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田中一君 この問題は、きのうきょうの問題じゃないのです。もう数年来、四・五年来
大臣がかわるたびに、参議院
建設委員会は超党派で、
国土保全に先行するものは砂防であるという
結論を出しておる。これを決議をして、政府に
反省というか、善処を促しておったのです。
そこで、今
内村委員が言っておるように、河川審議会に答申を求めた原案というものを
——これは河川
局長よく知っておるはずです。一応原案としては尊重をし、また河川審議会には、御承知のように、私が酷評するわけですが、全部
建設省の役人の方々が主として参加しているのです。決して政府の原案に
反対することはできません。そんなことは歴史的にわかっておった。事実そうなんだ。その場合に、山内君よく知っておるように、何とか原案を通してくれ、そのかわり、審議会の答申は、一応政府案というものを支持しながら、
建設大臣自身が、これに対する総合的な調整と申しますか、配分の問題は、もう一ぺん考慮する。これは
委員会でそういう言質をとれなかった。むろん言えるべきものじゃないでしょうが、しかし個人的にはそういう点については十分に話し合って、われわれ
建設委員は了解しておるのです。それで、むろん河川局としては
——こういういみじい言葉を聞いているのですよ。なんといってもわれわれは国会の先生方からいろいろな意味の陳情その他があると、これを聞かないわけにはいかない。砂防の問題は陳情が少ない。目に見える河川改修ということに重点を置いて要請されるから、それももっともだといって聞かないわけにはいかないんだということを、これは山内君だったか山本技監だったか、そういう言葉を聞いているのですよ。確かにそうだと思うのですよ。しかしながら
国土保全のもとになる、先行するものは何かというとやっぱり砂防です。私どもはもう夏になって国会が休会になりますと山へ入って見て歩いているのです。これは
稲浦委員長とか岩沢
委員は、これはもうよく日本全部を知っておりますから、そういうことはしませんけれども、われわれはそうして歩いているのです。そうして、いかにして
災害時に
国土を守ろうかという熱意にあふれているのですよ。文章は、今、
内村委員が言っているように、総合という文字で調整権を
大臣が握るから、これは認めてくれというので通ったのがそれなんですが、これはまあ常に
大蔵省の宮崎主計官なども言っているように、
建設省自身から砂防を重点的にやってくれというような要求がまだなかったということを言っているのです。一昨年の
予算の編成のときにです。しかしながら、赤木砂防協会の常務理事が言っているように、一水系を全部完全に砂防施設を施し完成さすということは、とてもできないというのが
大蔵省の
意見でありましたから、新しい予防砂防というような言葉を発見して、一河川ごとに
一つの砂防施設を実施するという方針に変えたのが、今度の一昨年、昨年三十六
年度に続く砂防
予算の増大なんですよ。
大蔵省自身がもう
国土保全のためには、どうしても砂防が先行するのだということに対する理解を深めてきているのです。ところが
建設省の担当の諸君がその熱意を示さぬということは、宮崎主計官ははっきり言っているのです。私は今度の三十六
年度の
予算の編成にあたっては、
建設大臣に対してあまり追及はできないのは、大体原案ができてから
就任されたといういきさつがありますから言わなかった。
計画は
計画ですよ。また、三十六
年度は、きょうも大平官房長官が言っているように、今まで修正に応じないといっておりますからおそらく応じないでしょう。しかし、本
年度は、本
年度として、明
年度ですね、
建設大臣が砂防
事業に対してどういう
態度をとるか。当然まあ今、政府が言っているように、全部
経済の伸びを考えての政策なんですから、
公共事業全部それなんですから、その場合に直接積極的な
事業じゃありませんけれども、いわゆる防衛的な
事業です、砂防というものは。これに対してどういう
予算措置をしようとするか。おそらくあなたの任期中に三十七
年度予算の原案を作らなければならぬ
——これは失礼ですが、あなたは三年も四年もなさるかもしれないけれども、おそらくあなたの任期中には三十七
年度予算を編成しなければならぬ。その場合にあなたがどういう熱意を示すか、私ども参議院の
建設委員会としてはその
態度が望ましいということです。今ここであなたに三十六
年度の
予算をどうせい、こうせいということはとてもできないと思う。三十七
年度の
予算のときには、これは当初ことしのものはことしのものとして、少なくとも五カ年百億を増して明
年度から計九百三十億円とするという
予算をあなたが自信をもって編成するという言明を得られなければ
建設委員会は砂防
予算の
一つをもって対決しなければならぬと思う。これは山内君、あなたと僕とは再三再四
——私ばかりじゃございません、緑風会の諸君も自民党の諸君も再三再四要請しておる。それはどうにもならぬようなものがおありだと思うけれども、この
国民的な熱意というものにこたえないということはこれはあり得ないですよ。私はあまり
内村君に言わすと、
内村君は血圧が高いから
心配だから
一つ引き受けたんですが、これはほんとうです。私ばかりの問題じゃない、社会党ばかりの問題じゃないのです。これは今すぐに御答弁は求めません。よく河川
局長とも山本技監ともお話の上で
態度を明らかにしていただきたいのです。ことに官房長などはこれはけしからぬですよ。申し上げると、昨年、建政局新設の案を出した。その場合、必ず砂防部設置の法案も一緒にお出しなさい、やりますと約束してあった。今回こうして砂防法を出す。そうして建政局も出しながら砂防部を見殺しにして、そうして建政局だけはどうやら日の目を見ようとした。ところがこれまた池田総理の発言からどうもまた十カ月、まあおそくて十五カ月くらいたたなければ生まれないような状況らしいけれども、これは
建設大臣、この問題全部関連しているんです。われわれは
国土保全のために、少なくとも年間百億以上の金を使う砂防課を砂防部に昇格なさい。これは何もわれわれ
国民の票をもらって議会に出ている人間としても、砂防を行なうところの箇所には人間が住んでおらないのですよ。そのところでも参議院のわれわれ同僚
委員はしなければならぬということを言って要求しているんです。これは今ここではっきりした言葉を言えぬでしょうから、腹をきめて河川
局長並びに山本技監等も各省議で
態度をきめていただきたいのです。官房長だって
責任がありますよ、あなた。