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1961-09-04 第38回国会 参議院 決算委員会虎の門公園地に関する小委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年九月四日(月曜日)    午前十時四十二分開会    ——————————  出席者は左の通り。    委員長     木内 四郎君    委 員            仲原 善一君            相澤 重明君            山田 節男君            北條 雋八君   説明員    法務省訟務局長 浜本 一夫君    大蔵省管財局長 山下 武利君    ——————————   本日の会議に付した案件 ○虎の門公園地に関する件    ——————————
  2. 木内四郎

    委員長木内四郎君) これより決算委員会虎門公園地に関する小委員会を開会いたします。  前回に引き続きまして質疑を行ないたいと思います。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  3. 相澤重明

    相澤重明君 訟務局長お尋ねしたいと思うのですが、前回まで各小委員から具体的な質疑を行なったのでありますが、その後の情勢として当局側において何らかの処置を講じられたのか、それとも現状については前回以降事情変更はないのか、この点をお答えいただきます。
  4. 浜本一夫

    説明員浜本一夫君) お答えいたします。前回ここにお呼び出しを受けましてから後、私どもも何にも情勢変化を感じておりません。
  5. 相澤重明

    相澤重明君 それでは管財局長お尋ねしたいと思いますが、管材局といたしましても、前回の小委員会以降事情変更なり、あるいはその後の処置について何らか対策を講じたのかどうか、この点についてお答えいただきたいと思います。
  6. 山下武利

    説明員山下武利君) 管財局といたしましても、前回お答えいたしました以後何らの情勢変化を感じておりませんし、また何らの措置をとったこともございません。
  7. 相澤重明

    相澤重明君 それでは他の委員の皆さんにも一度御了解をいただいて、私から二、三まず問題点だけを摘出をして伺ってみたいと思うのですが、そういうことでよろしゅうございましょうか。他の委員の方にこれは一つ御了解いただきたいと思いますが……。(「異議なし」「どうぞ」と呼ぶ者あり)それでは管財局長お尋ねをしておきたいと思うのでありますが、第一に当時の東京都の公園管理が得ておったものと思われるのか、得ておらないと思われるのか。つまり東京都の公園管理が当を得なかったと、こういうふうに考えられるが、管財局長としてはいかがでありますか。
  8. 山下武利

    説明員山下武利君) 昭和二十五年に会計検査院から、本土地が公園として適当に使用されていないのではないか、という決算検査の結果の御推問がありまして、それに基づきまして大蔵省管財局長から建設省都市局長あてに、使用許可条件に違反しているのではないか、ということについての照会をいたしているのでございます。このことから見まして大蔵省といたしましても、使用が必ずしも適正に行なわれていなかった、という認識があったと思うのでございます。
  9. 相澤重明

    相澤重明君 次に第二点としては、当時会社使用方についての手続その他各般について、遺憾の点が多々あったように思われるが、当局側としてはそのようにお感じになっておるかどうか。
  10. 山下武利

    説明員山下武利君) 会社は都から公園用地としてこれを一時使用許可を取りつけたのでございますが、そのときの許可条件としては、木造二階建て建物でいつでも取りこわしできるような構造のものという条件であったにかかわらず、恒久的な建築物建てたということについて、使用に遺憾の点があったと考えているわけでございます。
  11. 相澤重明

    相澤重明君 次に訟務局長お尋ねいたしますが、まさに十年にも近づこうとしている、八年余にわたるこの紛争の問題でありますが、今日の事態に立って裁判所和解勧告を出したことは、時期を得ているとお考えになりますか。あるいはこれはどうも裁判所和解勧告というものはまだ時期を得ておらないと、こう思いますか。私は裁判所和解勧告が時期を得ていると見ているのでありますが、訟務局長はいかがですか。
  12. 浜本一夫

    説明員浜本一夫君) 裁判所がどういうおつもりで和解ということに踏み切られたのか、その間の消息は知る由もないのでありますが、私個人の率直な印象から申しますならば、裁判所本件をここに及んで和解解決したいというお気持を抱かれることも、もっともではないかというふうな気が私もしております。
  13. 相澤重明

    相澤重明君 次に第四番目に両者お尋ねをしたいと思うのでありますが、当時のこの事案については占領下に起きた事案としてでありまして、やむを得なかった点もあろうかと思うのですが、まことに遺憾の点がある。こう考えられるのですが、両者とも、どのようにお考えでありましょうか。
  14. 山下武利

    説明員山下武利君) お説の通りでございまして、占領下いろいろやむを得ない事情があったといたしましても、国有財産がこういうふうに不当に使用されたということについては、大蔵省といたしましてきわめて遺憾に存ずるわけでございます。
  15. 浜本一夫

    説明員浜本一夫君) 私も管財局長と同じ意見であります。何分当時は占領中でありまして、おそらくは私の想像では、当時の情勢としまして各省の間の連絡がうまくいかなかったことから、こういった事態になったのじゃないかと私は想像しておるのであります。
  16. 相澤重明

    相澤重明君 私は以上の四点がこの事案についての中心的な課題であると思います。従ってわれわれ国会においては、いかにして国損を少なくするか、しかも国会の品位を高めていくか、国会決議というものを尊重しつつ事案解決をするかということが、当委員会の私は重要な役目ではないかと思うのです。従って、これらについて私としてはこれ以上この問題を長引かせることでなくて、小委員会としての方向をお互いに話し合って出すべき段階である、こう私は考えるのであります。従って、国会決議を尊重しつつ、国損を少なくするためにこの段階において事案解決をする、こういう方向に進むべきではないかと思うのですが、これは委員長一つお尋ねをしておきたいと思うのですが、委員長はいかがでしょう。
  17. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 私の委員長としての意見は最後に述べた方がいいのじゃないかと思いますけれども、せっかくのお尋ねでありますから、お答えいたします。私も大体相澤委員と同様の考え方でございます。
  18. 相澤重明

    相澤重明君 私は以上ですから、どうぞ各委員から。
  19. 山田節男

    山田節男君 さっきの相澤委員との質問と重複する点がありますけれども、なお私もう一度再確認をしておきたいと思うのですが、本件が、大蔵省のかわりに法務省がその代理として原告になって訴訟を提起したわけですが、その間、中間的に本委員会がこの訴訟案件が国が勝つかあるいは被告が勝つか、どういうような見通しが立つかということを確かめたことがあるのですが、そのときに訟務局長としては勝てる自信がある、これは訴訟を提起してたしか三年くらいたってからのちだったと思うのですが、しかし、それからまあ五年もたって裁判所証人あるいは参考人等を呼んで詳細に審理した結果、いわゆるこの職権による和解を提案したわけですが、先ほど訟務局長からの話があったように、これは占領軍政下における特殊の何というか事件と、こういうことは、われわれに示された当時のこの公園に自動車の修理工場を設けることについての占領軍からの命令書、それに対する東京都、建設省その他の政府代表等が集まって、占領軍命令に対してそれを調達するというか、こういうことにした。先ほど訟務局長の言われておるように、占領軍政下における、しかも無条件降伏軍政下のもとにあってそういう特殊な事件として、これは普通だったならばそういうことは政府としても、東京都としてもそういうことはやらないけれども軍政下のもとであったからそういうことをやったのだという、このことが今回の裁判所和解勧告した一つ原因じゃないかと思うのですけれども。そうしますと、訟務局長が最初に原告、国は必ず勝ちますと言われた当時と、それからのちにおける経過、ついに和解を見るというこのことについて訟務局長がずっとあれから関係していらっしゃるのですが、このことについてのあなたの御意見ですね。裁判所和解勧告をどうのこうのというのじゃないけれども、これはあなたの想像としての、原告としての立場でどういうようにお考えになっておりますか。相澤君に対する答弁と重複しますけれども、その点はどういうふうに考えられておりますか。
  20. 浜本一夫

    説明員浜本一夫君) 今、御質問の中にありましたように、私数年前に勝訴の見込みであるとお答え申し上げた記憶がございますし、もし判決ということになれば今も私はその予想を変えてはおりません。変えてはおりませんが、今おっしゃったような各種の事情から、もし許されるならば公平な第三者として考えた場合に、判決よりも和解の方がいいんじゃあるまいかという感想も、実はまた私は当初から抱いておったのであります。しかし当時の情勢、それからその後、国側としましては和解解決するということには政策としてできませんでありましたので、職責上もちろん和解ということを、こちらから裁判所に対して気配を示したことは一度もございません。今でも判決になるならば勝訴であろうということは私は予想を持っております。  ただし今申し上げましたように、事情許すならば和解解決をつけた方が、公平な第三者から見て一番穏当であるまいか、という感想を実は私は当初から抱いておった。その点も今も変っておりません。
  21. 山田節男

    山田節男君 裁判所から和解勧告した場合に、一応政府としてはその和解に応ずるということになれば、これは大蔵省が主体ですけれども原告として訟務局長として、大蔵省がこういう和解条件ならば応ずるという和解条件を、大蔵省から意思表示をされて裁判所に出されたのか。あるいは和解条項をあなたの方から大蔵省に示してくれということを要求されたことがあるのですか。
  22. 浜本一夫

    説明員浜本一夫君) 私として……
  23. 山田節男

    山田節男君 ええ、あなたが原告になっておるから。
  24. 浜本一夫

    説明員浜本一夫君) 今の段階和解条項案を国から出せということを裁判所から言われたことはございません。幸か不幸か当委員会並びに衆議院の方からのああいった決議がございますので、裁判所も当初は進んで和解勧告ということに踏み切るには、相当なんといいますか困難を感じられたもののようでございます。これは私の経過から考えます想像でございますけれども、それで被告側がしきりに裁判所に申し出まして、どうか裁判所から和解勧告してもらいたい、という被告側の方からの裁判所に対する働きかけがあって、裁判所が動いたと思うのであります。その間の事情は十分私は先ほど申し上げたことと矛盾するようでありますけれども裁判所としてはおそらく和解勧告をしたいと思われたと思うのでありますけれども国会決議があります関係で、裁判所の方から進んで当初和解を勧めるということには踏み切られずに、被告の方から強い働きかけがあって踏み切られたんじゃないか。その間の経過は私はさように想像しておるのでありまして、今の段階ではまだ和解案を出すとか、出せとかというところには参っておりません。何か裁判所の方から、国会の方のあの決議を取り消してもらう方法はないか、というふうなことを打診されたようなこともございますので、まずその上で裁判所は実質的な和解手続に入りたいと思っておられるんじゃないかと思うのであります。
  25. 山田節男

    山田節男君 これは山下管財局長お尋ねするんですけれども大蔵省としては国会のこの案件に対する決議があるから、決議のある限りにおいてはもう和解に応じられないと、まあ負けるか、勝つか、負ければつまり控訴する。こう思います。私はお気持のようにお伺いしておるんですがね。そうしますと大蔵省としてはかりに国会が、ことに小委員会においてどういう結論が出るか、あらゆる実態を今まで調査した結果、これは和解に応ずべし、応ずべきが妥当だということになった場合に、これは大蔵省としたらば欣然、と言っちゃおかしいけれども、とにかくこの小委員会——国会決算委員会でそういうことになれば、大蔵省としてはこれに対して異議を唱えるというようなことはないわけですね。
  26. 山下武利

    説明員山下武利君) 大蔵省といたしましては、常に裁判の結果が最も国に有利なようにあるのにはどういうふうにしたらいいか、ということを考えておるのでございまして、和解ということの方が国にとって有利だということが訟務局長の御判断であるとすれば、それに従っていきたいと思うわけでございます。ただ本件は、衆参両院におきまして原状回復ということの非常に強い御決議がございます関係から、それに沿わないところの和解に応ぜられないという制約があるだけでございます。
  27. 山田節男

    山田節男君 訟務局長にお伺いしますが、これも仮定になりますけれども、この間ここに配られた資料を見るとニュー・エンパイヤの方では和解条件を出しておるように記録がありましたね。これは訟務局長あるいは大蔵省としてもごらんになったのだろうと思うのであります。で、これはかりに和解ということになれば、国は国としてのこれは条件があるに違いないのです。和解に応ずるのが妥当だということになれば、そうすれば具体的に、今度は国としての国損をかけないという範囲の具体的な条件というものが、国は国としてのなにを裁判所に出さなくちゃならぬのですね。これに対する検討をされたことがあるのですか。  それから、もし和解に応ずるとすれば、こういう条件でなくちゃいかぬという原告としてのまとまった考えがありますか。
  28. 浜本一夫

    説明員浜本一夫君) 先ほどお答えいたしましたように、まだ和解の実質に入っておりませんので、私ども考えたこともございませんし、大蔵当局とも打ち合わせをしたことがございません。従ってまだ腹の中にはそういう判断は持ち合わしておりません。
  29. 山田節男

    山田節男君 もう一つ。この今、管財局長に、大蔵省代表しての国有財産管理責任者としてお伺いしますが、この事案に関して、国会決算委員会が当時の利用し得られる資料で慎重に審議したつもりであります。ところがその後の裁判所におけるさらに精密な、証人あるいは書類審査によって、和解という裁判所意思表示があったというこのことに関連して、大蔵省としてはやはり、ことにこの財産は初め内務省のものであって、それが建設省を通じ大蔵省国有財産として移行されたのは昭和二十四年ですか、五年ですか、昭和二十五年でしたね。
  30. 山下武利

    説明員山下武利君) 二十八年六月でございます。
  31. 山田節男

    山田節男君 二十八年六月ですね。そうしますと、この案件原因になった施設等については、これは大蔵省としては関係なかったことなんですか。二十八年の六月に国有財産に登録された以降においては、大蔵省責任にあるわけですね。そこで、大蔵省のまだ管轄外にあった財産に対してこういう事態が生まれた。その時代は、やはりこの占領軍政下という特殊の事情のもとにやられたんだ。従って、被告がいいの悪いのというよりも、当時はもう占領軍要請には絶対応じなくちゃならぬという状況だったわけです。管財局長は不当にこれを使用したと言われるが、たとえば木造建物じゃなくて恒久的な施設をした。それもこの間のあの資料を見ると、ああいう地下タンク、ガソリンを扱うものだから、不燃焼化にしなければならぬとか、あるいはそばの満鉄のビルディングをアメリカが使用しているために、一そうその危険を感じて恒久施設というか、不燃焼施設をやれとやかましく言われましたが、そういう、何といいますか、当時の事情もわれわれの資料でわかっているわけですね。そうすると、不当に使用されたということは、具体的に言えば、ニューエンパイヤが不当に使用したということじやなくて、軍の命令並びに都の、政府の方で協力しているのですから、議にあずかっているのですから、そのことは国有財産が不当に使用されたということは、占領軍が不当に使用した、こういう意味と、二ューエンパイヤが、自分の意思で、具体的にはずるくかまえてそういうことをやったんだという意味と、どっちなんでしょうね。不当に使用されたというあなたの見解ですね。
  32. 山下武利

    説明員山下武利君) お説のように、占領下におきましていろいろとこみ入った事情等もあって、今から考えればやむを得なかったと思われる点があるかとも思うわけでございますが、しかし、少なくとも表面に現われておるところでは、都の使用許可条件といたしましては、木造二階建てということで、しかも一定の期限付き許可をしておるのでございます。許可の切れましたのちに、都知事の方から正式にこれを返還するという要請までしておるのでありますが、それに対して会社の方は、原状回復はできないということで断わっておるというような実情もございまして、そういう点から申しますと、いかにも不当の使用であるというふうに言わざるを得ないわけでございます。
  33. 山田節男

    山田節男君 その点を強調すると、今の裁判所和解ということの、これはまあ裁判所の真意は、もちろんわれわれわかりませんけれども、まあ推測して考えても、やはり占領下という絶対命令下にあってこういうことをやったということは、個人よりも、むしろ当時としては国の代表といっちゃおかしいけれども、やはり国にかわってそういう施設をやらせたのだ。だから都も、建設省も、今の不当の、何といいますか、都からの命令以外の恒久施設をしたり、そういうことについて、われわれは実際そのことを見て、これはけしからぬじゃないか、いわゆるニューエンパイヤはけしからぬという立場で、不当占拠しているというようなことからああいう決議をした。ところがその後における裁判所の八年間にわたるいろいろな調査、審査の結果、今言ったようにこの個人だけじゃないうことでございます。
  34. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 他に御質問ありますか。——ちょっと私は、さっきの山下局長の言われたことに関連して、一応確かめておきたいと思うんだけれども、あなたもさっき山田さんの御質問に対して、表面上から言えば、これこれの条件になっておるから、ニューエンパイヤ処置を非常に不当だということを言っているわけだ。しかるに、書類の上から見ると、そういう点は確かに私はあると思うのですが、何か私どもの見た参考資料によると、ああいう条件を出しておったけれども、当時占領下にあった、資料の非常に不自由な際に、国がいろいろ恒久建築の資材の心配までしてやって建ったというようなこともあったように思うのですけれども、そういうようなことをあれこれ考えると、表面上はそういう条件がついておったが、実際は東京都もあの建築を黙認しておった、というようなふうに私ども書類を読んでおるのですが、そういう点も裁判の際にはいろいろ問題になったのじゃないですか。
  35. 山下武利

    説明員山下武利君) 私の承知いたしておりまするところでは、建築関係東京都の所管でございまして、国が直接それにタッチしておるということは聞いておりません。
  36. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 結局、あなたのところではそれはわからないということですね、結局。  他に御質問ありますか。(「ありません」と呼ぶ者あり)なければ、政府の方は一つ御退場願って、あとは委員だけで一つ懇談いたしたいと思います。  速記をとめて。    午前十一時十八分速記中止    ————————    午前十一時四十一分速記開始
  37. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 速記つけて。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十二分散会