
さつきヶ丘と同じように
団地というだけでなく、
区画整理による
宅地開発をやり、相当大きな五十万坪以上の
宅地開発をやったその
地域の分でございます。
それから小学校は現在までに二十三
団地に二十七校建てております。これは自治省ともよくいろいろ話し合い、さらに文部省とも話し合いまして、一応われわれの方で建てまして三
年賦で
譲渡する。もちろん
地方団体の財政ですぐそれが償還できるわけではございませんで、結局三年の間に
地方債に大体切りかえまして、そうしてその
譲渡を受けるというような
計画でできております。
譲渡が完了するまでは
賃貸をするということになっております。同じようなのが中学校が
一つございます。これは
宅地開発をした
香里の
地区にございます。それから
集会所とか
児童遊園地、
給水施設、
浄水装置、こういうようなものがございます。これは
公団としましては
団地に当然付属する
施設である。特別な小さな
団地は別としまして、ある
程度の
団地になればこれは当然あるべきものだというふうな
考え方で、一応家の
コストと合体して、いわばその
賃貸料は
家賃に含まれているというふうな
考え方でやっております。従いましてこの分について特別な
家賃を取るとかなんとかということを考えておるわけではございません。ただ
集会所につきましては
電灯料とかあるいはガスの使用料とか、そうした直接な使用料が、
管理的なものが要りますから、この分は実費の
計算をもとにした
計算によりまして、一応実費
程度の使用料を使用する人からもらう、こういうことはやっておりますが、
家賃計算の方に入れておりますから、建物の使用料といった意味のものは徴収することはもちろん考えておりません。以上が大体
公団の方で作りまして、そうしてあるいは
賃貸し、
譲渡し、あるいは利便に供しているという
施設でございます。
それから共益費でございますが、共益費をどういうふうに使っておるか。共益費のおもな使用の用途は
団地屋外の清掃、それから浄化槽の消毒、清掃、浄化槽につきましては、
地方団体の
経営している水道を
団地で受けている場合と、それからその利便が得にくいので、さく井をしまして、そうして
団地内で水を得て送っている場合と両方ございますが、水道で供給を受けている場合におきましても一応タンクに入れまして、それを配水するというようなことをしておりますが、これはちょっと間違いました、この浄化槽というのはどっちかというと、上水道の方でございませんで、下水道の方にかかるものであります。御
承知のように
団地相当皆高層
住宅になっておりますので、どうしても水洗便所でないと工合が悪い。しかし現在
団地のできている区域は、大部分が下水道の設備がまだ完備してございません。従いまして
団地限りにおける浄化槽を作っております。その消毒清掃ということの
費用を共益費からやはり出しております。それから厨芥、塵芥の収集処理、これは末端の方は
地方団体にお願いしておりますが、
地方団体で及ばない点は
団地の方でやはり自主的にやっております、という問題が残ります。それから
給水施設の維持
管理、これが先ほどいいましたタンクで水を上げ、それを配るといったような
関係のものでございます。その他に
団地の植樹あるいはその手入れというような問題がございます。その現実にどういう格好でやっておるかということにつきましては、
公団としましては適当な
仕事を請け負ってくれる方があれば、できるだけ請負
契約でこれを処理してもらうということをやっております。必ずしも適当に請け負ってくれる人がない場合がございます。そういう場合はやむを得ず
公団が臨時人夫を雇用いたしまして、これを扱っております。なお共益費の使途につきましては、少なくとも年一回は収入支出を明確にしまして、
入居者の方にお配りして、その
内容をこういうふうに入ってこういうふうに使ったということを見ていただくようにしております。
それから敷金がどれだけあるかという問題が御質問に出ました。そこに一応書いてございますが、三十五年度末で約十五億、それから三十六年度末につきましては、これは一応の予想でごさいますが十八億、運用
方法といたしましては、一部は
公団の方で事務所等の
施設にまあいわば借りるような
考え方で回しまして、そして場合によりましては六%相当額を一応
公団の方の事務費の方から出す、こういう
計算をやっております。それから他の部分は普通の
建設の方の
費用に一応流用しております。毎年資金
計画を立てますときにどれだけの金が要るかということから、
公団の方の手持ちといいますか自己調達できる資金が幾らあるかというものを差し引きまして、その残った金について国の出資あるいは低利資金あるいは
民間資金を借りるということで、全体の操作をやっているわけでございます。その場合に自己手持ち資金というものが幾らあるか、というその
計算の中にこの敷金が一部入るわけであります。利子がどれくらいになるかという問題につきましては、別に他へ貸しているとか何とかいったような意味の運用
方法を取っておりませんで、
公団内部で適宜運用しているわけでございます。その意味における利子相当額というものがはっきりわかるわけじゃございませんが、一応一年定期のまあ六%の利子というものを頭において
計算してみますと、利子相当額がそこに書いてございますように六千九百万円とか八千六百万円とかという
計算にはなると、こういう数字でございます。
それから最後にサービス
会社を作った場合に、一体どういう
仕事をやり、どういう
計画になるかという問題でございます。実はこれなかなかむずかしい問題でございまして、法案が通過いたしませんとわれわれの方としても積極的にその
仕事に着手するということもできませんし、
計画自身も
現状において具体化しているというわけのものではございません。といいますと、何かしら一応の頭にちゃんとしたものを描かなければ、大体こういうこと自身ができないんじゃないかというお話もごもっともでございまして、非常にそこの、まあ具体化すればするほど実はいいんですが、といって法案がまだ通過しない間に具体化するわけにもいかぬ、といってある
程度の具体性を持たなければ法案を
審議できないという矛盾になるわけでございまして、そんなわけできわめてまだ机上で一応考えられたという
程度のものしか現在のところ持っておりません。大体考えております、一応まず頭に浮かんでおりますのが託児所、それから倉庫の問題であります。大体
建設費がこれくらいかかるだろうと、そのほかに
公団の委託業務というものとしまして、先ほどいいました共益費
関係の
仕事、これは必ずしもサービス
会社に独占させるつもりはございませんが、同時に適当の請負業者がない場合、あるいはサービス
会社の方に請け負わした方がいい場合ということを予定しまして、一応そこに新しくまたできまして
管理に入った、
賃貸しに入った場合の
団地の五〇%とか、まあそんなのを一応適当な予想だけに過ぎませんが、やってみますと五千八百万円ぐらいの
仕事があるのじゃないか。それから水道
管理の問題、これは専用水道でございますが、この保守、検針という
仕事も適当な
民間会社に請け負わしたり、あるいは直営したりしている場合もございますが、サービス
会社の方に受け持たしていい分もあるのじゃないか、かように考えております。そのほかに
入居者が負担する小さな修理がございます。これも現在
公団が中間に入りまして、いろいろ付近の業者の人をあっせんしたりいろいろしていますが、こういったのもやはりサービス
会社の
仕事にある
程度入ってくるわけではないか。それからやはり
公団と話し合いで一応その承認を得て模様がえするような
仕事も、多少あるのじゃないかというような
関係で、まあ
事業計画としてこの
程度のものが差し当たり考えられるというふうに考えております。それからなおある
程度あまり広範囲に、収益
事業としていろいろ一手販売とか、いろいろのものを考えているわけではございませんが、まあここに一応掲げておきました換気のファン、これは
団地によっては多少換気ファンを
家賃に込めるような経費で作っているところもございますが、大部分は換気ファンがありませんが、これはある
程度入居者の方で
希望があり、相当の金も出していいというならば、このサービス
会社の方でその
施設を作るといったようなことが考えられていいのじゃないか。あるいは化粧戸棚のようなものも同じことが考えられていいのじゃないかというふうな
考え方でございます。そんなようなわけで、きわめてごくラフな
事業計画しかできていない、具体化しましてさらにこれが詰まっていくべき問題じゃないかと、かように考えております。
それから資金の調達
計画でございますが、これも実は
公団の方の出資としては、大体この
程度の金ということは一応われわれの方で
計算しております。
民間資金の一千万円というものにつきまして、一体それじゃどこからそれの出資があるのだとかといったような問題は、まだ全然どちらともお話し合いはしておりません。ただ一応これぐらいは何とかなりはせぬだろうかという
程度の
考え方でおります。冒頭に申しましたように、法案がまだ御
審議の最中にあまり
民間の方と話し合いもできませんし、具体的な話し合いもできませんし、まあしかし大体この
程度は何とかなりやせぬだろうかと、こういったような
考え方でおるわけでございます。従いましてサービス
会社の
事業、あるいはその経費の
内容、見込みというものにつきましては、われわれが出資、あるいは融資の可能になりました機会に、さらに具体的にこれを練り直していくという問題になるのじゃないかと、かように考えております。従いまして現在一応御要求がございましたので、
資料として出しましたが、きわめてラフなものである、まあラフであらざるを得なかったということを非常に恐縮に存じますが、事情御了承願いたいと思います。以上であります。