○
説明員(
山内一郎君) それでは、お
手元にお配りしてございます縦に長い、
昭和三十六年
梅雨前線豪雨による
被害概況、これに基づきまして御
説明をいたします。
一
ページ、二
ページに気象の
概況が書いてございまして、今回の
豪雨は
梅雨前線による
豪雨でございまして、それがさらに
台風六号が非常に湿気の多い風を吹き込んで非常な
豪雨を
各地にもたらした、こういうことになっております。一
ページは、二十四日から降り出しました六月一ぱいに
各地に降った
雨量でございまして、二
ページの方は、七月に入りましてからさらに東北、北陸、山陰、
九州、こういう
各地に降った
雨量の
連続降雨量がしるされております。一
ページにごらんいただきますように、五百ミリ以上
連続雨量がございましたところが相当な
個所数に上っております。ここに
県名と地名が一々書いてございますが、
長野県、
岐阜県、
愛知県も大体五百ミリ級、それから
三重県、
兵庫県、奈良県の
大台カ原、
和歌山県、徳島県、高知県、こういうような
各地に非常な豪、雨をもたらし一ております。二
ページの方は、
島根県の出雲市で二百ミリ、これは非常に集中的に降りました雨でございます。
それでは、これらの
豪雨によります現在までに入っております
公共土木施設の
被害、そのうち
河川局の分を御
説明いたします。三
ページの上の方に総括的に
数字が書いてございますが、
直轄災害の
河川関係が三十一億二千七百万円、
砂防関係が一億五千二百万円、
補助の
災害、これは
都道府県からの現在の
被害の
報告額の
集計でございますが、三百三十五億九千二百万円、こういうような
数字に現在相なっておるわけでございまして、なお、
調査の進むにつれまして
増額の
見込みでございます。これらの
内訳につきましては、五
ページ以降に書いてございますので、この表によって御
説明をいたしたいと思います。
五
ページは、
直轄河川の
被害の
状況でございます。
地方建設局ごとに
河川名とそれから
洪水の水位の
関係、その一番右に
被災の
状況、こういうように区分して書いてございます。これらの
河川のうち
被害のひどかった所を取り上げて申し上げますと、
関東地方建設局の
富士川でございますが、これが二十六カ所で三億四千二百万円、こういうようなことになっております。それから
北陸地建の信濃川、これが七千万円、これは長岡の
地先でございますが、非常に危機に瀕しましたが、
水防でやっと食いとめたという
個所でございます。千曲川、十七カ所で一億二千万円、それから
中部地建の狩野川でございますが、これも
下流地帯が非常な
災害を受けたわけでございまして、
上流の三十三災で
復旧いたしました
個所はほとんど
被災がなかった、こういう
状況でございます、二十カ所で一億二千万円。それから
中部地建の一番下に長良川、六
ページに参りまして揖斐川、
木曾川、この三
河川、いわゆる
木曾川
水系の三
河川につきましては、大体
伊勢湾台風とひとしいような
洪水が流れまして百十カ所七億一千四百万円、これも非常に危険な
個所がございましたが、
水防でやっと食いとめた、こういう
状況でございます。次は
天龍川上流でございますが、これが
直轄河川のうち一番甚大な
被害をこうむっております。破堤も相当な延長に上っておりまして、
個所といたしまして三十二カ所十億三千九百万円、こういうようになっております。それから
九州地建の筑後川、これが十三カ所八千二百万円、これらを
合計いたしますと三百二十二カ所三十一億二千七百万円、こういうような現在のところの
被害の
状況でございます。
次は七
ページの
直轄砂防の
被害状況でございますが、
直轄事業でやりました
砂防施設の
被害でございます。これは
総計で三十一カ所一億五千二百万円、これはなお
天龍川等でまだ
被害が判明しない
個所もございますので、相当
増額の
見込みでございます。次は、八
ページを飛ばしまして九
ページに参ります。これは
補助災害の
被害の
状況でございます。県の数にいたしまして三十八の
都府県に上っております。ほとんど全国の県が
被害を受けたというような
状況でございまして、これらの県のうち特に
被害のひどかったところだけを申し上げますと、九
ページの中ごろの茨城県でございますが、これが九百七十五カ所で十一億五千七百万円、それから少し下に参りまして、千葉県も大体十億程度でございまして六百九十六カ所九億九千八百万円、こういうようなことに相なっております。十
ページに参りまして、上から
二つ目の山梨県でございますが、
富士川、釜無川の
水系が
被災を受けまして千三百十四カ所十五億一千二百万円。その次が最も
被害甚大な県でございまして、
長野県でございますが、いわゆる
伊那谷を
中心とした
被害でございまして、三千九百三十八カ所、九十億七千三百万円、これはまだなお
増額する模様でございます。それから
石川県が千七十カ所で九億一千九百万円、
岐阜県が長良、揖斐、
木曾の
水系でございまして、非常に
平野部に雨が降りました
関係上、非常な
はんらんをもたらした
被害でございますが、いわゆる内水で
はんらんをもたらした
被害でございますが、千七百七十三カ所で二十二億一千六百万円。十一
ページに参りまして
静岡県でございますが、
伊豆半島並びに
天龍川の
上流部におきまして
被害が発生いたしまして、千三百九十四カ所で二十六億六千五百万円。次は
愛知県でございますが、千六百七十四カ所で二十億四千六百万円。次は
三重県でございまして、非常に熊野灘に
豪雨をもたらしたという
関係と、
三重県の
北部地帯にも相当な
被害がございまして、千四百三十七カ所、十六億九千四百万円、こういうような
数字になっております。滋賀県も非常に
被害がございまして九百十五カ所、八億六千六百万円、こういうふうになっております。十二
ページに参りまして、一番上の
兵庫県でございますが、
神戸、西宮、尼崎、芦屋と、こういう周辺に
豪雨による
災害がございまして、二千五百二カ所、十六億三千六百万円。それから三つおきまして
島根県でございますが、これが七月に入りましてからの
豪雨による
災害でございまして、二千百二十六カ所、十一億九千二百万円。大体以上のような県が
中心になりまして、ほとんど全国的に
被害を受けて、ただいまのところ
集計は二万八千八十八カ所、三百三十五億九千二百万円、こういうような
数字に上っておるわけでございます。
それから十三、十四を飛ばしまして、
応急措置の
関係でございますが、
被害が非常に激甚でございましたので、六月の二十九日に
建設省に
災害復旧促進本部を設けまして、いろいろ
措置を講じているわけでございますが、六月二十七日から七月二日まで
政務次官が
三重、
岐阜、
愛知、
静岡の各県に行かれております。六月三十日に
建設事務次官が
兵庫県、それから七月一日から五日まで
技監が
長野県、それから四日から六日まで
建設大臣が
長野県にそれぞれ視察をされまして
応急措置を講じております。
公共土木施設の
関係で最も緊要に
措置しなければいけないものは
直轄災害でございまして、これは
予備費から金が出ない以上、
復旧費が全然ないわけでございます。従って非常に緊急を要する
個所につきまして、
予備費から四億二千六百万円、これを
支出をいたしまして、取りあえず
緊急復旧工事を現在
実施をいたしております。
補助災害の
関係はそれぞれここに書いてございますように、
被害の
激甚地に
災害の
査定官を派遣をいたしまして、
被害状況の
調査、あわせまして
応急復旧工法の
指導、こういうことに
全力を現在あげているわけでございまして、できるだけ県の
災害の
準備を急がせまして、
緊急査定を
実施して
予備費から
支出をしたい、こういうつもりで進んでおります。
それから十六
ページに参りまして、(イ)(ロ)(ハ)(ニ)の(ニ)のところでございますが、
緊急砂防事業費の
関係でございますが、これも
建設省に幾分手持ちがございますが、これでは不十分でございますので、
予備費から
支出をはかりたい、こういうことで現在
実情調査に
全力をあげている、こういう
状況でございます。
それから
対策の
関係でございますが、
公共土木施設といたしましては、
直轄災害については先ほど申し上げました
通りでございますし、
補助災害につきましては、さしあたりは
復旧工法の
指導、こういうことに
全力をあげまして、どうしても当面の
復旧資金がないというような
地方の
公共団体に対しましては、
つなぎ融資のあっせんを行なうということにいたしておりますが、現在のところ、まだそういう申し出がございません。各
地方の
大蔵省の財務局によりまして、各
地方の
公共団体ごとにやっておる、こういう
状況でございます。
ロが
緊急査定を早く行なって
予備費を早く出すという問題でございます。
それから次は、
地すべり崩壊のはなはだしい
地域につきましては、
緊急砂防事業費は先ほどの
通りでございますが、三十四年にとりましたような
特殊緊急砂防を
実施することにしたい、こういうつもりで現在、
大蔵省と折衝中でございます。
それからイロハニのニでございますが、
被害のはなはだしい
個所とか緊要な
工事につきましては、できる限りの
復旧の進捗をはかる。特に非常に危険でございます
直轄の
天龍川上流の区域につきましては、来年の
出水期までに何とか
復旧を完了したい、こういうつもりで
予算並びに
事業の
実施を現在やっておる最中でございます。
十七
ページに移りまして、
復旧の
関係でございますが、
被害のはなはだしい
個所の
災害復旧にあたりましては、
一定計画に基づいて
改良復旧を
実施する、こういう方針で
復旧工法の
指導並びに
査定の
準備をいたしております。
それから小
災害の点につきましても、
都道府県の要望がございますが、これは三十四災にもとりましたような、
地方財政によって
措置をしたい、こういうことで大蔵とか自治に現在
協議をいたしておる
段階でございます。
それからなお
水防資器材の問題でございますが、今回の
災害で非常に
水防活動が活発に行なわれまして、相当な
水防資材を使っておりますので、これに対して何とか
補助をしたいというので、現在その数量を
調査中でございますが、
大蔵省とも折衝している
段階でございます。
以上、
河川局の分について簡単でございますが、
説明を終わります。